戦い
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また、ここで怒れば、野田の作戦に乗ってしまう事も分かっていましたが、それでも怒りは隠せませんでした。
発覚当初は、野田を殺してもいいと、真剣に思っていましたが、野田と違い守る者がある私には出来ません。
妻が野田だけを好きで私と別れたいと言えば別ですが、私の事が好きで、野田とは勘違いだったのでもう終わったと言われれば、真意はともかく、犯罪になる復讐も戸惑ってしまいます。
そうかと言って、逆に野田から攻められている今の状態では、妻との事を考える余裕も無くなり、このままでは私が おかしく成りそうです。
いえ、既に少しおかしく成っているのかも知れません。
野田の目的は、私と妻が元の夫婦に戻るのが嫌で、揉めさせて離婚させ、妻を自分の物にしたいのだと推測出来ますが、それだけでは無いような気がします。
それ以外にも、何か凄く満たされない物がある様に感じました。
思い当たるのは、別れた奥さんの事です。
野田が自分と同じ思いだから、私の心境が分かるのだとしたら、逆に私は今妻と別れても未練が残るので、別れてさっぱりした様に言っていますが、野田も まだ別れた奥さんに、未練があるに違い有りません。
今度の休みは家に帰り、野田の別れた奥さんに会ってみようと思います。
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7月18日(金)
仕事が長引き、家に着いたのは、かなり遅い時間でしたが、妻は いつもどおり起きて待っていました。
私は、着いてから一言も話さず、お風呂に入りに行こうとした時、妻が。
「あなた・・・・・ごめんなさい。明日・・・・急に・・・私が葬儀に行く事に・・・・・・・。」
「やはりそうか。本当は前から言われていたのと違うのか?誰と行く?あいつか?」
「はい・・・課長と・・・・。でも本当に今日言われたのです。もう一人の人が急に都合が悪くなったから、先方と面識の有る私に行って欲しいと部長から言われました。」
「上手い事を言うな。今回俺が帰る事にしたが、本当ならお前が来る事になっていた。
だから俺には違う理由を言って、俺の所へは来ないつもりだったのだろ?
最初から あいつと2人で行くつもりだったんだろ?
また俺を騙していたと言う訳か。」
「本当です。この間は知らなかったし、課長に電話したら 私とでは無いと言われました。本当です。信じて下さい。」
私は何が本当なのか、分からなくなってしまいました。
「信じろと言われても、その様な偶然があるのか?
仮にお前の話が本当だとしても、どうして断らなかった?
あいつと2人で行きたかったのか?俺が嫌な事は知っているだろ?」
「部長から先に、明日は何か大事な予定でもあるのか?と聞かれ、特に無いと言ってしまいました。その後、葬儀に行ってくれと頼まれて、断れませんでした。」
「そうか。お前は俺が帰ってきて、一緒にいるのが大事な事だとは思っていないんだ。
昔ならいいが、お前が俺を裏切り、未だに俺を苦しめている今、一緒にいる事が大事だとは思わないのか?本当は、俺といると息が詰まるのか?
別れたいなら そう言え。子供達に知られたくないし、今の生活は捨てたくないが、好きなのは野田ですと言え。
明日は2人で楽しんでこい。明日行けば俺達は終わりだ。その覚悟で行って来い。」
「ごめんなさい。行きません。
私は今の仕事が好きです。
あなたとの関係をどうしたら良いのか分からず、どうやって償えば、少しでもあなたが楽になれるのか分からずに、悩んでいました。
その事から逃げられるのは仕事をしている時だけでした。少しでも仕事で不利になる事はしたくなかった。
私が悪いのに勝手だと分かっています。
あなたはもっと悩んでいるのも分かっています。ごめんなさい。
言い訳になりますが、明日は別々に行くつもりでした。課長は車で迎えに来ると言いましたが 断りました。本当です。」
「だから?別々に行っても どこかで落ち合えばいい事だ。本当に葬儀が有るのかも疑わしいな。
何を言われても駄目だ。
第一俺は、お前の事を全く信用していない。
信用出来ない事をしたからな。
明日行っても良いが、帰りに離婚届を貰って来てくれ。
風呂はやめた。もう寝る。」
妻を虐める為に酷く言いましたが、信用出来ない思いは本心でした。
お互いに これだけ信用出来なければ、もう夫婦としては終わっているのかも知れません。
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7月19日(土)
朝早く起きて居間へ行くと、妻は電話を掛けようとしていました。
「どこに電話する?俺が寝ている間に、あいつと口裏合わせをしようと思ったのか?」
「違います。今日の事を断ろうと思って・・・・・・・・。」
私は、昨夜 あの後考えていた事が有り、今日の事を断らずに、迎えに来てもらうように電話しろと言いました。
また野田と何かあると思った妻は、躊躇していましたが、強引にそう電話させてから。
「どうだった?あいつは喜んでいただろ?」
「・・・・・はい・・・・・・どうして?私は課長と行くのですか?」
「行きたいのか?
ところが違う。あいつは、俺が帰ってきているのは知らないだろ?
あいつが来たら、俺は隣の部屋に隠れて聞いているから、俺の言うとおりにしろ。」
出来ないと泣きなりながら断る妻を、離婚で脅し無理やり承諾させました。
10時にチャイムが鳴り、妻が上がるように勧めると。
「おい、美鈴・・・いや、美鈴さん。
着替えてないのか?
