突然の海外赴任
(3ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
また泣き出したのを見て玄関に向かうと、追い掛けて来た妻は私の足に縋り付き、
「そんな事は絶対に有りません。愛しているのはあなただけです。ごめんなさい。もう少し話だけでも聞いて下さい。」
また居間に戻ると、今度は近くに正座して、昔の事から順に話し出しました。
妻が短大を出て銀行に就職し、初めて配属になった支店に稲垣がいたそうです。
稲垣は、一流大学を出ていて、仕事も出来るのに偉ぶった素振りも無く、話し方もソフトだったので、女子行員に人気が有ったそうですが、
歳も一回り上で既に結婚していた事も有り、妻にとっては恋愛対象ではなくて良き先輩でした。
銀行は、転勤が多く、転勤が仕事だと言う人もいるぐらいだそうですが、妻が私と結婚をして、娘が生まれるまで勤めていた別の支店で偶然また一緒になり、
以前一緒の支店にいた事から お互い親近感を覚え、昼食が一緒になった時や飲み会の時などには、お互いの家庭の事などプライベートな事なども、何でも話せる間柄に成っていきました。
ここでは、2年弱しか重ならずに、稲垣が別の支店に転勤となったのですが、私が海外に赴任した翌月、妻がパートで働いていた支店に支店長として赴任して来て、三度一緒の職場で働く事になったそうです。
稲垣が歓迎会の席上で、今回が初めての単身赴任だと挨拶した事が気になったので、2次会でビールを注ぎに行った時に事情を聞くと、
その時は、子供達の学校の関係だと説明されましたが、その後、妻がトイレにたった時に稲垣もついて来て、相談に乗ってもらいたい事が有るので お開きの後、付き合って欲しいと小声で誘われたそうです。
他の者に誤解されない様に、一旦別れてから待ち合わせた喫茶店に行き、そこで妻は稲垣から、子供達の学校の事情だけでなく、奥さんの浮気が原因で離婚も考えていて、その為の別居の様なものだと打ち明けられました。
「それが可哀想で、身体を使って毎晩慰めてやっていたと言う事か。」
「違います。身体の関係は有りません。本当です。
色々愚痴を聞いてあげたり、相談に乗ってあげたりしていました。
でも、朝まで話しをしていただけなんて信じて貰えないですよね。
誤解されても仕方の無い軽率な行動でした。
あなたに嫌な思いをさせた事は、本当に申し訳無かったと反省しています。
私が愛しているのは あなただけです。
支店長に特別な感情は有りません。
どうか離婚だけは許して下さい。
あなたがいないのを良い事に、あなた以外の男性と2人だけで会っていた事の償いは、例え一生掛かってもさせて下さい。
お願いですから、離婚だけは許して下さい。」
私は拍手をしながら、
「大変良く出来ました。
どうせそれも、あの男に そう言えと言われたのだろ?
それとも おまえが考えたのか?
