渦人形に襲われた話
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32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:53:41.07 ID:CVKn8iDV0
286 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:06:20.82 ID:x83Y3WRH0
俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…
前と同じように屋根から頭だけを突き出し、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と笑いながら、例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながら、ニコニコと笑っている。
俺たちは全力で逃げ出した。
本堂に着くと、お坊さん2人と さっきのおじさんが待っていた。
今になって気付いたのだが、おじさんは どうもこの村の村長さんらしい。
俺達が事情を話すと、お坊さん達はすぐさま俺達を座らせ、お経を読み始めた。
暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という例の笑い声と、コツ…コツ…という、俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。
俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。
暫らくすると声が聞こえなくなった。
俺が「終ったか?」と言い切らないうちに、今度は本堂の横の庭のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声が聞こえ始めた。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:54:11.74 ID:CVKn8iDV0
287 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:07:05.17 ID:x83Y3WRH0
そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされた あの人形のあたまが映し出された。
あたまはユラユラ揺れながら、相変わらずあんぽ不気味な笑い声で笑っている。
その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足で、もう耐えられなくなって、ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。
人形の影を見て、恐怖心よりも その姿にイラつきはじめた。
ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く分からないがムカついてきて、とうとう我慢できなくなった。
俺は お坊さん達がお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、蝋燭もささったまま引き抜き、周りが制止するのも振りきり障子を開けた。
目の前にあの人形の顔があった。
一瞬 俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝って、そのまま燭台をぶら下がっている人形の頭めがけ、「ふざけんなーーーーーーーーーー!」と叫びながら振り下ろした。
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:54:45.42 ID:CVKn8iDV0
289 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:08:42.37 ID:x83Y3WRH0
バキッ!という音がして、燭台の先端が人形の顔にめり込み、そのまま人形は地面に落下した。
俺は裸足のまま庭に下りると、更に燭台を振りかぶり人形に打ち下ろした。
すると、なにか頭の中に妙な感覚が芽生え始めた。
人形はそれでもなお、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と無機質に笑っている。
俺は おかしくも無いのに笑いたくなり、なきたくも無いのに目からボロボロと涙が零れ落ちてくる。
明らかにE介たちと同じ状況になりつつあるのだが、それでも俺は燭台を振りかぶり、人形に打ち下ろすのをやめなかった。
あとから話を聞くと、俺はゲラゲラと笑いながら、無表情でボロボロと涙を流していたらしい。
暫らくそんな状態が続いていると、どうも燭台に残っていた蝋燭の火が人形の服に燃え移ったらしく、人形が煙を上げて燃え始めた。
友人たちによると、人形の「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という笑い声と、俺の絶叫が交じり合い、薄暗くなり始めた周囲の雰囲気とあわさって、異様な状況だったという。
37 :>>35 あと二つで終わる 選択ミスった:2013/01/08(火) 15:55:55.22 ID:CVKn8iDV0
292 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:09:26.15 ID:x83Y3WRH0
それでも俺は、笑い泣きしながら殴り続けていると、どこを殴ったのかよくわからないが、メキッ!という鈍い音がした。
その途端、俺の中の妙な感情が消えた。
消えたというか、急にシラケてしまったといえば良いのだろうか、
とにかく人形に対するイラつきも、
笑いたいという気持ちも、
泣きたいという気持ちも、
急になくなってしまった。
俺はその場にヘタり込み、友人たちや おじさんが「…大丈夫か?」と心配そうに近付いてきた。
人形はもう笑ってもいないし動きもしないが、燃えたままでは不味いので、友人たちとおじさんが砂を掛けて消していた。
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:56:31.50 ID:CVKn8iDV0
294 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:11:59.67 ID:x83Y3WRH0
理由は分からないが、俺は何故か全て解決したような、そんな良い気分になっていた。
この騒ぎの中、お坊さん2人はずっとお経を読み続けていたらしい。
人形(もう殆ど残骸に近かったが…)の事は明日詳しく調べる事になり、箱に入れてお札を貼り、本堂に安置する事になった。
俺達は お坊さんの好意で、そのままお寺に泊まることにした。
翌朝。俺達は本堂に呼ばれた。
どうやら、お経のお陰なのか、俺がぶち切れたのが原因なのか、理由ははっきりしないが、どうも一応解決はしたらしい。
そして、人形は このままこのお寺で供養する事になったのだが、結局この人形が何なのか、その辺りは謎のままだった。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:57:52.70 ID:CVKn8iDV0
296 :ラスト:2011/05/20(金) 22:14:30.18 ID:x83Y3WRH0
ただ、燃え残った人形の胴体に、焼け焦げ消えかかった文字で、
『寛保二年』
という記述と、完全に燃えて文字数しかわからない作者の名前6文字、
それと、はっきりとは分からないので、残っている文字の痕跡からの推測だが、
『渦人形』
という単語が読み取れた。
お坊さんが言うには、とにかく正体は不明だが、何らかの呪物である事はまちがいないらしい。
燃え残った残骸に、頭と動を繋ぐ棒の部分があったのだが、そこにびっしりと、何か呪術的な模様が書かれていた痕跡があるのが、確認できたとの事だった。
その後、今に至るまで、俺も含め当時のメンバーには、知る限り何も起こっていない。
お寺のお坊さんからは、人形の正体がわかったら連絡をくれるという話だったが、あれから数年経つが、未だその連絡も来ない。
終わり
適当に取ったら長かったorz
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 17:47:52.17 ID:Mb8tVkUU0
>>39
面白かったわ
ありがとう
