思い出話に付き合ってくれないか?
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249 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:15:13.10 ID:MzdjVTRc0.net
また、美凪が好きな物を語る時の口調ではしゃいでいる。
美凪が本当に楽しそうにするもんだから、皆で笑う。
250 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:15:42.30 ID:MzdjVTRc0.net
樋口「線香花火やるかwww」
佐野「最後で残るのは俺の花火だからなwww」
みんなに線香花火を配り、美凪が黄金に輝くライターで皆の花火に火をつけていく。
俺、ここでもう耐えられなかった。
この前までは寂しさや不安を紛らわせるためにタバコに火をつけていたのに、今では友達の線香花火に同じライターを使って火をつけている。
251 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:16:25.92 ID:MzdjVTRc0.net
樋口「どうしたイッチ、泣くなwwwwww」
吉田「寂しくなったか?」
俺「寂しくはないよ、美凪もそうだよな?」
美凪「うん、イッチはデザイナーになるからね!またいつか会えるからね〜」
俺「ちょ!まだ皆に言うなよやめろwww」
佐野「イッチ、まじかよすげえwwwwww」
樋口「イッチに将来の夢www 応援不可避www」
吉田「デザイナーになったら美凪ちゃんにも勝てるかもよwww 頑張れイッチwww」
252 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:16:57.68 ID:MzdjVTRc0.net
このことは翌日には美術部皆に伝わった。
特に中嶋先生がすごい感動してたのは言うまでもないなwww
253 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:17:17.57 ID:MzdjVTRc0.net
夜も深け、時刻は9時を過ぎていたと思う。時計なんて見なかったけど。
俺は気付けばまた筆を握っていた。とは言っても、いつもより簡易的なものだったが。
持ち運びやすいスケッチブックに、いつもより小さい水彩絵の具も広げた。
東屋からの景色は数え切れないほど描いたのだが、東屋自体の絵は一枚も描いていなかった。
だから、一枚でもいいから10日間の合宿で過ごしたこの不思議な空間を絵に残しておきたかった。
254 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:17:57.49 ID:MzdjVTRc0.net
美凪「イッチ、絵描くの?」
俺「あぁ、まだ絵に残したいものも沢山あるからさ」
美凪「よし、勝負しようよ。まだ私が勝つからね〜」
俺「まだ、っていつかは負けるつもりwww?」
美凪「なわけないでしょ!まあ、いつか勝ってくれたらなとも思うけど」
俺「なんだよそれwww」
255 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:18:18.46 ID:MzdjVTRc0.net
3人が東屋の中で騒いでる所を2人で絵に描いた。
本当は、美凪が騒いでる所も描きたかったんだけどね。
256 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:18:54.91 ID:MzdjVTRc0.net
俺「やっぱり美凪には追いつけないや。」
美凪「でも、いつかは追いついてくれるでしょ〜?」
俺「そうだなぁ〜」
257 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:19:24.43 ID:MzdjVTRc0.net
美凪の首から下がってるヘッドホンからは、いつものように 「シェリー」 がまた流れている。
今日はいつもより音が大きいな。
「シェリー」がヘッドホンから流れる時はいつも帰る頃だったから、少し切なくなる。
それに気付いた吉田が
吉田「最後はアレ、弾いちゃいますかwww」
俺「頼んだwww」
とギターを構える。
さっきまで筆を持っていた美凪もついテンションが上がっていた。
吉田のギターの音と共に、美凪と俺と吉田「シェリー」を大声で歌い出す。
樋口と佐野も合いの手を入れていた。
こんなに楽しそうに歌う曲では無いんだろうが、俺たちからしたら最高にノリノリになれる魔法のような曲だった。
258 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:19:53.25 ID:MzdjVTRc0.net
吉田「シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろうー!」
俺「シェリー どこに行けば 俺は辿り着けるだろうー!」
美凪「シェリー 俺は歌う 愛すべきもの全てにー!」
259 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:20:16.61 ID:MzdjVTRc0.net
夜の東屋の下に5人の高校生。
これ以上ないくらい、この東屋は楽しくてにぎやかで不思議な空間だった。
美凪も、明日には友達と別れなければならないということを感じさせないくらいの笑顔で笑っていた。
本当にうまく笑えていたし、その笑顔に卑屈さなんて微塵もなかった。
