バイクで日本一周してる女の子と仲良くなった話
(2ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
16 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:10:08.01 ID:DP/9YheF0
桜木町だろうが何処だろうが居るはずもないのだが、どうやら冬美その人が居るようだ。って言うか、奥尻逝くって有言実行してるから、当たり前といえば当たり前。
周りを見渡すと、土産物屋の店先で上下赤のFOXハケーン!
もう間違いないわ、とっくに俺の存在に気付いチラ見しているみたいだが、何故だか気付かないふりをしている様だ。
うーんどうすっかなー、こっちから行くべきか、来させるべきか・・・俺も冬美もアホかww、さっさと声掛けよっと。
バイクを停めて最短距離で冬美に近づき、挙動不審なFOX 女に声を掛けた。
俺『おう、奇遇だな、こんなとこで何してんだw』
冬美『あっれ譲二さん何でここに そういえば奥尻逝くって行ってましたね 忘れてました あたしも気が向いたんで来て見たんですけど』
俺『昨日の朝言ったこともう忘れんのかよw、まだ芋焼酎残ってんのか?www、それに なんで一息に喋ってんだよwww』
冬美『あたし、べ、別に譲二さんが居るからって来たわけじゃないですYO!』
うっはwwwツンデレktkrwww
俺『まー何でもいーよ、今からキャンプ場探すのマンドクサだべ、俺がテント張ってる場所案内するから付いて来いよ』
冬美『わたしまだキャンプするって決めたわけじゃないですYO!、温泉が近くにある所じゃないとキャンプしたくないんです』
俺『温泉が近くにあるキャンプ場って、この島じゃ自動的に俺が居る場所しかねーんだよ、昨日 観光案内所で聞いたから間違いないYO〜』
冬美『そうなんですか!じゃあ仕方ないかな、・・・・付いていっていいですか』
俺『何だよ その仕方ないって、人に物頼むときの心遣いに付いて小(ry』
冬美『・・・・・スミマセン、連れて行って下さい、おながいします。』
多少の脚色wwはあるが、こんな風に最初の再会を果たした俺と冬美。
この時の俺、もう冬美に惚れかけてたな、間違いない。
17 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:11:49.58 ID:DP/9YheF0
俺『さてどうする、すぐ移動するか?それとも どっか見ていくか?』
冬美『いやー、とりあえずテント張って、それから考えます』
俺『んじゃー行くか、場所は島の反対側だけど、真ん中あたり大体真っ直ぐ行ける道あるから そっちいくべ』
冬美『はい、んじゃ後ろ付いて行きますね〜』
キャンプ場までの最短距離(だと思う)道を行き、出会ってから二回目の千鳥走行だ。
俺が路片側を走り、冬美がセンターライン側だった。
付かず離れず、決して右ミラーの視界から外れる事はない。やっぱり上手いな・・・、安心して前を走れる。
以前から ずっと一緒に走っているような気さえする、確か三十分もしない内にサイトに着いた。
小高い岬の上にテント10張り位で一杯になるくらいのサイトだが、洗面所もトイレも清潔で申し分ない、充分過ぎる位だ。
一番奥の海側に張った自分のテントの前で停車し、そのすぐ後ろに冬美が停まった。
俺が居ない間に札幌ナンバーの四人家族、自転車で来ている若いカップルのが それぞれひと張りずつ増えていた。
冬美『ここですか〜うわー海のすぐ側なんだ!眺めすっごくいいですね!』
俺『んじゃ好きな所にテント張って、それから温泉にでも行くか』
冬美『そうですね、どこに張ろうかな・・・・・』
と言いながら俺のテントの横辺りをガン見してる、曖昧に何かを訴えている冬美ワロスwww。
でも黙って見ているほうが面白いので、マドロス風に水平線を眺めるフリをしてすっとぼける俺。
三分ほど悩んだ末 冬美は結局ちょっと離れた場所に、でも間には もう別のテントが入れない位の微妙な近さにテントを設営した。
俺『さてちょっと早いけど温泉でも行くか、小奇麗だけど高いホテルと、建物は古いけど地元民向けの安いのとどっちにする?』
