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涙の色は赤がいいだろ?
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47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:29:15.09 ID:msabUvV8.net
そしたらさ、笑っちゃうよ、頬を赤くしながら、「ど、どうしたんですか急に」だってさ。

その顔があまりにも可愛かったから、俺は もう少しだけからかうことにした。

「いや、その通りかもしれないと思ったんだ。一緒にいるのが楽しいから、話を続けていたいから否定してるのかなと思ってな」

「そ、そうですか…… ありがとうございます……」

なぜか少し伏し目がちに彼女はそう言った。

その顔に俺は、冗談だとも言えなくなり、しばらく沈黙が続いた。



48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:31:08.03 ID:msabUvV8.net
沈黙を破ったのは携帯が鳴る音だった。

携帯を開くと、今日のバイトの終わりを告げるメールがそこにあった。



49 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:31:38.26 ID:msabUvV8.net
毎回思うんだが、バイトが終わる時間は、一体どういう基準で決められているんだろうか?

いつも終わる時間はバラバラで、何の規則性もない。どこかで俺を見張って時間を決めているんだろうか?

そう思って周りを見渡したが、そんなことができるような場所は、どこにもなかった。



50 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:33:00.06 ID:msabUvV8.net
「どうしたんですか?」

急にキョロキョロした俺を見て不思議に思ったんだろう、彼女がそう聞いてきた。

「いや、なんでもない……」

そう言おうとして、一つアイデアが浮かんだ。

もしここで この子に、このバイトのことを相談したら、きっといい解答を導き出してくれるのではないだろうか。

今までの会話からわかったことだが、この子は頭がいい。

その目は いつも真実を見透かしているように見えた。そんな彼女なら何かわかるかもしれない。



51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:33:32.61 ID:msabUvV8.net
バイトのことは口外するなと言われている。

だが、まわりに監視がいるわけでもなさそうだし、ここで話してもバレることはないだろう。

それにいくら割がいいとはいえ、俺はこのバイトのことを不気味に思い始めていた。

さっき監視はいなさそうと言ったが、監視がいないなら一体何のためにこんなことをしているんだ?

いい加減はっきりさせるべきなのかもしれない。バイトを続けるにしても辞めるにしてもだ。

その足がかりにでもなるならと、俺は彼女に相談することにした。





52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:34:06.62 ID:msabUvV8.net
「なぁ、相談があるんだけど、いいか?」

意を決して彼女にそう聞いた。

「相談ですか…… いいですよ、私で力になれることなら何でも言ってください」

彼女は力強い目でそう言ってくれた。

「実は……」



53 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:34:35.62 ID:msabUvV8.net
俺はバイトのことを全部彼女に話した。

俺が話している間、彼女は驚きながらも、黙って話を全部聞いてくれた。

「なるほど……」

話が終わると、彼女は一言そう言った。

「不思議な話ですね」

「それで、どう思う? このバイトについて」

俺は彼女に解答を求めた。



54 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:35:30.02 ID:msabUvV8.net
「そうですね、今考えられる可能性は三つですかね」

「三つ?」

「はい。一つ目は誰かがここを監視して、何か実験を行っているという可能性です」

「だがそれは――」

「はい、辺りを見渡したところ、監視できるような場所はありません。だからこの可能性は低いでしょう」

俺の言葉を遮って彼女は話した。



55 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:35:58.59 ID:msabUvV8.net
「二つ目は ただのイタズラという可能性です」

「だけど、お金が実際に振り込まれたんだ。イタズラの可能性は低いんじゃないか?」

イタズラのために金を振り込むとは とても思えないし、そんな奴がいたら馬鹿としか言いようがない。

「そうですね、この可能性も低いでしょう」



56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:36:24.51 ID:msabUvV8.net
「そして最後三つ目は、あなたが嘘をついている可能性です」

「俺は嘘なんかついて――」

「知ってます。あなたは嘘をつくような人じゃありません。よってこの可能性はゼロです」

また、彼女が俺の言葉を遮って、そう言った。その声には少し力がこもっているように感じた。



58 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:37:22.20 ID:msabUvV8.net
「じゃあ、結局……」

「はい、お手上げですね。全然わかりません、そのバイトが何のためにあるのか」

彼女は肩をすくめてそう言った。

「そうか……」

「すみません……お力になれなくて」

「いや、仕方がないさ」

そう、仕方がないんだ。

いくら彼女とはいえ、こんな少ない情報で、こんな訳の分からない謎を解けるわけがない。



59 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:37:48.12 ID:msabUvV8.net
「とりあえず、今日はもう帰りましょうか。もう終了のメールが来たんですよね?」

