中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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347 :サボテン:2005/05/19(木) 00:54:55 ID:Z6irFUte
そうこうしていると、昼を回っていた。
昼食をとるために部屋から出ることにした。
「何食べる?私はラーメン食べたいなぁ」と直美ちゃんは言っていた。
ラーメン屋なら知っているところがあったので、そこに行くことにした。
日本企業の海外駐在員がよく食べに行く店だから、それなりに美味しいよ、と自信を持って直美ちゃんにすすめた。
「楽しみだね、まさかロンドンでラーメン食べられると思わなかった」ととて喜んでいた。
昼の混む時間を過ぎていたので、ラーメン屋はすいていた。
店員がやってきて注文を英語で聞いてくる。
「何がいい?チャーシュー麺が美味しいよ」と直美ちゃんにすすめると、直美ちゃんは店員に向かって「チャーシューメン ワン!プリーズ!」と注文していた。
店員にちゃんと伝わったらしく、直美ちゃんは満足げな表情をしていた。
「イギリスの人にラーメンの注文を英語で聞かれるのもなんか面白いね」と、ロンドンのラーメン屋が気に入ったみたいだった。
「日本がこいしい?」と聞かれた。
恋しくないと言えば嘘になる。
最初の頃は言葉が通じないために枕を濡らしたこともあったし、日本人と言うことでスキンヘッドの人に因縁を付けられたりした時もあった。
「恋しいよ。それで寝ながら泣いたこともある」と正直に話したら、直美ちゃんは まじめな顔で「もしかして結構泣き虫?今日の朝も泣いてたし・・・」と心配そうだった。
「そうかな?でも、夜寝るときネガティブな想像して横になるとよく眠れるよ。泣き疲れて寝るような感じでね」と言うと大笑いされた。
「なんか分かるような気がするw」と直美ちゃんは、大笑いした後目を伏せた。
きっと直美ちゃんも何か思い当たる節があるんだろうなと思った。
訳を聞くと空気が重くなりそうになったのでやめた。
いつかきっと、訳を聞いて元気づけてあげたいと思った。
つづく
351 :774RR:2005/05/19(木) 01:55:25 ID:fnJwssIa
>>335
久しぶりに懐かしい話が読めたよ
書き手さん達、今幸せならイイナぁ
388 :サボテン:2005/05/24(火) 00:27:32 ID:y8/uDIXL
ラーメンを食べ終わり店を出ると、空が曇っていた。雨が降りそうだったので、アパートに戻ることにした。
歩きながら色々な話をした。バイクの話がメインだった。未だにタンデムの練習をしてると聞いたとき、一体誰と練習してるのだろう?と嫉妬めいた考えがうかんだ。
恥ずかしくなって考えるのをやめた。日本に帰ったら、直美ちゃんとバイクで走りたい。何度、そう思っただろうか。思いはつのるばかりだった。
途中、スーパーでお菓子や飲み物を買い込んでアパートに帰った。
飛行機の時刻を考えると、あまりゆっくりはしてられなかった。
何もやることが無かったから二人でオセロをしていた。
「何でそんなに弱いの!?だから、最初に角取らなきゃ!」と、何度も言われた。
将棋ならそこそこだが、オセロはからっきしだった。
「そうそう、そこに置けばこことこおがひっくり返るでしょ?」と直美ちゃんは丁寧に熱く教えてくれた。
オセロに飽きて、ラジオを聞きながらぼーっとしていた。
直美ちゃんはトランクの中を確認していた。
なんだか口寂しく思いコーヒーを淹れた。
「コーヒーここに置くよ」と、直美ちゃんの隣にコーヒーを置いた。
直美ちゃんは、少し元気がなかった。イギリスが気に入ってたから帰るのが惜しいんだろうなと思い声をかけた。
「今度は、俺も旅行でイギリスに来たいな。一緒に行こう」と言うと、直美ちゃんはにっこりと笑い頷いた。
窓の外を見ていると、直美ちゃんが後ろから抱きついてきた。二人ともそのまま、何も喋らず沈黙が続いた。
俺も抱きしめたくなり、後ろを振り返って、直美ちゃんを抱いた。
「なんか帰るの嫌だな、ずっとここにいたい」と泣きそうな声で直美ちゃんが言った。
「今度は二人で来よう。まだ俺も見てない所がいぱいあるから」
直美ちゃんは俺の胸に顔を隠しながら、頷いていた。
そうして、しばらく抱き合っていた。
そして、直美ちゃんが俺の唇にキスをした。
