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学生時代、許嫁みたいな存在の子がいた
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20 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)21:58:22 ID:CFHDqKUf7
当然、会社で俺が上司を殴ったのは大問題になった

上司は警察に通報すると騒いでいたけど、会社としては警察沙汰はマズかったようだ

俺は退職金辞退の自主退職という名目で、会社をクビになった

会社を放り出された俺は、何とか仕事を探しながらバイトを掛け持ちした

でも、仕事は中々見つからなかった

バイトを掛け持ちしたとしても生活は苦しくて、少ししかなかった貯金は減って行った

友人と遊びに行くこともなくなり、疎遠になった

それでも必死に仕事を探したけど、現実は甘くなかった

何度面接しても就職は出来なかった

もしかしたら、前の会社に調査をしたのかもしれない

そりゃ、上司を殴り飛ばした男なんて誰も雇うはずもなかった

そんな中、駅にいた時に、気が付けばポケットに入れていた財布がなくなっていた

スラれたのか落としたのかは分からない

でもその財布には、その月の貴重な生活費が入っていた

俺は祈るように探し回った


そして、男子トイレの大便器の中に財布はあった

回収して確認したら、財布の中の金は、全部綺麗に抜き取られていた

俺は財布を洗いながら、ふと鏡で自分の顔を見てみた

俺、泣いてた

自分では気づかなかったけど、涙流してた

何もかもが嫌になって、俺は自殺しようと思い立った



21 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:06:31 ID:CFHDqKUf7
部屋に帰ると、ロープを持って、深夜の公園の木の袂に立った

それを木の枝にひっかけて輪っかを作り、持って来た椅子を踏み台にして首を括った

足元には友人だった男、彼女だった男、上司への恨みを書き綴った遺書を置いた

後は椅子を蹴り倒せば楽になるはずだった

でも、最後の最後で椅子を蹴れなかった

何度も勇気を出しても、どうしても椅子を蹴れなかった

椅子に乗ったまま何度も足を動かしていたら、椅子が倒れた

その瞬間、ロープが一気に首を締めた


けど、ロープをかけた木の枝が細すぎたみたいで、あっさりと折れてしまい、俺は地面に倒れた

咽ながら、俺の頭に浮かんだことは、死への恐怖だった

死のうと思ったのに死にたくないと頭の中で叫んでいた

なんだか無性にそれが悲しくて、悔しくて、情けなくて、誰もいない公園で泣いた

泣きまくった


フラフラとしながら家に帰り、ロープと破った遺書を捨てた

それから数日、俺はバイトをサボって家で呆然としていた

そんな時、ふと頭の中に地元の風景が浮かんだ

俺は残りわずかだった金をポケットに突っこんで、無精ひげを伸ばしたまま電車に乗って地元を目指した



24 :名無しさん :2014/04/14(月)22:19:19 ID:VZYrgTp75
>>21
彼女だった男…?





26 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:20:00 ID:CFHDqKUf7
>>24
ミスだ
彼女だった女だよ



22 :名無しさん :2014/04/14(月)22:10:19 ID:csJ89hhqW
おぅ…


23 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:14:55 ID:CFHDqKUf7
地元の田舎の風景は全く変わってなかった

田んぼばかりの土地

ポツポツ建つ家


当時25歳になっていた俺からすれば、7年ぶりの地元の風景だった

ただ、来た理由はなかった


実家に帰れば、たぶん両親から叩き出されると思った

かと言って知り合いの家に行っても、どうせすぐに両親に連絡されることは目に見えていた

そんな俺の頭に浮かんだのは、A子だった

A子なら、もしかしたら俺を待っててくれてるかもしれない

いや、きっと待ってる

A子と結婚すれば、こんな糞みたいな生活から解放されると思った


とても自分勝手な考えだった

本当に最低最悪の考えだった

自分から放置したA子を、今さら利用しようとした

好きだから会いたいとかじゃなくて、ただ自分の身が可愛くてA子を利用しようとした

でも、当時の俺はそれに罪悪感なんて感じもせずに、A子の家を目指した

幸い俺の風貌は ぼさぼさの頭に無精ひげ、げっそりとした顔と かなり変わっていたから、よく見ないと俺だとは分からなかった

誰にも気づかれることなく、A子の家に辿り着いた



25 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:19:23 ID:CFHDqKUf7
A子の家の門を叩いた

