2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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「娘さん下さい!」って言いに行くww
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164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:51:22.86 ID:4QDc0c6v0
以下にはユウの過去を書く。


何他人のエピソード書いちゃってんの?死ぬの?と思うかもしれないが俺はこの一連の話で一つの転機を見出した。

だからユウとの事を書くにあたってこの話は必要不可欠なんだ。

分かってください・・。



167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:54:18.93 ID:4QDc0c6v0
俺は当時ユウは生まれつき耳が聞こえないものだと思っていた。

というか耳が聞こえない人に対する認識が それだった。

でも最初に言ったようにユウは五歳のとき聴覚を失った。

ユウの両親は離婚している。

離婚したのはユウが失聴した後、すぐに、だそうだ。

元から不仲だった両親。

その影響もあってユウは塞ぎがちな子だったらしい。

父親はいわゆるダメ親父。

結婚して分かった大量の借金。

仕事も二転三転していたようだ。

特に娘であるユウに八つ当たりをすることもあったという。

そしてXデー。

日常茶飯事の夫婦の口論の最中、父親はユウを突き飛ばした。

その反動でユウは床に思い切り頭をぶつけた。

大丈夫?と駆け寄った母親の胸元ユウはで「やー!!!やー!!!やー!!」と泣き叫んだという。

心配した隣の住人がチャイムを鳴らすほどの大きな声だったという。



169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:55:47.34 ID:4QDc0c6v0
そして急に目を閉じて泣き止んだ。揺すっても起きない。

最悪の事態が起こったと母親は救急車を呼んで病院に駆けつけた。

幸い命に別状はなく安心したのもつかの間、母親は離婚届を突きつけたようで。

もちろん養育費の請求も同時にな。

父親は当初 断ったようだが裁判の話になると すぐに承諾をしたらしい。

外傷は特に見受けられなかったユウは すぐに幼稚園へと復帰。

しかし しばらくして周囲は異変に気がついたという。

元々無口な子であり、話しかけらても無視をすることもあったようで。

ユウが失聴していることに気がつくのには結構な時間が掛かったみたいだ。

母親はすぐに耳鼻科に駆けつけた。





178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:02:49.15 ID:4QDc0c6v0
様々な検査の末の診断。

頭部の打撃、もしくは高度のストレスからか・・。

根本的な原因は分からなかった。

後者であれば『突発的失聴』と言って、最近だと歌手の浜崎あゆみなんかが そうなったよな。

大抵は肩耳だけらしいが稀に両耳に訪れることもあるようだ。

物心ついているような人には この突発型は はっきりと何時どこで何をやっているときに聞こえなくなったのかが、分かるらしいので明確だが、五歳のユウにその判断は出来ない。

見た目は全く変わらない娘が声を聞き取ることが出来なくなっているなんてと。

ひどく落ち込み自分を責めたという。

共働きであったが故に娘に構ってあげられなかったことなど直接的原因ではないことまでを責めたという。

同時にこれから どうやって生活をしていけばいいのか・・。

最悪の行為にも出ようとしたらしいが それを思いとどまらせたのはユウ本人だったみたい。



180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:04:28.81 ID:4QDc0c6v0
貯金と別れた父親からの養育費。そして母親の稼ぎで生活は成り立ってはいたが 如何せん精神的に限界だった。

娘に何を話しかけても反応してくれない。

せっかく二人での生活がスタートしたのにと・・。

仕事のない日はボーっと映画を見ることが多くなったようだ。

高校生の頃所属していた映画研究会。社会人、そして主婦になってからは見る機会も少なくなった映画。

意気揚々と見るのではなく それくらいしかやる気がなかったという。

このまま心中をしようかと考えながら眺めることが多かったと言っていた。


ある日、ホラー映画を見ていたという。内容なんて頭に入ってこない。ただボーっと眺めるだけ。

そこにふと腕に重みを感じたという。

おもむろに首を曲げるとユウがしがみついていた。



184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:07:26.14 ID:4QDc0c6v0
険しい顔をしている・・が視線はテレビ画面。

「ユウ?どうしたの?」

当然話しかけても答えはない。

ないはずなのに「こわい」と答えたそうだ。

幼稚園生が見るには恐ろしい映像が流れているのだ。怯えて当然だ。

映画館なんかでカップル(笑)がホラーなんかを見て彼女が彼氏の腕にしがみつく、そんなベタなシーン。まさにその状態。

怖いから誰かを頼りたい。ユウが頼ったのは紛れもない・・母親だった。

母親はユウを泣きながら思いっきり抱きしめたという。

この子には私しかいない。そんな当たり前の考えが当たり前に出来なかった自分を情けなく思う気持ちと娘を愛おしく思う気持ち。一気に押し寄せたんだと思う。


それから映画を見るたびにトコトコとユウは母親の傍で眺めていたという。

理解しているいないは重要じゃなかったと母親は言う。

そして休みの日は決まって一緒に映画を見るようになった。

ミュートにして、字幕だけを二人で追ったという。

娘と同じ目線でモノをみるようになった。

さらに凄いことに、母親はユウの映画に対する理解の有無は問わずに娘と見る前に一度ビデオを見て字幕を全て書き写し振り仮名を付けた紙を用意したという。

今の映画好きは母親譲りだったんだなw



190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:14:07.56 ID:4QDc0c6v0
小学校は普通小学校に入学をした。

