男女間の修羅場を経験した話を書きますよ
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272 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:39:40.69 ID:OCgOzOrt0
ボクだって第4種(小学生)の頃はエースストライカーとして 昔は女子高生だったママ連の“茶色い声援”を浴びていたんですから。
やっぱりここは、現役女子高生の“黄色い声援”の中でプレーしたいじゃないですか。
273 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:41:21.05 ID:OCgOzOrt0
ところが……例の一件以来、潜在的に女子から不人気なボクは選に漏れるわけです。
審判確定ー! もう、こうなれば第4審として、ずーっと椅子に座っててやる。絶対に動かんぞ。
274 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:41:54.70 ID:DGvTVGEX0
カワイソス
267 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:35:53.44 ID:DGvTVGEX0
支援
275 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:43:53.80 ID:OCgOzOrt0
という固い決意も虚しく、当日は主審として笛を吹くボクでした……
腹いせに、サッカー部員に対してはファウルもオフサイドも超辛口で判定します。
こんなイベントでもカードを出す気満々ですからね。
276 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:44:46.34 ID:OCgOzOrt0
笛の度に胸ポケットを触ってビビらせてやりましたよ。
たとえイベント戦でも笛の後に胸のあたりを触る審判に呼ばれると反射的にイヤ〜な気分になるんですよ。
ざまーみろ。ニヤニヤと、嫌がらせモード全開でしたが……
277 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:46:15.83 ID:OCgOzOrt0
パキーンッ!
その時です。
何か分からない硬いものが、ボクの右顎辺りを直撃します。
ノーガードで強烈な左フックを食らったのと同じ効果で、ボクは一瞬で意識が飛んでしまいました……
278 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:47:46.46 ID:OCgOzOrt0
嫌味な笑みを浮かべながら笛を吹くボクを襲ったのは、時間待ちに草野球を楽しんでいた連中が打ち放った軟球でした。
ライナー性の打球でしたからね、もしこれが硬球なら、顎が砕けて しばらくは流動食だったでしょう。
打ちどころが悪ければ、戒名をもらっていたかもしれません。
279 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:49:07.35 ID:OCgOzOrt0
幸運なことに軟球でしたので、脳震盪だけで済んだようです。
日常から、部活がひしめきあっているグランドなので、サッカーをやってる横でバットを振り回す奴がいても、おかしくない環境なんですよ。
280 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:50:28.48 ID:OCgOzOrt0
その後、ボクの意識は救急車が到着した辺りから、ぼんやりと戻ってくることになります。
でも まだボーっとしてるし目を開けると、めまいで気分が悪くなりそうだったし おまけに顎がジンジンと痺れて、しっかり話すどころではなかったです。
281 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:52:06.05 ID:OCgOzOrt0
だから救急隊員に名前を呼ばれた時は、なんとか返事をしようと呻くのが精一杯でした。
それでも、意識があるアピールには、十分だったようで隊員は
「怪我は大丈夫ですよー」
「今から病院に向かいますからねー」
落ち着いたというか、どこか呑気な口調で呼びかけ続けてくれました。
283 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:53:59.43 ID:OCgOzOrt0
そのうち意識がハッキリとしてきて、視覚以外はしっかりと働くようになってきました。
隊員が担任か誰かに状況を聞いている様子
無線で本部か病院と連絡している様子
そして……
ボクの手を強く握り締めたままの誰かが、震えて泣いている様子――
284 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:55:40.41 ID:OCgOzOrt0
手の感触から、それが女性であろうことは分かりました。
柔らかかったですからね。
もし、男がボクの手を握りながら震えて泣いていたら、きっとトラウマになっていたと思います。想像しただけで寒いわ。
285 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:57:13.57 ID:OCgOzOrt0
ボクはハッキリしてくる頭で、その手の主を考えます……誰なんだ?恐る恐る目を開けると……
そこにいたのはミドリでした。
286 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:58:37.38 ID:OCgOzOrt0
グランドに崩れ落ちるボクに、最初に駆け寄ってきたのも彼女だと聞きました。
顔面蒼白でボクの名を呼び続け、誰にも触らせなかったとのこと。
クラスでは、その狼狽ぶりからボクが死んだと思った奴もいたらしいです。
そして、救急車には担任を押しのけて自分が乗り込んだようです。
287 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:59:45.80 ID:OCgOzOrt0
救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなりハッキリとしていました。
その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったことを覚えてます。
ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかったですね。
288 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/05(金) 23:59:57.64 ID:EpNLtOtS0
俺もそんな青春したかったな
289 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:01:22.17 ID:OCgOzOrt0
>>288氏
でも、痛かったですよ。
――
呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら
「大丈夫だから、大丈夫だから」
と、ずっと励ましてくれましたし。
290 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:02:31.18 ID:OCgOzOrt0
検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替えたミドリと担任が入ってきました。
ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしまいました。
「ユーサクのバカぁ〜!」
泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。
291 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:03:44.00 ID:SXx2AtTZ0
正直なところ悪い気はしません。
誰かが自分を心配してくれると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。
思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えようとすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。
292 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:04:52.25 ID:SXx2AtTZ0
話すことができない上、表情を変えることができないという状況下でのコミュニケーションは困難を極めます。
せっかく仲直りのチャンスなのに、ひたすら無表情でいなければ ならないのですから。
293 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:05:59.67 ID:SXx2AtTZ0
そんな様子をみた担任がニヤニヤしながら、あるモノを取り出します。
磁石と砂鉄を使って絵を描く子供用のおもちゃです。
一度は使ったことがあるでしょう?