そうだとしたら立派なものだ。
嘘のつけなかったおまえが、1年半で そこまで平然と嘘が言える様になったとしたら、
余程毎日嘘ばかりついていて、嘘になれてしまい、嘘をつく事など平気な女になったと言う事だな。」
自分自身の保身も有るのでしょうが、妻の必死に話す姿を見ていると、余計に稲垣との只ならぬ繋がりを感じてしまいます。
完全に黒に近い行動をしておきながら、未だに関係を認めない事は自分への保身だけで無く、妻の稲垣を気遣う、稲垣に対しての普通では無い感情を感じてしまいます。
妻は、私と初めて関係を持った時に、痛がりはしましたが出血は有りませんでした。
スポーツなどで破れてしまい、初めての時に出血しない事も珍しくは無いと聞いた事が有りましたし、それ以外にも色々な理由で出血しない事は、よく有ると聞いていたので、
私が初めての男だと言う妻の言葉を信じていましたが、実はそれも嘘で、初めての男は稲垣だったのではないかと勘ぐってしまいます。
処女と思わせる為に わざと痛がり、演技をしていたのではないかとさえ疑ってしまいます。
ただこれは、私と付き合う前の事なら許せますし、本来、許す許さないの問題では無いでしょう。
しかし、私が赴任中にずっと関係を持っていたとしたら、それは許す事など到底出来ません。
「残業だと嘘をついて、あいつと会っていたのだな?」
「はい。」
「休日出勤や役員会だと嘘をついて、あいつと会っていたのだな?」
「はい。」
「友達の相談に乗っていると言った友達とは あいつの事で、朝まであのアパートに2人だけでいたのだな」
「はい。」
「慰安旅行というのも嘘で、あいつと旅行に行ったのだな?」
「・・・・・・・・・。」
妻は、最初から小さな声で返事をしていましたが、この時は更に小さくなり、何を言っているのか聞き取れません。
「明日 銀行に行って他の行員に聞けば、本当に慰安旅行が有ったかどうか分かるから、言いたくなければ それでいい。」
「それだけは許して下さい。銀行だけには行かないで下さい。支店長にも迷惑をかけてしまいます。どうか、それだけは許して下さい。」
この期に及んでも あの男を庇う事が許せず、銀行に行かれる事がそれ程嫌なら、逆に行ってやろうと思いました。
旅行について妻は、
「気晴らしに旅行にでも行きたいが、1人では余計に滅入ってしまうので付き合って欲しいと誘われ、2人で旅行に行きました。
でも支店長に特別な感情は無いし、特別な関係では有りません。当然部屋も別々で身体の関係も有りません。
今になって冷静に考えれば軽率な行動でした。疑われても仕方のない非常識な行動でした。ごめんなさい。許して下さい。」
「既婚者同士が隠れて旅行に行く関係が、特別な関係ではない?
その上、何度もあのアパートに泊まっておきながら、旅行の時だけ部屋を別にしたのか?
あいつがホモでも無い限り、そんな事を信用する奴なんていないだろ。
なのにおまえは、それを俺に信じろと言うのか?おまえが逆の立場なら信じられるのか?」
男と女の間にも恋愛関係でなく、親身になって相談に乗ってやるような、友情だけの関係も存在するでしょう。
また、服の趣味も心境の変化で 変わって行く事は考えられますが、妻の身形は変わり過ぎで、何か余程の事が無いとあれほどの変化は考え難いです。
何より、あれらの下着を持っている説明がつきません。
これだけの疑惑が有りながら、身体の関係は無いと言い張る妻の心理が分かりませんでした。
考えられるのは離婚の時の条件を少しでも良くすることか、離婚して稲垣と再婚した場合の生活を考えて、稲垣の銀行での地位を守っておきたいという事ぐらいです。
嘘をつき通したまま、私と結婚生活を維持して行く事は無理だと分かっていると思います。
残された道が有るとすれば、それは正直に全て話して謝罪し、何年掛かっても償っていく以外無いと思うのですが、妻はそれをせずに、稲垣と自分の保身に走っているとしか思えないのです。
もしかすると、この問題を何とか穏便に済ませ、暫らくしてから性格の不一致とか何とか他の理由を付けて、離婚を切り出すつもりかも知れないという思いまであり、
