とあるビル内の一角にずっと異臭がする場所がある
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736 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 02:29:41 ID:7HPEIl0cO
気持ちを落ち着かせ、もう一度2件の報告書を見直してみる
2007年5月14日
報告者 白田警備員
2008年4月29日
報告者 岩山警備員
もちろん、二人とも知らない
おそらく、私の前にいた常駐警備員だろう
この二枚の報告書が鍵を握っているのだろうか
でも何か違和感を感じる
報告内容とはまた別に、もっと基本的というか…
駄目だ…わからない…
全く頭が働かない
時計を見ると朝5時を回っていた
もう、考えるのはやめよう
そのまま私はウトウト寝てしまった
常に朝8時半にセットされている携帯アラームで起こされた
761 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:34:22 ID:7HPEIl0cO
一瞬どこにいるか解らない錯覚が3秒ほどたち 勤務中であること思い出す
そろそろ来る頃か…
日勤は隊長、副隊長が2人で勤務している
誰かが休みの時は補勤の警備員がくる
常にこのローテーション
今日は谷隊長と葛西隊長か…
異臭の話しをどう切り出そうか
いや切り出すも何も、報告するのが義務だ
普通にやればいいんだ
勝手に自分の想像、憶測はナンセンスだ
葛西副隊長がきた
葛西「うぃーっす」
落「おはようございます」
葛西「夜勤は まったり満喫できたかい?笑」
落「それが、ちょっとありまして…」
葛西「おっ!?とうとう何かあったか!?何?何?笑」
やけに嬉しそうだな…
落「谷さんが来てから話します」
葛西「だね」
762 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:36:57 ID:7HPEIl0cO
谷隊長が来た
谷「おはよう」
落「おはようございます」
葛西「おはようです」
谷「では引き継ぎはありますか?」
落「はい 実は昨日巡回中に異臭がありまして…」
変な沈黙が流れる
谷「どこで?」
落「7階です」
谷「7階のどこ?」
落「共用廊下です」
また沈黙が流れる
そして今度は葛西さんが話し出す
葛西「どんな臭いだった?」
落「何かが腐ったような臭いでした」
谷隊長は私が書いた報告書を見て黙っている
書き方が悪かったのだろうか?
763 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:38:27 ID:7HPEIl0cO
その沈黙がたまらず、私はどうにか間を埋めたかった
落「一応701、702の店内も確認しましたが、702店内の電気が点いていた事意外は異常ありませんでした」
谷「わかりました 異臭に関しては日勤で対応致します 後はありますか?」
それで終わり?
落「いいえ 以上です」
谷「それでは引き継ぎを終わります お疲れ様でした」
葛西「お疲れ〜」
落「お疲れ様でした」
なにか変な感じだ
多弁な葛西さんが全く話さない
仕事に厳しい谷さんがまるで何も言ってこない
何時も話す雑談も今日はなかった
そしてなにより…
私は聞こえてしまった…
帰り際、セキュリティセンターを扉を閉めた時 中から紙の破る音を…
837 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 20:20:38 ID:7HPEIl0cO
私は帰りの電車の中で、改めて考えてみた
明らかにおかしい
絶対『何か』を隠しているのは確実
今考えるべき事は『何を』を隠しているのではなく、何故隠しているかだ
やはり人に言えない事なのだろうか
もし心霊の類なら、笑い話しで済むような事だと思う
しかし、夜勤常駐の私に言わないということは、やはりヤバイ事なのだろう
で、結局行き着く先は…
『何を』隠しているかだ
果たしてどうしたものだろう
クビ覚悟で点検口を開けてみるか…
でも、こんなオイシイ仕事をなくすのは、ちょっとな…
…
…
…
そうだよ
オイシイ仕事なんだよ
では何故、以前勤務していた2人の警備員は辞めたのだろう…
見てはいけないものを見たから…
やい、やはり非現実的だな…
少なくとも自分の目で確認するまでは…
一先ず、また明日考えよう
いや、今日の夜か…
843 :本当にあった怖い名無し:2009/06/10(水) 20:44:04 ID:I1TPk29lO
落警備員は現在進行形なのかよ?
