突然の海外赴任
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何処にも行く所の無い妻は、その夜 稲垣のアパートに泊めてもらい、次の日からアパートが見つかるまでの一週間は、当時稲垣と婚約していた今の奥さんの所で世話になったそうです。
「その時、稲垣とキスをしたのか?婚約者がいながら、あいつは おまえに迫ったのか?おまえも その様な事をしておきながら、よく奥さんの世話になれたものだな。」
「違います。そんな嫌らしいキスでは有りません。
多少奥様には悪い気もしましたが、罪悪感を持ってしまうと私達の関係が、その様な関係だという事になってしまう。
上手く説明出来ませんが、その様な感情は お互いに無かったです。
父のようで父とも違う、兄のようで兄とも違う、やはり上手く説明出来ません。
ただ、恋愛感情は無かったです。」
満員電車で男と肌が触れてしまうのも嫌だった妻が、稲垣にベッドで抱き締められた時、不思議と男に対する嫌悪感は無く、逆に何故か安心感を強く感じたと言います。
抱き締めながら、
「ごめん。でも決して嫌らしい意味でしているのでは無い。ただ君を守りたくなってしまう。大事な妹の様な感覚で、抱き締めたくなってしまった。」
と言いながらキスをして来たそうですが、ただ上手い事を言っているだけで、本当は その気だったのでは無いかと思ってしまいます。
私には、婚約者の事や銀行の事を考えてしまい、その先に進む勇気が無かっただけだと思えるのですが。
妻は稲垣に対して良い印象、良い思い出だけを持ったまま、また同じ支店勤務となってしまいます。
「あなたと結婚してから、偶然 また一緒の支店になった時期、私は不妊に悩んでいて、その悩みも聞いてもらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。他にも色んな相談に乗ってもらったりしました。」
妻が途中押し黙ってしまった事が少し気になり、
「どうして途中で黙ってしまった?その時も何か有ったのか?」
すると、今までとは違って妻の瞳に光が戻り、強い口調で、
「何も有りません。当時の事を思い出していただけです。周りの人から、会えば挨拶の様に子供は、まだかと言われ、辛かった時の事を思い出してしまっただけです。」
その時の事を言われると、私は何も言えなくなってしまいます。
若さのせいには出来ませんが、当時 気持ちに余裕も無く、この事で妻とは よく言い争いもしました。
私自身、友人や同僚に種無しの様な言い方をされたり、無神経な奴には、セックスが下手だからだとまで言われ、私も辛いのだと言って、妻への思い遣りが足りなかったと反省しています。
当時の事を思い出したからなのか、妻は正気に戻ってしまい、
「本当なら離婚されても仕方が無いです。それだけの事をしてしまいました。
愛しているのに、大事なあなたを裏切ってしまいました。私からは何も言えない立場だと分かっています。
でも離婚だけは許して下さい。あなたと別れるのは嫌です。」
「上手い事を言って、本当はその逆だろ?自分の歩が悪いままで離婚をしたく無いだけだろ?」
「違います。それだけは信じて。今でもあなたを愛している事だけは信じて。」
私だって信じたいのです。しかし、信じる事が出来ない事をしたのは妻なのです。
「離婚する事に成ったとしても、このままでは気が収まらない。全てを知らないと、一生 俺は立ち直れない気がする。全て聞かせてくれ。」
「はい、必ず話します。話せるようになったら必ず話しますからり、今日はもう許して下さい。」
そう言うと、妻は走って寝室に行ってしまったので後を追うと、妻はベッドにうつ伏せになって泣いていました。
娘の所に行ってから、何処か様子がおかしい事が気になっていた私は、
「どうした?実家で何か有ったのか?」
妻は、すぐには答えずに、暫らく声を出して激しく泣いてから、
「理香に会いたくて行きました。暫らく会えないと言ったら、理香は泣いて愚図るかも知れないと思い、その時の言い訳まで考えながら行きました。それなのに理香は・・・・・・・・。」
「理香がどうした?何が有った?」
「理香は『いいよ。』と一言だけ言って、笑いながらお義父さんの所に走って行ってしまいました。
いったい私は、何をしていたのだろう?理香は もう私を必要とはしていない。母親を必要とはしていない。
理香が生まれた時、この子さえいれば もう何もいらないと思ったのに、この子だけは、私の様な辛い思いは絶対にさせないと思っていたのに、結局辛い思いをさせてしまう。
でもこれは全て私がしてしまった事。私はとんでもない事をしてしまった。私は今迄、何をしていたのだろう?」
妻は、多少は罪悪感に目覚めたのだと思いましたが、それは娘に対してだけで、私に対しての罪悪感が本当に有るのかどうか、未だに信じきれていない私の怒りは収まっておらず、苦しむ妻に追い討ちを掛ける様に、
「今頃気付いても遅い。おまえは父親を憎んでいるが、同じ事をしたのだぞ。
暴力ではないが、それ以上に俺は傷付いた。
理香もこの事を知れば、一生おまえを怨むぐらい傷付くだろう。
母親に対してもそうだ。色々言っていたが、おまえに言える資格など無い。
おまえの母親は色んな男と付き合ったそうだが、離婚していたから独身だったのだろ?