1番肝心な身体の関係を未だに隠そうとする、妻の話しは何一つ信用する事が出来ませんでした。
私は、強気の態度に出ていますが、それとは裏腹に心の中は心配で仕方がないのです。今まで幸せだった家庭が、壊れていくのが怖くて仕方がないのです。
妻はまた泣き出したので、
「もういい。俺は遠い所から帰って来て疲れている。勝手にいつまでも泣いて、この事から逃げていろ。俺は寝る。」
口では強がりを言っていましたが、この問題を どうしたら良いのか分からずに、眠る事など出来ません。
--------------------
次の日、会社に行ったのですが、そんな事情を知らない上司は、私の疲れきった様子を見て、気候の違いや疲れから体調を崩しているものと思い込み、早く帰ってゆっくり休めと言ってくれたので 銀行に急ぐと、着いた時は閉店間際でシャッターが閉まる直前でした。
銀行に飛び込んで、最初に目に入ったのは妻が書類を運んでいる姿です。
〔どうして智子がいる?まさか、あいつに逢いたいからなのか?それとも、携帯を取り上げたので、あいつと会って今後の事を相談をする為か?〕
私が出勤する時には出掛ける素振りも無く、何の用意もせずに時々思い出した様に、ただ泣いていたので当然仕事は休んでいて、こんな事になった以上、銀行を辞めるものだと思い込んでいた私は一瞬 唖然としましたが、何とか気を取り直し、
「支店長にお会いしたいのですが。」
その言葉で妻が私に気付いて不安そうに立ち尽くしていると、一番奥のデスクにいた稲垣が、横目で妻を見ながら早足でこちらに歩いて来ました。
稲垣は、周囲の目を気にして口だけは平静を装っていましたが、表情は不安でいっぱいです。
「これは、これは、わざわざお越し頂きまして恐縮です。どうぞこちらに。」
本当は、その場で大きな声を出して罵倒したかったのですが、逆に私が名誉毀損で訴えられてもつまらないので、案内された応接室に入りました。
「こちらの銀行では社内不倫について どの様なお考えをお持ちですか?」
「いや、それは、その・・・・・・・・・。」
「人妻の行員を朝までアパートに連れ込む。2人で旅行にまで行く。この様な行員がいたら どの様な処分をしてくれますか?」
すると稲垣はテーブルに両手をついて、
「ご主人には本当に申し訳ない事を致しました。
でも、本当に不倫なんかでは無いのです。
信じて頂けないでしょうが、身体の関係どころか手も握った事は有りません。本当です。
しかし奥様を付き合わせた責任は感じておりますので、大変失礼かと思いますが、誤解を与えた慰謝料という形で償わせて下さい。」
稲垣は、妻が上手く誤魔化してくれただろうと思っていたのか、アパートの事や旅行の話しをした時に、一瞬 驚いた表情をしたのを見逃しませんでした。
この事で、今日は、まだ妻とは何も話し合っていないと感じた私は、鎌をかけてみる事にしました。
「誠実に対応すれば、穏便に済ませようと思って来たが、この期に及んでまだ嘘で塗り固めようとするのか?
分かった。おまえに誠意を期待していた俺が馬鹿だった。こうなれば俺にも覚悟が有る。」
「すみません。しかし、そう言われましても本当に不倫などしてはいません。身体の関係なんて無いのです。」
私は両手でテーブルを叩いて立ち上がり、
「昨夜、女房が全て話したんだよ。アパートに行っては抱かれていたと。
旅行でも抱かれたと話したんだよ。
もう名誉毀損も関係ない。俺はどうなってもいい。
まずは手始めに ここの行員達に、こんな支店長で良いのかと聞いてみる。」
私の言葉を聞き、稲垣は慌てて床に土下座して、
「すみませんでした。
正直に話したかったのですが、ご主人のお気持ちを考えると話せませんでした。
決して自分を守る為に話さなかったのでは有りません。
取り返しの付かない事をしてしまいました。
どうか許して下さい。」
「俺の気持ち?そんな事を考えられる人間なら最初からしないだろ?
ばれたからって、尤もらしい事を言うな。
自分を守る為に、何とか誤魔化そうと嘘ばかりついていて、いざばれたら俺の為に嘘をついていた?
