戦い
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しかし妻は、野田に何を教え込まれたか、全て私に教えるかのように責めてきます。
私は、昨日同様、出したばかりでも、すぐに体勢が整いました。この歳で考えてもみなかった事です。
以前 妻が上になった時、妻は野田に教え込まれた腰の使い方をしていると思っていましたが、それはほんの序の口で、隠す事を辞めた妻の腰は別の生き物のように動き、まるでアダルトビデオを見ているようです。
野田に怒られながら、腰の使い方を教えられている妻の姿が浮かびましたが、私の物は萎えるどころか益々硬くなっていました。
数日前なら当然萎えていたでしょう。私の心の変化が自分でも分かりません。
妻では無く別の女を見ている気分です。
興奮が醒めて現実に戻ると、野田によって変わってしまった事が悲しくなります。
妻とのセックスでは、色々注文を出したくても出来ませんでした。
もう少しこうしてくれれば、もっと気持ちいいと思っても言えませんでした。妻も同じだったと思います。
それを野田にされてしまった。いいえ、それ以上の事を教え込まれてしまった。
妻を抱かれただけでも悔しいのに、こんな悔しい事は有りません。
そんな事を考えている内に、妻を許そうと決めたはずが、また疑念が湧いてきます。
本当に1人で泊まったのか?ホテルをチェックアウトしてから、夜までどこに居たのだろうか?
どうして携帯に出なかったのだろうか?
野田が朝早くに留守だったのは偶然だろうか?
疑問だらけです。
私は、妻を疑う事を楽しんでいるのかもしれません。
苦しむ事を楽しんでいるのかもしれません。
妻を虐めて楽しんでいたのかもしれません。
気付かない内に楽しんでいたにしても、こんな苦しい楽しみは嫌です。平穏に暮らしたい。
女としての妻は受け入れる事が出来そうな気がしますが、妻として許せる時が来るのでしょうか?
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9月22日(月)
明日は祭日なので、今日はじっくり妻を責めてみようと思っていましたが、いざ始まってみると、また逆に責められっぱなしで、口や手でして貰っている時などは、出そうになる度に わざと動きを止められ、焦らされる始末です。
結局、最後まで妻主導で、これはこれで気持ち良かったのですが、終わってみると何か面白く有りません。
妻は、野田に縛られ、いたぶられていたはずです。
その妻に責められっぱなしでは、上から野田、妻、私の上下関係が出来たようで嫌な気持ちがしました。
妻を縛ってみようとも思いましたが、私に出来るのは後ろ手に縛る程度で、SMの様な行為は、野田と比較されそうで、野田の真似をしている様で、する気になれませんでした。
「あいつに焦らされたりしていたのか?」
妻は、野田との行為を もう隠さないと言っていた通り、素直に答えました。
「はい。課長は私に色々言わせるのが好きで、身動きが出来ないように縛られたまま焦らされて、色々言わされました。」
やはり自分がされていた事を私にしていたようです。私を喜ばせる為にしていたとすれば、妻は焦らされる事で、快感を得ていた事になります。
「口と手の使い方が上手かったが、どうやって教えられた?」
「普通に教えられる事も有りましたが、ほとんどは、私の身体に火をつけておいてから、いかせて欲しければ言うとおりにしろと言われて、最後までして欲しい私は、言われるとおりに、必死に。ごめんなさい。」
「腰の使い方もそうか?」
「言われた通りに動かないと、途中で動けないように腰を捕まれて。」
妻が貪欲に快感を貪る姿が浮かびます。
ただセックスをしていただけでなく、人の妻を自分好みに変えようとした、野田への怒りが増しました。
犯罪になるような復讐は出来そうに無い今、どの様な復讐が出来るでしょうか?何か有るはずです。
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4月に昨年の9月分まで掲載させて頂き、その後、野田からの揺さぶりや、妻と多少のトラブルも有りましたが、
今年の正月休みに家族4人で旅行に行き、やはり妻がいなければ駄目だと再確認出来、全面的に許す事に決めました。
野田への復讐も色々考えましたが、慰謝料も貰った今、法的な復讐は出来ず、そうかと言って非合法な事は考えるだけで、現実には出来ずにいました。
“戦い”という題名なのに少しも戦っていないと ご指摘を受けましたが、これは私自身の心の中での自分との戦いを、単身赴任先で書いた物でした。
実は、前回の単身赴任から戻り、またすぐに、今度は子会社の社長を命じられ、今年の3月から前回より遠い所に赴任しています。
社長といえば聞こえは良いのですが、ここは8月末で解散させる予定の社員10人の小さな会社です。
