死の淵から
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私は店長のこの告白を聞き動揺してしまいました。
店長は なおも私を抱きしめようとし、私は必死に抵抗しました。
しかし、男の力にかなう筈も無く、とうとうキスをされると、私は店長の腕のなかで崩れ落ちてしまいました。
店長は私を抱きかかえると そのまま寝室へと私を連れて行き、またキスをして私のブラウスを脱がし始めまたのです。
私は我に返り必死に抵抗しました。
しかし、いつに無く強引に店長は私を押さえつけとうとう下着姿にされてしまいました。
店長は服を剥ぎ取ると、隣の部屋に投げ込みました。
私は声を上げて止めてくださいと懇願するのですが、店長は「愛しているんだ・・・諒子さん」と私の名前を呼び、下着越しに愛撫を始めるのです。
私はまたあの時の恐怖が蘇り、子供のように泣きながら、「やめて〜お願いします、お願いします・・・」店長に懇願していました。
しかし、店長は愛撫をさらに強くしていき、私の体は徐々に反応してしまうのです。
私は このような状況でも反応してしまう自分の体を呪い、そして最後には また求めてしまうかも知れない恐怖感から、嗚咽を漏らし無様に泣いてしまいました。
しばらくして、店長が私の中に入り、店長が何度目かの射精をした時、私は またしても絶頂を感じてしまいました。
そして、私が達したことが店長に分かると店長は、夫以外の物で絶頂を感じた私をことさら強調し私の心砕いていくのです。
私は夫との記憶にすがって、あの時の行為のことを思い出していました。
何度も何度も店長に貫かれ、いったん達してしまうと、何度でも達してしまう自分の体のことを呪いながら、それでも私は忘れることの出来ない幸せを思い涙を流すのです。
店長が最後の精を私の中に放出し終わり、私は絶望感を感じていました。
また感じてしまった、また達してしまった。
決して求めてはいないのに必死に堪えているのに最後には負けてしまう。
もう夫には戻れない私は体の欲求に負けてしまった。夫を裏切ってしまったとの思いが心を支配していました。
シャワーを浴びながらひとしきり泣き、そして浴室からでると、店長が私を抱きしめました。
私は始めて この男に嫌悪感を抱き、振り払うと店長の頬を打ちました。
店長のこのときの顔は忘れられません、不敵であり、厭らしく そして私を馬鹿にしたような下劣な笑いです。
そしてこの男は私に
「さっきまで俺の物を咥えて喜んでた割には ずいぶんだな。何も知らないのは亭主ばかりなりか・・・」
というとビデオのリモコンを持ち再生ボタンを押しました。
そこには、最初に店長と交わった時の光景が映し出されていたのです。
私は何故このような物が映されているのか しばらく理解できないでいました。
店長は不適に私を見て、何も言わず少しずつ音量を上げて行きました。
私は呆然とし、そして、この事態を徐々に理解して行くのです。
声も出ず信じられない思いで店長を見ました。
店長はこちらを見ることなく、じっとビデオを見ています。
私は帰ることも出来ず ただただ何が起こっているのか、それすらはっきり分からないまま崩れ落ちてしまいました。
店長はビデオを消すと何も言わず一枚の写真を私に渡しました。
それは店長との行為を写した写真でした。
店長はそのまま不適な笑みをたたえたまま、私を玄関口まで連れて行き、「それでは、さようなら・・・」とだけ言って扉を閉めました。
私はいったい何が起こったのか、そして店長の目的は何なのか、店長はいつ あのような写真を撮っていたのか?何も分かりませんでした。
青ざめた顔で車に乗り、ハンドルに顔をうずめ考えていると底知れぬ恐怖に襲われるのです。
何とか家に帰り着き夫が帰ってくるまでの間 私は枕に顔を埋め震えていました。
あの時、自分の弱さゆえ店長を求めてしまったこと、助けて欲しい人に助けを求めなかった愚かさ、そして、最早夫に助けを求めることは出来ない絶望、何にもまして底知れぬ不気味さを持つあの男、私に待っているのは いったい何なのでしょう。
これから起こることを思うと不安に駆られ、夜も寝られなくなり、そして私は家族の頼ることも出来ないのです。
あのときから1週間 店長は私に一切接触しませんでした。
しかし写真だけは毎日送られてきます。
時には郵便で時には社内メールで、とうとう家の新聞の中に挟んであることもありました。まるで じわじわ痛めつけるように私を追い詰めて行くのです。
このままでは いつか家族にばれてしまうその恐怖感で気が狂いそうでした。
これは罰なのだ。あの時 店長に助けてもらいたいと思い、店長に抱かれた私に対する罰なのだ。
そして何回考えても この地獄の終わりは夫との破局なのです。
どんどん具体的に夫との離別を考え始めました。
必死にいい材料はないかと考え抜きました。
たった一回の過ちであれば、夫は許してくれるのではないか?とも考えました。
しかし、このようなことを夫に言って夫の体は大丈夫なのだろうか?
