部活中に普段近寄らない側溝のようなトンネルに入っていくと、、、
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28 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:17:18.74 ID:kD6z4wqZw
Aは、俺の分の上着も探してくれていた。
大人サイズのジャージだった。
俺は、もうこの段階になると怖くてほとんど動けなくて、動いているAが、今にも化け物に見つかって、襲われるんじゃないかとヒヤヒヤしてた。
もしそうなったら、俺は動かずに、じっとしていよう……と、卑怯な考えをしていた。
Aは「腹減たなぁ」と言って、職員室をあさり続けて、非常食用の乾パンと水を見つけ出してた。
Aはそれを食いながら、俺にも渡してきたが、俺は食欲なんて一切なくて、一口も食べられなかった。
とにかく、この静かな世界で物音を立てるのが怖くって、ずっとこのままうずくまっていたかった。
だけど、Aが「今から団地の方から戻ってみよう」と言い出した。
29 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:23:06.97 ID:kD6z4wqZw
俺は、明日の朝まで待とうと言ったが、Aは理解してくれず、1人で向かおうとするので、俺は嫌々ついていった。
俺もホウキを持った。
2階にある家庭科室から、包丁を持ってきたかったが、夜の校舎を歩き回るのが怖くて、Aには言わなかった。
俺とAは校舎を出て、なるべく物音を立てないように団地の方角に進んだ。
で、団地に近づいたあたりで物音がすることに気づいた。
「人がいるかもしれないっ!」という歓喜の気持ちもありつつ、逆に「何か化け物がいるんじゃないか」という考えも出てきた。
そして団地に到着して、その考えが多分、後者なんじゃないかと思い至った。
30 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:23:34.98 ID:kD6z4wqZw
団地は3棟あるんだが、そのうち2つの建物の各部屋には電気がついていて、人の気配……というかしゃべり声や生活音なんかも聞こえてきた。
あまりにも異様な光景だった。
いままで、あれだけ誰もいなかったのに、どうしてここだけ人の気配がするんだ。
今まで、あれだけ人の気配を懇願していたのに、今は、その人の気配が怖くて怖くて仕方がなかった。
それは、Aも同じ様子だった。
何も言わなくても、多分、お互い同じことを考えていた。
息を殺して、2人とも動かないようにしていた。
側溝に入るためには、団地の側を通らなくてはいけない。
絶対に見つかる。
俺は、足がすくんで動けなくなった。
31 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:24:18.99 ID:kD6z4wqZw
その後、団地を隠れながら見ていて、「有樽神ゞ団地」という表札を見つけた。(名前はうろ覚え)
なんか、近隣の地名でもないし、読めないしで、気持ち悪いと思ったのを覚えてる。
暫くして、Aは「俺行くわ」と言った。
俺は、物音を立てたくなかったので、首を横に振って制止したが、Aは「戻って、元通りだったら、助けに来る」と言って、忍び足で側溝の入り口に向かっていった。
俺は、その光景を近くに隠れて見ていた。
32 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:24:58.15 ID:kD6z4wqZw
この後のことは、あまり思い出したくないので、省略して書きます。
結局、Aは側溝に入るためフェンスに登ったのですが、ガシャンと物音がした。
途端、団地の声がピタッとやんだ。
Aは、急いで側溝に入っていった。
そのあと、団地から数人の人が走って出てきた。
ガタイのいい男が2人と、普通の成人男性っぽいのが3人くらい。
で、側溝の方に入っていった。
俺は、あまりの恐怖で過呼吸になって、自分の口を手で押さえながら、必死で静かにしていた。
もう、側溝の方は見ることもできなくて、暫く その場にうずくまっていた。
その間、心の中で「南妙法蓮華経 南妙法蓮華経」と連呼してた。
死んだお祖母ちゃんとお爺ちゃんに、助けてくださいと祈り続けてた。
33 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:25:48.74 ID:kD6z4wqZw
どれくらい時間がたったかわからないけど、もう一回団地の方を見て、外に誰もいないことを確認した。
団地からは、また声が聞こえ始めてて、俺たちが来る前の状況になっていた。
1人になった俺は、この団地の側から離れたくて、どこに行くか考えた。
正直、学校も自宅も怖くて、最終的に
近所にある神社に行くことにした。
毎年、初詣に行く神社。
