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戦争の体験談を語るわ
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165 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:41:49.77 ID:kv3yaWMo
頭が真っ白になって両手でソニアに触れたんだ。

でも、ソニアの体は温かかったんだ。



167 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:43:32.27 ID:kv3yaWMo
息もしていて、ソニアは生きていたんだ。

良かった。


何が起きたかわからないけど、ソニアは生きてる。良かったって。

ソニア大丈夫?って声をかけたら、小さい声でうん。って言ったんだ。



168 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:44:47.20 ID:kv3yaWMo
離れてごめんねって。

ソニアを追いて水汲みにいってごめんって言いながら、ソニアを抱き寄せたんだ。



170 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:50:41.56 ID:kv3yaWMo
そしたら、手に生暖かい液体がついてさ、最初は何かわからなかった。

でも臭いを嗅いだら、血ってすぐにわかったんだ。

慌ててソニア怪我してるの?ソニア大丈夫なの!?って聞いたんだ。

ソニアは また小さな声で、うん。って言ったんだ。

俺は急いで傷の手当しなくちゃって思って、洞窟の中は暗くてよく見えないから、ソニアを背負って外に出ることにしたんだ。

ソニアの体が いつもより軽く感じて、そしてソニアの体から垂れる血のピチャ、ピチャ、って音が、洞窟の中で響いていたんだ。

不安になった。

だけど、ソニアは返事をしているし、ちょっとした怪我なんだって、ちょっとした怪我だって、悪いことを考えないように必死に自分に言い聞かせたんだ。



171 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 03:53:48.55 ID:kv3yaWMo
洞窟の外に出た時は、もう外も真っ暗で、月が綺麗に輝いていたんだ。

俺はソニアを草の上に下ろしたんだ。

最初は見間違いかと思った。


だけど、何回目をこすってもさ、ソニアのお腹から血が一杯出てるんだ。




174 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:02:07.16 ID:kv3yaWMo
頭の中で理解できないような色んな感情とかが渦巻いてきたんだ。

だけど、血を止めなきゃって。

俺は上着を全部脱いで、ソニアの上着を捲ってさ、血を止めようとしたんだ。

そしたら、ソニアのお腹に大きな穴が何個も空いてて、そこから沢山の血が流れてたんだ。

俺ってば、分厚いコート着ててさ、背負ってるのに、こんなに血が出てるのに気づかなくて・・・

シャツでソニアのお腹を抑えたんだけど、全然血が止まらなくて、どうしようどうしよう、誰か来てよって泣きながらソニア大丈夫だよ大丈夫だよって何度も叫んだんだ。

でも血が止まらないんだ。

そしたら、ソニアが血を口から垂らしながら、うん。だいじょうぶ。って言ってさ。

しゃべっちゃ駄目って言ってるのに、小さな声で喋り続けるんだよ。

月が綺麗だねって。

どうして祐希泣いてるのって。



175 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:06:25.96 ID:kv3yaWMo
ソニアを心配させちゃ駄目だって思って、泣いてないよ。

だから喋らないでって言ったんだ。


だけどソニアは それでも話すのをやめなくて、声を出すたびに血が溢れてくるんだ。

混乱してて、慌てて、怖くて、正確には覚えてないんだ。

だけど、ソニアは昔の話をしだしてさ。



176 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:12:00.97 ID:kv3yaWMo
特別な日覚えてる?って。

俺すぐには思い出せなくて、何?って言ったんだ。

そしたら、祐希にお友達になってくれたお礼をした日って言うんだ。

俺は覚えてるよ。忘れるわけないじゃんって泣きながら答えたんだ。

そしたら、ソニアはちょっと笑いながら良かったって言って、あの時も綺麗な月だったねって。

俺は うまく言葉が出せなくて、うん、うん、って相槌しか打てなかったんだ。

それでもソニアは喋り続けて、ずっと一緒にいれなくて ごめんねって言うんだ。


ソニアはわかっていたんだ。

自分が大怪我して、もう助からないってわかってたんだ。

もう俺は何て言葉を返したらいいかわからなかった



178 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:14:38.92 ID:kv3yaWMo
ソニアは、もうお腹押さえなくていいって、その代わり手を握ってって言うんだ。

もうソニアは手に力が入らないみたいで、俺の手を握り返せないんだ。



179 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:17:22.14 ID:kv3yaWMo
手を握ってさ、目の前にいるのに、ソニアが言うんだ。

祐希、ちゃんと手にぎってる?そこにいる?って。


俺はちゃんと握ってるよ。

隣にいるよって答えたんだ。


そしたら、

そっか。良かったって言ってさ、

ごめんね、ありがとうって小さな声で言った後、

何も喋らなくなったんだ。



180 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:19:38.33 ID:kv3yaWMo
息はまだしてたんだ。

もし医者がいれば、医者じゃなくても大人が居ればソニアは助かるかもしれないんだ。


でも、俺は何も出来ないんだよ。

大切な子がソニア以外いなくなったり死んじゃったりして、もうソニアしかいないのに。

たった一人の大切な人なのに何も出来ないんだよ。


ソニアの息が少しずつ弱くなって、体が冷たくなっているのに、横でただ泣きながら見ているしか出来ないんだよ。



191 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:42:58.37 ID:kv3yaWMo
俺は目の前で起きた現実を受け入れることが出来なかった。