半透明の白い板の上に磁石で線を引いて絵を描き、レバーを左右にザーっと動かすと、それが消えるというアレです。
どうやら病院の備品のようでした。
294 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:07:53.98 ID:OCgOzOrt0
それを使ってボク達は、かなり長い時間、静かな“会話”をしました。
会話文の始めはボクからです。
「心配かけてゴメン、もう大丈夫だよ」
295 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:09:29.54 ID:SXx2AtTZ0
ミドリは その道具をボクから取り上げると
「ホント心配したんだから、バカ」
そこまで書くと、それをボクに突き返します。
話ができないボクは仕方がないとして、なんでミドリまで その道具を使ったのかは謎です。
296 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:10:44.76 ID:SXx2AtTZ0
それからボクは1年前の件を謝りました。
本当は色々と言い訳を書きたかったんですが、なにしろ子供用のおもちゃですから細かい字は書けませんし、画面も小さい。
だから……
297 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:11:56.49 ID:SXx2AtTZ0
「1年前の件は、ごめんなさい」
きわめてシンプルな謝罪文です。
こんなんじゃ許してもらえないかと思いましたが、それ以外に思いつかなかったんですよ。
298 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:13:27.72 ID:SXx2AtTZ0
「元気になったら許してあげる」
この文字を見たときは、涙が出るくらい嬉しかったですよ。
そして、彼女は そのおもちゃをボクに渡すことなく、続けて何かを書き始めました。
静かな部屋に、ペンの音が響きます……
そういえば、いつの間にか担任が消えてます。
299 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:14:49.32 ID:SXx2AtTZ0
「1年間、本当に辛かったよ……」
それからは、彼女の文字による1年間の心情の吐露が続きます……本当に怒ってたのは最初だけで、そのうち事情が分かってきたらしい。
300 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:16:11.38 ID:SXx2AtTZ0
だから仲直りをしようと思ったのに、その頃にはボクが彼女を避けるようになってしまっていたとのこと。
何度か声を掛けようとしたけど、無視されるのが怖くてできなかったこと。
そして、そのままの状態で夏休みに突入したと。
301 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:17:16.15 ID:SXx2AtTZ0
そのうち、ボクがマネージャーさんと付き合い始めたこと聞いた時には後悔とショックで、何日か学校を休んだこと……
ボクはマネージャーさんとの件は、やはりミドリには伝えておこうと思いました。
だから、おもちゃを受け取り、こう書きました。
「彼女には、結局 許してもらえなかったよ」
「知ってる……」
302 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:18:18.18 ID:SXx2AtTZ0
彼女は、次にボクが何を書くのか待っています。
ボクはマネージャーさんにフラれたせいで、ミドリと再接近してるとか思われたくなかったから、どうしても次の言葉が書けません。
303 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:20:03.06 ID:SXx2AtTZ0
本当は……
「ずっとミドリが好きだったことに、やっと気づいた……」
と書きたかったのに……
304 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:22:14.82 ID:SXx2AtTZ0
ちょうどその時、ボクの母親が、わさわさと病室に到着です。
「あんた大丈夫なの〜? もう、ほんっとに鈍くさいんだから〜」
愚痴モード全開で近づいてきてから、ミドリの存在に気づきます。
もうね、なんというタイミングの悪さ。わざとなのか?