260 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:20:31.61 ID:MzdjVTRc0.net
ずっと聴いてきたヒグラシの声もよく響いていた。
どこからか聞こえてくる風鈴の音に負けないくらい大きく。
ヒグラシの鳴き声と風鈴の音が東屋の中で長い間響き続けた。
261 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:21:00.47 ID:MzdjVTRc0.net
ちょっと休憩。
数分で戻りますm(_ _)m
262 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:42:33.89 ID:MzdjVTRc0.net
休憩しすぎました、戻りました。
263 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:43:54.44 ID:MzdjVTRc0.net
合宿最終日の朝がついに来た。
10日間過ごした部屋とも今日でお別れ。
だが、この部屋よりも公園の東屋にいた時間の方が長いのかもしれないな。
264 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:44:13.91 ID:MzdjVTRc0.net
昨日の夜に民宿を抜け出したことで中嶋先生から呼び出しがありかなり怒られたけど、結局最後には
中嶋先生「まぁ、お前ら全員無事に帰ってきたのならこれ以上文句は言わん。それに、先生も学生時代は馬鹿なことしたもんだからなwww」
と笑っていた。
本当にいい先生を顧問に持ったと思う。
265 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:45:09.04 ID:MzdjVTRc0.net
吉田は、まだ昨日の興奮が覚めていないのか、朝からろくに帰る準備もせずにギターを弾いていた。
佐野と樋口も昨日の思い出をうるさいくらいの声量で語り合っている。
俺も、ここで夜を迎えることはもうないんだなと実感するには時間がかかった。
266 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:46:15.22 ID:MzdjVTRc0.net
もうすぐに民宿前にバスが到着する。
今日はもう美凪に会うことは出来ないだろう。東屋に顔を出す時間すら残ってはいなかった。
このことは昨日も分かっていたから、美凪と別れの挨拶もしたし、2人とも絶対に夢を叶えて再開するという約束も済ませていた。
267 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:46:36.68 ID:MzdjVTRc0.net
それに、昨日の夜、最後に美凪と絵の勝負が出来て良かった。
やっぱり合宿中に美凪に勝つことは出来なかったけど、再開する時までのガソリンとなる悔しさを補充するには十分だった。
269 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:47:14.87 ID:MzdjVTRc0.net
吉田もやっとギターをしまい、皆が準備が終わったところで、中嶋先生の声でバスの到着の知らせが民宿内のスピーカーから流れた。
全員がバスに向かいながら10日分の大きな荷物を引っ張っていた。
そして、民宿のおばさんとおじさんに最後のお礼をした。
おばさんには、先ほど数枚の絵を預けた。俺が合宿中に密かに描いていた美凪の絵だ。美凪には言ってなかったが毎日描いていたため、かなりの枚数があった。
270 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:47:48.62 ID:MzdjVTRc0.net
俺「これ、次に美凪が来たら良ければ見せてあげてください。上手くかけてる自信があるので!」
おばさん「イッチくん、あんたこんなに絵上手かったの!?この合宿ですごい頑張ったんでしょ?」
俺「まぁ、そんなところですwww その絵、お願いしますね!」
おばさん「必ず見せるから安心してね!」
俺「それと、高校生活でここに合宿に来ることはもうないですけど、機会があればまた絶対に来ますから。」
おばさん「ありがとう、いつでも待ってるからね!」
271 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:48:06.49 ID:MzdjVTRc0.net
とおばさんにもお礼を伝えた。
美凪と仲良くなれたことは、おばさん達のおかげでもあるだろう。感謝してもしきれなかった。
272 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:48:44.31 ID:MzdjVTRc0.net
早速、重い荷物を乗務員さんに預けてバスに乗り込んだ。
またいつかここに来たいが、しばらくは来ることもないだろう。
民宿から見える大きな入道雲や昨日の夜に皆で降った川も目に焼き付けておこう。
そして、バスは公園も通るため、もし東屋に美凪が居たら窓を開けて手を振ろうかなと考えていた。
273 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:49:55.11 ID:MzdjVTRc0.net
全員がバスの座席に座った。
合宿の思い出話をしている女子も多くいて、自然と俺も色々なことを思い出してしまう。
