破局か再構築か
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私「おはよう」
妻「おはよう、アナタが寝過ごすなんて珍しいわね」
私「ちょっと疲れてたのかもな」
妻「そう、朝ごはん出来てるわよ」
私「あぁ今行くよ」
普段なら、妻に起こされる前に起きているはずなのに、やはり気付かないうちに疲れているのだろう。
朝食を食べ終わり会社に行く為に家を出た。
さっそく携帯に目を通すと既に尾田からの妻宛のメールが着ていた。
「来週の火曜日は空いてるか?」
妻は まだ返信はしていないみたいだ、昼食時また尾田からのメールが届いた。
「火曜は駄目なのか?返信ぐらいしろよ お前は俺に逆らえないんだぞ、それとも旦那にバラすか?」
「逆らえない?」
妻は尾田に脅されているのだろうか、暫くすると妻からメールが返信された。
「わかりました、火曜日で結構です」
すぐに尾田から返信のメールが届く
「じゃ○○駅前のロータリーに11時、いつも通り車で迎えに行く」
当初は、掲示板の教えの通りに興信所に頼もうかと考えていたが、自分の目で確かめる事にした。
勿論プロではない人間がそんな事をすれば、失敗する可能性も出てくる。
しかし、私は自分の目で確かめる事にした。
二人が火曜に会うとわかったその日に会社には有給休暇を申し入れた。数年間働き詰めだったお陰で有給は簡単に取れた。
帰宅途中ふと頭の中に尾田からの「旦那とするな」というメールを思い出した。
私達夫婦は世間で言われているセックスレスの夫婦だった。
最後に妻としたのは いつだったか今では思い出す事も出来ない。
これも妻が不倫をした理由の一つなのだろうか、そんな事を考えながら家に帰宅した。
久々のセックスのお陰だろうか、妻が少し嬉しそうにしている。会話もいつも以上に弾んでいた。
次の日が日曜日という事もあり、妻と酒を飲みながら色々と夜遅くまで話をしていた。
「夫婦ってこんなにも良いものだったのか」
そう心の中で思っていた。
しかし、まずは不倫問題を解決しなければならない。
妻が寝た事を確認しPCを起動させ、掲示板に書き込みを始めた。
「妻と不倫相手が会う日がわかった。しかし興信所は利用せず自分で全てを突き止める」
と書き込んだ、私のレスに対する反応は大体予想した通りのものだった。
「自分でするの?興信所に依頼した方がいいって」
「絶対失敗するよ、尾行って思ってる以上に難しいよ」
しかし、再度私の気持ちを書いたレスを書き込むと、少しずつアドバイスを書いたレスが書き込まれた。
「本当に自分でするんだな、ならカメラやビデオを用意した方がいい。まずは不貞の証拠を確実に掴むのが先決だしね」
「ホテルに入る所と出て来た所をバッチリ記録するんだぞ」
勿論 面白半分でレスを書く人間もいるのは事実だが、しかし大半のレスは本当に考え真剣にレスを返してくれる。
ますます掲示板に助けられている。
当日は、レンタカーを借り尾行し、ビデオカメラで撮影することを決め、今日は寝ることにした。
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日曜日 朝
私「今日は何か用事があるか?」
妻「別に何もないけど」
私「ならどこか出掛けるか?」
妻「・・・」
私「どうした?嫌なら別にいいぞ」
妻「・・・それじゃ買い物に」
私「わかった買い物に行こうか」
妻「うん、じゃ着替えてくるね」
私「あぁ」
こんな会話も普通の夫婦ならごく全く当たり前の会話なのだろう。
しかし、私達夫婦がこんな会話したのは いつ以来だろうか?