冬美『もちろん安い方、もー疲れたから観光は明日にしますよ』
俺『一瞬も考えないのなwwwだよなー、んじゃ行くか』
19 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:36:16.50 ID:DP/9YheF0
二台で遊歩道のような迷路のような道を下り、五分ほどで漁港の横にあるローカル御用達の温泉に着いた。
玄関の横に並べてバイクを停め、三十分後にバイクの前で落ち合うことにして温泉に浸かった。
ここは建物も風呂も綺麗ではないが、茶色でしょっぱい日本海側特有(だよな?)の泉質。
秋田や青森の海岸沿いの温泉とよく似た感じだ、不老不死とかあんな感じ(だったと思う)。
海流で繋がる海はもちろん、マクロに視ると陸も繋がっているのだなと感じながら浸かる。
きっかり二十五分後にバイクの前に戻り、五分間をストレッチにあてる。
風呂上りのストレッチは日課なのだ、やるとやらないとじゃ翌朝のキレがぜんぜん違う。
きっかり三十分で冬美はやってきた、
湯上りの時間を守れる女は珍しい、やはり男前だwww
冬美『夕飯どうします?、どっかで買い物して行きたいんですけど』
俺『この辺に店らしい店は無いと思ったな、でも俺が買出ししてあるから大丈夫だYO』
冬美『えーでもまたご馳走になっちゃうのは悪いですよ、今度は私におごらせて貰いたいなあ。』
俺『じゃあビールだけ奢ってくれよ、今夜が道内最後の夜だからな、残った食材で大盤振る舞いだ』
冬美『え・・・、もう帰っちゃうんですか、でもまだ ほとんど何も見てないじゃないですか』
俺『いや、もう見たいモンは見たし、八幡平辺りにもゆっくり寄りたいから、明日の午後には函館から船に乗ろうと思ってんだわ』
冬美『そうですか・・・・、じゃあ また今夜でお別れかあ・・・』
2人とも言葉少なにバイクに跨り、ビールを調達してテントに戻る。
小一時間の間にもう一つテントが増えていた、どうやら俺らと同じバイク旅のようだ。
20 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:39:16.13 ID:DP/9YheF0
サイトに着いて、とりあえず黒ラベルロング缶をカシュンとね。
俺『カンパーイ!』
冬美『はーい、カンパーイ!』
さてと、晩飯の支度だな、あるのはエノキ1パック、ボイル済みホタテ六個、パスタ一袋200g、調味料各種。
少し考えてエノキ半分とホタテ2個をコンソメスープにして、残りをパスタの具にする事に決定。
まずは丸型飯盒に湯を沸かして、真っ二つにぶち折ったパスタを投入。
茹で上がったら適当に湯を切って そのまま放置、フライパンにオリーブ油を少々、エノキとホタテを投入。
クレイジーソルトで下味をつけて、具に火が通ったらパスタをフライパンに投入、少々水っぽいがキニシナイ!
パスタと具を混ぜ合わせて主食は完成、飯盒に残りのエノキホタテと固形コンソメと水でスープ作成。
これで三十分弱ワンバーナークッキング終了、チビチビやってたロング缶が丁度1本無くなった。
冬美『ちょwwwなにその手際の良さwwww嫁にしてえwwww』
俺『嫁とか意味わかんねーよwww、まー一人暮らし長いからな、大雑把な料理は得意なんだよ』
冬美『一人暮らしなんですか?、アパートとか借りて?』
俺『いや俺田舎のでけー農家、しかも4世代10人同居の大家族で育ったからな、狭苦しいアパートなんてハナから無理』
冬美『10人とは また凄いですね、あたし親子三人だったから憧れちゃうなー、じゃあ今は どんなとこに?』
俺『離農した農家をその辺のアパートより安い家賃で借りてるよ、農機具小屋をガレージにしてバイクとクルマ置いてな』
冬美『エー凄い裏山・・・・、あたしはマンションで育ったから・・・・・あーんうらやましい』
俺『冬とか雪寄せで大変だし、いい事ばかりじゃねえぞ。それから正確に言うと一人じゃねえな、ぬこが一匹住み着いてるww』
21 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:41:19.09 ID:DP/9YheF0
冬美『ふーん、ぬこって・・・・動物学的に言うところの、所謂イエネコの事ですよね?』