何を食べれば、そんなに自分に都合の良い言い訳が、次から次へと言える様になれる?俺にも教えてくれ。」
私は、ずっと、この事実を知ろうともがいていましたが、いざ認められると私の全てが終ってしまった様なショックを受け、尻餅をつく様にソファーに座り込んでしまいました。
その時ドアがノックされたので、稲垣は慌ててソファーに座りました。
「支店長、ズボンの膝が汚れているぞ。」
床は、きれいに掃除されていたので汚れてはいなかったのですが、私が嫌がらせにそう言うと、慌てて膝を掃いながら、縋る様な目で私を見ています。
若い女子行員がお茶を置いて出て行くと、また床に土下座して、
「ご主人、どうかこの様な事は・・・・・・お願いします。」
「何を?」
何をお願いしたいのか分かっていても、私が素っ気無い返事をしたので、今度は額が床に擦りそうなほど頭を下げました。
「妻から全て聞いたが確認の為に、おまえにも同じ事を訊く。
妻と話が食い違わないように、よく思い出して答えろ。
ただ、気を付けて話した方がいいぞ。
俺にとって何よりも大事な家庭を壊された以上、もう何も怖い物は無い。」
「・・・・・・・・はい。」
「女房とはいつからの関係だ?」
「奥様にして頂いたのが、こちらに赴任して来て3ヶ月ほど経った頃で、結ばれたのは その一ケ月ほど後かと。」
して頂いたというのは何をして貰ったのか聞きたいのですが、妻が全て話したと言った手前聞けません。
「結ばれた?お互い既婚のくせに、独身の恋人同士の様な事を言うな。
\ シェアする /
関連記事
- 汚嫁と不倫した間男の調査で犯罪行為が発覚。それをネタに徹底的に復讐を遂行した。
- 嫁に手を出した問題営業マンを嫁のフリしてメールで釣って罠を仕掛ける事を立案。その瞬間頭の中にメタリカのマスター・オブ・パペッツが鳴り響いた。
- 彼女を寝取った男達に復讐して学校中の晒し者にした
- 子供を残して飲み会に行く汚嫁の浮気発覚に最強の弁護士を迎え制裁を決意した
- 子供を使って盗みをしたキチママが事情聴取で嘘の証言をしていた事が発覚し、自宅凸へ
- たった一つのカメラ盗難がその後起こる大事件の序章に過ぎなかった話
- 過去に嫁の不倫を許した話
- 汚嫁が間男と共謀して俺の子を堕ろした事が発覚
- 出張から戻ってドアを開けると玄関口で妻が土下座していた
- 盆休みキャンセルし彼女のアパートへ合鍵で入ったら、そこには凄まじい光景が
- 急に回数が増えた夫の同期会。離婚そして富豪へ
- 出張中に間男を連れ込んでた汚嫁に屈辱的条件を出し再構築に応じてみた。
- 自分勝手な不倫で離婚した元嫁が復縁を望んでいるようだが俺の再婚の事実を知らない
- 不倫した汚嫁をその後自殺に追い込んだ事がある
- 彼女をレイプしようとした男に社会的制裁を与えようと奔走した
- マンションの騒音トラブルでキチガイに報復
- あまりにブラックな職場にチームで復讐した話
- 性格最悪な彼女にバリカンで丸刈りにされ周到な復讐を練った
- 妻の不倫後,再構築中
- 一度不倫して家を出た嫁が間男に捨てられてたらしい
- 嫁の浮気の現場を目撃し、自分の心が壊れた
- 妻をこれまで調教してきた課長に復讐
- 1000万円以上を間男に貢ぎ、ハメ撮りまでされたあげく、二股をかけられていた事が発覚した哀れな汚嫁
- 汚嫁の不倫現場をおさえ、間男を意識不明の重体になるまでボコボコにした
- 嫁が他人の子を妊娠してしまった
- 水遣り
- 戦い
- たった1通の誤爆メール。いま思えば終わりの始まりだった。
- 本性
- かつて浮気を許した事がある汚嫁のクズさが露呈。娘が入院中に看病にもいかず、浮気相手と3P。
-