それに引き換え、おまえは夫が有りながら、他の男に跨って腰を振っていたのだろ?
おまえの両親の事を悪く言いたくは無いが、人を傷つける事が平気な父親と、例え寂しかったとは言っても相手も選ばずに、オチ○チンさえ付いていれば、誰にでも跨って腰を触れる母親。
おまえのしていた事は両親と同じだ。
いや、それ以下だ。」
ここまで酷く言いたくは無かったのですが、話している内に自分で自分を抑える事が出来なくなってしまいます。自分の言葉に反応しては、段々とエスカレートして行ってしまいます。
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妻は、その後一言も話す事無く、泣き疲れて眠ってしまいました。
翌朝 目覚めると、妻は朝食の仕度をしていて、味噌汁の良い香りがして来ます。
日本に帰って来てからはホテルの食事以外、店屋物かコンビニの弁当しか食べていなかったので、久し振りの妻の手料理に一瞬喜びましたが、今の妻との関係を考えれば食べる気になれません。
「俺のはいらないぞ。おまえの汚れた手で作られた物など、口に入れる気になれない。そこのコンビニに行ってパンを買って来い。パンは1個でいいが牛乳も忘れるな。」
妻は、慌ててエプロンを外すと、財布を持って走って出て行きました。
「何だこのパンは?奴はこんなパンが好きなのか?俺の好みも忘れたのか?俺が好きなのは干しぶどうの入ったパンだ。」
別に何のパンでも良かったのですが、一言でも文句を言ってやらないと気が収まりません。
この様な事を続けていては駄目だと思いながらも、止める事が出来ないのです。
この様な事を続けていては、妻が狂ってしまうかも知れないという思いも有りましたが、私の方が既に、精神的におかしくなって来ているのかも知れません。
干しぶどうパンを買って、走って戻ってきた妻に、
「悪い、悪い。タバコを頼むのを忘れた。」
妻は、銘柄も聞かずにまた小走りで出て行くと、私が以前吸っていたタバコを覚えていたので、それを買って来たのですが、私は赴任中に向こうで軽いタバコに変えた為に、日本に帰って来てからも、以前とは違う銘柄の軽い物を吸っていました。
今の状態では、妻はそこまで気付く筈が無いと思っていても、私は嫌味ったらしく残り少ないタバコを持って来て、妻の目の前に置き、
「それも稲垣が吸っていた銘柄か?俺が今吸っているのはこれだ。見ていて知っていると思っていたが、俺の事などもう眼中に無いか?」
「ごめんなさい、気が付きませんでした。すぐに交換して来ます。」
「それでいい。おまえの好きな男と同じタバコを吸ってやる。」
「支店長はタバコを吸いません。」
流石の妻も私の嫌がらせに怒れて来たのか、少し語気を強めて言いました。
しかし私は、それがまた面白く有りません。
「そうか。タバコを吸わない男が おまえのお気に入りか。それは悪かったな。
今時タバコを吸う人間なんて最低だと言っていなかったか?