俺『他にどんなぬこがいるんってんだよ』
冬美『いやその、メタファーとしてのぬことか、かな・・・・と』
俺『なんだよそのメタファーって、高卒ハレ珍で機械屋の俺に分かる様に今北産業で説明汁』
冬美『いや その日本語で言うと暗喩って意味で、あなたが噛んだ小指が痛いとかそんな感じ』
俺『あーなるほどね、女ならいねーよ、ここ一年くらいでウチに入ったのは実の姉ちゃんとお袋だけ』
冬美『いや そんな女がいるかなんて聞いたわけじゃ
あの その私ぬこがいるなら会いに行きたいなとか思ってフジコ』
俺『何で急に点も丸も無くなるんだよwww
来たいんなら来いよ、ぬこもオスぬこだから女っけはカケラもねーYO』
22 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:42:51.36 ID:DP/9YheF0
冬美『ええ!行っていいんですか、居座りますよ私www』
俺『居座るっておい、おまいはそんなに休みあるのか?』
冬美『あれ、言ってませんでしたっけ?私こないだ仕事辞めて日本一周中なんですよ、だから時間は余裕!』
俺『それは初耳だなwww、最初の晩は お国自慢しかしてなかったからな、そう言えば やけに荷物多いと思ってたわww』
冬美『でもまだ始まったばっかりなんですよ、ウチ出て最短で北海道来て、寒くなったら南下しようと思ってるんです』
俺『あーそうなのか、ならいつでも来ていいし、好きなだけいればいーよ』
冬美『九月一杯位は道内に居ようと思ってますから、十月の頭くらいに・・・・、いいですか、本当に行っても?』
俺『おk』
冬美『じゃあ約束ですよ、えっと・・・携帯と、家電の番号も教えてもらっていいですか?』
俺『おk』
そうこうしている内に料理は全て2人の胃袋に納まっていた、
夕日の名残も無くなった頃、昨日セイコマで買ったフォアロゼをどんと置く。
何故かセイコマでフォアロゼだけ異常に安かったんだよwww、湯を沸かしてホットウィスキー?にして2人でガン呑み。
この日は俺が北東北の秋の素晴らしさを暑苦しく語り、身を乗り出して冬美が聞いていた、と思ったな、泥酔してたからイマイチ不正確。
俺『よし、んじゃあれだな、八幡平で待ち合わせすっか?』
冬美『あ、いいですねそれ!、分かりやすい場所に駐車場とかあるんですよね?』
俺『あることはあるけど確か有料なんだよな、アスピーテラインの一番高いとこから秋田側にちょっと下ったとこ、そこにも小さい駐車場あるから そこにするべ』
冬美『おk』
この日もボトルが全て無くなるまで飲み続け、冬美は今度もまた歯を磨き損ねた。
23 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:44:50.40 ID:DP/9YheF0
寝たのは十二時を回っていたが、六時半くらいには起きた。
サスガに頭の芯が重い、水道の水をがぶ飲みし、頭と顔に冷や水を掛けて自分に活を入れる。
日が暮れてから寝床を見つけるのは骨だ、夕方までには青森に着いていたい、あんまり時間が無いのだ。
頭を大雑把にタオルで拭き、キリキリ撤収を始めた。すると冬美のテントからガサゴソ音がし、じきに起きてきた。
冬美『おはようございます、もう撤収ですか、早いですね・・・・。』
俺『おう、日が暮れるまでには青森に上陸したいからな、またここでお別れだな』
冬美『そうですね・・・・、あ、あたしも もう出ますから、すぐ撤収しますね、一緒に出ましょうよ!』
俺『おう、もたもたすんなよ、四十秒で支度しな!』
冬美『四十秒????、いくらなんでも無理ですってwww』
冬美は どうやらラピュタを見たことが無いようだ・・・・・orz
結局三十分くらいで2人とも支度は終わり、さてエンジンをかけようかという時。
冬美『譲二さんは港に直行するんですよね?、じゃあ下の道路に出たところで右と左か・・・・・』
俺『また少しお別れだな、事故にだけは気をつけてな、じゃあ八幡平でな!』
冬美『はい!、必ず行きますから、じゃあ八幡平で!』
下の道路に出て俺は左へ、冬美は右に。
停止線に並んで停まり、最後に目で笑い合って、ほぼ同時にクラッチを繋いだ。
