変わり果ててしまった妻
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鍵は掛かっているが、もしも他の客が入ってきたら何と思うだろう。
このような場所で私はズボンとパンツを膝まで下げられ、その前に、屈んでいる女将は、全裸なのに靴下とサンダルは穿いているという滑稽な格好で、激しく頭を動かしながら口でサービスしているのだ。
「出すから飲め!この後チンチンが欲しければ飲め!」
やはり私は、前回のようには、もたないと思った。
しかし、女将は、あの時のようなセックスを期待しているのだろう。
それで一度出しておき、女将の中に入った時に少しでも長く持ち堪えようという意識が働いたのだ。
「俺が回復するまで、少し遊んでやるから ここに寝てみろ」
テーブル席の上に寝かせて色々なところを なぶり続け、30分後には そのテーブルに手をついて、お尻を突き出した格好の女将の後ろで腰を動かしていた。
その間、何人かの常連客が入って来ようと扉に手を掛け、鍵が掛かっている事が分かると外から女将を呼ぶ。
「今日は臨時休業か」
女将は彼らに聞こえてしまわないように、声が出ないように手を噛んで我慢するが、私は そのような女将を虐める事に興奮を覚え、誰か来ると逆に意地悪く腰の動きを早くした。
女将が目当てで来た客かも知れない。そう思うと優越感に浸ることが出来、更に腰の動きは早くなり、声が出てしまわないように、必死に我慢する女将が更に妖艶に見えてしまって終わりが近付く。
「出してもいいか?」
「出して・・・・もう出して・・・・」
性器の大きさやテクニックでは青山には勝てない。
それでも、女将が私を向かい入れたのは、一度の挿入で いつ終わるとも知れない連続した快感を得られると期待したからに違いない。
ここが寝室なら、当然「まだ出さないで」と言っただろう。しかし、このような状況では、流石の女将も早く終る事を期待した。
「中に出していいか?」
「中はだめ・・・お尻に・・・早くお尻に・・・もう・・もう・・・・」
女将は快感をコントロールできるようだ。何度も何度も逝きたいのだろうが、この一度で終わりなら、それはそれで深く逝こうとする。
正気の私には前回のような快感を与える事など到底出来ないが、この状況が私を救ってくれた。
この商売では、女将がフリーでいる事も大切な事なのだろう。圧倒的に女将を目当てに来る客が多いので、青山も外で会うか、ここに来る時は店が終わった頃に来た。
私は、ただ我慢出来なかっただけなのに、女将は客に このような事が知られないように、私がわざと早く終ったと勘違いしている。
興奮している私には、快感をコントロールする事など出来なかっただけなのに、あれだけ虐められても私の事を優しいと言う。
不倫とは このような物なのか。ことセックスに関しては、妻には出来なかったような事が、女将に対しては何でも出来てしまう気がする。
キッチンで洗い物をしている妻を見ていて、俗っぽいが裸にエプロンで洗い物をして欲しいと思った事がある。
しかし、妻には頼めなかったし、頼んでも妻も嫌がって受けなかっただろう。それが女将とは、あのような場所でセックスまで出来てしまう。
妻とお風呂に入っていて、性器を洗って欲しいと思った事があるが、結局は背中を流してもらうのが精一杯だった。
しかし、女将には性器だけを丁寧に洗わせ、その後、前に立たせると、大きく足を開かせて、女将の性器を悪戯しながら洗ってやっている。
女将もまた それが嫌そうではなく、私を誘うかのように少し腰を動かしながら、艶っぽい目で見詰めてくる。
私以外とのセックスでは、やはり妻もそうだったのだろうか。
青山に虐められながらも、目では青山に縋っていたのか。
一度逝けば次が欲しくて、声を出しておねだりしたのか。
私との時では恥ずかしくて開けないほど、大きく脚を開いて自ら性器を晒したのか。
「今度はベッドで・・・・・・・・」
やはり、女将はこれだけでは満足出来ずに、2階の寝室に誘ってきた。
私は女将の寝室で、時間も忘れて、とても妻とは出来なかったような事をさせ、小料理屋を出たのは午前2時を過ぎていた。
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そして、真っ暗な夜道で女将の乱れようを思い出していると、家に帰らなければならないという思いからか、全て妻と重なってしまう。
女将も私とは会いたくなかっただろう。しかし、いざ始まってしまうと、何もかも忘れて貪欲に快感を貪っていた。
妻も最初は拒む素振りを見せたかも知れないが、結局は、快感を得たいがために、青山や今中に言われるままに何でも受け入れたに違いない。
別れたがっているとは言っても、女将は まだ完全には青山と切れていない。私には青山の女を、いたぶっていると言う快感もあった。
これが、未だに別れた夫を愛している恵理なら、快感は倍増したかも知れない。
青山が離婚した女将を手放さなかったのは、おそらく別れてからも、最初の頃は別れた夫を愛していたからだろう。
他人の妻を辱める快感。
他の男を愛している女をいたぶる快感。
大人しく真面目な女を淫らに乱れさせる快感。
妻は それら全てを満たしていた。それで今中は、私が知った後も諦め切れなかったのだ。
これが他人の奥さんなら、想像するだけで興奮してしまう。しかし、勝手だとは思っても、自分の妻なら これほど悲しい事はない。
このような時間では妻は眠っているはずで、そのような妻の顔を見ずに済むと思っていたが、家に着くと玄関とキッチンだけに明かりが灯っていた。
「起きていたのか?」
「お食事は?」
「ああ、腹が減った」
妻は並んだ料理を温め直す。
「千里は?」