「ああ」

「もし、また何か新しいことがわかったら言ってください。力になれるかはわかりませんが」

「いや、ありがとう。そうするよ、とても心強い」

実際、彼女ならそのうち、この謎を解いくれるんじゃないかという気がしていた。

「それじゃあ、さようなら……」

「ああ、また明日」

さようなら、そう言った彼女の目は なんだか少し悲しそうに見えた。



60 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:38:31.19 ID:msabUvV8.net
家に帰ってしばらくすると、もう一通メールが届いた。

しかし、メールボックスを開いてみて気づいたが、ここ最近来たメールは全部バイト関連のことだけだ、俺の交友関係は どんだけ寂しいんだろうか。

自分に呆れながら最新のメールを開くと、そこにはバイトの終了を告げるメールがあった。

バイトの終了と言っても、いつものもう帰っていいよというメールじゃない、もうこのバイトに来なくていいよというメールだった。



61 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:38:51.89 ID:msabUvV8.net
なんで急にバイトが終わることになったんだ?

まさか、彼女のバイトについて話したのが ばれたのか?

だが、あそこら辺に監視できるような場所はなかった。

じゃあどうして?





62 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:39:16.76 ID:msabUvV8.net
考えているうちに俺は、見落としていた事実に気づいた。

そもそも なんで彼女をバイトと関係ないと思ったんだ?

あんな公園にいる女子高生、どう考えても怪しいじゃないか。

どうして こんな簡単なことに気づかなかったんだ、俺は。

一度考えつくと もう止まらなかった。

彼女とバイトに関する推測が、いくつも出てきた。



63 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:39:40.07 ID:msabUvV8.net
少し時間が経って落ち着いてから、俺は一つのことを決めた。

明日彼女に真実を聞こう。

割のいいバイトが終わって嫌だったからじゃない、俺は ただこのバイトがなんだったのか気になってしょうがなかった。

もし、彼女がバイトを募集したんだとしたら、一体なんのために そんなことをしたのか。

ここまでバイトを続けたんだ、それくらい知る権利はあるはずだ。



64 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:40:30.49 ID:msabUvV8.net
その夜は疑問と推測が頭の中を蠢いてあまり眠れなかった。

だかそれも明日はっきりするはずだ。

一体彼女が何者なのか。



65 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:41:00.11 ID:msabUvV8.net
次の日、朝起きると俺はすぐに公園に向かった。

さすがにこんな早い時間から公園にはいないだろうと思ったが、それなら待てばいい。

とにかく俺は早く真実を知りたかった。



66 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:41:25.33 ID:msabUvV8.net
公園に着くと、驚くことに彼女は もうそこにいた。

「おはようございます、やっぱり来ちゃいましたか」

来ちゃった? どういう意味だ?

聞きたいことは たくさんあったが、俺はとりあえず彼女の隣に座った。

「随分早いんだな」

「公園の主ですから」

そう言った彼女の顔は、前のような得意げな顔ではなく、ただただ、悲しそうな顔だった。



67 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:41:59.44 ID:msabUvV8.net
「来てすぐで悪いんだが、一つ聞きたいことがある」

ここまでくると、俺にはもう確信があった。彼女バイトについて何か知っているという確信が。

「……」

彼女は何も答えなかった。

俺はその沈黙をイエスと受け取り、さっき得た確信を口にした。

「君があのバイトを募集したのか?」



68 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:42:25.61 ID:msabUvV8.net
「……少し違います、私が募集したわけではありません」

彼女は未だ悲しそうな顔で、とても小さな声を出してそう言った。

「どういうことだ?」

「すみませんでした、私は今まであなたを騙してたんです」

「だから どういうことなんだ? 本当のことを教えてくれないか?」

俺はもう、思ったことを全部口に出していた。

いつもなら もっと考えてから話すのに、今はそれができなかった。



69 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:42:47.70 ID:msabUvV8.net
「そうですね、まずあなたの正体から話しましょうか」

「正体?」

どういうことだ? 俺の正体って、俺には正体だとかそんな大層なものはない。

そもそも なんで俺の話になるんだ?

わけがわからなかった。

「そうです、正体です。あなたの正体は……」

彼女は少し話すのをためらっているように見えた。

少しして、何か決心をしたような目になって彼女は口にした。







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カテゴリー:読み物  |  タグ:青春,
 

 
 
 
 

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