私の仕事は ここを整理する嫌な仕事です。
幸い社員は他の関連会社に組み込み、リストラせずに済むのですが、下請け業者などは殆ど切り離さなければなりません。
当然、相手は生活が掛かっているので必死で、身の危険を感じる事も少なく有りません。
相手に同情してしまう事も多いのですが、その事を隠して、非情にならなければいけないこの仕事は、精神的にきついのですが、身体は比較的楽なので、アパートに戻ると これを書いていました。
あれから単身赴任するまでの半年近く、妻は私に一切逆らわないで昼も夜も献身的に尽くしてくれ、私さえ野田との件を忘れる事が出来れば、こんな快適な暮らしは無かったと思います。
今回、妻を1人残してくる事に不安が無かった訳では有りませんが、赴任期間も半年と短く、また、以前の様に信用する事が本当に許した事になると思ってそうしました。
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4月29日(木)
今年の正月までで書くのを止めていた日記を、今日からまた書く事にしました。
日記と言っても以前と同じ、ただパソコンで箇条書きにしたものですが、まさか また書く事になるとは、自分でも思っていませんでした。
今年のゴールデンウイークは、私はカレンダーどおりの休みしか取れませんが、妻は29日から5月9日まで休みなので、今日こちらに来て、
1日から私と3泊4日で近くの温泉に行き、その後、私のアパートでゆっくりしてから7日には帰り、10日からの仕事に備える予定でした。
妻は、私がここに掲載させて貰っていることや、日記のような物をつけていた事すら知らないので、妻が帰った後で箇条書きの日記に、その時の気持ちなどを詳しく書き足して、“戦い”を終える予定でいました。
ところが最後のハッピーエンドを、その時の吹っ切れた晴れやかな私の気持ちを、書く気が起きなくなっています。
3月に赴任した時は、毎週 妻を呼び付けていましたが、流石に片道4時間以上掛かる為、口には出しませんが、妻も疲れている様なので、4月になってからは 月初めに一度来てもらっただけです。
妻が来ると朝までしてしまい、日曜の昼過ぎに起きて帰って行くという、ただセックスをしに来ただけの様な日も有り、この歳になって新婚に戻ったような気分でした。
妻は、従順で、こちらに来いと言うと、どの様な予定が有っても私を優先させて必ず来ました。
昼間の生活は勿論ですが、初めの内は、野田に教え込まれたテクニックで妻主導だったセックスも、今では私の言いなりで、どの様な要求にも応えてくれていました。
ところが、今朝電話が有り、ゴールデンウイーク明けから生産に入る商品に、今頃になって改善しなければならない箇所が見つかり、
今日は会社に出なければならなくなったので、こちらに来られるのは明日になると言うのです。
たった1日の事ですが、あれ以来、何が有っても一度も私に逆らった事の無い妻の、言い方は済まなそうに謝っていても、相談ではなく、もう決めたと言わんばかりの態度に腹が立つと同時に、1年前の事を思い出して少し不安になりました。
その位の事でと思われるかも知れません。私もそう思います。
しかし、今までの従順過ぎるほどの妻と、かなりギャップが有り、妻が嘘をついていると感じたのです。
これは私の被害妄想かも知れません。被害妄想というより妻を疑って、以前の様に問い詰め、虐めたいのかも知れません。
今度あの様な事が有れば離婚は避けられないと、妻は分かり過ぎるほど分かっているはずです。
妻が離婚覚悟で、また昨年の状態に戻るとは思えないです。それでも疑ってしまいます。
もうあの様な苦しい思いは嫌なのに、妻を問い詰め、虐めていた時が懐かしく思った事も有りました。
これを書いていても 嫌な予感が大きくなってきます。
野田との仲が戻る事は無いと思うのですが、何か嘘をついている様な気がして仕方が無いのです。
またあの様な事は絶対に嫌なのですが、それ以外の事で妻が嘘をついていたら、それを問い詰めてみたい願望も少し有る、本当にくだらない男です。
妻との主従関係を強くしたいのかも知れません。
結局、自分に自信が無いのでしょう。
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4月30日(金)
昨夜はあの様に書いた後、冷静になってみると、妻がもう嘘をつく事は考えられないし、こんな時も有ると思い直していました。
ところが今朝 妻から、商品の修正が上手く行かずいつまで掛かるか分からないので、旅館をキャンセルして欲しいと電話が有り、
今月の初めから妻に会っていない、妻を抱いていない私は、この旅行を楽しみにしていたので、オモチャを取り上げられた子供の様にイライラしてしまい、何も言わずに電話を切りました。