悲嘆にくれる夫を想像し、私はどうしようもない悲しみに襲われ、そして店長の家に行った時、私は夫のことを愛してる、と誰よりも一番と自分に言い訳しながら、店長との行為を心の奥底で期待していたのではないか、
夫が一番であることは間違いないということを自分で確かめて、いや それによって自分自身の罪悪感を軽くしたかったのかも知れません。
私は、私は・・・・
自分の心と向き合い私は自分の心が分からなくなってきます。
しかし私は確かにあの時、夫を確実に裏切っていました。
そして、とうとう私は自ら店長の家に行ってしまうのです。
最早、あのようにじりじり追い詰められてこれ以上びくびくしながら生活など出来ません。私がおかしくなってしまうか 夫にばれるか、どっちが先かという状況です。
そして店長は自ら来た私を無言で迎え入れました。
私は結局、ほとんど脅しに近い状況でまた店長を受け入れざるを得なかった。
ひとしきり自分の欲望を満たした店長は私に、
「今日から毎週日曜の午後と木曜日に ここに来るように、嫌なら来なくていい、あくまで君の自由だ」
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その日から、私の地獄日々が始まりました。
しばらく店長は、私をただの欲望の処理道具のように扱いました。
店長は行為に及ぶまでは怖いくらい無言で私は常に何をされるのか、びくびくしながら待っていなくてはなりませんでした。
この頃の私の心はぐちゃぐちゃでした。
普段どおりの夫の態度にすら、影で涙を流すことも珍しくなく、情緒不安定の私の態度にも困惑しながら気遣ってくれます。
しかし、それが更に私の心を掻き乱し、私は夫に抱きしめられる度に全て話してしまいたい、楽になりたいと考え、次の瞬間には この人を失いたくないと思うのです。
店長の行為は更にエスカレートして行きました。
下の毛を無理やり剃られた時、店長は私に「これで旦那と出来なくなったな」と無表情に私に言い、
私は、取り乱し、泣き叫び初めて「この男を殺すしかない」と思いました。
ある日 私はかばんに包丁をしのばせ 店長を刺し殺そうと、店長の家に行きました。
玄関を開け、店長が後ろを向いたとき私は店長を刺そうとしました。
しかし運悪く店長に気付かれ、
「俺をさすのは構わないが、あの写真は俺以外の人間も持っているぞ。次は誰のおもちゃになるのかな?」
と薄ら笑いを浮かべ私に言いました。
そして、この日から店長の私への残虐な行為が始まりました。
店長の行為は、あくまで私を痛めつけることを目的としているようにしか思えませんでした。
抵抗している私を無理やり組み敷き、私が我慢できなくなるまで、じらし続け そして私は最後には店長にお願いするしかなくなります。
店長は私に屈辱感と罪悪感より体の欲求をとってしまった、ふしだらな女だと私に何度も言い聞かせるのです。
店長は私の心を砕くことに楽しみを見出している本当の鬼でした。
私が店長に我を忘れさせられ、何回も達している最、中突然目隠しをとり、ビデオをつけます。
そして、そこには私たち家族の映像が流れているのです。
私は見た瞬間あまりのことに泣き叫び、その様子を見た店長は満足げに更に私を激しく突くのです。
この様に心を砕かれると私は次第に何も考えたくなくなり、ただただ涙を流しながら、店長の体にしがみつき 快感だけに集中してしまうのです。
行為が終わり我に返ると、ただただ体の快感を求めてしまう自分が情けなく、そして泣いている私に店長は、先ほどの泣きながら店長にしがみついている場面を私に見せるのです。
そのように何回も心を砕かれ、そして快感だけを考えるような状況を与え続けられているうちに、私は店長に貫かれるだけで快感を感じ、そして確実に店長とする前とは私が変わっていることを感じていました。
私はこの頃、自分の事を冷静に考えることもできなくなり、夫を愛しているのか店長を愛しているのかも分からなくなりました。
この様なことをしていては、いつか夫にばれる、夫にばれれば全てが終わる そんなことは分かっていました。
結局、自分が辛いから問題を先延ばしにしていただけです。
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そして消えてなくなりたいと思っていたそんな時、夫に久しぶりに求められたのです。
私は夫に久しぶりに抱きしめられ、店長とは違う優しい抱擁に激しく動揺してしまいました。
この様に優しく抱きしめられたことは店長との行為ではありません。