ボクだって第4種(小学生)の頃はエースストライカーとして 昔は女子高生だったママ連の“茶色い声援”を浴びていたんですから。
やっぱりここは、現役女子高生の“黄色い声援”の中でプレーしたいじゃないですか。
273 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:41:21.05 ID:OCgOzOrt0
ところが……例の一件以来、潜在的に女子から不人気なボクは選に漏れるわけです。
審判確定ー! もう、こうなれば第4審として、ずーっと椅子に座っててやる。絶対に動かんぞ。
274 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:41:54.70 ID:DGvTVGEX0
カワイソス
267 :名も無き被検体774号+:2012/10/05(金) 23:35:53.44 ID:DGvTVGEX0
支援
275 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:43:53.80 ID:OCgOzOrt0
という固い決意も虚しく、当日は主審として笛を吹くボクでした……
腹いせに、サッカー部員に対してはファウルもオフサイドも超辛口で判定します。
こんなイベントでもカードを出す気満々ですからね。
276 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:44:46.34 ID:OCgOzOrt0
笛の度に胸ポケットを触ってビビらせてやりましたよ。
たとえイベント戦でも笛の後に胸のあたりを触る審判に呼ばれると反射的にイヤ〜な気分になるんですよ。
ざまーみろ。ニヤニヤと、嫌がらせモード全開でしたが……
277 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:46:15.83 ID:OCgOzOrt0
パキーンッ!
その時です。
何か分からない硬いものが、ボクの右顎辺りを直撃します。
ノーガードで強烈な左フックを食らったのと同じ効果で、ボクは一瞬で意識が飛んでしまいました……
278 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:47:46.46 ID:OCgOzOrt0
嫌味な笑みを浮かべながら笛を吹くボクを襲ったのは、時間待ちに草野球を楽しんでいた連中が打ち放った軟球でした。
ライナー性の打球でしたからね、もしこれが硬球なら、顎が砕けて しばらくは流動食だったでしょう。
打ちどころが悪ければ、戒名をもらっていたかもしれません。
279 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:49:07.35 ID:OCgOzOrt0
幸運なことに軟球でしたので、脳震盪だけで済んだようです。
日常から、部活がひしめきあっているグランドなので、サッカーをやってる横でバットを振り回す奴がいても、おかしくない環境なんですよ。
280 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:50:28.48 ID:OCgOzOrt0
その後、ボクの意識は救急車が到着した辺りから、ぼんやりと戻ってくることになります。
でも まだボーっとしてるし目を開けると、めまいで気分が悪くなりそうだったし おまけに顎がジンジンと痺れて、しっかり話すどころではなかったです。
281 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:52:06.05 ID:OCgOzOrt0
だから救急隊員に名前を呼ばれた時は、なんとか返事をしようと呻くのが精一杯でした。
それでも、意識があるアピールには、十分だったようで隊員は
「怪我は大丈夫ですよー」
「今から病院に向かいますからねー」
落ち着いたというか、どこか呑気な口調で呼びかけ続けてくれました。
283 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:53:59.43 ID:OCgOzOrt0
そのうち意識がハッキリとしてきて、視覚以外はしっかりと働くようになってきました。
隊員が担任か誰かに状況を聞いている様子
無線で本部か病院と連絡している様子
そして……
ボクの手を強く握り締めたままの誰かが、震えて泣いている様子――
284 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:55:40.41 ID:OCgOzOrt0
手の感触から、それが女性であろうことは分かりました。
柔らかかったですからね。
もし、男がボクの手を握りながら震えて泣いていたら、きっとトラウマになっていたと思います。想像しただけで寒いわ。
285 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:57:13.57 ID:OCgOzOrt0
ボクはハッキリしてくる頭で、その手の主を考えます……誰なんだ?恐る恐る目を開けると……
そこにいたのはミドリでした。
286 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:58:37.38 ID:OCgOzOrt0
グランドに崩れ落ちるボクに、最初に駆け寄ってきたのも彼女だと聞きました。
顔面蒼白でボクの名を呼び続け、誰にも触らせなかったとのこと。
クラスでは、その狼狽ぶりからボクが死んだと思った奴もいたらしいです。
そして、救急車には担任を押しのけて自分が乗り込んだようです。
287 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/05(金) 23:59:45.80 ID:OCgOzOrt0
救急車がサイレンを鳴らして動き出す頃には、意識はかなりハッキリとしていました。
その代わりに顎の痛みが襲ってきて、非常に苦しかったことを覚えてます。
ただ、ミドリが同乗してくれてるのは嬉しかったですね。
288 : 忍法帖【Lv=19,xxxPT】(1+0:8) :2012/10/05(金) 23:59:57.64 ID:EpNLtOtS0
俺もそんな青春したかったな
289 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:01:22.17 ID:OCgOzOrt0
>>288氏
でも、痛かったですよ。
――
呻くボクの右手をしっかりと握って、なぜか自分が泣きながら
「大丈夫だから、大丈夫だから」
と、ずっと励ましてくれましたし。
290 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:02:31.18 ID:OCgOzOrt0
検査が終わり、病室のベッドで横になっていると制服に着替えたミドリと担任が入ってきました。
ミドリはボクの顔を見るなり、みるみる泣き顔になってしまいました。
「ユーサクのバカぁ〜!」
泣き顔の彼女が、ボクに抱きついてきます。
291 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:03:44.00 ID:SXx2AtTZ0
正直なところ悪い気はしません。
誰かが自分を心配してくれると実感できるというのはなんだか、こそばゆいものです。
相手がカワイイ女性なら尚更です。
思わずニヤニヤしそうになるんですが、顔の表情を変えようとすると激痛が走るので、そうもいかないのが苦しいところです。
292 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:04:52.25 ID:SXx2AtTZ0
話すことができない上、表情を変えることができないという状況下でのコミュニケーションは困難を極めます。
せっかく仲直りのチャンスなのに、ひたすら無表情でいなければ ならないのですから。
293 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:05:59.67 ID:SXx2AtTZ0
そんな様子をみた担任がニヤニヤしながら、あるモノを取り出します。
磁石と砂鉄を使って絵を描く子供用のおもちゃです。
一度は使ったことがあるでしょう?
