2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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逆転
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その位は、あんただって分かるだろう?

出る所に出てみようか」


「・・・・・・・・・」


こいつは圧力に弱い男だと一寸した気配で分かってしまうのは、私だって伊達に年を取った訳じゃないからです。


「・・・男と女の不祥事は何処にでも転がっている話しだ・・・内々の話にして貰えないだろうか・・・」


「冗談じゃない」

男を押し退けて応接室を出ようとする私の腕を掴むその顔は、昨日と同じ情けないものでした。

「済まないが座ってくれ。落ち着いて話し合おう」

形勢逆転!此処からは私のペースで話を進められると判断し再度ソファーに腰を下ろしました。

「申し訳ない」

男も座り、テーブルに付きそうな位に頭を下げています。

臭い芝居をしやがって!きっとこの場を何とか乗り切る事しか考えていないでしょう。

いつもは、それなりの顔をして居るであろうこの男の惨めな姿を、この薄いドアを開けて社員に見せてやりたいものです。

こんな男を上司と仰ぐ ここの社員達は、この姿を見ても会社の為に必死で頭を下げている尊敬すべき上司に映るのかも知れません。

そんな事があるはずはないと思ってはいるのですが、孤立無援な敵陣に殴りこんだ私には、全てが相手の援軍と感じてじまいます。


「社長を呼ぶ気になったのかな」

私も結構やるじゃないですか。人間追い詰められると、自分でも分からなかった性格が顔を出すのでしょう。窮鼠猫を噛むと言うところかな。

この感じは完全に私のペースに乗ったと思っていいでしょう。

男は深々と下げた頭を上げようとしません。


「部長さん。何でそんな事をする。

あんたが言ったように私が誤解しているだけなら、もっと堂々として居ればいいじゃないですか。

流石にそれでは通じないと理解されましたか?

おい!この落し前、どう付ける!俺はヤクザじゃないが、鬼にはなれる。

あんた、悪い男の女に手を付けたな。俺は執念深いよ。金なんか要らないが、お前の人生を食ってやる。

倍返しが心情だ。命以外は全てなくす覚悟をしておけ!」


『食ってやる』か、何か凄い言葉を言ってしまった。『駄目にしてやる』より迫力があると思うのですが?



乗って来ました。

『命以外に全てをなくす』そこ迄は幾らなんでも無理だと思っています。

不倫なんて、この男の言う様に何処にも転がっている話です。普通はうやむやになってしまうのでしょう。

あくまでも嫌がらせの台詞ですが、それでも男は無言で頭を下げています。


「とにかく社長を呼んでもらおう」

此処は一気に、こいつが嫌がる事でこの場は攻めましょう。

ただ、やり過ぎると、免疫が出来てしまいます。

開き直れる男なのか、そうではないのか、今は分かりませんがセオリー通りに、この線で行きましょうか。

私がW不倫をして こんな立場に立たされたら どうするのでしょう?パニックでしょう。

私とて、そんなチャンスがなかった訳ではありません。あ〜〜しなくてよかった。


どの位そんな時間が過ぎたのでしょう。

きっと大して経ってはいないのでしょうが、こんな時は随分と長く感じるものです。

「なあ、頭を上げろよ。幾らそんな真似をしても無駄だ。お前達やり過ぎたんだよ。あんまり人を舐めてるから こんな事になるんだ。

2人で随分と楽しんだろう。その報いはしなければいけないな。それが大人としての責任の取り方じゃないだろうか。

お前も子供が居る。子供は親父の背中を見て育つと言うぞ。だから、そんな見っともない真似はするなよ。

やった事はどう言い訳しても許されるものではないと思うが、責任を取るんだろう?

