戦い
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俺だって そんな人生は送りたくない。そんな人生は嫌だ。
でも 誰がそうさせた?誰が悪い?俺か?俺がお前達の関係を認めて、笑っていれば良かったのか?
俺だってこんな人生・・・・・・・・
・・・・・・もういい、服を着ろ。」
「あなたの これからの人生を駄目にしてしまった。こんなにも苦しめてしまった。
私はどうしたらいいの?どうしたらあなたの心を楽に出来るの?
一生復讐を考えて生きるなんて、そんなあなたにしてしまった私は、どうやって生きていけばいいの?
ごめんなさい。許して下さい。
忘れます。彼の事は忘れます。あなただけを見て生きて行きます。
だから許して。許して。」
「簡単に忘れると言うが、それなら どうしてもっと早く忘れなかった?
忘れようとしても忘れられなかったのだろ?
今はそう言うだけで、簡単に忘れる事は出来無いだろ?
それと同じだ。俺にどの様な復讐が出来るのかも分からん。
ただ、今の俺の正直な気持ちだ。」
寝室に戻り、今後の事をずっと考えていました。
その時 携帯が鳴り、見ると私の会社からでした。
「ここ何年か一度も有給を取っていなかったので、日曜まで休みを貰っていたが、明日どうしても出社して欲しいと頼まれたから、俺は今夜の新幹線で戻る。
美鈴も仕事を辞めさせて連れて行くつもりだったが、ここに残って会社に行け。
情けない話だが、子供を2人共 私大に入れてアパート暮らしをさせる事が出来たのも、お前の収入もあったからだ。
今の会社を辞めて違う仕事を探しても、今の収入は無理だろう。
でも、それだけでは無い。
一緒に暮らしても俺は お前を24時間監視する事は出来ないから、会おうと思えば会える。
結局、お前の気持ちが変わらなければ同じだ。
身体の関係は勿論だが、心の繋がりが無くならなければ同じだ。
昔の歌にもあったが 逢えなくなって尚更募る恋心という事もある。
毎日仕事で顔を合わせて、それでも何の感情も無くなれば本物だと思う。
お前とあの男が毎日顔を合わせる事は正直辛い。しかし、自分でも甘いと思うが、お前の気持ちが変わる事を信じようと思った。
今の気持ちに切りを付ける為なら あいつと2人で話をしてもいい。
ただ甘い言葉や、身体の関係は許さん。そうは言っても隠れてホテルに行く事は出来るがな。
でも、もうこれ以上 俺の人生を辛い物にしないでくれ。またそうなった時は、今度は復讐だけの人生になってしまう。他には何も無くなってしまう。
結局、物理的に引き離す事は出来ても、美鈴の気持ちが俺だけに無いと、この問題は 俺の中で解決しない。
悔しいが美鈴の心までは どうにもならない。美鈴に任せるしかない。」
「もう二度と裏切りません。また信じてくれるあなたを裏切る事はしません。
ごめんなさい。ごめんなさい。
必ず、あなただけを見られる様になります。私も昔の様にあなただけを見ていたい。
ごめんなさい。ごめんなさい。」
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5月31日(土)
昨夜から妻が来ています。先週も金曜の夜に来ました。
妻からの申し出で、今までとは逆に、たまに私が帰り、後は、金曜の仕事が終わり次第妻が来るようです。
あの時は、偉そうに言ったのですが、妻を残して来た事で毎日夜になると妻を疑い、2人が仲良くベッドで話をしている光景が浮かび、辛い日々を過ごしていました。
妻に色々と聞きたいのですが、話せば おそらく嫌味を言ってしまうので、妻とは必要最小限の会話しかしません。