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357626672/
286 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:06:20.82 ID:x83Y3WRH0
俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…
前と同じように屋根から頭だけを突き出し、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と笑いながら、例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながら、ニコニコと笑っている。
俺たちは全力で逃げ出した。
本堂に着くと、お坊さん2人と さっきのおじさんが待っていた。
今になって気付いたのだが、おじさんは どうもこの村の村長さんらしい。
俺達が事情を話すと、お坊さん達はすぐさま俺達を座らせ、お経を読み始めた。
暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という例の笑い声と、コツ…コツ…という、俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。
俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。
暫らくすると声が聞こえなくなった。
俺が「終ったか?」と言い切らないうちに、今度は本堂の横の庭のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声が聞こえ始めた。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:54:11.74 ID:CVKn8iDV0
287 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:07:05.17 ID:x83Y3WRH0
そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされた あの人形のあたまが映し出された。
あたまはユラユラ揺れながら、相変わらずあんぽ不気味な笑い声で笑っている。
その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足で、もう耐えられなくなって、ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。
人形の影を見て、恐怖心よりも その姿にイラつきはじめた。
ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く分からないがムカついてきて、とうとう我慢できなくなった。
俺は お坊さん達がお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、蝋燭もささったまま引き抜き、周りが制止するのも振りきり障子を開けた。
目の前にあの人形の顔があった。
一瞬 俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝って、そのまま燭台をぶら下がっている人形の頭めがけ、「ふざけんなーーーーーーーーーー!」と叫びながら振り下ろした。
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:54:45.42 ID:CVKn8iDV0
289 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:08:42.37 ID:x83Y3WRH0
バキッ!という音がして、燭台の先端が人形の顔にめり込み、そのまま人形は地面に落下した。
俺は裸足のまま庭に下りると、更に燭台を振りかぶり人形に打ち下ろした。
すると、なにか頭の中に妙な感覚が芽生え始めた。
人形はそれでもなお、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と無機質に笑っている。
俺は おかしくも無いのに笑いたくなり、なきたくも無いのに目からボロボロと涙が零れ落ちてくる。
明らかにE介たちと同じ状況になりつつあるのだが、それでも俺は燭台を振りかぶり、人形に打ち下ろすのをやめなかった。
あとから話を聞くと、俺はゲラゲラと笑いながら、無表情でボロボロと涙を流していたらしい。
暫らくそんな状態が続いていると、どうも燭台に残っていた蝋燭の火が人形の服に燃え移ったらしく、人形が煙を上げて燃え始めた。
友人たちによると、人形の「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という笑い声と、俺の絶叫が交じり合い、薄暗くなり始めた周囲の雰囲気とあわさって、異様な状況だったという。
37 :>>35 あと二つで終わる 選択ミスった:2013/01/08(火) 15:55:55.22 ID:CVKn8iDV0
292 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:09:26.15 ID:x83Y3WRH0
それでも俺は、笑い泣きしながら殴り続けていると、どこを殴ったのかよくわからないが、メキッ!という鈍い音がした。
その途端、俺の中の妙な感情が消えた。
消えたというか、急にシラケてしまったといえば良いのだろうか、
とにかく人形に対するイラつきも、
笑いたいという気持ちも、
泣きたいという気持ちも、
急になくなってしまった。
俺はその場にヘタり込み、友人たちや おじさんが「…大丈夫か?」と心配そうに近付いてきた。
人形はもう笑ってもいないし動きもしないが、燃えたままでは不味いので、友人たちとおじさんが砂を掛けて消していた。
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:56:31.50 ID:CVKn8iDV0
294 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 22:11:59.67 ID:x83Y3WRH0
理由は分からないが、俺は何故か全て解決したような、そんな良い気分になっていた。
この騒ぎの中、お坊さん2人はずっとお経を読み続けていたらしい。
人形(もう殆ど残骸に近かったが…)の事は明日詳しく調べる事になり、箱に入れてお札を貼り、本堂に安置する事になった。
俺達は お坊さんの好意で、そのままお寺に泊まることにした。
翌朝。俺達は本堂に呼ばれた。
どうやら、お経のお陰なのか、俺がぶち切れたのが原因なのか、理由ははっきりしないが、どうも一応解決はしたらしい。
そして、人形は このままこのお寺で供養する事になったのだが、結局この人形が何なのか、その辺りは謎のままだった。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 15:57:52.70 ID:CVKn8iDV0
296 :ラスト:2011/05/20(金) 22:14:30.18 ID:x83Y3WRH0
ただ、燃え残った人形の胴体に、焼け焦げ消えかかった文字で、
『寛保二年』
という記述と、完全に燃えて文字数しかわからない作者の名前6文字、
それと、はっきりとは分からないので、残っている文字の痕跡からの推測だが、
『渦人形』
という単語が読み取れた。
お坊さんが言うには、とにかく正体は不明だが、何らかの呪物である事はまちがいないらしい。
燃え残った残骸に、頭と動を繋ぐ棒の部分があったのだが、そこにびっしりと、何か呪術的な模様が書かれていた痕跡があるのが、確認できたとの事だった。
その後、今に至るまで、俺も含め当時のメンバーには、知る限り何も起こっていない。
お寺のお坊さんからは、人形の正体がわかったら連絡をくれるという話だったが、あれから数年経つが、未だその連絡も来ない。
終わり
適当に取ったら長かったorz
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 17:47:52.17 ID:Mb8tVkUU0
>>39
面白かったわ
ありがとう
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357626672/
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