ならば、もっと毅然としたらどうだ」


この男に毅然とされたら堪ったものではありませんが、私はこの場の成り行きで言っているのです。


「いや御主人。私にそんな権利はありません。ただ私にも家庭があります。

大した会社ではありませんが、何とかこの地位まで来る事が出来ました。

社長の信任も得ているつもりです。

・・・・昇格の話しもありまして・・・・・この事が会長に知れると・・・・この微妙な時期に問題は起こしたくはないのです。

勝手な話をして大変申し訳ありません・・・・・勝手な事を言ってるのは重々承知しております。

ですが・・・・この場は何とか納めて、別な場所でお話しさせて頂けないでしょうか」


こいつ、本当に馬鹿です。

急に敬語を使い自分の弱みをさらけ出してどうするのでしょう。私に付け入る隙を与えるだけです。

私を泣き落としの通じる間抜けだと思っているのでしょうか?私はそれ程甘くはないつもりでおりますが。

それにしても会長とは?いずれにしてもかなり厳しい人のようですが・・


「本当に勝手な話しだな。

今の話しの中に、少しでも俺の立場を思いやる言葉が入っていれば、まだ考えてやってもと思う余地があるのかも知れないが、自分の事しか言っていないじゃないか。

そんな話が通じると思うか?

お前が俺の立場ならどうだ?

はいそうですかと言うか?

きっとお前は そうやって人を踏みつけて、その地位まで来たんだろうな。お前の部下は堪ったものではなかっただろう。

どうなるかは社長判断だが、格下げにでもなれば、喜ぶ奴らが多いんだろうな。

解雇なんて事になれば、みんな祝杯を上げるんじゃないのか?」


この男が、私の気持ちを思いやろうがなかろうが、許すつもり等ありませんが、こんな時は売り言葉に買い言葉、自然とそんな都合のいい台詞が出て来ます。

ペースを完全につかんだ事で余裕が出た私は、もっと痛烈な言葉はないかと浅知恵を絞っていると、ドアがノックされます。

「失礼致します」

入って来たのは妻でした。

取って付けた様に、お茶を持って来ています。普通は私が応接室に入ってから、もう少し早く誰かが持って来るものです。

そうでなかったと言う事は、妻は外出等していなかったのかもしれません。

状況を見ていて他の者が運ぼうとしたお茶を、あたかも気を利かせたように自分が持って来たのじゃないでしょうか。

その辺の事は分かりませんが この感性の鈍い女でも、頭を下げている上司を見て その場の状況を悟ったのでしょう。

茶を乗せたお盆をテーブルに置くと、私の前で土下座しようとするのです。


「おっと、そんな臭い真似はよしてくれ。

雅子、お前は そこのソファーに座れよ。

あんたも そんな事を幾らしていても俺の気持ちが変わらないぞ。時間の無駄だ」


穏やかに、時には厳しく、部下を使う鉄則だと私は思っています。

この時、此処が敵陣だと言う事等、何のハンデにもなっていないのです。

私の勝利です。

二人が並んでソファーに腰掛けたのを見て私は喋ります。


「二人が別れたからって、元の何もなかった生活を送れるとは思っていない。

そんな事は考えられないだろう。

雅子、どうしたい?俺達に明日なんてないよな?

お前とは もうこれ以上やっていけない。



いずれはこんな日が来る位の覚悟をして俺を裏切って来たのだろう?

それ位の覚悟を決めていたから、こんなに長く俺を欺いてきたんだよな?

そんな女とは暮して行けないだろう。

岸部さんも そう思うだろう?

あんたの奥さんが そんな女だったら許せるか?

なぁ雅子、子供達にも、もう言い訳は出来ない。俺も庇うつもりはないよ。

今日から帰ってこなくてもいい。本当は いつもそうしたかったんじゃないのか?

