突然の海外赴任
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しかし私は、そんな妻を無視して、
「おい、何とか言えよ。おれの希望を出来る限り叶えてくれるのだろ?」
「出来ません。どれも出来ないです。どうか私に出来る事にして下さい。お願いします。」
「そうか。それなら現実に出来る事を頼もう。
去勢してくれ。いや、全て取ってしまって、性転換してくれ。そうすれば過去は消せなくても、今後は少し安心出来るかも知れない。
どうせ この様な事が平気で出来る2人だから、今も謝りながら腹の中では舌を出しているのだろ?これからも目を盗んで会うのだろ?
おまえが女になれば少しは安心出来る。これなら現実に出来る事だ。」
無理を言っているのは分かっていまが、これは私の本心なのです。
稲垣も妻と同じ様に額を畳につけて、
「すみません。私には出来ません。」
「努力するから何でも言ってくれと言いながら、何もしてくれないのだな。
俺にこれだけの苦しみを与えておきながら、銀行には知られたくない。
性転換も嫌だ。おまえは本当に償う気は有るのか?おまえは何も失わないじゃないか。」
すると妻が話しに割り込んできて、
「私が悪かったです。あなたを裏切ったのは私です。あなたには私が償います。どの様な償いでもします。あなたの言う事なら何でもします。」
妻の稲垣を庇う様な言葉で更に頭に血が上り、ネクタイを持って来ると妻に投げつけて、
「それなら死んでくれ。
おまえと結婚した事が人生最大の汚点だった。
今からでは 人生のやり直しは出来ないかも知れないが、過去の汚点だけは消し去りたい。
それで首を吊って死んでくれ。
ただし、おまえの遺体なんて引き取りたくは無いから、誰にも見つからない様な所で死んでくれよ。」
妻は、体に当たってから目の前に落ちたネクタイを見詰めたまま動きません。
「何処で死のうか考えているのか?
そうか、俺が無神経だった。俺が身に着けていた様な物で死にたくないか。死ぬときぐらいは、愛する人の物で死にたいよな。
稲垣、おまえのベルトを渡してやってくれ。」
それを聞いた妻は、ネクタイを力一杯掴んだのですが、やはり動こうとはしませんでした。
「間違っても車に飛び込む様な真似はするなよ。おまえの様な人の心も持たない人間の為に、見ず知らずの人に迷惑を掛けるなよ。」
当然、妻は出来ないと言って すぐに許しを請いながら、泣き崩れると思っていたのですが、
妻はそのままの状態で動かず、涙は流していても泣き崩れる事も無かったので、私の目論見は狂い、思惑通りに事が進まないことにも腹が立ちました。
何度謝らせても私の心が晴れる事はないのですが、それでも常に謝罪の言葉を聞いていないと不安なのです。
私が次に思いついたのは娘の事でした。
「理香の事は心配するな。おまえの様な女にならない様に、俺がしっかりと育てる。」
すると妻は顔を上げて、縋る様な目で私を見詰め、
「ごめんなさい、出来ません。私には出来ません。理香を残して死ぬなんて出来ません。死ねばあなたの顔も見られなくなってしまう。許してください。他の事なら何でもします。」
「理香?今頃何を言っているのだ?今迄散々 理香を放りっぱなしで、こいつに抱かれて喜んでいたおまえが、理香を残して死ねない?
そんな物ただの言い訳だ。自分が死にたくないだけだ。
それに、あなたの顔が見られなくなる?それも言うなら こいつの顔だろ?
言い間違えたのか?それとも お得意のご機嫌取りか?
あなたの言う事なら何でもすると言いながら、死んでくれと言えば死ねないと言う。
本当にお前の言う事はその場凌ぎの嘘ばかりだな。」
その時 稲垣が妻に助け舟を出し、
「お願いします。死ねなんて言わないで下さい。お願いします。」
「またまた 色男のご登場か?何を偉そうに言わないでくれだ。それなら おまえが代わりに死ねるのか?死ぬどころか、ちょん切る事すら出来ない奴が格好ばかりつけるな。」
その時、奥さんが一際 大きな声で泣き出したので、怖い思いをさせて奥さんまで苦しめていると知り、
「奥さん、すみません。折角来て頂いたのに、俺の怒りばかりぶつけてしまって。
でも奥さんもこれを見れば、私の怒りを少しは分かって頂けると思います。
おい、死ぬのは許してやるから、奥さんの前に立ってスカートを捲ってみろ。」
妻は、奥さんの近くまでは行ったのですが、その様な事が出切る筈も無く、ただ立ち尽くしています。
「何でもするからと言うので、死んで詫びろと言えば それは出来ないと言う。
スカートを上げて、お前達のしていた恥ずかしい行為を見てもらえと言っても、それも出来ない。
何でもすると言うのは、いったい何をしてくれると言うのだ?