274 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:50:12.76 ID:MzdjVTRc0.net
ついにバスが出発。
見慣れた民宿を離れ、坂を降っていく。
公園を通る時に窓を開けられるように準備をしておこうと思いつつ、ボーッと窓から景色を眺めていた。
275 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:51:06.60 ID:MzdjVTRc0.net
公園が見えてきた。
もう少しバスが進むと、毎日通った東屋が見えてきた。
そして、やっぱり美凪はそこにいた。
美凪がまた絵を描いているのがはっきりと見えた。
よし今だ、窓を開けようと思い窓に手をかけた瞬間だった。
276 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:54:25.79 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生が、行きのバスで使ったカラオケ用のマイクのスイッチをあげたと思えば大声で叫んだ。
中嶋先生「ごめんなさーーーい!!!停めてください!!!バス停めて!!!」
277 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:56:29.88 ID:MzdjVTRc0.net
大声で叫ぶもんだから音割れしてハウリングして、もうめちゃくちゃだった。
一気に急ブレーキがかかった。
俺たちが何事だ、と思っていると、中嶋先生が口を開いた。
278 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:57:16.17 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生「イッチ!樋口!吉田!佐野!特にイッチだ!!!バスを降りろ!!!」
俺、樋口、吉田、佐野、一瞬何が起こったか理解できなかった。
279 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 23:02:10.21 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生「民宿の方々から全て聞いている!!!お前たち、あそこにいる女の子にお世話になったんだろう!!!そして、イッチに限っては、目標と夢まで貰っただろう!!!」
中嶋先生「俺はお前たちに この合宿で何があったかは知らないが、大切な部員に夢を与えてくれた人を俺はこのまま素通りなんでできない!!!」
中嶋先生「もう一度言う、イッチ!樋口!吉田!佐野!バスを降りろ!!!俺はいくらでも待つから、やり残したことと最後にもう一度だけお礼をしてきなさい!!!」
女子とか運転手さんとか、何も知らない人はほんとにポカーンとしてた。
また、美凪が好きな物を語る時の口調ではしゃいでいる。
美凪が本当に楽しそうにするもんだから、皆で笑う。
250 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:15:42.30 ID:MzdjVTRc0.net
樋口「線香花火やるかwww」
佐野「最後で残るのは俺の花火だからなwww」
みんなに線香花火を配り、美凪が黄金に輝くライターで皆の花火に火をつけていく。
俺、ここでもう耐えられなかった。
この前までは寂しさや不安を紛らわせるためにタバコに火をつけていたのに、今では友達の線香花火に同じライターを使って火をつけている。
251 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:16:25.92 ID:MzdjVTRc0.net
樋口「どうしたイッチ、泣くなwwwwww」
吉田「寂しくなったか?」
俺「寂しくはないよ、美凪もそうだよな?」
美凪「うん、イッチはデザイナーになるからね!またいつか会えるからね〜」
俺「ちょ!まだ皆に言うなよやめろwww」
佐野「イッチ、まじかよすげえwwwwww」
樋口「イッチに将来の夢www 応援不可避www」
吉田「デザイナーになったら美凪ちゃんにも勝てるかもよwww 頑張れイッチwww」
252 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:16:57.68 ID:MzdjVTRc0.net
このことは翌日には美術部皆に伝わった。
特に中嶋先生がすごい感動してたのは言うまでもないなwww
253 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:17:17.57 ID:MzdjVTRc0.net
夜も深け、時刻は9時を過ぎていたと思う。時計なんて見なかったけど。
俺は気付けばまた筆を握っていた。とは言っても、いつもより簡易的なものだったが。
持ち運びやすいスケッチブックに、いつもより小さい水彩絵の具も広げた。
東屋からの景色は数え切れないほど描いたのだが、東屋自体の絵は一枚も描いていなかった。
だから、一枚でもいいから10日間の合宿で過ごしたこの不思議な空間を絵に残しておきたかった。
254 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:17:57.49 ID:MzdjVTRc0.net
美凪「イッチ、絵描くの?」
俺「あぁ、まだ絵に残したいものも沢山あるからさ」
美凪「よし、勝負しようよ。まだ私が勝つからね〜」
