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戦争の体験談を語るわ
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207 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:15:03.96 ID:kv3yaWMo
その後、また同じ家に連れて行かれて、家に入ったら、あの二人が怒りながら俺の事をビンタしたんだ。

それから俺の事、この前よりも強く抱きしめてきて、また暴れようとしたんだけど、力が強くて暴れられなかった。



208 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:19:02.02 ID:kv3yaWMo
それから知ったことなんだけど、この集落の人たちは元々民兵じゃなかったんだ。

ボシュニャチの民兵に襲われて、村の女の人や男の人、子どもも何人か殺されたり連れ去られたりして、それで武装してたんだ。

俺を世話してくれた夫婦にはさ、俺よりちょっと年上ぐらいの子どもがいたんだ。

だけど、彼は襲われた時にボシュニャチの民兵の人に殺されてしまっていてさ…。

その時、漠然と皆が苦しんでるっていう感じだったものがさ、スルツキの人も苦しんでいるんだ、被害にあってるんだ、皆が辛いんだって確信に変わったんだ。



209 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:20:09.85 ID:kv3yaWMo
多分だけど、俺がお世話になっていたボシュニャチの民兵の人達なんだ。この集落を襲ったのはさ。

そして同じような事を他の集落でもやっていたんだ。



210 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:23:44.15 ID:kv3yaWMo
中には、本当に悪い奴もいて、虐殺や暴行、レイプをしている人間もいるんだ。

それは否定しようがない事実なんだ。


そしてスルツキが今回の紛争で大勢のボシュニャチの人々を殺してたり、暴行したり、レイプしたのも事実なんだ。

だけど、彼らもまた、同じような被害にあってるんだ。


自分達を守る為に、家族を守る為に、お互いにお互いを殺しあってるんだ。

望んでいるのは、形は異なっていても、同じ 平和に暮らす ってことなのにさ。




212 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:24:44.22 ID:kv3yaWMo
でも、昔に起きた虐殺や戦争の禍根が未だに残っていて、それが お互いの理解とかそういうのを邪魔するんだ。

積もりに積もったものが、阻むんだ。



213 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:26:41.84 ID:kv3yaWMo
今までの歴史が、彼らに人を殺させるんだ。

やらなきゃ、やられるって思わせるんだ。



215 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:30:33.18 ID:kv3yaWMo
それから俺は、彼らと1年ちょっと生活した。

スルツキの人を憎む気持ちは薄れることはないんだ。

だけど、彼らにも彼らの事情があって、それを俺は否定出来ないんだよ。

否定する事が出来ないんだ。

少なくとも、全員が望んで人を殺しているわけじゃないんだ。


罪悪感とか そういうのと戦いながら、それでも殺さなきゃいけないって、それで相手を殺している人たちもいたんだ。



216 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:32:40.44 ID:kv3yaWMo
彼らと暮らして半年ぐらい経った頃だったと思う。

アメリカを始めとするNATOが、スルツキの勢力下の地域に爆撃を始めたって聞いた。

後で知ったけどさ、もっと前から国連として活動はしていたんだけど、遅すぎるんだよ。

もう何もかもが遅すぎるんだ。



219 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:43:25.67 ID:kv3yaWMo
そして彼らと暮らして大体1年2ヶ月ほど経って、1994年の12月になったんだ。

1月から停戦になるから、祐希はサラエヴォへ行って、そこから国に帰りなさいって言われたんだ。


でも、俺はもう嫌だった。

というより、これから先、全てを背負って生きていく自信がなかったんだ。


集落を出発する朝、俺を世話してくれた夫婦とか、民兵の人が集まってくれたんだ。

だけど、俺はもう無理だって、もう死にたいって思ってさ、頼んだんだ。

頼むから俺を殺してって。

痛くても我慢するから、殺してって。


大切な友達達も皆いなくなってしまったのに、生きていても辛いって言ったんだよ。



220 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:45:46.87 ID:kv3yaWMo
そしたら、周りの兵士たちも お世話をしてくれた二人も悲しそうな、少し困ったような顔したんだ。

そして お互いに見つめあいながら、何かを早口でいってさ、俺を取り囲んだんだ。


俺はソニア達に、もうすぐ そっちに行くよって、心の中で呟いたんだ。



222 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:48:08.81 ID:kv3yaWMo
やっと終われるって思ったんだ。