ハモっていたVツインとシングルが遠ざかり、もう俺の耳にはシャベルの音しか聞こえない。
24 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:47:06.85 ID:DP/9YheF0
・・・・・・さて、帰りますかね。
奥尻から江差に行く一番の船に乗り、最短距離をひた走りに函館へ向かう。
昼過ぎ二番くらいの船には乗れたのだが、青森に着いた頃には もうそこから動く気力が無くなっていた。
フェリー乗り場の建物の後ろ側に芝生があったので、そこで そのまま野宿する事にする。
一応気を使って塀際の目立たない場所にテントを張り、風呂にも入らず飯も食わず泥の様に眠った。
やっぱり疲れていたのだろう、でも心地いい疲れだ。
翌朝は四時くらいに起きてしまったのだが、場所が場所なのでそそくさと撤収して出発した。
ここからウチまではボロシャベルで急げば半日くらいだが、世界で一番好きな八幡平にも寄って行きたい。
秋田側からアスピーテラインに上がり、冬美と再会するはずの駐車場で奥羽山脈の山々に見惚れた。
俺はこの駐車場から見る景色が大好きだ、ああやっぱりいいなあここ、何回来てもいいなあ。
寄り道しまくって昼寝などしながらも夕方ぐらいに家に無事着き、小屋にバイクを入れているとぬこがすっ飛んできたwww
居ない間は近所に住む姉ちゃんが毎日カリカリと水をあげに来てくれていたのだ、明日は とうきびチョコを持って礼を言いに行かねば。
虎の子並みにデカイぬこを抱き上げて もふもふしながらウチに入り、シャワーを浴びてビールを飲んだ。
ふー、いい旅だったな、今頃 冬美はどうしてんだろなあ・・・・。
・・・・ここで北海道編は終了、次回からは、ぬこと俺と冬美編
桜木町だろうが何処だろうが居るはずもないのだが、どうやら冬美その人が居るようだ。って言うか、奥尻逝くって有言実行してるから、当たり前といえば当たり前。
周りを見渡すと、土産物屋の店先で上下赤のFOXハケーン!
もう間違いないわ、とっくに俺の存在に気付いチラ見しているみたいだが、何故だか気付かないふりをしている様だ。
うーんどうすっかなー、こっちから行くべきか、来させるべきか・・・俺も冬美もアホかww、さっさと声掛けよっと。
バイクを停めて最短距離で冬美に近づき、挙動不審なFOX 女に声を掛けた。
俺『おう、奇遇だな、こんなとこで何してんだw』
冬美『あっれ譲二さん何でここに そういえば奥尻逝くって行ってましたね 忘れてました あたしも気が向いたんで来て見たんですけど』
俺『昨日の朝言ったこともう忘れんのかよw、まだ芋焼酎残ってんのか?www、それに なんで一息に喋ってんだよwww』
冬美『あたし、べ、別に譲二さんが居るからって来たわけじゃないですYO!』
うっはwwwツンデレktkrwww
俺『まー何でもいーよ、今からキャンプ場探すのマンドクサだべ、俺がテント張ってる場所案内するから付いて来いよ』
冬美『わたしまだキャンプするって決めたわけじゃないですYO!、温泉が近くにある所じゃないとキャンプしたくないんです』
俺『温泉が近くにあるキャンプ場って、この島じゃ自動的に俺が居る場所しかねーんだよ、昨日 観光案内所で聞いたから間違いないYO〜』
冬美『そうなんですか!じゃあ仕方ないかな、・・・・付いていっていいですか』
俺『何だよ その仕方ないって、人に物頼むときの心遣いに付いて小(ry』
冬美『・・・・・スミマセン、連れて行って下さい、おながいします。』
多少の脚色wwはあるが、こんな風に最初の再会を果たした俺と冬美。
この時の俺、もう冬美に惚れかけてたな、間違いない。
17 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:11:49.58 ID:DP/9YheF0
俺『さてどうする、すぐ移動するか?それとも どっか見ていくか?』
冬美『いやー、とりあえずテント張って、それから考えます』
俺『んじゃー行くか、場所は島の反対側だけど、真ん中あたり大体真っ直ぐ行ける道あるから そっちいくべ』
冬美『はい、んじゃ後ろ付いて行きますね〜』
キャンプ場までの最短距離(だと思う)道を行き、出会ってから二回目の千鳥走行だ。
