2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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叶わない夢を見続ける少年の物語
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46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:25:17.313 ID:bBdKFIo+0.net
正論だった。

俺は、ジョンが笑顔になってくれることが嬉しかった。

俺のおかげでジョンが笑ってくれてるんだって勘違いしていた。

でも、ジョンは俺が創ってきた笑顔の分だけ傷ついた。


俺はこの家に来るべきではなかったんだ。

唯一の救いは、この時すでに帰国の直前だったことだな。



47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:26:04.744 ID:bBdKFIo+0.net
それからは俺たちは特に何も話さずに帰国の日を迎えた。

留学中にできた友達は、涙を流して俺を見送ってくれた。

また戻るの意味をこめて「I’ll be back (アイル・ビー・バック)」と親指を立てた時は皆で笑いあったりもした。



48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:27:15.761 ID:bBdKFIo+0.net
でも、ファミリーとはそうはいかなかった。

どこか気まずくて、会話が生まれない。


マリンさんは長々と「この家に来てくれてありがとう」的なことを言っていたけど、それが本心なのか俺は疑ってしまった。

弟にはもう「グッバイ」くらいしか言わなかったっけ。

1年間お世話になったのに、謝らなきゃいけないのに、最悪だよな。俺は。



49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:28:32.836 ID:bBdKFIo+0.net
帰り道。

いくら飛行機が好きな俺でも約14時間の空の旅。

俺は何もしていなかった。

何だろう、後味が悪いって言うのかな。

とにかく、何かをする気がおきなかったんだ。


そこでふと気づいた。

「ん?リュックに何か入ってる…?」

俺のリュックには、側面にペットボトルか何かを入れるためのスペースがあった。

そこに封筒が入っている。

俺はそれを開封し、中に入ってた手紙を読んだんだ。






50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:31:15.035 ID:bBdKFIo+0.net
「シオン君へ

 最後に、あんなことを言ってしまってごめんなさい。

私は動揺していて、本心ではないことも言ってしまったんです。本当にごめんなさい。

僕は、シオン君にはすごく感謝してるんです。

私の母は体が悪く、家事をこなせない日があります。シオン君はそれを手伝ってくれました。

私たちが旅行に行ったことを覚えていますか?その時、シオン君は私たちの重い荷物を運んでくれました。

そして、毎日放課後に一緒に遊んだことを覚えていますか?シオン君が紹介してくれたビデオゲームはとても面白かったです。

できることなら、また二人で遊びたいです。私の話は誰もがつまらないと言います。でも、シオン君は楽しそうに私の話をきいてくれました。

僕はまだ、パイロットになることを諦めきれませんw。

僕は、パイロットになるために視力が必要だなんて思っていません。

私は、盲目の人のための空間を把握する機械を開発しますw。

シオン君の話を聞いて、改めてパイロットになりたいと思ったんです。

僕は言ったでしょう?パイロットになれない人生は意味がないと。僕は僕なりに頑張ってみます。

シオン君は僕を応援してくれました。

僕の諦めかけていた人生に意味を与えてくれました。シオン君と出会えて良かった。

この1年間は、これから僕が生きていく一生の中で、特別な思い出になります。さようなら。


ジョンより」



51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:32:42.437 ID:bBdKFIo+0.net
俺は飛行機の中で何度もこの手紙を読んだ。

やがて飛行機は日本に着いた。

俺はその手紙を大事にリュックにしまい、飛行機から降りた。




52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:34:16.354 ID:bBdKFIo+0.net
「おう、俺。どうだったよ。この一年。」

「お帰り、俺。アメリカ楽しかった?」

本当に久しぶりに両親の顔を見た。

そっか。帰ってきたんだな。日本に。


でも今は再開を喜ぶより、帰国を祝うよりも言いたいことがある。

俺は声高らかにこう言ったんだ。

「最高の、1年だった!」と。




54 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:35:17.539 ID:bBdKFIo+0.net
“Dear John”

俺はそう書いて手が止まった。

「はは。はははは!」

俺はもうおかしくて笑いが止まんなかった。



55 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:36:01.428 ID:bBdKFIo+0.net
「全く一緒じゃねぇか!俺らは。」

今までに書いた手紙をかき集めて、手中に収める。



56 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:36:57.996 ID:bBdKFIo+0.net
「ジョン。お前、こんな気持ちだったのかよ!」

机をたち、歩き出す。



57 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:37:30.869 ID:bBdKFIo+0.net
「ああ、思い出したよ。」

持っていた手紙を、全部ごみ箱に放り投げた。



58 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:38:24.551 ID:bBdKFIo+0.net
「やっぱり、あれは…」

ただ歩くこともままならない体で、俺は夢中で松葉杖をついた。






59 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:39:11.206 ID:bBdKFIo+0.net
「やっぱり、あれは最高の1年だった!」

そう言って俺は家を飛び出した。



60 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:40:37.926 ID:bBdKFIo+0.net
「俺さ、パイロットになる夢、諦めねーよ。」

なんのことかも説明しないで俺は勝手に語る。


「今はこうやって足が使えないけどさ、義足やら何やらで代用できないかなw」

俺がいきなり語りはじめて皆困った顔してたなw


「そりゃいまの技術じゃ無理だけどさ、将来、本物の足みたいに動く義足が開発されるかもしれないじゃん。」

誰かが言う。もし開発されなかったら…?って。


「そん時はそん時だよw」

だって…

「俺が作ればいいんだよ!」



61 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:41:37.987 ID:bBdKFIo+0.net
こんな自分を一生懸命育ててくれた両親のために。

こんな自分を愛してくれた彼女のために。

こんな自分に生き方を教えてくれたかつての弟のために。


これから俺は幸せな人生を歩んでいくんだ。



62 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:42:19.657 ID:bBdKFIo+0.net
みんなは、自分の将来の夢が何かって考えたことはあるか?

例えば、とある片足を失った大学生なんかは、パイロットになることを望んだんだ。

たとえそれがありえない事だとしても、それを信じて疑わない自分がいるんだよな。


でも、それでいいじゃんか。



63 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:43:06.926 ID:bBdKFIo+0.net
おしまい。

以上、ピエロットからお送りしました。




64 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:44:31.158 ID:L4tHUzfo0.net


ピエロットてなに


65 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:46:34.087 ID:bBdKFIo+0.net
ピエロットは僕の名前です。

由来はまぁ、結構深いわけがあるんですが。

機会があったら別のスレに立ててみます。




66 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/01/23(日) 17:58:21.973 ID:Y2GAuYSbd.net
面白かった





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カテゴリー:読み物  |  タグ:すっきりした話, 青春, これはすごい,
 

 
 
 
 

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