それから岸部さん、覚悟は決めろよ。金なんか要らないぞ。俺は ゆすりたかりじゃない。

責任は、社会的制裁で取ってもらう。穏便に済ませる気なんて初めからないんだよ。

どんなに頭を下げられても気持ちに変わりはない。だから社長さんに聞いて貰いたいんだよ。

社長の下す結果がどうであれ関係ない。

俺の思う通りにさせてもらうよ。それだけだ。」


この男、煮え切りません。それでも、うな垂れるだけで動こうとしないのです。業を煮やした私はドアを開けました。

「申し訳ないが、社長さんを呼んでもらえませんか」

私は近くに座っている社員に声を掛けドアを閉めました。

振り返ると、男は唖然としています。

『ざまあ見やがれ、馬鹿野郎!』

妻も妻で声を殺して泣いていますが、興奮している私はアドレナリンが出っぱなし状態で、自分の行ないが正しいのか正しくないのか判断も付かない状態です。

私の言っている事に間違いはありません。ただ、こんな方法が1番最良だったのかには自信が持てないでいるのです。

しかし、今はイケイケでしょう。自分を抑える必要を感じません。

馬鹿どもを冷ややかに睨み付けて社長の登場を待っていると、ドアがノックされ初老の男が入って来ました。この男が社長なのか?

「失礼するよ。岸部部長、何かあったのかね?」


異常な雰囲気に初老の男は私への挨拶も忘れ、岸部に声を掛けています。

『まずは俺に何かあってしかるべきだろう』

この会社は この程度なのか?私の職場では絶対にあり得ません。

こんな所に限って社長に面談を求めると、偉そうに「アポはお取でしょうか?」等と、のたまいやがる。どれ程の者と勘違いしているのか!

私は立ち上がり、初老の男の目の前に名刺を突き付けました。

「これは失礼致しました。私、黒田と申します」

黒田と名乗る男が慌てて名刺を出しながら頭を下げるのでした。

名刺には取締役専務と記入されている。この男は社長ではない。

「家内がお世話になってます。その事でお邪魔しました。少し複雑なお話です。問題が問題なので社長様にお会いしたい」

黒田専務は私の名刺をまじまじと見詰ています。

「あぁ、こちらの御主人でしたか。それはそれは此方こそ お世話になりまして。それでどんなお話しなのでしょうか?代表から私が用件を受け賜るよう言われて来たものですから・・・・」


この場の雰囲気を察した専務とやらは、岸部と妻の状況位は理解出来たでしょう。

いや、この程度の規模の会社の中での出来事は、噂に上らないと思えません。

知っていて惚けている公算が大です。誇大妄想なのかも知れませんが、私は やはり敵陣に居るのです。

社長自らが逃げているのかも知れませんし。

「大変失礼だが、貴方は私の話しを聞いて責任を持って処理出来ますか?御社も責任も感じて頂かなければならないと思っているのですが」

専務が妻達の方を見るのと同時に、岸部が ばね仕掛けの人形のような動きで立ち上がりました。

「申し訳ありません」

専務に深々と頭を下げる。

「お前なぁ・・・・・頭を下げる相手が違うだろう」

この専務、少しは常識を持っているようだが、この短い会話から妻と岸部の関係が耳に入っていた事が推測出来ます。

結局は、同じ穴のムジナなのでしょう。

『旦那にばれたら大変な事になるぞ。女遊びも程々にしておけよ』

所詮そんな事で、お茶を濁していたのではないのでしょうか。

ひょっとしたら酒の席で、私達夫婦を酒の肴にしていたのかも知れませんね。

人の痛みは何年でも我慢出来ると言います。これが自分に降り掛かった火の粉なら、こいつらは どうアクションを起こすのでしょうか?


「専務さん、こんなのと話したってしょうがないでしょう。

もう一度お聞きしますが、貴方は私の話を聞いて責任を持って対処して頂けますか。

そうでなければ、私はこの会社の責任者と話がしたい」


専務は応接室から社長に内線で連絡を取りました。

何十秒かで この会社の責任者が現れましたが、この男の顔面は緊張で青白く見えます。やはり知っていたのでしょう。

この会社は乱れています。


私は妻と男の関係を、証拠を突き付けて話しました。

当然ですが、その場で2人に対する処罰が決まる訳がありません。

「責任を持って対処させて頂きたい。後日きちんとした報告をさせて頂きます」





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