やらなければいけない事は沢山あったんだ。

洞窟の中にはまだ生きている民兵の人がいたんだ。

でも俺はソニアの傍から離れる事が出来なかった。


この日まで、沢山の人に助けられて生き延びてきた。

沢山の人の、仲間の友達の犠牲の上で、生きてきたんだ。


なのに、何もお返しも出来ずに、逃げてばかりで、

まだ生きている民兵の人だけでも助けなきゃいけないのに、その人たちに助けられて、

今まで面倒をみてきてもらっていたのに、頭で理解してても何も行動できないんだ。



192 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:45:07.74 ID:kv3yaWMo
気づいたら朝になっていて、洞窟の中で まだ息のあった人たちも、皆亡くなっていた。

もう心が耐えられなかった。

情けない自分が、同じ過ちを何度も繰り返す自分が許せなかった。



193 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:46:37.65 ID:kv3yaWMo
それから数日間、ソニアや民兵と一緒に過ごしていたんだ。

でも、外に出ていた民兵の人は誰も帰ってこなくて、もう全てが終わった事に気づいた。

本当は とっくに気づいていたけど、もう現実を受け入れるほど俺の心は強くなかったんだ。



194 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:53:22.76 ID:kv3yaWMo
それから、少しして、俺は皆の遺体を埋めることにしたんだ。

スコップとかがないから、木の棒でひたすら彫り続けて、全員の遺体を埋めるには数日かかった。


俺ムスリムじゃないからさ、お墓に何をすればいいかわからなかったんだ。

だから、棒を立てて、咲いていた花を移して植えるぐらいしかできなかった。

ボシュニャチの民兵の人に、辛くても生き抜けって言われたけど、もうそんな気力もなかった。

もう全てを失って、希望だとか光も何もないんだ。

その場で死のうと思って、銃を探したんだけど、銃が全部なくなってるんだ。


少量もとっくに尽き果てていて、飲まず食わずでいた俺は、もう疲れて眠くなっちゃってさ、そのままソニアを埋めた場所の前で寝たんだ。




196 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:55:56.97 ID:kv3yaWMo
目を覚ましたら、夢の中みたいで、どこかの家のベットに寝てたんだ。

おかしいな、これは夢なのかなって それとも今までのが夢なのかなって思ってたんだ。

そしたら部屋の中に中年ぐらいの女の人が入ってきてさ、何か俺にいいながら、水とか食べ物をくれたんだ。



197 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:58:15.40 ID:kv3yaWMo
それから少しして、これが夢じゃないってわかってさ。

俺は山で倒れていた所を、スルツキの民兵に保護されて、そこから結構離れた民兵の暮らす集落に連れて来られていたんだ。



198 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 04:59:56.27 ID:kv3yaWMo
もう死にたいって思ってた俺はさ、スルツキの民兵がソニア達を撃ったんだろって、絶対に許さないって暴れたんだ。



199 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:01:54.57 ID:kv3yaWMo
でも、この家の奥さんや、民兵の旦那さんは悲しそうな顔しながら、自分たちはしていないって言ってさ、俺が暴れてるのに抱きしめてくるんだ。



200 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:02:47.48 ID:kv3yaWMo
俺は嘘つきめ、嘘つきめって叫びながら暴れたんだけど、離してくれなくてさ、寝るって言って部屋に篭ったんだ。



202 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:05:08.93 ID:kv3yaWMo
それから何日も、部屋にもって来てくれたご飯とかも食べないで、ずっと篭っていてさ、そうだ、ここから逃げればいいんだって思ったんだ。

それで夜になるのを待って、窓から外に飛び出して、辺りを見渡したら、十何キロ先かわからないけど、前いた山っぽいのが見えたんだ。



203 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:08:31.86 ID:kv3yaWMo
俺はソニア達の所に戻らなきゃって、あそこに戻らなきゃって思って、山に向かったんだ。

途中で、道がわからなくなったりして、何とか洞窟についた時には3日以上経っていたと思う。


その後、2日くらいまた洞窟で一人過ごしていたんだ。

そしたらさ、集落の民兵の人が来たんだ。

気づいた時には もう洞窟の入り口の所まで来ていて、逃げ場はなかった。



204 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:10:41.80 ID:kv3yaWMo
ああ、俺も撃たれるんだな、良かったって ほっとしたんだ。

だけど、彼らは俺を撃たないんだ。

撃たないどころか、一人で何してるって怒るんだよ。


意味がわからないんだよ。

お前らスルツキは子どもでも女の人でも殺して、子どもに乱暴だってするだろって。

俺の事も同じようにしろって泣きながら叫んだんだ。



206 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/23(日) 05:13:02.05 ID:kv3yaWMo
だけど、彼らは ただ無言のまま俺を担いでさ、洞窟から連れ出そうとするんだよ。

嫌だ嫌だって言っても離してくれなくて、バックがバックが だから離しせって言っても離してくれなくてさ。

バックはどれだって言うから、答えたら、俺が預かるとかいってさ、俺の事を下ろさないまま山を下ったんだ。

疲れていたのもあって、俺は途中で寝ちゃってさ、起きたら もう集落のすぐ近くまで来てたんだ。






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