もちろん、そんなことをすればA子の家族と鉢合わせる可能性もあったけど、そんなことを考える余裕なんてのは俺にはなかった

ただA子に会えば何とかしてくれる

そんなバカみたいな考えしかなかった

でも、家には誰もいなかった

どうしてもA子と会う必要があったから、近くで農作業をしていた老婆にA子の所在を聞いてみた

最初は怪しがる目をしていた老婆だったけど、俺はA子の友人で急用だからと無理に聞き出した

すると老婆はようやく言った

『A子さんなら、嫁いでいってその家にはいないよ』

俺は、絶句して立ち尽くした





27 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:29:27 ID:CFHDqKUf7
老婆に適当にお礼を言って、俺はフラフラしながら近くにあった神社の境内にある大き目の石に座った

そして、老婆の言ったことを頭の中で再生していた

その時浮かんだのが、あろうことかA子への怒りだった

何で俺を待ってなかったのか

何で勝手に嫁いだのか

そんなことを思っていた


本当に最低だろ?

未だに自分でも最低だったって自覚している

でも、しばらく考えると、それは全部自分のせいだったと理解した

何もかもを捨てて都会に移り住んで、結局 都会でも全部を無くして地元に戻ってきている自分がとてもバカバカしく思えた

誰もいない神社で声を出して笑ってしまった

でも、笑いが収まった俺に残ったのは喪失感と絶望感だった

俺に残されたのは、死ぬか実家に帰るかの二択だけだった

俺は、恥を忍んで実家に行くことを決めた

例え縁を切られても、しばらくの生活費を援助してもらおうと思った



28 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:36:41 ID:CFHDqKUf7
実家に行き、門の前に立った

飛び出した時は とても小さく見えた実家だったけど、その時はとても大きく見えた

でも、中々門を叩く勇気が出なかった

両親になんて言おうか

両親をどうやって説得しようか

そんな不安を抱えていた


家を飛び出してから、俺は一度も両親に連絡を取ってなかったし、両親からも連絡があることはなかった

たぶん、勘当されてたんだと思う

それでも、ここで引き返すことは出来なかった

もうどうしようもなかった


勇気を振り絞った俺は、震えながら家に呼び鈴を鳴らした

心のどこかで、誰もいないことを願った

でも、呼び鈴と共に家の中からは足音が聞こえてきた

足音からすれば、たぶん母親であることが予想できた

そして、玄関がゆっくりと開いた

でもそこにいたのは母親じゃなかった

向こうも俺が誰だか最初は分かってなかった

そしてすぐに、俺は気付いた

それは、A子だった

A子もまた俺に気付いたようだった


凄く驚いた顔をしたが、すぐに表情を柔らかいものにした

そして微笑みながら、ゆっくりとした口調で言った

『おかえりなさい』

その声と言葉は、A子そのものだった



29 :名無しさん :2014/04/14(月)22:38:04 ID:VZYrgTp75
どういうことだ


36 :ダメ男◆n8dlh1jn0FWE :2014/04/14(月)22:57:13 ID:CFHDqKUf7
嫁いだと聞いていたのに、俺の家にいた

俺は一人っ子だったから、俺の他に嫁ぐ相手なんているはずなかった

俺は動揺して、

A子に『なんでここにいるのか、嫁いだんじゃなかったのか』と聞いた

そしたら、A子は優しい口調で言った

『私は、俺さん以外に嫁ぐつもりはありません。ここに住まわせてもらって、俺さんの帰りを待っていました』

それを聞いて、何でそんなに待ってたのか聞いた

そしたら、『母を亡くした時に、俺さんは私の傍にいてくれました。だから、私も俺さんの傍にいたいとずっと思ってました』って言われた

俺、そっから涙が止まらなくなった

凄く自分が情けなく思えたし、心の底からA子を拒絶したことを後悔した

だから、全部A子に言った


自分がどれだけヒドイことをしたのか

自分がどれだけ卑怯な考えで帰って来たのか

A子は、ただ俺の話を聞いていた

それは、小さい頃からのA子そのものだった

全部言い終わった俺に、A子は言った


『でも、俺さんは帰って来てくれました。私はそれが嬉しいんです。義父さんや義母さん達と話しましょう。私も一緒にいますから』

俺、さらに泣いた

泣きまくった

その間に、A子はずっと俺の手を握ってくれてた

そして農作業に出かけていた家族を二人で待った







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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:純愛, 青春, 結婚,
 

 
 
 
 

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