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戦争の体験談を語るわ
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109 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:09:26.26 ID:c1y0p92o
そして3月後半になってくると、首都サラエヴォの方でスルツキの民兵達が何かをするらしいという噂が、街で耐えなくなった。

とはいっても、この時はまだ民兵という言葉自体を理解していなかったから、何かあるんだーといったような感じで、気にも留めていなかったんだ。



118 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:17:19.95 ID:c1y0p92o
4月に入って、どうやらボシュナが国連に加盟するといった情報が流れてきた。

その意味が理解できなくても、周りの大人たちが深刻そうに、そして民族ごとに緊迫した空気を出している事から、俺達子どもも、かなり不安になってきていた。

俺達子どもは、昔この地域でおきた民族同士の争いや悲惨な歴史を殆ど知らなかったんだ。



123 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:21:53.12 ID:c1y0p92o
特に、親からそういった事を聞かされる機会があるはずもない日本人の俺には、こうした状況を理解できるはずもなかった。

だけど、俺以外の8人は、ある程度理解しているみたいだった。

ドラガンが「何か起きたら、一旦皆で秘密基地に集まろう。俺達はずっと仲間だ。」みたいな事を言っていた。

皆も「うん。そうしよう。」って相槌を打って、約束したんだ。約束したんだよ。



126 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:25:38.49 ID:c1y0p92o
父さんは、この緊迫した状況を考えて、俺だけでも日本に帰国させようとしていた。

当然、俺はそれを断固拒否するだろうと考えたらしく、俺には内緒で、仕事でサラエヴォに行くと言って、俺をソニアの家に預けたんだ。

今思えば、あれは俺を一人残して、航空券を買いにいったんだと思う。

一人だったのは、サラエヴォが危険だったからなんだろうな…。

「明日になったら、帰ってくるから、いい子にしていなさい。」と言ってた。



135 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:31:56.05 ID:c1y0p92o
翌日の4月5日だったな。

俺は父さんが帰ってくるまで遊んでいようと思って、秘密基地で いつものように遊んでたんだ。

ただ、この日に限ってドラガンだけは来なかった。

用事があるとか言って。


夕方近くになった頃だった。

街の方から大きな音がしたんだ。

皆びっくりして、急いで丘を駆け上がったんだよ。

そしたら、街から黒い煙が上がっていて、時々小さな乾いた甲高い音が聞こえてきてた。

俺は何の音かわからなかったんだけど、ミルコが「銃の音だ!」って叫んだんだよ。




139 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:34:22.81 ID:c1y0p92o
血の気が引いたのを覚えてる。

ソニアやサニャ達は おろおろして泣き出しちゃってさ。

ミルコやメフメット、カマルは家に帰らなきゃって叫んで、街に向かって走っていった。止めればいいものを、

状況が理解できていなかった俺は ぼーっと立ち尽くしていたと思う。


多分、30分位そこでぼーっとしていたかな。

もっと長く そこで立ち尽くしていたかもしれない。

大きな音を出しながら、何台かの車がソニアの家の方向に向かって来てた。

あれって何だろうって思っていたんだけど、カミーユが「スルツキの奴らだ…。」って呟いたんだ。



143 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:37:24.27 ID:c1y0p92o
ソニアは家に帰ろうとしたんだけど、カミーユや俺で必死に止めた。

それで、様子を見ようってことで、カミーユが何時も持ってきていた双眼鏡でソニアの家を覗いてたんだ。

最初は、「スルツキの兵士が家の中に入ってる、外にも何人かいる。」って感じで説明してたんだけど、途中で「あっ。」って言った後、カミーユは何も言わなくなっちゃったんだ。


メルヴィナと一緒に、どうしたの?って何度聞いてたんだけど、何も言わなくてさ。

おかしいな?って思って、少し身をを乗り出して見たんだ。

そしたら、さっきの車二台が俺達の方向に向かってきてるんだよ。



149 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:40:51.01 ID:c1y0p92o
「何で!?何でわかっちゃったの!?」って口々に言ってたんだけどさ、カミーユが涙目になりながら、わからないけど目が合っちゃったって言うんだ。