俺「まだ、っていつかは負けるつもりwww?」
美凪「なわけないでしょ!まあ、いつか勝ってくれたらなとも思うけど」
俺「なんだよそれwww」
255 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:18:18.46 ID:MzdjVTRc0.net
3人が東屋の中で騒いでる所を2人で絵に描いた。
本当は、美凪が騒いでる所も描きたかったんだけどね。
256 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:18:54.91 ID:MzdjVTRc0.net
俺「やっぱり美凪には追いつけないや。」
美凪「でも、いつかは追いついてくれるでしょ〜?」
俺「そうだなぁ〜」
257 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:19:24.43 ID:MzdjVTRc0.net
美凪の首から下がってるヘッドホンからは、いつものように 「シェリー」 がまた流れている。
今日はいつもより音が大きいな。
「シェリー」がヘッドホンから流れる時はいつも帰る頃だったから、少し切なくなる。
それに気付いた吉田が
吉田「最後はアレ、弾いちゃいますかwww」
俺「頼んだwww」
とギターを構える。
さっきまで筆を持っていた美凪もついテンションが上がっていた。
吉田のギターの音と共に、美凪と俺と吉田「シェリー」を大声で歌い出す。
樋口と佐野も合いの手を入れていた。
こんなに楽しそうに歌う曲では無いんだろうが、俺たちからしたら最高にノリノリになれる魔法のような曲だった。
258 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:19:53.25 ID:MzdjVTRc0.net
吉田「シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろうー!」
俺「シェリー どこに行けば 俺は辿り着けるだろうー!」
美凪「シェリー 俺は歌う 愛すべきもの全てにー!」
259 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:20:16.61 ID:MzdjVTRc0.net
夜の東屋の下に5人の高校生。
これ以上ないくらい、この東屋は楽しくてにぎやかで不思議な空間だった。
美凪も、明日には友達と別れなければならないということを感じさせないくらいの笑顔で笑っていた。
本当にうまく笑えていたし、その笑顔に卑屈さなんて微塵もなかった。
260 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:20:31.61 ID:MzdjVTRc0.net
ずっと聴いてきたヒグラシの声もよく響いていた。
どこからか聞こえてくる風鈴の音に負けないくらい大きく。
ヒグラシの鳴き声と風鈴の音が東屋の中で長い間響き続けた。
261 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:21:00.47 ID:MzdjVTRc0.net
ちょっと休憩。
数分で戻りますm(_ _)m
262 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:42:33.89 ID:MzdjVTRc0.net
休憩しすぎました、戻りました。
263 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:43:54.44 ID:MzdjVTRc0.net
合宿最終日の朝がついに来た。
10日間過ごした部屋とも今日でお別れ。
だが、この部屋よりも公園の東屋にいた時間の方が長いのかもしれないな。
264 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:44:13.91 ID:MzdjVTRc0.net
昨日の夜に民宿を抜け出したことで中嶋先生から呼び出しがありかなり怒られたけど、結局最後には
中嶋先生「まぁ、お前ら全員無事に帰ってきたのならこれ以上文句は言わん。それに、先生も学生時代は馬鹿なことしたもんだからなwww」
と笑っていた。
本当にいい先生を顧問に持ったと思う。
265 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:45:09.04 ID:MzdjVTRc0.net
吉田は、まだ昨日の興奮が覚めていないのか、朝からろくに帰る準備もせずにギターを弾いていた。
佐野と樋口も昨日の思い出をうるさいくらいの声量で語り合っている。
俺も、ここで夜を迎えることはもうないんだなと実感するには時間がかかった。
266 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:46:15.22 ID:MzdjVTRc0.net
もうすぐに民宿前にバスが到着する。
今日はもう美凪に会うことは出来ないだろう。東屋に顔を出す時間すら残ってはいなかった。
このことは昨日も分かっていたから、美凪と別れの挨拶もしたし、2人とも絶対に夢を叶えて再開するという約束も済ませていた。
267 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:46:36.68 ID:MzdjVTRc0.net
それに、昨日の夜、最後に美凪と絵の勝負が出来て良かった。