これも嘘、あれも嘘、嘘、嘘、嘘、おまえが俺に言った事で、本当の事は何も無い。」
すると妻は顔を横に向けて目を閉じ、スカートの裾を持って ゆっくりと上げ始めました。
「もっと上げろ。パンティーが完全に出てしまうまで上げろ。」
私が後ろからパンティーを一気に下ろすと、俯いていた奥さんは顔を上げ、
「智子さん、これは?」
そう言ってから目を逸らすように、また俯いてしまいました。
「稲垣、おまえがやったのだな?おまえが剃ったのだな?」
「・・・・はい・・・・すみませんでした。」
「智子。確かこれは水着を着る為に、自分で剃ったと言っていなかったか?おまえの人生は嘘ばかりか?
どうせ俺と結婚したのも嘘だったのだろ?好きでも無いのに嘘で結婚したのか?」
「違います。」
「何が違う?本当は俺と付き合う前、こいつの所に泊まった時から関係が有って、それからも、ずっと続いていたのではないのか?俺は もう何も信じられなくなった。」
私の言った事が当たっているとすれば、結婚してからも妻には もう一つの顔が有り、私に見せていた顔が妻の全てだと、ずっと思っていた私は間抜けな道化師だった事になります。
私が話し終わると、ずっと泣いていた奥さんが妻の前に座り、
「智子さん、本当なの?私はずっと気になっていました。
あの時、主人が、昨日は夜遅かったので一晩泊めたと自分から話してくれて堂々としていたし、
あなたにも悪びれた様子は無かったので、主人を信じよう、智子さんを信じようと思ったけれど、ずっと私は気になっていた。
あの時からの関係なのですか?もしも そうなら、私の人生は何だったのだろう。」
「ごめんなさい。典子さん、ごめんなさい。でもあの時は、典子さんを裏切る様な事はしませんでした。それだけは信じて。」
「裏切る様な事はしなかった?
奥さん、こいつらの感覚では、キスはしたが それは裏切では無いそうだ。
一晩中ベッドに寝て抱き合っていたけれども、裏切った気持ちは無いそうだ。
それに、健康な男と女が狭いベッドで抱き合ってキスしていても、他には何も無かったそうだ。」
奥さんは、また妻の両肩を掴んで揺すりながら、
「嘘だと言って。智子さん、キスもしなかったと言って。抱き合っていたなんて嘘だと言って。そうでなければ、あの日からの私の人生全てが無駄に思えてしまう。」
奥さんは紙に包まれた何かを出すと、何も答えずに泣いている妻の目の前で開き、
「これは智子さんの物なの?それだけでも教えて。お願いだからこれを見て。」
妻は一瞬見たものの、すぐに顔を背けて黙っていたので、私が近くに行って見せてもらうと、それは米粒2つ分ほどの、蝶の形をした小さな金属でした。
これは私が3回目の結婚記念日にプレゼントした、イヤリングの先の花の中心に付いていた物です。
妻は、可愛いと言ってよくつけてくれたのですが、片方の蝶を何処かに落として来てしまったので、なんとか修理出来ないか購入店に持って行った覚えが有ります。
「これは妻のイヤリングの先に付いていた物です。これを何処で?」
「バスルームの脱衣場です。
9年前に私の親戚で不幸が有った時に、子供を連れて泊まりで実家に行っていたのですが、帰った日の夜お風呂に入ろうとした時に、脱衣場の隅に光る物を見つけました。
手に取ると蝶の形をしていたので、最初は、子供の玩具の何かかとも思いましたが、玩具で この様な物が付いている物に心当たりがなく、これは何かアクセサリーの一部だと思いました。
そう思うと悪い方にしか考えは行かずに、ずっと主人に問いただそうと思って 大事に持っていたのですが、結局、主人の答えを聞くのが怖くて9年間も聞けずにいました。」
奥さんは 今まで稲垣に言えなかった胸の内を、熱く話し出しました。
「私はずっと自分に自信が無かった。
付き合っている頃から、主人が智子さんの話をする度に、心配で仕方がなかった。
智子さんから電話が掛かってきた時や、3人で食事に行った時に、私には見せた事の無い様な主人の笑顔を見る度に、不安で仕方がなかった。