半透明の白い板の上に磁石で線を引いて絵を描き、レバーを左右にザーっと動かすと、それが消えるというアレです。
どうやら病院の備品のようでした。
294 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:07:53.98 ID:OCgOzOrt0
それを使ってボク達は、かなり長い時間、静かな“会話”をしました。
会話文の始めはボクからです。
「心配かけてゴメン、もう大丈夫だよ」
295 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:09:29.54 ID:SXx2AtTZ0
ミドリは その道具をボクから取り上げると
「ホント心配したんだから、バカ」
そこまで書くと、それをボクに突き返します。
話ができないボクは仕方がないとして、なんでミドリまで その道具を使ったのかは謎です。
296 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:10:44.76 ID:SXx2AtTZ0
それからボクは1年前の件を謝りました。
本当は色々と言い訳を書きたかったんですが、なにしろ子供用のおもちゃですから細かい字は書けませんし、画面も小さい。
だから……
297 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:11:56.49 ID:SXx2AtTZ0
「1年前の件は、ごめんなさい」
きわめてシンプルな謝罪文です。
こんなんじゃ許してもらえないかと思いましたが、それ以外に思いつかなかったんですよ。
298 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:13:27.72 ID:SXx2AtTZ0
「元気になったら許してあげる」
この文字を見たときは、涙が出るくらい嬉しかったですよ。
そして、彼女は そのおもちゃをボクに渡すことなく、続けて何かを書き始めました。
静かな部屋に、ペンの音が響きます……
そういえば、いつの間にか担任が消えてます。
299 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:14:49.32 ID:SXx2AtTZ0
「1年間、本当に辛かったよ……」
それからは、彼女の文字による1年間の心情の吐露が続きます……本当に怒ってたのは最初だけで、そのうち事情が分かってきたらしい。
300 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:16:11.38 ID:SXx2AtTZ0
だから仲直りをしようと思ったのに、その頃にはボクが彼女を避けるようになってしまっていたとのこと。
何度か声を掛けようとしたけど、無視されるのが怖くてできなかったこと。
そして、そのままの状態で夏休みに突入したと。
301 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:17:16.15 ID:SXx2AtTZ0
そのうち、ボクがマネージャーさんと付き合い始めたこと聞いた時には後悔とショックで、何日か学校を休んだこと……
ボクはマネージャーさんとの件は、やはりミドリには伝えておこうと思いました。
だから、おもちゃを受け取り、こう書きました。
「彼女には、結局 許してもらえなかったよ」
「知ってる……」
302 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:18:18.18 ID:SXx2AtTZ0
彼女は、次にボクが何を書くのか待っています。
ボクはマネージャーさんにフラれたせいで、ミドリと再接近してるとか思われたくなかったから、どうしても次の言葉が書けません。
303 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:20:03.06 ID:SXx2AtTZ0
本当は……
「ずっとミドリが好きだったことに、やっと気づいた……」
と書きたかったのに……
304 :バース ◆H0fjJ5ft/U :2012/10/06(土) 00:22:14.82 ID:SXx2AtTZ0
ちょうどその時、ボクの母親が、わさわさと病室に到着です。
「あんた大丈夫なの〜? もう、ほんっとに鈍くさいんだから〜」
愚痴モード全開で近づいてきてから、ミドリの存在に気づきます。
もうね、なんというタイミングの悪さ。わざとなのか?
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