俺は、ガクガク震える脚で、物音を立てないように、死に物狂いで神社にまで行った。
周りに物音はないか、とにかく確認しながら道を進んだ。
34 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:26:48.07 ID:kD6z4wqZw
で、なんとか神社に到着した。
社務所?っていうのか分からないけど、人が住んでいそうな部分には目もくれず、神社の御社殿(?)の中を覗いて、誰もいないことを確認してそこに隠れた。
側溝を抜けてから、今までで一番安心できた。
心の中では、ずっと「南妙法蓮華経 南妙法蓮華経」と唱え続けていた。
けど、安心もあって、気づいたら壁に寄りかかりながら、いつの間に寝落ちしてた。
35 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:27:15.81 ID:kD6z4wqZw
ハッと気づくと、朝になってた。
起きたとき、一瞬、自分がどこにいるのかわからなかったけど、すぐに昨日のことを思い出した。
恐る恐る、扉を開けて外に出る。
「もう一度、あの側溝に戻らなきゃいけない」との考えでいっぱいだった。
肌寒くて、まだかなり朝が早いことが分かった。
そして、1人、サラリーマンの人が歩いていた。
俺は一瞬ビクッとしたが、サラリーマンは何事もないように、駅の方角に歩いて行っていた。
俺は恐る恐る、街のほうまで行くが、昨日までの静けさが嘘の様だった。
車の音がするし、普通に人が出歩いている。(早朝なので、人は少なかったが)
36 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:28:21.71 ID:kD6z4wqZw
俺は半べそ描きながら、自宅の方に戻った。
自宅に戻り、チャイムを押すと、父親と母親が出てきた。
2人とも一睡もしてないみたいで、滅茶苦茶怒られた。
母親に「アンタどこ行っとったん!?」抱きしめられながら、父親は警察に、見つかったことを連絡していた。
どうやら、俺とAが行方不明と言うことで、昨晩は騒ぎになっていたようだった。
もうわかると思うけど、結局Aは戻ってきてなかった。
俺は、警察やAの両親にいろいろ聞かれた。
最初は、全部そのママ話していたが、あまりにも要領を得ないので、「団地の近くにある側溝に入っていって、そのあたりの人に追いかけられていた」という話にしていた。
向こうから持ってきたジャージは、気持ち悪くて、後日、隠れた神社の人に頼み込んで、お焚きあげしてもらった。
その後、色々あったけど、身バレしそうなので省略します。
Aは、俺の分の上着も探してくれていた。
大人サイズのジャージだった。
俺は、もうこの段階になると怖くてほとんど動けなくて、動いているAが、今にも化け物に見つかって、襲われるんじゃないかとヒヤヒヤしてた。
もしそうなったら、俺は動かずに、じっとしていよう……と、卑怯な考えをしていた。
Aは「腹減たなぁ」と言って、職員室をあさり続けて、非常食用の乾パンと水を見つけ出してた。
Aはそれを食いながら、俺にも渡してきたが、俺は食欲なんて一切なくて、一口も食べられなかった。
とにかく、この静かな世界で物音を立てるのが怖くって、ずっとこのままうずくまっていたかった。
だけど、Aが「今から団地の方から戻ってみよう」と言い出した。
29 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:23:06.97 ID:kD6z4wqZw
俺は、明日の朝まで待とうと言ったが、Aは理解してくれず、1人で向かおうとするので、俺は嫌々ついていった。
俺もホウキを持った。
2階にある家庭科室から、包丁を持ってきたかったが、夜の校舎を歩き回るのが怖くて、Aには言わなかった。
俺とAは校舎を出て、なるべく物音を立てないように団地の方角に進んだ。
で、団地に近づいたあたりで物音がすることに気づいた。
「人がいるかもしれないっ!」という歓喜の気持ちもありつつ、逆に「何か化け物がいるんじゃないか」という考えも出てきた。
そして団地に到着して、その考えが多分、後者なんじゃないかと思い至った。
30 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:23:34.98 ID:kD6z4wqZw
団地は3棟あるんだが、そのうち2つの建物の各部屋には電気がついていて、人の気配……というかしゃべり声や生活音なんかも聞こえてきた。
あまりにも異様な光景だった。
いままで、あれだけ誰もいなかったのに、どうしてここだけ人の気配がするんだ。
今まで、あれだけ人の気配を懇願していたのに、今は、その人の気配が怖くて怖くて仕方がなかった。
それは、Aも同じ様子だった。
何も言わなくても、多分、お互い同じことを考えていた。
息を殺して、2人とも動かないようにしていた。
側溝に入るためには、団地の側を通らなくてはいけない。