そして、求めてくれる夫を嬉しく思いながらも私は夫には答えられないことを思い出し、心ならずも夫を拒否してしまいました。
しかし夫はこの時 少し怒り、止めようとしてくれません。
そして下着に手が掛かったとき、私は抵抗するのをやめ天井を見ながら、
「これで全てが終わる、私は夫に捨てられ店長に全てを奪われるんだ」
と思うと何も言えず涙があふれてきました。
夫が私の顔を覗き込んだとき、夫は私が涙を流していることに気がつき、私から離れ「すまない・・・」と言いました。
この時、私は忘れていたものに気がついたのです。
店長は私を愛してはいない、分かっていたはずなのに、何回も抱かれているうちに、もう店長の物になったほうが楽なのではないかと、私は思い始めていたこと。
そして夫は理不尽な仕打ちであるはずなのに私を気遣ってくれたこと。
そして裏切りを知らない夫は今でも誠実に私を愛し続けていてくれたこと。
私はシャワーを浴びながら一人泣いていました。
もう止めよう、こんなことは もう駄目だ。たとえ夫にばれてもこれ以上誠実な夫を裏切ることは出来ない。
いえ、自ら夫に話全てを告白し、夫に許しを請おう。許してくれなくても、一生夫に償いながら生きて行こう そう思いました。
私は店長と決別するための行動を始めて開始しました。この時、私は店長と決別することに迷いはありませんでした。
夫は いつでも誠実であったと思います。私に向ける気持ちに嘘はないと感じれるものでした。
私はどうなのでしょう?
先日の出来事があってから私は夫との関係について考えていました。
私は夫を愛していると自分では思っていました。しかし、それであれば店長に何故体を任せたのでしょう?
夫は私のことを 責任感が強くて情が深いとよく言っていました。
しかし・・・・
いつの間にか夫の存在が当たり前になっていたのではないか。私は・・・・本当に夫のことを愛していたのでしょうか?
考えてもなかなか答えは出ません。
いえ、本当は分かっていたのかも知れない、しかし私は、自分でそれに気がつきたくなかったのでしょう。
この頃 ちょうど店長は新店を任されるかもしれないと、少し忙しくなり、今までのように定期的に呼び出されることも少なくなっており、決別の意思を伝えたときは、もうあれから2週間ほど経っておりました。
私がもう会わない、例えばらされてもと言うと、
「ふ〜んそうかやっと決心したわけだな」
「どういうことですか?」
「止めようと思えば今でなくても止められただろう。本当に夫にばれそうにでもなったか?無理も無い話しだ」
「違います!私は・・・・例え私がどうなってもこれ以上夫を・・・」
「どっちでも一緒だ、止める気になれば止めれるってことは、今までは そこまで本気じゃ無かったってことだ。ま〜どんなに貞淑そうな女でも自分にいくらでも言い訳できるうちは人のせいにして上手く続けるもんだ」
「違います・・私は・・・」
と私が言うと店長は私を強く抱いて、「言い訳が欲しいだけだろ」と言い私を押し倒しました。
この時、店長という人間に始めて心から嫌悪感を感じました。
私が本気で押し返そうとすると、更に強く抱き、「静かにするんだ、俺の言うとおりにしろ」と言われた時、何故か体が動かず固まったように抵抗できなくなりました。
怖いのです、厳しく命令されると体が動かなくなってしまったのです。
私は何より この事実にショックを受けました。
とうとう心までも店長に縛られ、この時 店長の行為では、ほとんど恐怖しか感じず、快楽に身を任せることもままならず、この事実が、余計に今までの自分が店長を受け入れていたことを自覚させ、
自分の浅ましさと店長の言った、「自分への言い訳が欲しいだけ」という言葉が心の奥にとげのように刺さっていました。
私の迷いと呼応するかのように夫と私の間に、溝が出来て行くのを感じていました。
夫を大事に思う気持ちに嘘は無いと自分では思っていました。
しかし、いつの間にか それは家族としてのそれだけになっていたのかも知れません。
夫の体のことを考え、自分を抑制するようになってから、私は出来る限り この家族を守って行こうと考えていました。
そうしているうちに自然と夫を一人の男として愛することを少しずつ忘れていたのではないか・・・・
この様な考えが頭の中を支配し、 そして自分で打ち消すように そうではない 夫を愛している とまた頭の中で繰り返すのです。
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