障害者に対するある程度の理解と内容があったからだった。

それに将来的に「ろう者」と位置づけられるか「難聴者」と位置づけられるかは今のところどの小学校に通ったかで分類されてしまうらしい。これは母親の意向が大きかった。

小学校に入学。

低学年1〜3年までは学校の対応も そしてユウ自身の勉強も順調だった。

昨今大学の講義で見られるノートテイクはなかったが黒板に書かれた文字、そして教科書を目で追えば十分だった。

しかし四年になると勉強の複雑化からクラスに追いつけなくなり軽度のイジメが起こった。

いずれは起こる事態だと母親は そこまであたふたしなかった。イジメもひどくはなく担任からの注意で収まる程度だった。

しかし勉強がダメ。

担任も大変面倒見がいい人だったのだが限界はある。

そして五年生にあがると同時に俺より一年先に例の塾に通いだす。



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:21:22.93 ID:4QDc0c6v0
しかし一向に改善されない。

面談の時に渡される学習プラン表には「よく出来ています」「GOOD」なんて書かれているもののいまいち納得が出来ない。

まぁ、酷いもんだよ。適当だったもの、あの塾。

しかしユウの母親は気の弱い人なのか、長い目で見ようと思ったのか。ユウ自身も行きたくないとも言わないので通塾を続行させた。


そして一年が経ち・・未だに四年生の範囲が終わっていない。さすがに母親は辞めようと思ったと言う。

六年生になり四月分の月謝を払ってしまったので五月から休会をしようと思っていた。

その矢先に俺が登場したわけだ。

「じゅくたのしい」

その一言で母親は満足だったという。

それに自主的に勉強をし始めた娘の姿に感動のあまり倒れそうになったともw

塾から帰ってくるたびに俺のことを話していたと。


聞いていて正直こっぱずかしかったw

中学校も出来るならば公立に行かせたかったようだが。

障害に対する訓練の充実を重視すべきだということから ろう学校に入った。

そして今に至る。





206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:23:06.88 ID:4QDc0c6v0
俺は一時間弱話を聞いていたと思う。

人の話をダラダラと聞くのは好きなほうではないのだが聞き入った。

もっと詳しく聞かせてほしい気持ちもあったが「ユウの方は平気かしら?」という母親の一言で俺が何しにここに来たのかを思い出した。

「すいません!」と言ってユウの部屋に戻った。

「終わった?」

机を見るとユウの頭が乗っていた。

近づいても気づかない。

そっと傍に寄って見た。

「すぅ・・すぅ・・」

と小さな寝息を立てている。

あちゃ・・寝ちゃったのかよwと思いそっとテキストを手に取った。

指定した問題の先もこなしていた。

丸付けすると ほぼ満点。

俺が教えていない範囲の問題も ほぼ満点。

文法、知識的な部分を除いてはね。



209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:27:54.82 ID:4QDc0c6v0
ここで疎い俺は気づいた。

考えてみれば英語を教えてなんて おかしな話なわけで。

映画を英語字幕で見ることも出来るし結構難しい英語のテキストもなんなくこなしていたしね。

家庭教師なんてのは俺と会う口実だ、たぶん。

(自意識過剰でさーせんw)


ユウは好意以上のものを俺に抱いているのではないかと・・。

でも同時に無理だと思っていた。

歳が離れている。

これは表面上の言い訳。

本当は、俺はこの子を支えてあげられるほど強くないってこと。障害を理解するのとは別の話だ。



しばらくするとユウが目を覚ました。

机に押し付けられたほっぺたが赤くなっていた。



212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:30:27.12 ID:strTKhqnO
やばい泣ける

仕事中なのに


213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:31:12.37 ID:U0heHJxiO
久しぶりの良スレで涙腺崩壊しそう…


215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:32:12.34 ID:4QDc0c6v0
俺は おもわず笑ってしまった。

「ねてた?」

「うん」

俺はテキストを彼女に渡す。

「せんせがこないからたよ」

「ごめん」


俺は彼女に帰ると告げた。

いつものように玄関まで見送ってくれた。

普通は会話をして帰って行くんだけど俺は無言だった。

一度だけ後ろを振り返った。

ユウの姿はない。しかしすぐに何かを抱えて戻ってきた。

「せんせ、これ」

その日はバレンタインデーの数日前。白い包装に包まれたチョコだった。

「ありがとう」

いつも以上に口をはっきりと開けユウにお礼を言った。

生まれてこの方バレンタインチョコなど貰ったことが ほとんどない俺はここでテンションマックスwwになって然るべきところ。

でもこの時は重かった。例え義理チョコだとしても。

ユウは俺の言葉に照れたように笑う。

「せんせ、きょうもありがとう」

「うん」

いつもなら手を振って帰るのに それ以上は何も答えずに玄関を出てしまったのを思い出す。







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