キスをしたままどれくらいの時間が流れただろうか?キスをしてる間は何も考えられなくて、ただ直美ちゃんの暖かい唇の感触を感じていただけだった。
つづく
389 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:01 ID:y8/uDIXL
直美ちゃんは、俺の唇に届くようにつま先で立っていたらしく、疲れてきたのか二人一緒にその場で転んでしまった。
「ごめん、何かムードぶち壊しだね」と直美ちゃんが、泣きながら笑った。
そして、また座ったまま抱き合った。
そして何度もキスを重ねた。
が、それから先に踏み込むことは無かった。
きっと、直美ちゃんが日本に帰った後寂しくなってどうにかなってしまうような気がしたからだ。
しばらく座ったまま抱き合っていた。直美ちゃんは眠そうに目をトロンとさせていた。
壁の時計を見ると、そろそろ立たなければならない時間になっていた。
「そろそろ時間だよ」と言うと直美ちゃんは頷いて、渋々と俺に絡めていた腕を解いて、立った。
「今度は日本で会おう!」と元気に俺の肩をたたいた。
直美ちゃんの重いトランクを持ち、部屋の外へ出た。
直美ちゃんは元気な表情だったが、どこか翳りがあるような気がした。
そして、階段を下りて外へ出た。さっきよりまた曇っていた。
こんな天気の日に別れるのは辛かったが、何とか無理矢理元気を絞り出した。
別れは辛いけど、また日本で会えるし、手紙のやりとりだって出来る、と自分に言い聞かせながら歩いた。
つづく
390 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:28 ID:y8/uDIXL
空港に着いて、まだ少し時間があったから喫茶店で少し休んだ。
「来る時はワクワクしながら空港の中歩いてたけど、帰りはやっぱり辛いよね」
直美ちゃんはアイスティー(ミルク?)を飲みながらポツリとつぶやいた。
「だよね。修学旅行で帰るときの雰囲気と似てるよね」
俺が話すと、直ちゃんは「あぁ、分かる分かる!」と元気になった。
それから少し修学旅行の話をしていた。
そして、喫茶店を出た。出たところで直美ちゃんが俺の手を引っ張って言った。
「ねぇ、ここで別れよう。なんか、最後まで二人でいると泣き出しちゃいそうだから・・・」と、もう今にも泣きそうな顔だった。
俺は最後まで見送ろうと思っていたが、俺も涙がこぼれてきそうだった。
「わかった。それじゃ、気を付けて帰ってね。今度は日本で会おう。」
出来るだけ泣かないようにと思ったが、ポロリと流れてしまった。
「泣かないでよ、私も泣いちゃうから」と直美ちゃんは手で目を押さえた。
俺はトランクを床に置いて直美ちゃんを抱きしめた。
そしてキスをした。
人目は気にならなかった。外国だということもあっただろうが、本当に他はどうでも良かった。
「じゃ、日本でね。手紙書くから。バイバイ!」
最後に直美ちゃんは笑顔を見せてくれた。
俺も、笑顔で見送った。
つづく
391 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:50 ID:y8/uDIXL
さっきまで、二人で歩いてきた道を、今度は自分一人で歩いていた。
確かに寂しかったが、日本で会えると思うとそうでもなかった。
外は雨が降っているらしかった。売店で傘を買って外に出ると、結構強く降っていた。
今度は相合い傘もいいかな。と、一人にやけた。にやけながら歩いていると、ふと空しくなった。黙々と歩いた。
むなしさをかき消すように、ばしゃばしゃと水たまりも関係なく歩いた。
途中で、どうでもよくなり傘をゴミ箱に捨てて、濡れながら帰った。
アパートに帰り、ぐしゃぐしゃのまま部屋に入った。やはり、傘を差せば良かったな、と思いシャワー浴びた。
シャワールームの片隅に、見たことのないシャンプーが置いてあった。
直美ちゃんが忘れていったものだった。それを見てまた寂しくなり、やけどをするくらい熱いシャワーを浴びた。
シャワーから出ると、暑くて喉が渇いた。
普段口にすることの無いビールを冷蔵庫から取り出して一気に流し込んだ。
すぐに、脈拍が上がり息が苦しくなる。それもかまわず、また一口飲み込んだ。
苦さに耐えられず、一人顔を歪ませていた。
気付くと、部屋はすっかり真っ暗になっていた。
時計は夜の9時半になっていた。酔い潰れてパンツ一枚で寝転がっていた。