俺が路片側を走り、冬美がセンターライン側だった。
付かず離れず、決して右ミラーの視界から外れる事はない。やっぱり上手いな・・・、安心して前を走れる。
以前から ずっと一緒に走っているような気さえする、確か三十分もしない内にサイトに着いた。
小高い岬の上にテント10張り位で一杯になるくらいのサイトだが、洗面所もトイレも清潔で申し分ない、充分過ぎる位だ。
一番奥の海側に張った自分のテントの前で停車し、そのすぐ後ろに冬美が停まった。
俺が居ない間に札幌ナンバーの四人家族、自転車で来ている若いカップルのが それぞれひと張りずつ増えていた。
冬美『ここですか〜うわー海のすぐ側なんだ!眺めすっごくいいですね!』
俺『んじゃ好きな所にテント張って、それから温泉にでも行くか』
冬美『そうですね、どこに張ろうかな・・・・・』
と言いながら俺のテントの横辺りをガン見してる、曖昧に何かを訴えている冬美ワロスwww。
でも黙って見ているほうが面白いので、マドロス風に水平線を眺めるフリをしてすっとぼける俺。
三分ほど悩んだ末 冬美は結局ちょっと離れた場所に、でも間には もう別のテントが入れない位の微妙な近さにテントを設営した。
俺『さてちょっと早いけど温泉でも行くか、小奇麗だけど高いホテルと、建物は古いけど地元民向けの安いのとどっちにする?』
冬美『もちろん安い方、もー疲れたから観光は明日にしますよ』
俺『一瞬も考えないのなwwwだよなー、んじゃ行くか』
19 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:36:16.50 ID:DP/9YheF0
二台で遊歩道のような迷路のような道を下り、五分ほどで漁港の横にあるローカル御用達の温泉に着いた。
玄関の横に並べてバイクを停め、三十分後にバイクの前で落ち合うことにして温泉に浸かった。
ここは建物も風呂も綺麗ではないが、茶色でしょっぱい日本海側特有(だよな?)の泉質。
秋田や青森の海岸沿いの温泉とよく似た感じだ、不老不死とかあんな感じ(だったと思う)。
海流で繋がる海はもちろん、マクロに視ると陸も繋がっているのだなと感じながら浸かる。
きっかり二十五分後にバイクの前に戻り、五分間をストレッチにあてる。
風呂上りのストレッチは日課なのだ、やるとやらないとじゃ翌朝のキレがぜんぜん違う。
きっかり三十分で冬美はやってきた、
湯上りの時間を守れる女は珍しい、やはり男前だwww
冬美『夕飯どうします?、どっかで買い物して行きたいんですけど』
俺『この辺に店らしい店は無いと思ったな、でも俺が買出ししてあるから大丈夫だYO』
冬美『えーでもまたご馳走になっちゃうのは悪いですよ、今度は私におごらせて貰いたいなあ。』
俺『じゃあビールだけ奢ってくれよ、今夜が道内最後の夜だからな、残った食材で大盤振る舞いだ』
冬美『え・・・、もう帰っちゃうんですか、でもまだ ほとんど何も見てないじゃないですか』
俺『いや、もう見たいモンは見たし、八幡平辺りにもゆっくり寄りたいから、明日の午後には函館から船に乗ろうと思ってんだわ』
冬美『そうですか・・・・、じゃあ また今夜でお別れかあ・・・』
2人とも言葉少なにバイクに跨り、ビールを調達してテントに戻る。
小一時間の間にもう一つテントが増えていた、どうやら俺らと同じバイク旅のようだ。
20 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:39:16.13 ID:DP/9YheF0
サイトに着いて、とりあえず黒ラベルロング缶をカシュンとね。
俺『カンパーイ!』
冬美『はーい、カンパーイ!』
さてと、晩飯の支度だな、あるのはエノキ1パック、ボイル済みホタテ六個、パスタ一袋200g、調味料各種。
少し考えてエノキ半分とホタテ2個をコンソメスープにして、残りをパスタの具にする事に決定。
まずは丸型飯盒に湯を沸かして、真っ二つにぶち折ったパスタを投入。
茹で上がったら適当に湯を切って そのまま放置、フライパンにオリーブ油を少々、エノキとホタテを投入。
クレイジーソルトで下味をつけて、具に火が通ったらパスタをフライパンに投入、少々水っぽいがキニシナイ!