その事で、妻も笑顔を見せずに、暗い表情で何か考え込む事が多く、更に その事で私は、あの男の事を考えているのでは無いかと勘ぐり、悪循環から抜け出せません。
以前は、綺麗な花を見掛けただけでも、笑いながら2時間も その事で話が出来たのですが、そのような日々は、もう来ないのでは無いかと思ってしまいます。
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6月1日(日)
野田とは、月初めの日曜に、慰謝料を持って来させる約束をしていたので、初めての慰謝料を、約束どおり午前中に持って来ました。
殴る約束をしていたのですが、妻に その様な姿をもう見せたく無いので、それはしないつもりでした。
しかし、野田の謝る姿を見せるために妻を玄関に呼び、野田が入ってきて顔を見ると怒りが込み上げ、鳩尾を思い切り殴ってしまいました。
その瞬間、野田ではなく妻が声を上げ、野田は殴られた所を押えて屈み込みましたが、妻が どう思ったかは気になっても、野田に対しての罪悪感はありません。
無いどころか、まだ殴り足りない自分を怖く感じました。
野田は、玄関の土間で土下座して謝り、お金を手渡すと足早に帰って行きました。
妻を見ると、野田に対する同情からか、こんな私にしてしまった罪悪感からかは分かりませんが、涙を流しています。
涙の訳を聞きたいのですが、怖くて聞けません。
妻に対しても、当然まだ怒りがあるのに、妻に悪く思われなかったか気にしている、情けない私がいます。
顔を見れば殴ってしまうので妻を気にして、来月から振込みにさせようかと考えてしまう、情けない私がいます。
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6月27日(金)
仕事が終わると、新幹線に飛び乗り、久し振りに我が家に帰って来ました。
妻は、あれから毎週来てくれていたのですが、やはり妻も私も必要最小限の会話しか出来ずにいました。
今日着いてからも、挨拶を交わした程度で、私は、お風呂に入ってから、寝室でテレビをぼんやりと見ていたのですが、しばらくすると、風呂上りの妻が私のベッドの足元に座り、深刻そうな顔で話し出しました。
「今日仕事が終わってから、あれから初めて課長と2人で話をしました。ごめんなさい。」
「お前の気持ちに切りを付けるためなら話してもいいと言ったが、どこでどの様な話をした?」
「喫茶店では あなたに悪いと思ったので、駅のベンチで10分ほど話しました。本当です。」
「いや、疑ってはいない。2人で話をしても隠しておけば、俺には分からない事だから。それを話してくれると言う事は、正直に話しているのだと思う。」
「ありがとう。あれから毎晩1人で色々考えました。そして分かった事は、仕事が出来る課長に対しての憧れと、同情から付き合っていたのだと分かりました。
課長は女子社員に人気があります。課長に憧れている若い女子社員も多いです。
そんな課長にとって私は特別な人間であり、課長を救えるのは私しかいないという優越感もありました。やはり愛情では無いと知りました。
愛しているのはあなた1人だと言う事も再確認出来ました。愛している人に、なんて酷い事をしてしまったのだと悔やみました。
会社で毎日顔を合わせても、お互いに変な意識があったので、それが嫌で、もう課長と2人で会っても大丈夫だと思った私は、この事を打ち明けて気持ちを切り替えようと思いました。
課長は、分かってくれたのですが、その時に課長から、あの後、奥様は子供を連れて実家に帰り、ずっと話し合いを続けてきたけれど、離婚する事になったと聞かされました。
来週離婚届けを出すそうです。
それを聞き・・・・・・・私・・・・・・・。」
「美鈴、どうした?また可哀想になって付き合いたくなったか?