絶対に見つかる。
俺は、足がすくんで動けなくなった。
31 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:24:18.99 ID:kD6z4wqZw
その後、団地を隠れながら見ていて、「有樽神ゞ団地」という表札を見つけた。(名前はうろ覚え)
なんか、近隣の地名でもないし、読めないしで、気持ち悪いと思ったのを覚えてる。
暫くして、Aは「俺行くわ」と言った。
俺は、物音を立てたくなかったので、首を横に振って制止したが、Aは「戻って、元通りだったら、助けに来る」と言って、忍び足で側溝の入り口に向かっていった。
俺は、その光景を近くに隠れて見ていた。
32 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:24:58.15 ID:kD6z4wqZw
この後のことは、あまり思い出したくないので、省略して書きます。
結局、Aは側溝に入るためフェンスに登ったのですが、ガシャンと物音がした。
途端、団地の声がピタッとやんだ。
Aは、急いで側溝に入っていった。
そのあと、団地から数人の人が走って出てきた。
ガタイのいい男が2人と、普通の成人男性っぽいのが3人くらい。
で、側溝の方に入っていった。
俺は、あまりの恐怖で過呼吸になって、自分の口を手で押さえながら、必死で静かにしていた。
もう、側溝の方は見ることもできなくて、暫く その場にうずくまっていた。
その間、心の中で「南妙法蓮華経 南妙法蓮華経」と連呼してた。
死んだお祖母ちゃんとお爺ちゃんに、助けてくださいと祈り続けてた。
33 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:25:48.74 ID:kD6z4wqZw
どれくらい時間がたったかわからないけど、もう一回団地の方を見て、外に誰もいないことを確認した。
団地からは、また声が聞こえ始めてて、俺たちが来る前の状況になっていた。
1人になった俺は、この団地の側から離れたくて、どこに行くか考えた。
正直、学校も自宅も怖くて、最終的に
近所にある神社に行くことにした。
毎年、初詣に行く神社。
俺は、ガクガク震える脚で、物音を立てないように、死に物狂いで神社にまで行った。
周りに物音はないか、とにかく確認しながら道を進んだ。
34 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:26:48.07 ID:kD6z4wqZw
で、なんとか神社に到着した。
社務所?っていうのか分からないけど、人が住んでいそうな部分には目もくれず、神社の御社殿(?)の中を覗いて、誰もいないことを確認してそこに隠れた。
側溝を抜けてから、今までで一番安心できた。
心の中では、ずっと「南妙法蓮華経 南妙法蓮華経」と唱え続けていた。
けど、安心もあって、気づいたら壁に寄りかかりながら、いつの間に寝落ちしてた。
35 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:27:15.81 ID:kD6z4wqZw
ハッと気づくと、朝になってた。
起きたとき、一瞬、自分がどこにいるのかわからなかったけど、すぐに昨日のことを思い出した。
恐る恐る、扉を開けて外に出る。
「もう一度、あの側溝に戻らなきゃいけない」との考えでいっぱいだった。
肌寒くて、まだかなり朝が早いことが分かった。
そして、1人、サラリーマンの人が歩いていた。
俺は一瞬ビクッとしたが、サラリーマンは何事もないように、駅の方角に歩いて行っていた。
俺は恐る恐る、街のほうまで行くが、昨日までの静けさが嘘の様だった。
車の音がするし、普通に人が出歩いている。(早朝なので、人は少なかったが)
36 :本当にあった怖い名無し:2024/12/14(土) 16:28:21.71 ID:kD6z4wqZw
俺は半べそ描きながら、自宅の方に戻った。
自宅に戻り、チャイムを押すと、父親と母親が出てきた。
2人とも一睡もしてないみたいで、滅茶苦茶怒られた。
母親に「アンタどこ行っとったん!?」抱きしめられながら、父親は警察に、見つかったことを連絡していた。
どうやら、俺とAが行方不明と言うことで、昨晩は騒ぎになっていたようだった。
もうわかると思うけど、結局Aは戻ってきてなかった。
俺は、警察やAの両親にいろいろ聞かれた。
最初は、全部そのママ話していたが、あまりにも要領を得ないので、「団地の近くにある側溝に入っていって、そのあたりの人に追いかけられていた」という話にしていた。
向こうから持ってきたジャージは、気持ち悪くて、後日、隠れた神社の人に頼み込んで、お焚きあげしてもらった。
その後、色々あったけど、身バレしそうなので省略します。
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