思い出の懐中時計
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「ありがとう・・・・・わたし、ずっと探してて・・・・・・」
「母親からの暴力から助けてくれた優しい姉さんなんだろ?」
「何で知ってるの?」
「すまん。それは俺も分からん」
雫を横目で見る。顔を横に振る雫。
俺は深いため息をついた。
「ほら、北村。この懐中時計見てみろ」
「これは父の・・・・・」
「やっぱ、お前の親父の作品か。俺さ、小学生の頃、美原時計店で これお前の姉さんに貰ったんだ。俺の宝物だ」
「懐かしい・・・・・」
「なあ、北村。良かったらいつかまたさ、お姉さんに会わせてくれよ。お礼言いたんだ」
「ええ。でも私が先」
「ああ。頼む」
「大切にしてくれてんだ・・・・・・ありがとう。お姉ちゃんに言っとくよ」
側でじっと聞いていた雪村を見る。
「雪村、北村と友達になれそうか?」
「もう友達だよ。北村さんの弱いとこいっぱい見ちゃったし。北村さんかえろっか」
「うん・・・・」
「帰りにマック寄ってこ」
「うん!」
そういうと2人は屋上をゆっくり後にした。
扉の前で2人は小さく頭を下げた。
「はあ~どっと疲れた・・・・・」
「兄さんお疲れ」
「先輩さすがです!!」
「そうか?ちょっとベタだった感じがしなくもない」
「兄さんが言ってた、最後感動させて2人を親友にってヤツ。こういう筋書きだったんだね」
「ふっふっふ!!俺の計画に狂いはないさ!!」
「兄さん本当は内心ビクビク」
「そんな事ないぞ!!」
「あ、先輩眉毛ピクピクしてます!!」
「兄さん分かりやすい」
「うるせえ!」
俺は夕日に懐中時計を照らしてみた。俺の宝物。
絶対大切にしよう。
「じゃ、帰るぞ俺達も」
「兄さんおんぶ」
「おんぶじゃねえよ!!」
「先輩カレー食べて帰りましょ!!」
「しらんしらん!!今日は直帰じゃ!!」
「今度はカードが使える学食をですね・・・・」
「学食でカードが使えるわけねえだろうが!!」
「え!?」
「兄さん本音暴露」
「あ!!」
「あじゃないよ兄さん・・・・」
「学食はカードつかえないんですかあ!!」
「小銭だ小銭。小銭を持て」
「小銭は2年近く見てません」
「さ、帰ろうか雫」
「ええ。兄さん」
「待ってくださいよ~!」
俺は屋上を後にしながら小さくつぶやいた。
「計画通り!!」
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