私は可愛くも無いし、プロポーションだって智子さんみたいに良くないし、学校だって高校しか出ていない。
私なんかと、どうして付き合ってくれているのか不思議だった。
どうして一流大学を出たエリートの主人が、私なんかと結婚してくれたのか不思議だった。
一晩一緒にいたと言われた時から、ずっと智子さんの影に脅えていた様な気がします。
でも、主人が私の事を どう思っていようとも、私が主人を愛しているのに変わりは無いのだから、
例え主人が私を愛してくれていなかったとしても、一緒に居られれば それでいいと、自分を納得させていました。
主人に何度か女の影を感じた時も、相手が智子さんで無ければ、ただの遊びだから 我慢しようと思ってきました。
でも、智子さんだけは、嫌だった。主人や2人の子供達との、幸せな生活を壊される気がして怖かった。」
「典子、そんな事を思いながら・・・・・・・・すまん、許してくれ。」
その時、稲垣は、私の前で初めて涙を見せました。
奥さんは私と違い、ずっと疑っては信じ、信じては疑って長い間苦しんで来たのかも知れません。
私は奥さんの話を聞きながら、9年前を思い出していました。
9年前といえば娘が生まれる前の年で、子供が出来ないで悩んでいた時期です。
私と酷く言い争った翌日の夕方に、妻が会社に電話をかけて来て、少し冷静になりたいので、家に戻らずに銀行から直接友達の家に行って 愚痴を聞いてもらうので、帰りが遅くなるのから外で食事を済ませて来て欲しいと言われた事が有りました。
私も言い過ぎたと反省していて、次の日が休日だった事も有り、一つ返事で快く承諾したのですが、妻は11時を過ぎても帰って来ず、
よく考えると 妻にその様な事を話せる友人がいる事も知らなかった上に、当時は携帯も持っておらず連絡の取り様が無かったので、何処に行ってしまったのか心配で、ずっと寝ずに帰りを待っていました。
結局 朝になっても帰って来ずに、私は いつしか眠ってしまいましたが、昼前に目覚めると妻は隣で眠っていて、その後も夕方まで死んだ様に眠り続け、
目覚めてから何処に行っていたのか聞くと、友達の家で朝まで悩みを聞いてもらっていたと言いましたが、
今にして思えば その友達とは、稲垣の事で、その時の様子だと、一睡もせずに朝まで愛を確かめ合っていたのだと思います。
悪い事は出来ないもので、おそらく脱衣場でイヤリングを外した時に落としてしまい、これから稲垣と一つになれる事に興奮していたのか、蝶が取れてしまった事にも気付かずにいたのでしょう。
「智子、何か言ったらどうだ?イヤリングを落として来た時も、関係をもったのだな?」
私が妻に問いただしても、妻は何も反論せずにただ泣いている事から、その時にも関係が有った事を確信しました。
何も答えない妻に代わって稲垣が口を開き、
「回数では無いかも知れませんが、その時一晩だけ関係を持ちました。
先に話していた、結婚前に私の所に泊まった時は、本当にキスだけです。
1年前から この様な関係に成ってしまいましたが、それより前は、本当にその一晩だけです。
申し訳有りませんでした。典子、すまん。」
稲垣の顔付きや話し方から、この事は本当だと感じましたが、散々嘘をついてきた2人です。まだ何か隠していそうで、全てを信じる事は出来ません。
何より、例え一晩だけだと言っても私を裏切っておきながら、その後何食わぬ顔で生活していた妻に対して、より強い怒りを覚えます。
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私は妻と2人だけで話したくなり、
「今後の事ですが、多少でもお互いの夫婦が どうするのか決まっていなければ、話し合いも違って来ると思うのです。
来て頂いていて申し訳ないのですが、妻と2人だけで話してもいいですか?」
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