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結婚することになった俺に過去を懺悔させて欲しい
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29 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:08:13 ID:TNYut6qL3
その日以来、彼女は俺に いろんな報告をしてくれるようになった。

通常の人から見たら どう思われるか分からないが、なんでも話してくれた。

リストカットをしてしまった。

もらった薬を飲みすぎてしまった。

その言葉一つひとつを俺は受け入れた。

ただ聞いてあげることしかできなくても、俺は彼女の言葉を全部受け入れた。

どんな言葉よりも、もっと分かりやすい言葉で。君が好きだと。その一言で彼女が救われるのならば。



31 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:09:18 ID:TNYut6qL3
彼女と出会って2年が経った。

大学受験も近づいてきていた。

だが夏休みに入って、俺は部活も終え、時間ができた。

そんなこともあって、二人は会う約束をした。

隣の県なので、会いに行くことは容易い。

後は口実作り。

いろんな友人に頼み込んで、俺は一日だけ外泊のアリバイを作ってもらうことができた。

彼女の母親は俺に会いたがってくれているみたいで、彼女の家に泊めてもらうことになった。

会うことが決まってから、毎日なかなか寝付けなくなった。

楽しみで楽しみで、仕方がなかった。


彼女に、リーナに初めて会うことができる。

声だけじゃない。

お互いに一度だけ、写真を交換していたので、顔は知っている。

だが、会うと言う特別な行為。

二人だけの時間が作れる喜び。

待ち遠しいとは、このことを言うのだと知った。



33 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:10:21 ID:TNYut6qL3
そして、ついに彼女に会える日がやってきた。

俺は意気揚々と新幹線に乗り込んだ。

幸せな二日間の始まりだった。


もし、この先に何が待っていようとも。今の幸せをかみしめられる、それだけで俺は十分だっただろう。

彼女とすることに、過ちなんてない。

あってはいけなかった。

そんなものはないはずだった。





35 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:11:46 ID:xo5xTYWyH
隣の県なのに、初めて降り立ったその地は、何もかもが新鮮だった。

そして、この駅を出れば、彼女が待っている。

長すぎる移動時間。たかだか1時間弱の時間が、永遠に思えるくらいに長く感じた。

約束の時間は、俺の到着する時間より30分遅くに設定した。待たせたくなかったから。

駅を出ると、広場がある。駅から向かって3番目のベンチに座って待つ。それが約束だった。

駅を出て、本当に広場があって、ベンチもあった。ひとつ想定外だったのは、3番目のベンチにはすでに先客がいたって事くらいだった。

初めて会った彼女は、写真の印象とまったく同じで、だけど少し大人びた印象も受けた。

時刻表を見て、俺のウソを見抜いていたらしく、待ち伏せされてしまった。

かっこつけようとしても、うまくはいかないなと内心思いながらも、今は無事に会えた幸せで胸がいっぱいだった。



39 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:16:53 ID:TNYut6qL3
夢のような時間だった。

いろんな場所に連れて行ってもらった。

高校の同級生に会いたくないと言うことだったので、高校があるエリアからは離れた場所で遊ぶことになったが、それでも何もかもが楽しかった。

時間があっという間に過ぎていく。時の流れとは、同じじゃない。時の刻みは、残酷だ。

夜は、彼女の家に案内してもらった。

リーナの母親は、とても気さくで良くしゃべる人だった。初めて会う俺にも とても優しく接してくれた。いっぱいいっぱい、ありがとうと言ってくれた。娘の心の支えであると。

俺には もったいない言葉だった。不覚にも、涙が出そうだった。



42 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:18:53 ID:TNYut6qL3
リーナの妹もとても人懐っこく、物おじすることなく俺と話すし、三人一緒にゲームもした。

せっかくだからと、夜は彼女と同じ部屋で過ごすことになった。部屋の壁は薄いし、別に間違いは起こらないよね、と話し笑うリーナの母親が とてもたくましく見えた。

それに、間違いは起こらないと信じてくれていたのではないかなとも思うが、むしろこっちが戸惑ってしまった。

夜は電気を消した部屋で、遅くまでいろんな話をした。

俺の腕にちょこんと収まり、じゃれつく猫のような彼女とその体温を感じた。

こんな幸せな時間があるだろうか。

時計の秒針が刻むリズムの中で、二人は語らいあった。

明日も遊ぶんだから、寝不足はいけないよと、寂しそうに言った彼女と、一度だけ口づけを交わした。最初で最後の、甘く切ない刹那を俺は忘れない。



44 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:20:26 ID:TNYut6qL3
夜が明けて、おいしい朝ご飯を食べた後に、二人で海を見に行った。