さすが40代で支店長になれる様なエリート様は、俺の様な人間とは違うな。
おまえが俺を裏切ってでも、一緒になりたい訳だ。」
「そんな事は思っていません。それに支店長と一緒になりたいなんて思っていないです。」
「どうかな?どうせ2人で俺を馬鹿にしていたのだろ?今時タバコを吸っている駄目人間と笑っていたのだろ?」
「いいえ、支店長も以前はヘビースモーカーでした。タバコを吸う人がどうとか、出世がどうとかではなくて、お医者様に止められたので今は吸っていないだけです。」
「俺がタバコを変えた事も気付かないおまえが、流石にあいつの事は何でも知っているのだな。将来を共にする、愛する旦那様の事は何でも知っているという訳か。」
また僻みの様な、嫌がらせを言ってしまいました。
何を言っても私の気が収まる事は無いのに、私自身、いつまで この様な事を続けてしまうのだろうと不安になります。
「言い忘れたが、今日、奴の奥さんが来るぞ。」
それを聞いた妻の顔が蒼ざめて行き、
「許して下さい、私は会えないです。典子さんに合わせる顔が有りません。とても会えないです。どうか許して下さい。」
「そうか、典子さんと言うのか。おまえがしてしまった事の責任ぐらい自分で取れ。会って謝罪しろ。
奴と再婚したいのなら、ついでに離婚して下さいとお願いしたらどうだ?」
私の嫌がらせも妻の耳には入らない様で、ただ俯いていて、少し体が震えている様にも見えました。
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昼食に親子丼をとったのですが、妻は箸もつけません。
「どうした?食べろ。」
「典子さんに会うのだけは許して下さい。典子さんには会えないです。」
「子供みたいな事を言うな。
離婚を前提の別居か何か知らないが、今はまだ夫婦だ。頭の一つも下げられないのか?
もういい、その話は後だ。折角俺が注文してやった物を食べない積もりか?」
妻は一口食べましたが、また箸を置いてしまいました。
「どうして食べない?
奴の言う事は何でも聞いて、あんな卑猥なパンティーまで穿いていたおまえが、俺の言う事は、おまえの身体を心配して言っている事すら聞こうとしない。
本当なら、俺は稲垣や奥さんに会いたくなければ会わなくても良い立場だ。それを一緒に居てやろうと思っているのに。
もう分かった。俺は出掛けるから3人で話し合え。」
すると妻は、口いっぱいに頬張り、お茶で流し込む事を繰り返し、時々吐きそうになっています。
「そうだ。残さず全て食べろ。」
空腹も辛いのですが、食欲も無いのに無理やり食べさせられるのも同じ位辛く、一種の拷問ともとれます。
妻を言葉で虐めるだけで無く、身体への虐めを始めた自分が恐ろしくなりました。
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夜になって稲垣から電話がかかり、既に途中まで来ていたのか、それから10分ほどで来た奥さんは、小柄で可愛い感じの方なのですが、ここに来る途中も泣いていたのか、目の回りの化粧が落ちていて、折角の可愛い顔が台無しです。
私が妻の待つ座敷に案内すると、部屋の隅でうな垂れて正座している妻を見つけて駆け寄り、前に座って妻の両肩を掴んで揺すり、
「どうして?どうして智子さんなの?どうして?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
私があえて止めずにいると稲垣が、
「もう、そのぐらいにしておけ。悪いのは俺だ。」
別居の原因が奥さんの浮気では無いと確信していた私は、私と同じぐらい辛いで有ろう奥さんに対しての、横柄な口の利き方に怒りを覚え、
「悪いのは俺だ?何を格好つけているんだ?まだ女房の気を引きたくて、いい男を演じているのか?
悪いのは おまえだと認めているのなら、おまえ一人で全ての責任を、今すぐにとってもらおうじゃないか。」
「どの様に責任をとらせていただけば良いですか?」
「馬鹿か?責任のとり方も分からないで、偉そうに言うな。泥棒が捕まってから、泥棒は俺だと威張っているのと何も変わらないぞ。」
「すみません。威張っていた訳では。」
「今日は どの様に責任をとって、どの様に償うのか考えて来ただろうな?」
「ご主人の気が済む様に、出来る限りの事は致しますので、どうかご提案頂けないでしょうか?」
「俺に言わせてもいいのか?出来る限りの事をしてくれるのか?
それなら、おまえが何度も何度も汚した女房の身体を、以前のきれいな身体に戻してくれ。
俺の壊れた家庭を元に戻せ。
俺は一生この事を忘れずに、苦しんで生きなければならない。
そんな人生は嫌だから、俺からこの記憶を消してくれ。時間を単身赴任の前に戻してくれ。」
その時、稲垣の奥さんは声を出して泣き崩れ、妻は私の前に来て畳に額を擦り付けながら、
「あなた、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
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