最近まで私は日曜でさえも「仕事」や「付き合い」などと言い訳をして家を出ていた。
いつもは一人で歩いていた街を今日は妻と二人で歩いている、「こんなに心地いいものなのか」そう思った。
二人で店に入り、二人で選び、二人で買う、こんなごくありふれた行いが今の私には新鮮でとても楽しいものだった。
妻「ここのお店に入ってもいい?」
私「いいよ」
そこの店には いつも妻が着ている服と似た感じの服が売られていた。
妻がよく服を買う店、そんな店すらも私は今日まで知らなかったのだ。
店員「いらっしゃいませ、今日はご主人もご一緒ですか」
妻「はい、そうなんです」
妻「ねぇあなた、この服はどう?」
私「うん、理香によく似合うんじゃないか、試着してみたら」
妻「そうするわ」
妻が試着室に入った
店員「奥様とても嬉しそうですね」
私「えっ、そうですか?」
店員「はい、いつもはお一人でご来店されてましたので」
途端に悲しくなってきた。
私は、今までなんて馬鹿な事をしてきたんだ。
そんな事を考えていると「シャー」と試着室のカーテンが開く音がした。
妻「ねぇどう?似合ってる」
少し照れながら妻が現れた、「綺麗だ」そう思うと同時に声に出た。
私「綺麗だ、凄く似合ってるよ」
妻「本当に?・・・じゃこれ買ってもいい?」
私「あぁいいよ」
妻「ありがとう」
妻が笑っているこの笑顔は本物なのだろうか?
皮肉なものだ。この不倫問題がなければ、私は妻のこんな顔も見れなかったのかもしれない。
その後は二人で夕食を食べ帰宅した。
妻「今日は楽しかった、また行こうね」
私「そうだな、また行こう」
「また行こう」この言葉は私の本音だった。
この問題が解決した後、私達夫婦がどうなってるのかはわからない。
しかし、私は確実に妻の事を愛していると確信出来た。
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月曜日
有給休暇は、月曜から水曜まで取っておいた。
会社に行く振りをし、家を出てレンタカーを借りに行った。
家に帰るまで時間が余っているので、ネットカフェに行き掲示板に書き込む事にした。
「いよいよ明日が尾行する日、さすがに緊張してきたよ」
すぐにレスが返ってきた。
「そうだろうね、でも焦りは禁物だし、当日は落ち着いてな」
「頑張ってとしか書きようがないが頑張って」
等のレスが付いた。
その他にも何回か書き込み またレスが返ってくるという事を繰り替えし 時間が過ぎて行った。
レンタカーは自宅周辺に駐車し帰宅する事にした。
妻の携帯に自動転送を仕掛け気付いた事がある。
それは一方的に尾田からのメールが送られてくる事である。
妻が返信するのは尾田からの威圧的なメールの時だけだった。
私「ただいま」
妻「お帰りなさい」
私「ちょっと仕事が残ってるんで書斎にいるよ、夕食が出来たら呼んでくれないか?」
妻「えぇ、わかったわ」
私「それじゃ頼むよ」
しかし、書斎に入ってもする事はない。
ただ明日の結果が出るまでは、妻とあまり顔を逢わせたくないというのが本音であった。
妻に呼ばれ夕食を食べる。
ふと頭に「今日でこの料理も最後になるのだろうか?」と考えてしまう。
夕食を終えると風呂に入り「今日は疲れているので」と妻に言い先に寝室に向かった。
ベットに入る前に尾田からのメールをチェックする。
相変わらずの卑猥な表現のメールばかりだった。
今日はこれで寝る事にしよう。
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火曜日
いつもよりも早く目が覚めた、いや本当は殆ど眠れなかった。
いつものように、朝食を食べ終え家を出る。
駐車しておいたレンタカーに乗り時間が来るまで市内を走っていた。
ふと時計を見ると10時30分だった。
ハンドルを切り、駅前のロータリーに向かう。
15分程で付くことが出来たので、ビデオカメラの用意をした。
私は一人なので運転中はビデオをフロントガラスの前で固定出来る様にしておいた。
そろそろ11時になりかけた時、理香から尾田宛のメールが届いた。
「到着しました」
周辺を探す、すると駅に隣接したコンビニの前に妻の姿を確認出来た「連れ戻したい」そう思っていた。
しかし、今はしっかりと不貞の証拠を掴まなければならない。
11時を少し回った時、尾田からの妻宛のメールが届いた。
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