その夜 妻からの謝罪の電話を待ちましたが、電話は掛かってきません。
仕方なく私から電話を掛けましたが、家の電話も携帯も、呼び出すのですが妻は どちらにも出ませんでした。
9時になり漸く妻から電話が有り。
「あなた、ごめんなさい。携帯に電話してもらったのですね。
みんな連休が潰れそうなのでカリカリしていて、少しの音にも敏感になっているので、携帯をマナーモードのままバッグに入れて有って気が付きませんでした。ごめんなさい。」
この言い訳で昨年の事を思い出し、頭の中は疑惑でいっぱいなのに、なぜか自分を隠してしまい、
「こんな時間まで仕事だったのか?」
「はい。このままでは連休が無くなってしまいそうなので、誰も仕事を止め様としません。
おかげで明日には終わりそうなので、2日には そちらに行けそうです。本当にごめんなさい。」
「明後日は来られるのだろうな?もう夕食は食べたのか?」
「このまま行けば、たぶん大丈夫だと思います。何か疲れてしまって、夕飯は牛乳を飲んで済ませました。」
「何か食べないと駄目だぞ。じゃあ明後日待っているから。」
「ありがとう・・・・・・。ごめんなさい。」
「美鈴。泣いているのか?大丈夫か?」
「いいえ。喉の調子がおかしいだけです。ありがとう。」
妻は、最初から声に元気が無く、最後は涙声だったと思います。
これは私に対して、申し訳無い気持ちからなのか、私に対して嘘をついている後ろめたさからなのか分かりませんが、最近の妻と何か違う物を感じました。
これが私の被害妄想だと良いのですが。
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5月1日(土)
今日から休みなので、遅くに起きて、近くの喫茶店にブランチを食べに行きましたが、何か胸騒ぎがして落着きません。
コーヒーを飲みながら考えていて、結局 私が帰る事にしました。
家に着いたのは夕方の5時でしたが、妻は車で行っているようで私の車しか有りません。
6時30分を過ぎても帰って来ないので、携帯に電話しましたが、やはり呼び出しているのですが、妻は出ないので、すぐに留守電に変わってしまいます。
しばらく考えていましたが居ても立っても居られず、気が付くと車で妻の会社に向かっていました。
会社の前に着いたのは7時30分でしたが、どの窓も明かりが点いておらず真っ暗です。
仕方なく家に戻り、妻を どの様に問い詰めれば良いのか考えていると、9時近くになって妻の車が戻って来た音が聞こえたのですが、
妻が入って来ないので窓から覗くと、妻は運転席のシートにもたれたまま動きません。
家に明かりが点いていた事で、私が帰っている事を悟り、言い訳を考えているのかと疑い、私が出て行って運転席側の窓を叩くと、妻は私が帰っていた事を知らなかった様子で、驚いた様な顔をして車から降りて。
「あなた、帰って来てくれたのですね。」
そう言うと私に抱き付き、涙を流しました。
ここでは近所の人に見られると嫌なので、妻を抱き抱えるように家の中に入り、ソファーに座らせ。
「どうした?車の中でぼんやりして。それに何を泣いている?」
「少し気分が悪くて目眩もしたので、しばらく車から降りることが出来ませんでした。ごめんなさい。
でも、あなたは怒っていると思っていたので、まさか帰って来てくれるとは思わなかったので嬉しくて。あなたの顔を見たら、つい。」
「身体は大丈夫か?」
「せっかく帰って来てくれたのに、ごめんなさい。たぶん疲れているだけだと思います。」
妻は、本当に疲れ切った様子だったので、妻の会社が真っ暗だった事は明日聞く事にし、食欲が無く何も食べたく無いと言うので、栄養ドリンクを買ってきて飲ませ、久し振りに妻を抱きたい気持ちを抑えて寝かせました。
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5月2日(日)
朝、目が覚めると、妻は隣のベッドでまだ眠っています。
起こさない様にそっと部屋を出て、コーヒーを煎れていると妻が起きてきました。
「すみません。私が用意しますから休んでいて下さい。」
「今日はいいから休んでいろ。」
妻の顔を見ると、泣いた後のように目が少し腫れているような気がします。
コーヒーとトーストだけの朝食を食べながら、疑問だらけの私は、
「昨日は何処で仕事をしていた?帰ってから、一緒に夕飯でも食べようと美鈴の会社まで行ったが、誰もいなかったぞ。」
「え・・・・。言って無かったですね。ごめんなさい。会社ではなく、メーカーで・・・・・。」
言ってしまってから後悔しました。妻に先に言わせないと言い訳されてしまいます。
この様な時でも、私は妻と駆け引きをしていました。
「あいつも一緒だったのか?」
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