明後日から仕事なのに、俺は何をしているんだろう?そう思いながら、Tシャツを着て机に向かい、日記帳を開いた。
昨日までは楽しいことが書かれていが、その日は寂しさを書かなければならなかった。
それでも、意外にすらすらと書けるもので、ページは3ページになっていた。
日記帳を閉じて、ベットに潜り込んだ。今日の朝まで直美ちゃんが寝ていたベットに入ると、直美ちゃんのぬくもりを感じようと布団を抱きしめてみた。
情けないことに匂いまでかいでしまった。
そして、直美ちゃんのぬくもりを探しながら眠った。
つづく
392 :サボテン:2005/05/24(火) 00:31:52 ID:y8/uDIXL
こんばんわ。間を空けてしまい申し訳ないです。友人が亡くなったので葬式の準備や色々と忙しかったものでなかなか書けませんでした。
きょうはここまでです。
おやすみなさい。
--------------------
493 :サボテン:2005/06/02(木) 01:09:31 ID:jlIyNW40
>>391からの続き
朝起きると、まだ雨が降っていた。
二日酔いで頭が痛かった。飲めもしないアルコールを無理に煽った結果がこれだ。
二度とビールは口にしないと、心に決めつつシャワーを浴びる。
直美ちゃんの置いていったシャンプーが目にとまり、そのシャンプーを使わせてもらった。
直美ちゃんの風呂上がりの時の、いい香りと同じ香りがした。少しニヤニヤしながら髪をガリガリと洗った。
シャワーを浴びて、喉が渇いた。冷蔵庫を開けると、水しかなかった。取りあえず、それを一気に飲み下した。ふーっと、大きく吐いた息にはため息も少し混じっっていたような気がした。
テレビを付けると、乳幼児の育て方のような番組が流れていた。
いつかは・・・、と妄想が始まった。立派な家に、広い庭。そして、俺と直美ちゃんと、その子供・・・。
そんな妄想をしていたが、プツリとそれは切れてしまった。楽しい妄想の変わりに、直美ちゃんがいないという寂しい現実に戻っていた。
何をするわけでもなく、何となくテレビをぼーっと見ていた。そんなことをしていると、あっという間に昼になっていた。
取りあえず、外に出てみた。
外はまだ雨が降っていて、歩道のところどころに水たまりが出来ていた。構わずそれを踏んで歩いてみる。
傘を差してはいたが、あっちの方向に傘をさしていたから、あまり役には立たなかった。
でも、日本に帰れば毎日のように会えるんだよな、大好きな直美ちゃんと大好きなバイクで一緒に走れるんだよな。
歩いていると、何となく前向きな考え方ができていて、笑いながら歩いている自分がいた。
そして、ずぶ濡れのままスーパーで買い物をした。
つづく
494 :サボテン:2005/06/02(木) 01:10:11 ID:jlIyNW40
ひとりカートを押しながら、スーパーの中を歩いていると直美ちゃんと買い物をしたときのことを思い出した。
あぁ、日本でもああやって一緒に買い物できるだろうか。
そう思いながら、色々とカートに商品を入れていく。
そう言えば、いつか日本で、高志と直美ちゃんが買い物をしてる時にバッタリ会ってしまったことを思い出した。
それを考えると少し複雑な気分になったが、考えても仕方ないと思い、そのまま、忘れてフリをして買い物を続けた。
スーパーから出ると、雨は少し小降りになっていた。傘を少し横にずらしてさした。ずらした空間には、妄想で生まれた直美ちゃんがいる。
そして、自分の脳内では、相合い傘をしながら二人で話していた。
情けなく思ったが、自分に忠実になろうと、訳の分からない決心をしていた。
そのまま、妄想で生まれた直美ちゃんと歩きながら部屋に戻った。
そして、一気に現実に戻り、また鬱な空気に包まれた。
スーパーの袋から、ジュースを取り出して、コップに注がずそのまま飲んだ。少し、スッキリしたが歩き疲れたのかそのまま寝てしまった。
起きると夕方の5時半。外は雨はやんでいたが曇っていた。よく眠ったおかげでスッキリした。
今度直美ちゃんに手紙でも書こう。そう思いつつ、夕食の準備をした。
準備と言っても、出来合いのものを火にかけて温めるだけだ。それを食べながら、明日から再開する仕事の準備をした。
一通り準備はできた。
机に向い、いつもの日記を書いた。自分の妄想をニヤニヤと書き込んでおいた。
明日に備えて寝ることにした。
スーパーの帰り道と同じように、ベッドの横は少しだけスペースを残しておいた。