自分も離婚して責任を取り、あいつと一緒になって助けてあげたいと思ったのか?」
「違います。課長と付き合う事は、もう絶対にありません。あなたと別れたくありません。
ただ、同罪の私だけ・・・・・このままでいいのかと・・・・。
課長の奥様は、私に対して、慰謝料も請求して来ませんでした。
私はこのままで・・・・・・課長だけ・・・・・・・・・・・・。」
「同罪だから あいつと同じ様に俺と別れたいという事か? 慰謝料を取るなという事か?」
「違います。あなたとは別れたくないし、何も悪く無いあなたを、私が傷付けてしまったから、あなたの気が済むようにして欲しいです。
何が言いたいのか、自分でもよく分からないです。何がしたいのか分からないです。
ごめんなさい。ごめんなさい。」
妻は、焦点が合わない目でじっと壁を見詰めています。
妻自身気付いているかどうか分かりませんが、以前、野田の事を彼と呼んでいたのが、課長と呼ぶようになっているので、妻の告白は本当だと思います。
しかし、妻が見詰める先に何が見えているのか分からず、困惑してしまいました。
離婚すると聞いて最初は不幸を喜びましたが、愛する人と別れた野田に何か不安も感じます。
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7月3日(木)
会社の帰り道、携帯が鳴りました。
「あなた。今日課長から
“この日曜日はどうしても抜けられない用が出来たので、今月は振込みにさせて欲しい。明日振り込みたいので、口座を教えて欲しい。”
と言われたので、あなたに聞いてからでないと分からないと答えておきました。」
頭に来た私は、野田の携帯に電話して抗議すると。
「もう殴られるのは嫌だ。もう充分だろ?遠い所までわざわざ持って行くのも嫌になった。今月から振込みにさせてもらう。
振込みが駄目なら、月に一度どこかで美鈴さんに渡してもいいぞ。」
今まで誠実に対応していた野田の変わり様に驚きましたが。
「約束が違うだろ。約束を破るつもりか?」
「約束?誓約書に書いた事は守る。
月に一度支払うとは書いたが、持って行くと書いてあるか?
それに暴力は犯罪だ。不法行為を正式な文章に書ける訳が無い。
殴られてもいいと書いてあるか?今度からその様な事があれば、きちんと対処させてもらう。」
そう言うと一方的に切られてしまいました。
私は、急いでマンションに戻り、妻に電話すると。
「あれから電話があって、あなたによく謝ったら、許してくれたので教えて欲しいと言われ、口座を教えました。
今後は、もう振込みでいいと言ってくれたと、凄く喜んでいて、あなたは寛大な人だと、自分にはとても出来ないと褒めていました。
あなた、すみませんでした。」
私は、妻に何も言えなくなり、もう一度野田に電話すると。
「いい人になれて良かったじゃないか。
今回の事を会社に言ってもいいぞ。
就業中に不倫していれば別だが、うちの会社は、個人の問題だと言って注意で済む。
結局 利益優先で無理な配置換えもしない。
昇進には影響するだろうが、もうどうでもいい。
聞いていると思うが、俺は離婚した。
何のために偉くなって、誰のために金儲けするのか分からなくなった。
どうして離婚を承諾したのか教えようか?
それは他にも好きな人がいるからだ。
別れた妻との関係に疲れた。
俺を裏切った女は忘れて、次の恋愛に進もうと思ったからだ。」
野田は言葉使いも変わっていました。
これは私への挑戦状だと思い。
「お前が離婚しようと不幸になろうと俺には関係ない。ただ妻にはちょっかいを出すな。」
「勿論、誓約書に書いた事は守る。
俺も裁判沙汰は嫌だし、いい加減な男と思われて、あの人に嫌われたく無いからな。
仕事以外では2人で会わないし、仕事以外の連絡もしない。
ただ部下と多少のコミュニケーションをとるのは、仕事の内だと思っている。上司にそう教えられてきた。
それと、駅で話した時のように美鈴さんの方から来た時は、俺に言われても どうしようもない。」
「勝手にしろ。妻には会社を辞めるように言う。」
「その方がいい。自信が無いのだろ?信用出来ないのだろ?俺達夫婦もそうだった。
俺は、妻をずっと疑って暮らしてきた。妻は、過ちを悔い改めたのに信用出来なかった。
妻も今回の事で俺が信用出来なくなった。そんな夫婦が上手く行くはずが無い。
あんた達も別れた方がいいぞ。
会社を辞めて何処に行っても同じだ。その内、男に道を尋ねられたのを見掛けただけでも疑うようになる。
俺は、誓約書どおり誘ったりはしない。ましてや無理やり関係を持とうなんて思ってもいない。
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