848 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:03:22 ID:7HPEIl0cO
>>843
解決はしていません
その点から現在進行と解釈して頂ければ幸です
ついでに
少し投下致します
849 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:05:29 ID:7HPEIl0cO
その日20時30分
ビルの前にいる私は、少し躊躇するも、ある『一つの決心』をしてセキュリティセンターに向かった
セキュリティセンターの扉が いつもより重く感じた
落「お疲れ様です」
谷「はい 疲れ様」
葛西「うぃーっす」
谷「では引き継ぎをします 昨日の異臭の件なんですが…」
落「はい…」
谷「空調フィルターの交換がされていなかった ということでした」
落「えっ?」
谷 「何?納得いかない?」
落「あ いや てっきり…」
谷「てっきり?」
落「腐ったような臭いだったもので、テナントが原因かと思いまして」
851 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:09:13 ID:7HPEIl0cO
もちろん嘘をついた
点検口からとは言える雰囲気ではなかった
谷「まぁ 現に臭いもなくなったし 解決というこで 後はいつも通りお願いしますね」
落「了解しました お疲れ様でした」
谷「はい お疲れ様」
葛西「お疲れ〜」
葛西さんは相変わらず無口か…
2人が帰った事を確認して、昨日私が書いた報告書を確かめる
852 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:10:40 ID:7HPEIl0cO
やっぱり…
書き直されていた
おそらく、今日の朝、帰り際に あの紙を破く音は、私の報告書を破いた音だろう
過去の白田警備員、岩山警備員、そして私の報告書3枚を見比べる
なるほど、昨日、2人の報告書で違和感を感じた原因はこれだったのだ
全て同一人物の文字
そう谷隊長の文字だ
少し整理してみよう
まず
・7階共用廊下の異臭
・7階共用廊下だけ監視カメラがついていない
・書き直された報告書
・谷隊長、葛西副隊長の異臭に対する反応
・白田警備員、岩山警備員の辞めた理由
すべて考え過ぎと言えば そうなのかもしれない
でも私は決めた
今日の巡回で点検口の中を確かめてやると…
気持ちを落ち着かせ、もう一度2件の報告書を見直してみる
2007年5月14日
報告者 白田警備員
2008年4月29日
報告者 岩山警備員
もちろん、二人とも知らない
おそらく、私の前にいた常駐警備員だろう
この二枚の報告書が鍵を握っているのだろうか
でも何か違和感を感じる
報告内容とはまた別に、もっと基本的というか…
駄目だ…わからない…
全く頭が働かない
時計を見ると朝5時を回っていた
もう、考えるのはやめよう
そのまま私はウトウト寝てしまった
常に朝8時半にセットされている携帯アラームで起こされた
761 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:34:22 ID:7HPEIl0cO
一瞬どこにいるか解らない錯覚が3秒ほどたち 勤務中であること思い出す
そろそろ来る頃か…
日勤は隊長、副隊長が2人で勤務している
誰かが休みの時は補勤の警備員がくる
常にこのローテーション
今日は谷隊長と葛西隊長か…
異臭の話しをどう切り出そうか
いや切り出すも何も、報告するのが義務だ
普通にやればいいんだ
勝手に自分の想像、憶測はナンセンスだ
葛西副隊長がきた
葛西「うぃーっす」
落「おはようございます」
葛西「夜勤は まったり満喫できたかい?笑」
落「それが、ちょっとありまして…」
葛西「おっ!?とうとう何かあったか!?何?何?笑」
やけに嬉しそうだな…
落「谷さんが来てから話します」
葛西「だね」
762 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:36:57 ID:7HPEIl0cO
谷隊長が来た
谷「おはよう」
落「おはようございます」
葛西「おはようです」
谷「では引き継ぎはありますか?」
落「はい 実は昨日巡回中に異臭がありまして…」
変な沈黙が流れる
谷「どこで?」
落「7階です」
谷「7階のどこ?」
落「共用廊下です」
また沈黙が流れる
そして今度は葛西さんが話し出す
葛西「どんな臭いだった?」
落「何かが腐ったような臭いでした」
谷隊長は私が書いた報告書を見て黙っている
書き方が悪かったのだろうか?