直美ちゃんのためのスペースだった。
つづく
そうこうしていると、昼を回っていた。
昼食をとるために部屋から出ることにした。
「何食べる?私はラーメン食べたいなぁ」と直美ちゃんは言っていた。
ラーメン屋なら知っているところがあったので、そこに行くことにした。
日本企業の海外駐在員がよく食べに行く店だから、それなりに美味しいよ、と自信を持って直美ちゃんにすすめた。
「楽しみだね、まさかロンドンでラーメン食べられると思わなかった」ととて喜んでいた。
昼の混む時間を過ぎていたので、ラーメン屋はすいていた。
店員がやってきて注文を英語で聞いてくる。
「何がいい?チャーシュー麺が美味しいよ」と直美ちゃんにすすめると、直美ちゃんは店員に向かって「チャーシューメン ワン!プリーズ!」と注文していた。
店員にちゃんと伝わったらしく、直美ちゃんは満足げな表情をしていた。
「イギリスの人にラーメンの注文を英語で聞かれるのもなんか面白いね」と、ロンドンのラーメン屋が気に入ったみたいだった。
「日本がこいしい?」と聞かれた。
恋しくないと言えば嘘になる。
最初の頃は言葉が通じないために枕を濡らしたこともあったし、日本人と言うことでスキンヘッドの人に因縁を付けられたりした時もあった。
「恋しいよ。それで寝ながら泣いたこともある」と正直に話したら、直美ちゃんは まじめな顔で「もしかして結構泣き虫?今日の朝も泣いてたし・・・」と心配そうだった。
「そうかな?でも、夜寝るときネガティブな想像して横になるとよく眠れるよ。泣き疲れて寝るような感じでね」と言うと大笑いされた。
「なんか分かるような気がするw」と直美ちゃんは、大笑いした後目を伏せた。
きっと直美ちゃんも何か思い当たる節があるんだろうなと思った。
訳を聞くと空気が重くなりそうになったのでやめた。
いつかきっと、訳を聞いて元気づけてあげたいと思った。
つづく
351 :774RR:2005/05/19(木) 01:55:25 ID:fnJwssIa
>>335
久しぶりに懐かしい話が読めたよ
書き手さん達、今幸せならイイナぁ
388 :サボテン:2005/05/24(火) 00:27:32 ID:y8/uDIXL
ラーメンを食べ終わり店を出ると、空が曇っていた。雨が降りそうだったので、アパートに戻ることにした。
歩きながら色々な話をした。バイクの話がメインだった。未だにタンデムの練習をしてると聞いたとき、一体誰と練習してるのだろう?と嫉妬めいた考えがうかんだ。
恥ずかしくなって考えるのをやめた。日本に帰ったら、直美ちゃんとバイクで走りたい。何度、そう思っただろうか。思いはつのるばかりだった。
途中、スーパーでお菓子や飲み物を買い込んでアパートに帰った。
飛行機の時刻を考えると、あまりゆっくりはしてられなかった。
何もやることが無かったから二人でオセロをしていた。
「何でそんなに弱いの!?だから、最初に角取らなきゃ!」と、何度も言われた。
将棋ならそこそこだが、オセロはからっきしだった。
「そうそう、そこに置けばこことこおがひっくり返るでしょ?」と直美ちゃんは丁寧に熱く教えてくれた。
オセロに飽きて、ラジオを聞きながらぼーっとしていた。
直美ちゃんはトランクの中を確認していた。
なんだか口寂しく思いコーヒーを淹れた。
「コーヒーここに置くよ」と、直美ちゃんの隣にコーヒーを置いた。
直美ちゃんは、少し元気がなかった。イギリスが気に入ってたから帰るのが惜しいんだろうなと思い声をかけた。
「今度は、俺も旅行でイギリスに来たいな。一緒に行こう」と言うと、直美ちゃんはにっこりと笑い頷いた。
窓の外を見ていると、直美ちゃんが後ろから抱きついてきた。二人ともそのまま、何も喋らず沈黙が続いた。
俺も抱きしめたくなり、後ろを振り返って、直美ちゃんを抱いた。
「なんか帰るの嫌だな、ずっとここにいたい」と泣きそうな声で直美ちゃんが言った。
「今度は二人で来よう。まだ俺も見てない所がいぱいあるから」
直美ちゃんは俺の胸に顔を隠しながら、頷いていた。
そうして、しばらく抱き合っていた。
そして、直美ちゃんが俺の唇にキスをした。
キスをしたままどれくらいの時間が流れただろうか?キスをしてる間は何も考えられなくて、ただ直美ちゃんの暖かい唇の感触を感じていただけだった。
つづく
389 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:01 ID:y8/uDIXL
