死の淵から
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そして気がついたら あの子は妊娠を・・・」
「何ですって!?」
私は目の前が真っ暗になるのを感じていました。
義父は呆然とする私に語りだしました。
「1年前あの子は本当に抜け殻みたいだった。
やっと少しずつ元に戻り始めたのに・・・
あの男がいる限り あの子は君の元には戻れないんだ。
あの子は心底後悔していた。ずっと自分を責めて・・・
私はそんな あの子を救ってやりたかった」
重苦しい沈黙の中私は ふつふつと湧き上がる。
黒い感情を抑えることは出来なかった。
「お父さん・・・あの男は今どこにいるんですか?」
「勇君もう止めてくれ・・・あの子のことは・・・」
「うるさい!諒子は私の妻だ!
あなた達がもっと早く私に相談していれば、こんなことにはならなかったはずだ!
諒子は、あの男は今どこにいるんですか!?」
私は怒りに心を支配されていました。
そして義父から無理やり あの男の居場所を聞くと、私は会社に一週間の休みを申請し あの男【黒澤勇】のところへ向かうのです。
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黒澤の転勤場所は我が家から車で3時間ほどのところで、義父の兄の所からは1時間ほどのところでした。
私は真っ先に黒澤が勤めている店に行き、敵の顔を始めて確認した時、生まれて初めて人の命を奪いたい衝動に駆られました。
いつも死を隣に感じてきた私です。私は人の死をも、自らに投影し 死と言うものをずっと恐れてきました。
しかし、あの男だけは あの男だけは別なのです。
私の大切な物、ずっと失いたくないものを奪っていった男。
私は あせる気持ちを押さえ、黒澤が店にいることを確認すると諒子がいるはずの家、黒澤と諒子が暮らしているはずの家に向かいました。
黒澤の家はごく平凡なマンションの4階でオートロックも無く、進入するのは容易でした。
しかし、私は直前になって怖気ずいていました。
諒子は私を選んでくれるのでしょうか?
ひょっとして黒澤を愛してしまっているのではないか?
それに子供のことも気になります。
義父の話からだと まだ3ヶ月にはなっていないはずで私は降ろしているいるはずだと思っていても心のどこかでは まだ不安なのです。
部屋に諒子がいるのかどうか確認は出来ませんでした。
私は道を挟んだところにある喫茶店で じっとマンションの方を見ながら黒澤が帰ってくるのを待っていました。
1時間ほど外を見ていると ずいぶんと露出の高い服を着た女性がマンションのほうへと歩いてきました。
何となしに女性を見ていましたが近づいてくるにつれその女性が誰か分かったのです。
間違いなく諒子でした。
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