向こうで食事をしようと思っていたので、時間に余裕はあるが早く着替えてくれ。どうした?」
「課長は私と行く事になるのを、前から知っていたのですか?課長が部長に頼んだのですか?」
「いや違う。一緒に行くはずの奴が、急に親戚で不幸が出来たから、美鈴さんに お願いする事に昨日決まった。
本当だ。ただ部長に、美鈴さんにして欲しいと進言したのは私だ。
でもこれは仕事上の事だ。他に意図は無い。
先方に面識のある美鈴さんが適任だと思った。
それより、2人でいる時は課長はやめてくれ。
他人行儀じゃないか。」
妻の言っていた事は本当でした。
野田は、何らかの方法で もう一人を行かせずに、妻と行く事を最初から考えていたのだと思います。
その後、妻は なかなか私の指示した通りにせず、沈黙が続いています。
「どうした?悲しそうな顔をして。早く行こう。」
「・・・・・・課長・・・・・私・・・・・あれから寂しくて・・・・・
今日課長と・・・・以前のように・・・・・・・また課長にして欲しくて・・・・・・
主人には・・・私さえ黙っていれば・・・・・・分からないから・・・・・・・。」
妻には、最初紳士的に対応していましたが、結局本音が出て。
「そうか。私も一緒の気持ちだ。
しかし誓約書に書いた事は守りたい。
美鈴が離婚すれば、すぐにでも迎えに来る。
でも今は駄目だ。
・・・・・・・・そうか。
美鈴に恥を掻かせてはいけないな。
よし、私も腹をくくった。
今は時間が無いから、葬儀が終わってからにしよう。その方がゆっくりと出来る。
そうと決まれば早く着替えろ。
葬儀も最初だけ顔を出して、途中で失礼しよう。
今まで寂しかった分、美鈴が嫌と言うほど可愛がってあげるから、早く仕度をしろ。」
その時、私が妻達のいる部屋に入って行くと、野田は驚きの表情を浮かべました。
「おい、人の家に来て、美鈴が嫌と言うほど可愛がってあげるからとは どういう事だ?
美鈴を可愛がるのも仕事か?
何が誓約書に書いた事は守りたいだ。
ずっと美鈴としたくてウズウズしていたのだろ?
美鈴、俺がいるのに どういうつもりだ?本気で言ったのか?」
「・・・いいえ・・・・からかった・・・だけです。
・・・こんなに・・・すぐに引っ掛かるとは思いませんでした。
・・・・・・盛りのついた・・・・犬みたい・・・・・。」
「そう言う事らしいから、もう帰れ。残念だったな。」
野田は、妻がいる前では紳士を装っている為に、言い返しもせずに 立ち尽くしていましたが。
「あのー。葬儀は・・・2人で出席しないと・・・・まずいので・・・・・・。」
「おい美鈴、どうする?まだ言いたい事が有るだろ?」
「・・・・・私は行きません。
・・・・・お一人で・・・どうぞ。
会社で顔を・・・・合わすのも本当は・・・嫌だけど・・仕事だと思って我慢しています。・・・・・休みの日まで顔を・・・見たくありません。」
「残念だろうが、1人で行って来い。
顔を出して、途中で抜けられるぐらいだから、1人で充分だろ?
部長には、妻は途中で気分が悪くなって帰ったとか何とか、得意の嘘で誤魔化しておいてくれ。
それと、今の事は誓約書違反だが許してやる。妻がからかったみたいだからな。」
野田は1人出て行きました。妻は涙を浮かべて。
「もう会社には行けません。私辞めます。辞めさせて下さい。」
「どうしてだ?お前は会社に、あの男のご機嫌を取りに行っているのか?
あいつと気まずくなったとしても、仕事とは関係ない。あいつの顔を見なければいい。
それとも、今まであいつの顔を見に行っていたのか?
今の仕事が好きだと言っていたが、本当はあいつと一緒に仕事するのが、好きなのじゃないのか?」
「違います。仕事が好きでした。・・・分かりました。あなたの言う通りにします。ごめんなさい。」
まるで子供の仕返しの様な事をしてしまいました。これで妻は、益々私が正気では無いと思ったかも知れません。
それでも、こんな幼稚な事でも、久し振りに野田の困った顔を見て、少し気が晴れました。
そんな私は本当に気がおかしく成っているようです。
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7月20日(日)
午後、妻に黙って家を出て、野田の別れた奥さんの所に行きました。
電話をしてからだと断られる可能性が有るので、アポも取らずに 直接行く事にし、
奥さんと子供を残して野田が家を出たと聞いていたので、誓約書に書いてある住所に行き、インターホン越しに名前を言うと、
予想に反して すんなりとドアをあけてくれました。
中に入ると小柄で可愛い感じの女性が、正座をして頭を下げています。
「この度は大変申し訳ないことを致しました。どうか許して下さい。」
よく見るとお淑やかそうな女性で、とても自分から男を誘って、不倫していたとは見えません。
「頭を上げて下さい。私は奥さんに何かされた訳ではない。今日は文句を言いに来た訳では無いでのす。
大変失礼かと思いましたが、少し聞きたいことが有ります。」
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