直美ちゃんは、俺の唇に届くようにつま先で立っていたらしく、疲れてきたのか二人一緒にその場で転んでしまった。
「ごめん、何かムードぶち壊しだね」と直美ちゃんが、泣きながら笑った。
そして、また座ったまま抱き合った。
そして何度もキスを重ねた。
が、それから先に踏み込むことは無かった。
きっと、直美ちゃんが日本に帰った後寂しくなってどうにかなってしまうような気がしたからだ。
しばらく座ったまま抱き合っていた。直美ちゃんは眠そうに目をトロンとさせていた。
壁の時計を見ると、そろそろ立たなければならない時間になっていた。
「そろそろ時間だよ」と言うと直美ちゃんは頷いて、渋々と俺に絡めていた腕を解いて、立った。
「今度は日本で会おう!」と元気に俺の肩をたたいた。
直美ちゃんの重いトランクを持ち、部屋の外へ出た。
直美ちゃんは元気な表情だったが、どこか翳りがあるような気がした。
そして、階段を下りて外へ出た。さっきよりまた曇っていた。
こんな天気の日に別れるのは辛かったが、何とか無理矢理元気を絞り出した。
別れは辛いけど、また日本で会えるし、手紙のやりとりだって出来る、と自分に言い聞かせながら歩いた。
つづく
390 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:28 ID:y8/uDIXL
空港に着いて、まだ少し時間があったから喫茶店で少し休んだ。
「来る時はワクワクしながら空港の中歩いてたけど、帰りはやっぱり辛いよね」
直美ちゃんはアイスティー(ミルク?)を飲みながらポツリとつぶやいた。
「だよね。修学旅行で帰るときの雰囲気と似てるよね」
俺が話すと、直ちゃんは「あぁ、分かる分かる!」と元気になった。
それから少し修学旅行の話をしていた。
そして、喫茶店を出た。出たところで直美ちゃんが俺の手を引っ張って言った。
「ねぇ、ここで別れよう。なんか、最後まで二人でいると泣き出しちゃいそうだから・・・」と、もう今にも泣きそうな顔だった。
俺は最後まで見送ろうと思っていたが、俺も涙がこぼれてきそうだった。
「わかった。それじゃ、気を付けて帰ってね。今度は日本で会おう。」
出来るだけ泣かないようにと思ったが、ポロリと流れてしまった。
「泣かないでよ、私も泣いちゃうから」と直美ちゃんは手で目を押さえた。
俺はトランクを床に置いて直美ちゃんを抱きしめた。
そしてキスをした。
人目は気にならなかった。外国だということもあっただろうが、本当に他はどうでも良かった。
「じゃ、日本でね。手紙書くから。バイバイ!」
最後に直美ちゃんは笑顔を見せてくれた。
俺も、笑顔で見送った。
つづく
391 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:50 ID:y8/uDIXL
さっきまで、二人で歩いてきた道を、今度は自分一人で歩いていた。
確かに寂しかったが、日本で会えると思うとそうでもなかった。
外は雨が降っているらしかった。売店で傘を買って外に出ると、結構強く降っていた。
今度は相合い傘もいいかな。と、一人にやけた。にやけながら歩いていると、ふと空しくなった。黙々と歩いた。
むなしさをかき消すように、ばしゃばしゃと水たまりも関係なく歩いた。
途中で、どうでもよくなり傘をゴミ箱に捨てて、濡れながら帰った。
アパートに帰り、ぐしゃぐしゃのまま部屋に入った。やはり、傘を差せば良かったな、と思いシャワー浴びた。
シャワールームの片隅に、見たことのないシャンプーが置いてあった。
直美ちゃんが忘れていったものだった。それを見てまた寂しくなり、やけどをするくらい熱いシャワーを浴びた。
シャワーから出ると、暑くて喉が渇いた。
普段口にすることの無いビールを冷蔵庫から取り出して一気に流し込んだ。
すぐに、脈拍が上がり息が苦しくなる。それもかまわず、また一口飲み込んだ。
苦さに耐えられず、一人顔を歪ませていた。
気付くと、部屋はすっかり真っ暗になっていた。
時計は夜の9時半になっていた。酔い潰れてパンツ一枚で寝転がっていた。
明後日から仕事なのに、俺は何をしているんだろう?そう思いながら、Tシャツを着て机に向かい、日記帳を開いた。
昨日までは楽しいことが書かれていが、その日は寂しさを書かなければならなかった。
それでも、意外にすらすらと書けるもので、ページは3ページになっていた。