妻は食欲がないと言って、私が食べるのをじっと見ていた。私は逃げ出したかった。
離婚して妻の事を忘れられれば、私は楽になれると思った。
しかし、離婚した後の事を考えてしまう。
離婚した事を青山や今中が知り、妻も寂しさから自棄になって。
妻が まだ私を愛してくれているとすれば、彼らにとっては魅力があるに違いない。
今の青山には そのような力はないが、今中なら青山が女将にしたように、妻を囲う事ができる。
好きな時に妻を抱き、自分の思い通りの女に変えていく。
妻も生きていくために今中に媚を売り、今中の気に入るような化粧をして、今中が好きな下着を着けて待つ。
考えただけでも狂いそうだ。
やはり私は、このような妻でも愛していると実感した。愛しているからこそ憎いのだ。
「しばらく別居しよう。別居してこれからの事を考えよう」
妻を自分のものにしたままで妻から逃げる。
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結局、妻を一人にするのが心配で、私一人が家を出た。
最初は一ヶ月のつもりで契約したマンションも、妻との事を先延ばしにしたくて契約し直す。
その間、子供達は定期的に来てくれていたが、妻とは一切会っていない。
そして一月半経った頃、娘が神妙な顔で訪ねて来た。
「帰って来て。このままだとお母さんが・・・・・」
「千里は元気にしていると言っていたじゃないか」
娘達は私に心配掛けまいと嘘を吐いていた。
妻は ご飯を作らなくなり、今では掃除洗濯など何もしないので全て娘達がしていた。
「お母さんが悪いのでしょ?」
何もしない事を娘が責めると、妻は私への謝罪の言葉を繰り返すだけで、泣いてしまって話しにならないと言う。
「いや、お父さんにも悪いところがあった。これはお互いに・・・・・」
「嘘!お母さんは何をしたの?まさか・・・・・」
娘達も薄々気付いているのだろうが口には出さない。
妻と話しに行くと言うと娘達は気を利かせて、マンションに残ると言うので、私一人が久し振りの我が家に帰った。
娘達の言っていた事は本当のようで、キッチンなども一応は片付いてはいても、きれい好きの妻が片付けたのでは無い事が分かる。
そして、寝室の前まで来た時、中から妻の声が聞こえてきた。
「逝ってもいい?・・・・逝く・・・逝く」
「千里!」
男がいるのかと思って勢いよくドアを開けると、下半身だけ裸の妻が、ベッドの上で脚を開いて自分で触っていた。
「いやー・・・見ないでー・・・・逝く・・・逝く・・・逝くー」
逝く寸前だった妻は、指の動きを止められず、私の見ている前で達してしまった。
辺りを見ると、これが私達の寝室かと思うほど物が散乱していて、ゴミ箱からは入り切らない大量のティッシュが零れ落ちている。
おそらく妻は、子供達が留守になると自慰を繰り返していたのだろう。
私は情けなくなり、泣いている妻を無視して部屋を片付け、掃除機を掛けていると、妻が部屋を飛び出していこうとしたので、後ろから捕まえた。
すると、妻からは何度も繰り返し自慰をしていたのか、濃縮された女の匂いがした。
「洗ってやるから来い!」
私は妻を裸にして、自らも裸になって妻の白い肌が赤くなるほど擦る。
そして手に泡を乗せると、今まで妻が触っていたところを優しく洗う。
「千里・・・・おまえ・・・・・」
私が洗えば洗うほど、妻の そこは石鹸とは違うものでヌルヌルになっていく。
そして、私が立ち上がってシャワーで流そうとした時、妻は屈んで私の性器を口に入れた。
「やめろ!」
しかし、妻は、私の性器を咥えたまま首を振る。
何とか私を硬くさせようと妻の動きは激しさを増し、口の中に唾を溜めて、クチュクチュと音まで出して刺激する。
私の性器は見る見る膨らんでいったが、それは妻に女将の姿を重ね合わせていたからかも知れない。
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その後、私は家に戻り、妻も別居してから、行かなくなっていた心療内科に通い始める。
それからは、週に一度は、青山と完全に別れた女将を抱き、他の日は毎日のように妻を抱いた。
しかし、半年が過ぎた頃、女将は他に男が出来たのか急に店を畳んで姿を消す。
私は、女将を抱く事で、妻とのバランスを保っていたつもりだったが、女将がいなくなっても それほど落胆はしなかった。
それは、妻の変わり様に原因があるのかも知れない。
普段の妻は、以前の妻に戻りつつあるが、夜の妻は全然違う。
毎晩のように私に謝り、私の言う事なら、お尻の穴にまで舌を入れる。
そのような趣味は無かったが、成り行きでしてしまった本来そのような目的の為にあるのでは無い穴にまで私を受け入れた。
何でも私の言いなりになる妻。
それも悪くないが、私は昔が懐かしい。
妻と対等に付き合い、お互いに相手を思い遣っていた頃が。
いつかそのような時がまた来るのか。
以前の私は、間違いなく妻を愛していた。
しかし、今の私は、このように変わってしまった妻を本当に愛しているのか。
ただの独占欲だけで、一緒に暮らしているのではないだろうか。
昼間は優しく出来るように成った気がするが、夜になると思い出しては無理難題を吹っ掛ける。
それを考えると、復讐と性の捌け口の為に妻を縛り付けているのではないだろうか。
しかし、その答えは まだまだ出そうもない。
今は必死で尽くしてくれる妻もが、その内、答えを出してくれるかも知れない。
二人が歳をとってセックスなどしたく無くなった時、本当の答えが分かるのかも知れない。
それまでは妻を愛していると信じるようにしよう。
歳をとってから後悔しないように。
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