やっぱり合宿中に美凪に勝つことは出来なかったけど、再開する時までのガソリンとなる悔しさを補充するには十分だった。
269 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:47:14.87 ID:MzdjVTRc0.net
吉田もやっとギターをしまい、皆が準備が終わったところで、中嶋先生の声でバスの到着の知らせが民宿内のスピーカーから流れた。
全員がバスに向かいながら10日分の大きな荷物を引っ張っていた。
そして、民宿のおばさんとおじさんに最後のお礼をした。
おばさんには、先ほど数枚の絵を預けた。俺が合宿中に密かに描いていた美凪の絵だ。美凪には言ってなかったが毎日描いていたため、かなりの枚数があった。
270 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:47:48.62 ID:MzdjVTRc0.net
俺「これ、次に美凪が来たら良ければ見せてあげてください。上手くかけてる自信があるので!」
おばさん「イッチくん、あんたこんなに絵上手かったの!?この合宿ですごい頑張ったんでしょ?」
俺「まぁ、そんなところですwww その絵、お願いしますね!」
おばさん「必ず見せるから安心してね!」
俺「それと、高校生活でここに合宿に来ることはもうないですけど、機会があればまた絶対に来ますから。」
おばさん「ありがとう、いつでも待ってるからね!」
271 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:48:06.49 ID:MzdjVTRc0.net
とおばさんにもお礼を伝えた。
美凪と仲良くなれたことは、おばさん達のおかげでもあるだろう。感謝してもしきれなかった。
272 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:48:44.31 ID:MzdjVTRc0.net
早速、重い荷物を乗務員さんに預けてバスに乗り込んだ。
またいつかここに来たいが、しばらくは来ることもないだろう。
民宿から見える大きな入道雲や昨日の夜に皆で降った川も目に焼き付けておこう。
そして、バスは公園も通るため、もし東屋に美凪が居たら窓を開けて手を振ろうかなと考えていた。
273 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:49:55.11 ID:MzdjVTRc0.net
全員がバスの座席に座った。
合宿の思い出話をしている女子も多くいて、自然と俺も色々なことを思い出してしまう。
274 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:50:12.76 ID:MzdjVTRc0.net
ついにバスが出発。
見慣れた民宿を離れ、坂を降っていく。
公園を通る時に窓を開けられるように準備をしておこうと思いつつ、ボーッと窓から景色を眺めていた。
275 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:51:06.60 ID:MzdjVTRc0.net
公園が見えてきた。
もう少しバスが進むと、毎日通った東屋が見えてきた。
そして、やっぱり美凪はそこにいた。
美凪がまた絵を描いているのがはっきりと見えた。
よし今だ、窓を開けようと思い窓に手をかけた瞬間だった。
276 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:54:25.79 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生が、行きのバスで使ったカラオケ用のマイクのスイッチをあげたと思えば大声で叫んだ。
中嶋先生「ごめんなさーーーい!!!停めてください!!!バス停めて!!!」
277 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:56:29.88 ID:MzdjVTRc0.net
大声で叫ぶもんだから音割れしてハウリングして、もうめちゃくちゃだった。
一気に急ブレーキがかかった。
俺たちが何事だ、と思っていると、中嶋先生が口を開いた。
278 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:57:16.17 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生「イッチ!樋口!吉田!佐野!特にイッチだ!!!バスを降りろ!!!」
俺、樋口、吉田、佐野、一瞬何が起こったか理解できなかった。
279 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 23:02:10.21 ID:MzdjVTRc0.net
中嶋先生「民宿の方々から全て聞いている!!!お前たち、あそこにいる女の子にお世話になったんだろう!!!そして、イッチに限っては、目標と夢まで貰っただろう!!!」
中嶋先生「俺はお前たちに この合宿で何があったかは知らないが、大切な部員に夢を与えてくれた人を俺はこのまま素通りなんでできない!!!」
中嶋先生「もう一度言う、イッチ!樋口!吉田!佐野!バスを降りろ!!!俺はいくらでも待つから、やり残したことと最後にもう一度だけお礼をしてきなさい!!!」
女子とか運転手さんとか、何も知らない人はほんとにポカーンとしてた。
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