パスタと具を混ぜ合わせて主食は完成、飯盒に残りのエノキホタテと固形コンソメと水でスープ作成。
これで三十分弱ワンバーナークッキング終了、チビチビやってたロング缶が丁度1本無くなった。
冬美『ちょwwwなにその手際の良さwwww嫁にしてえwwww』
俺『嫁とか意味わかんねーよwww、まー一人暮らし長いからな、大雑把な料理は得意なんだよ』
冬美『一人暮らしなんですか?、アパートとか借りて?』
俺『いや俺田舎のでけー農家、しかも4世代10人同居の大家族で育ったからな、狭苦しいアパートなんてハナから無理』
冬美『10人とは また凄いですね、あたし親子三人だったから憧れちゃうなー、じゃあ今は どんなとこに?』
俺『離農した農家をその辺のアパートより安い家賃で借りてるよ、農機具小屋をガレージにしてバイクとクルマ置いてな』
冬美『エー凄い裏山・・・・、あたしはマンションで育ったから・・・・・あーんうらやましい』
俺『冬とか雪寄せで大変だし、いい事ばかりじゃねえぞ。それから正確に言うと一人じゃねえな、ぬこが一匹住み着いてるww』
21 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:41:19.09 ID:DP/9YheF0
冬美『ふーん、ぬこって・・・・動物学的に言うところの、所謂イエネコの事ですよね?』
俺『他にどんなぬこがいるんってんだよ』
冬美『いやその、メタファーとしてのぬことか、かな・・・・と』
俺『なんだよそのメタファーって、高卒ハレ珍で機械屋の俺に分かる様に今北産業で説明汁』
冬美『いや その日本語で言うと暗喩って意味で、あなたが噛んだ小指が痛いとかそんな感じ』
俺『あーなるほどね、女ならいねーよ、ここ一年くらいでウチに入ったのは実の姉ちゃんとお袋だけ』
冬美『いや そんな女がいるかなんて聞いたわけじゃ
あの その私ぬこがいるなら会いに行きたいなとか思ってフジコ』
俺『何で急に点も丸も無くなるんだよwww
来たいんなら来いよ、ぬこもオスぬこだから女っけはカケラもねーYO』
22 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:42:51.36 ID:DP/9YheF0
冬美『ええ!行っていいんですか、居座りますよ私www』
俺『居座るっておい、おまいはそんなに休みあるのか?』
冬美『あれ、言ってませんでしたっけ?私こないだ仕事辞めて日本一周中なんですよ、だから時間は余裕!』
俺『それは初耳だなwww、最初の晩は お国自慢しかしてなかったからな、そう言えば やけに荷物多いと思ってたわww』
冬美『でもまだ始まったばっかりなんですよ、ウチ出て最短で北海道来て、寒くなったら南下しようと思ってるんです』
俺『あーそうなのか、ならいつでも来ていいし、好きなだけいればいーよ』
冬美『九月一杯位は道内に居ようと思ってますから、十月の頭くらいに・・・・、いいですか、本当に行っても?』
俺『おk』
冬美『じゃあ約束ですよ、えっと・・・携帯と、家電の番号も教えてもらっていいですか?』
俺『おk』
そうこうしている内に料理は全て2人の胃袋に納まっていた、
夕日の名残も無くなった頃、昨日セイコマで買ったフォアロゼをどんと置く。
何故かセイコマでフォアロゼだけ異常に安かったんだよwww、湯を沸かしてホットウィスキー?にして2人でガン呑み。
この日は俺が北東北の秋の素晴らしさを暑苦しく語り、身を乗り出して冬美が聞いていた、と思ったな、泥酔してたからイマイチ不正確。
俺『よし、んじゃあれだな、八幡平で待ち合わせすっか?』
冬美『あ、いいですねそれ!、分かりやすい場所に駐車場とかあるんですよね?』
俺『あることはあるけど確か有料なんだよな、アスピーテラインの一番高いとこから秋田側にちょっと下ったとこ、そこにも小さい駐車場あるから そこにするべ』
冬美『おk』
この日もボトルが全て無くなるまで飲み続け、冬美は今度もまた歯を磨き損ねた。
23 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:44:50.40 ID:DP/9YheF0
寝たのは十二時を回っていたが、六時半くらいには起きた。
サスガに頭の芯が重い、水道の水をがぶ飲みし、頭と顔に冷や水を掛けて自分に活を入れる。
日が暮れてから寝床を見つけるのは骨だ、夕方までには青森に着いていたい、あんまり時間が無いのだ。