日記帳を閉じて、ベットに潜り込んだ。今日の朝まで直美ちゃんが寝ていたベットに入ると、直美ちゃんのぬくもりを感じようと布団を抱きしめてみた。
情けないことに匂いまでかいでしまった。
そして、直美ちゃんのぬくもりを探しながら眠った。
つづく
392 :サボテン:2005/05/24(火) 00:31:52 ID:y8/uDIXL
こんばんわ。間を空けてしまい申し訳ないです。友人が亡くなったので葬式の準備や色々と忙しかったものでなかなか書けませんでした。
きょうはここまでです。
おやすみなさい。
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493 :サボテン:2005/06/02(木) 01:09:31 ID:jlIyNW40
>>391からの続き
朝起きると、まだ雨が降っていた。
二日酔いで頭が痛かった。飲めもしないアルコールを無理に煽った結果がこれだ。
二度とビールは口にしないと、心に決めつつシャワーを浴びる。
直美ちゃんの置いていったシャンプーが目にとまり、そのシャンプーを使わせてもらった。
直美ちゃんの風呂上がりの時の、いい香りと同じ香りがした。少しニヤニヤしながら髪をガリガリと洗った。
シャワーを浴びて、喉が渇いた。冷蔵庫を開けると、水しかなかった。取りあえず、それを一気に飲み下した。ふーっと、大きく吐いた息にはため息も少し混じっっていたような気がした。
テレビを付けると、乳幼児の育て方のような番組が流れていた。
いつかは・・・、と妄想が始まった。立派な家に、広い庭。そして、俺と直美ちゃんと、その子供・・・。
そんな妄想をしていたが、プツリとそれは切れてしまった。楽しい妄想の変わりに、直美ちゃんがいないという寂しい現実に戻っていた。
何をするわけでもなく、何となくテレビをぼーっと見ていた。そんなことをしていると、あっという間に昼になっていた。
取りあえず、外に出てみた。
外はまだ雨が降っていて、歩道のところどころに水たまりが出来ていた。構わずそれを踏んで歩いてみる。
傘を差してはいたが、あっちの方向に傘をさしていたから、あまり役には立たなかった。
でも、日本に帰れば毎日のように会えるんだよな、大好きな直美ちゃんと大好きなバイクで一緒に走れるんだよな。
歩いていると、何となく前向きな考え方ができていて、笑いながら歩いている自分がいた。
そして、ずぶ濡れのままスーパーで買い物をした。
つづく
494 :サボテン:2005/06/02(木) 01:10:11 ID:jlIyNW40
ひとりカートを押しながら、スーパーの中を歩いていると直美ちゃんと買い物をしたときのことを思い出した。
あぁ、日本でもああやって一緒に買い物できるだろうか。
そう思いながら、色々とカートに商品を入れていく。
そう言えば、いつか日本で、高志と直美ちゃんが買い物をしてる時にバッタリ会ってしまったことを思い出した。
それを考えると少し複雑な気分になったが、考えても仕方ないと思い、そのまま、忘れてフリをして買い物を続けた。
スーパーから出ると、雨は少し小降りになっていた。傘を少し横にずらしてさした。ずらした空間には、妄想で生まれた直美ちゃんがいる。
そして、自分の脳内では、相合い傘をしながら二人で話していた。
情けなく思ったが、自分に忠実になろうと、訳の分からない決心をしていた。
そのまま、妄想で生まれた直美ちゃんと歩きながら部屋に戻った。
そして、一気に現実に戻り、また鬱な空気に包まれた。
スーパーの袋から、ジュースを取り出して、コップに注がずそのまま飲んだ。少し、スッキリしたが歩き疲れたのかそのまま寝てしまった。
起きると夕方の5時半。外は雨はやんでいたが曇っていた。よく眠ったおかげでスッキリした。
今度直美ちゃんに手紙でも書こう。そう思いつつ、夕食の準備をした。
準備と言っても、出来合いのものを火にかけて温めるだけだ。それを食べながら、明日から再開する仕事の準備をした。
一通り準備はできた。
机に向い、いつもの日記を書いた。自分の妄想をニヤニヤと書き込んでおいた。
明日に備えて寝ることにした。
スーパーの帰り道と同じように、ベッドの横は少しだけスペースを残しておいた。
直美ちゃんのためのスペースだった。
つづく
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