だけどさ、彼らは俺に何かをするわけでもなく、歌を歌いだしたんだ。

何が起きたかわからなかった。

違う国の言葉だし、意味もわからなかったんだ。

意味を知ったのは、日本に帰って数年してからっだ。




227 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:53:37.20 ID:kv3yaWMo
今、youtubeのを貼るけれど、クリックして聞くのは、日本語訳を書くまで待って欲しいんだ。

歌を聴きながら、日本語訳を目で追ってくれれば、俺が伝えたいこと、彼らが俺に伝えたかったことがわかってもらえるかもしれないから。




※参考




229 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:54:55.73 ID:kv3yaWMo
歌詞はね、


I see trees of green, red roses too

I see them bloom, for me and you

And I think to myself, what a wonderful world


I see skies of blue, and clouds of white
The bright blessed day, the dark sacred night

And I think to myself, what a wonderful world


The colors of the rainbow, so pretty in the sky

Are also on the faces, of people going by

I see friends shaking hands, sayin' "how do you do?"

They're really sayin' "I love you"


I hear babies cryin', I watch them grow

They'll learn much more, than I'll ever know

And I think to myself, what a wonderful world


Yes I think to myself, what a wonderful world

Woo yeah



230 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:55:40.64 ID:kv3yaWMo
日本語訳です。音楽を聴きながら、読んでみて下さい


青々とした木々、そして真っ赤に咲くバラが見える

僕と君のために、咲き誇っているよ

僕は自分に語りかけるんだ、

「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。


青い空、そして真っ白な雲が見えるよ

光り輝く日が訪れ、夜がやってくる

僕は自分に語りかけるんだ、

「なんて素晴らしい世界なんだろう」って。


美しい虹が、大空に架かっている

道を行き交うみんなの顔も輝かせているよ

人々は「元気かい?」と手を振りながら握手をしているよ

皆心の中で「愛しているよ」と言っているんだ


赤ちゃんの鳴き声を聞き、その成長を見守るんだ

この子たちは皆、僕が知らない世界も目にしていくんだろう

そして僕は思うんだ、

「なんて素晴らしい世界だろう」って。



そう、僕は思うんだ。

「なんて素晴らしい世界だろう」って。



235 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:02:29.33 ID:kv3yaWMo
この歌はさ、今の戦争の世界が素晴らしいって言ってるんじゃないんだ。


きっと、世界は素晴らしくなるんだ。

そう皆が願い、思えば、素晴らしい世界になるんだって意味なんだ。

愛でね。


皆、好きで殺してるわけじゃないんだ。

そうしないと自分達の仲間が子どもが殺されてしまうからなんだ。

そして、相手も同じなんだ。


それをお互いにわかっているんだよ。

わかっているのに、止められないんだ。


泣きながら歌ってるんだ。

ボシュニャチやフルヴァツキを殺した民兵たちが泣きながらさ。

彼らは好きで殺してるわけじゃないんだ。

そして それが許されない行為だと知っているんだ。

知っていながら、どうすることも出来ないんだ。

お互いにね・・・。



236 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:02:50.94 ID:kv3yaWMo
この時、英語が理解できていれば、彼らに何か言えたかも知れない。

でも、当時の俺には何の歌かわからなかったんだ。

悲しい歌なのかと思った。

平和を願う歌とは知らなかったんだ。



238 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 06:05:28.27 ID:kv3yaWMo
その後、俺はサラエヴォまで連れて行かれてさ、解放される時に手紙を貰ったんだ。

その手紙の内容は、ちょっと長いから要約するけど、


人生は不公平だ。

一生平穏に暮らす者もいれば、

一生紛争や貧困に喘ぐ者もいる。


だけど、人生には、神様が皆にチャンスをくれるんだ。

学校やお父さん、お母さん、大人や友人、彼らは何度でも君にチャンスを与えるんだ。

それを活かすかどうかは、君次第なんだよ。


小さな贈りものになるけれど、私は君に生きるチャンスを与えよう。

強く優しく、そして誠実に人生を全うしなさい。

そして、素晴らしい世界を作りなさい。

子どもが笑いながら育つ世界を。

君達子どもに託そう。

素晴らしい世界を。


こんな感じの内容なんだ。






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