頭を大雑把にタオルで拭き、キリキリ撤収を始めた。すると冬美のテントからガサゴソ音がし、じきに起きてきた。
冬美『おはようございます、もう撤収ですか、早いですね・・・・。』
俺『おう、日が暮れるまでには青森に上陸したいからな、またここでお別れだな』
冬美『そうですね・・・・、あ、あたしも もう出ますから、すぐ撤収しますね、一緒に出ましょうよ!』
俺『おう、もたもたすんなよ、四十秒で支度しな!』
冬美『四十秒????、いくらなんでも無理ですってwww』
冬美は どうやらラピュタを見たことが無いようだ・・・・・orz
結局三十分くらいで2人とも支度は終わり、さてエンジンをかけようかという時。
冬美『譲二さんは港に直行するんですよね?、じゃあ下の道路に出たところで右と左か・・・・・』
俺『また少しお別れだな、事故にだけは気をつけてな、じゃあ八幡平でな!』
冬美『はい!、必ず行きますから、じゃあ八幡平で!』
下の道路に出て俺は左へ、冬美は右に。
停止線に並んで停まり、最後に目で笑い合って、ほぼ同時にクラッチを繋いだ。
ハモっていたVツインとシングルが遠ざかり、もう俺の耳にはシャベルの音しか聞こえない。
24 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 08:47:06.85 ID:DP/9YheF0
・・・・・・さて、帰りますかね。
奥尻から江差に行く一番の船に乗り、最短距離をひた走りに函館へ向かう。
昼過ぎ二番くらいの船には乗れたのだが、青森に着いた頃には もうそこから動く気力が無くなっていた。
フェリー乗り場の建物の後ろ側に芝生があったので、そこで そのまま野宿する事にする。
一応気を使って塀際の目立たない場所にテントを張り、風呂にも入らず飯も食わず泥の様に眠った。
やっぱり疲れていたのだろう、でも心地いい疲れだ。
翌朝は四時くらいに起きてしまったのだが、場所が場所なのでそそくさと撤収して出発した。
ここからウチまではボロシャベルで急げば半日くらいだが、世界で一番好きな八幡平にも寄って行きたい。
秋田側からアスピーテラインに上がり、冬美と再会するはずの駐車場で奥羽山脈の山々に見惚れた。
俺はこの駐車場から見る景色が大好きだ、ああやっぱりいいなあここ、何回来てもいいなあ。
寄り道しまくって昼寝などしながらも夕方ぐらいに家に無事着き、小屋にバイクを入れているとぬこがすっ飛んできたwww
居ない間は近所に住む姉ちゃんが毎日カリカリと水をあげに来てくれていたのだ、明日は とうきびチョコを持って礼を言いに行かねば。
虎の子並みにデカイぬこを抱き上げて もふもふしながらウチに入り、シャワーを浴びてビールを飲んだ。
ふー、いい旅だったな、今頃 冬美はどうしてんだろなあ・・・・。
・・・・ここで北海道編は終了、次回からは、ぬこと俺と冬美編
\ シェアする /
関連記事
- ガッキー似の女が俺の人生を変えた話
- 童貞と共に人として大切な何かを亡くした話1
- 同棲中の彼女がおっさんと毎週食事に行ってる件
- 俺と14歳年上の嫁との馴れ初め
- 会社一の美女とセク●スした話を聞いてくれ
- 女子が憧れてるらしい「理想のカップル像」の画像を貼っていく
- これから私が今している不倫について書きたいと思います
- 彼女が罪悪感から浮気を告白してきたんだが彼女の裏の顔が発覚
- バレンタインデーが原因で女子に嫌われた話をする
- 職場の人妻との不倫の経緯とその結果
- 浮気した彼女のしらばっくれと逆切れが完全に悪女レベルだった
- 片想いしてたら学校辞めることになった
- 童貞拗らせ過ぎてちょっと女の子と喋っただけで好きになる
- 女の子としたかったやりとり
- めっちゃかわいい子に告られた…
- さっき彼女んち行ったら男が裸で寝てたんだけどwwwww
- 彼女にあーんってされてみたかったなぁ
- 明後日から彼女と旅行なのに連絡がつかない
- たった今、彼女に対して被害届+婚約破棄を言い渡してきた
- 彼女を寝取った友人が死んだ。その後の話
- 遠距離の彼女の家に彼女が毛嫌いしていたタバコの箱が2箱あった
- 彼氏いる先輩♀と酒の勢いでやってしまった経緯
- 27歳人妻と不倫関係になってる
- 倦怠期をどう乗り切るか
- 不倫相手と海外挙式してくる。
- 彼女の過去に3人程セフレがいたことを知った
- 幼馴染とのSEX
- 元カノがうちの会社の入社面接に来た
- 童顔の人妻と肉体関係になった話
- 幼なじみの事が今更気になり始めたので告白することにしたのだが
-