彼女にとっては、特別な存在ではないかもしれない、海。

俺はあまり海に行ったことがない分、海の近くに住んでる彼女を羨ましく思った。

二人で海を眺めた。寄せて返す波を、無言で見つめた。

俺の帰りの時間が迫っている。何か特別な事をするのも一つなのかもしれない。

だが、こうして二人で静かな時を過ごすことをもったいないとは微塵も思わなかった。

肩を寄せ合い、波打ち際に腰掛け、俺は肩を抱くくらいしかできなかったけど、それでも幸せだった。

夢のような二日間が、こうして幕を閉じた。

さようならと、涙ながらに言った彼女に、俺はまた会おうねと言葉をかけた。また、会おう。

もう一度、会いたい。会えると、信じて。

さよならは言わない。でも、本当はあの時に言うべきだったのかな。さようなら、って。



49 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:24:21 ID:xo5xTYWyH
俺はまた、日常に帰ってきた。

あんなに近くにいた彼女も、今は離れている。でも、二人で誓った約束を胸に頑張ろうと思っていた。

夜、二人で語った夢。

「一緒の大学に行こう」

そして、それは決して夢じゃない。

そう思っていた。





53 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:26:21 ID:TNYut6qL3
しかし、会ってからしばらく彼女と連絡が取れなくなってしまった。

メールが返ってこない。

いつもなら、メールが送られてくる時間にも、メールはやってこなかった。

チャットにも当然 彼女は姿を見せなかった。


不安に駆られた。

なぜ、連絡がつかないのか。

この間、会ったばかりなのに。

日に日に募る焦り。


彼女からの連絡が無くなって2週間ほど経った日に、突然それはやってきた。

彼女の母親からの連絡だった。

リストカットがいきすぎたらしく、入院したらしい。

悪い予感がした。そしてそれはほぼ間違ってはいなかった。



57 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:30:09 ID:TNYut6qL3
俺と離れてから、彼女はなぜか精神的に不安定な状態に戻ってしまった。

原因は分からない。

付き合っていく内に、少しずつリストカットの回数も減った。

ODもなくなった。

そう言っていた彼女。


だが、実は違ったのだ。

やめられない自分を見せ続けられなかった。だから、隠れてやるしか、俺にばれないようにやるしかなかったのだ。

唯一打ち明けられるはずの俺にすら、言えなくて、辛くて。隠し続けることが、どれだけ辛かっただろう。

彼女は、俺が届かない場所に行ってしまった。手繰り寄せなければいけない。彼女を、もっともっと、受け入れなければ。そして、彼女に、受け入れられなければ。



59 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:31:49 ID:TNYut6qL3
それ以降 彼女の母親とも連絡を取るようになった。何かあれば、すぐ連絡してくれるようになった。

彼女からの直接の連絡は ほとんどなくなった。


でもこんな形で終わらせたくない。

願いは、通じるのかな。

例え、どんな事があっても、ずっと一緒にいるよって約束したのに。


彼女と会って、1か月。

夏休みが終わってしばらくし、ようやく彼女から連絡があった。

とても落ち込んだ文章だった。

ところどころに、ごめんねと書いてある。

寂しいメールだった。

前までの女の子らしいメールではなくなっていた。


そんな彼女にかける言葉はたったひとつだった。

「何があっても、俺はずっとそばにいてあげるから」



60 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:33:10 ID:TNYut6qL3
そして、季節は秋の色に変わった。

彼女は相変わらず立ち直れずにいた。

リストカットもやめられなかった。

精神も どんどん不安定になっていった。


同じ大学に入ろうと言う約束が、彼女をさらに追い詰めていた。

だけど、大学にさえ入ってしまえば、俺は何とでもしてあげられると思っていたから。


その思いこそが最大の過ちだったのだけれど。

そう思っていた、だから。



62 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:35:07 ID:TNYut6qL3
なぜこんな言葉を投げかけたのか。

今でも分からない。

でも、俺ができることがあるとすれば、一歩踏み出す彼女の背中を押してあげることだと。

勘違いしていたんだ。

俺は、何でもしてあげられると。

そして、それをしっかり乗り越えて、大学で一緒に過ごせると。

学校に行かないまま、終えてほしくないと。

俺の勝手なエゴだった。

卒業前に、学校に行って欲しかった。

理由なんて分からない。

俺の高校生活が充実していたから?

仲間と過ごす時間は最高だと、知ってほしかったから?

学校に行かないと、大学に行けないと思っていたから?

思い通りにいかずに、俺も焦っていたのかもしれない。彼女を変えられると言う、俺の勝手な思い込み、過剰な自意識がそうさせたのか。







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カテゴリー:泣ける話  |  タグ:純愛,
 

 
 
 
 

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