763 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 08:38:27 ID:7HPEIl0cO
その沈黙がたまらず、私はどうにか間を埋めたかった
落「一応701、702の店内も確認しましたが、702店内の電気が点いていた事意外は異常ありませんでした」
谷「わかりました 異臭に関しては日勤で対応致します 後はありますか?」
それで終わり?
落「いいえ 以上です」
谷「それでは引き継ぎを終わります お疲れ様でした」
葛西「お疲れ〜」
落「お疲れ様でした」
なにか変な感じだ
多弁な葛西さんが全く話さない
仕事に厳しい谷さんがまるで何も言ってこない
何時も話す雑談も今日はなかった
そしてなにより…
私は聞こえてしまった…
帰り際、セキュリティセンターを扉を閉めた時 中から紙の破る音を…
837 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 20:20:38 ID:7HPEIl0cO
私は帰りの電車の中で、改めて考えてみた
明らかにおかしい
絶対『何か』を隠しているのは確実
今考えるべき事は『何を』を隠しているのではなく、何故隠しているかだ
やはり人に言えない事なのだろうか
もし心霊の類なら、笑い話しで済むような事だと思う
しかし、夜勤常駐の私に言わないということは、やはりヤバイ事なのだろう
で、結局行き着く先は…
『何を』隠しているかだ
果たしてどうしたものだろう
クビ覚悟で点検口を開けてみるか…
でも、こんなオイシイ仕事をなくすのは、ちょっとな…
…
…
…
そうだよ
オイシイ仕事なんだよ
では何故、以前勤務していた2人の警備員は辞めたのだろう…
見てはいけないものを見たから…
やい、やはり非現実的だな…
少なくとも自分の目で確認するまでは…
一先ず、また明日考えよう
いや、今日の夜か…
843 :本当にあった怖い名無し:2009/06/10(水) 20:44:04 ID:I1TPk29lO
落警備員は現在進行形なのかよ?
848 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:03:22 ID:7HPEIl0cO
>>843
解決はしていません
その点から現在進行と解釈して頂ければ幸です
ついでに
少し投下致します
849 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:05:29 ID:7HPEIl0cO
その日20時30分
ビルの前にいる私は、少し躊躇するも、ある『一つの決心』をしてセキュリティセンターに向かった
セキュリティセンターの扉が いつもより重く感じた
落「お疲れ様です」
谷「はい 疲れ様」
葛西「うぃーっす」
谷「では引き継ぎをします 昨日の異臭の件なんですが…」
落「はい…」
谷「空調フィルターの交換がされていなかった ということでした」
落「えっ?」
谷 「何?納得いかない?」
落「あ いや てっきり…」
谷「てっきり?」
落「腐ったような臭いだったもので、テナントが原因かと思いまして」
851 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:09:13 ID:7HPEIl0cO
もちろん嘘をついた
点検口からとは言える雰囲気ではなかった
谷「まぁ 現に臭いもなくなったし 解決というこで 後はいつも通りお願いしますね」
落「了解しました お疲れ様でした」
谷「はい お疲れ様」
葛西「お疲れ〜」
葛西さんは相変わらず無口か…
2人が帰った事を確認して、昨日私が書いた報告書を確かめる
852 :落警備員 ◆dC60Rut3nc :2009/06/10(水) 23:10:40 ID:7HPEIl0cO
やっぱり…
書き直されていた
おそらく、今日の朝、帰り際に あの紙を破く音は、私の報告書を破いた音だろう
過去の白田警備員、岩山警備員、そして私の報告書3枚を見比べる
なるほど、昨日、2人の報告書で違和感を感じた原因はこれだったのだ
全て同一人物の文字
そう谷隊長の文字だ
少し整理してみよう
まず
・7階共用廊下の異臭
・7階共用廊下だけ監視カメラがついていない
・書き直された報告書
・谷隊長、葛西副隊長の異臭に対する反応
・白田警備員、岩山警備員の辞めた理由
すべて考え過ぎと言えば そうなのかもしれない
でも私は決めた
今日の巡回で点検口の中を確かめてやると…
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