今考えれば、その理由はすぐわかるよ。

でも当時はそんなのわからなかったんだ。

ただ、カミーユは俺のせいだ。俺のせいだ。って泣いてた。

このままだと、もしかしたら俺達は捕まってしまうかもって思ったんだ。

考えてみれば、敵かどうかもわからない。

それなのに、俺達はもうそのスルツキ達を敵だと思ってた。

多分、あれは直感というか本能的なものだったと思う。

だって、味方は銃を持って来ないでしょ。



151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 01:42:31.49 ID:yuaiZ6wo
双眼鏡の反射か。

狙撃手の基本だがガキじゃ仕方が無い


153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 01:43:04.26 ID:n1..lig0
>>151
お前何者だよ


158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 01:46:21.92 ID:yuaiZ6wo
>>153
いや、双眼鏡で光が反射すると場所バレるじゃん。

それかなと思った


162 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:49:03.82 ID:c1y0p92o
>>158
そうだったのか…。

てっきり相手と目があったからだと思ってた。



152 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:42:43.50 ID:c1y0p92o
少しずつ車が近づいてくる音がして、この場所にいるのは不味いと思ったんだ。

俺は4人に急いでこの場所を離れて隠れようって言った。

俺は泣いているソニアの手を引っ張って、カミーユとメルヴィナはサニャの手を引っ張って、急いで走った。


だけどさ、結局 俺達は8歳そこそこの小学三年生ぐらいの子どもだった。

例え俺達が必死に走ったところで、逃げ切れるわけがなかったんだ。




157 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:45:32.37 ID:c1y0p92o
200Mくらい離れた小さな木の下に隠れたけれど、ゆっくりと車が近づいてくるのがわかった。

心臓が高鳴って、次第に息苦しくなってきたんだ。

頭の中では落ち着け。落ち着けと言っているのに、体中から汗が出てきて、静かにしなきゃいけないのに、鼻から息が吸えなくてさ。口で音を出しながら息をしてた。

すぐ隣のソニアやサニャ達は、泣かないように必死に口を押さえてるんだよ。

でも、カチカチって歯の音がしちゃってさ。

止めようとしても、その音が止まらないんだ。



159 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:48:04.83 ID:c1y0p92o
正直に言って、俺は もうだめだと思った。

殺されるとか、そういうのはまだわからなかったのに、ああ。もう終わった。

そんな感覚に陥っていた。多分、皆も同じ感覚だったと思う。


車の音も大きくなってきて、スルツキの民兵達の声も、鮮明な声ではないけれど、聞こえてきた。

何か恐ろしいことを言っていた気がするけれど、恐怖で それを理解するほど、覚えているほど その時の俺には余裕がなかったように思う。



163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 01:50:47.39 ID:jFTn8Qg0
スルツキの連中がそこまで過激な手段を取った背景は何なんだろうな

いつも疑問だったわ


173 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 01:53:53.18 ID:c1y0p92o
>>163
それはさ。

禍根が次世代に引き継がれるからなんだ。

殺さなければ、殺される。

今までの歴史がそれを証明してきた。


じゃあ、子どもは?

子どもはさ、次世代の敵になるんだ。

だから、[ピーーー]しかない。


そういう考えなんだ。

多分、平和の中で暮らしていたら一生共感出来ない考えだと思う。

俺も理解は出来るけど、共感は出来ない。


スルツキだけでなく、フルヴァツキもボシュニャチも同じ考えだよ。

そして、その考えの元で行動した。



190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/05/21(金) 02:00:01.20 ID:jFTn8Qg0
>>173
そうか やらなきゃいつかやられる状況だったのか

当事者にしかわからない事なんだろうけど、一度タガが外れると想像も出来ない事が起こるんだな


193 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 02:04:37.14 ID:c1y0p92o
>>190
タガは外れてないんだ。皆罪悪感はあるんだよ。

でもその罪悪感をも超越する程の、他民族への恐れ、怒りや憎しみがあったんだ。

だから、自分達の民族のためと自分に言い聞かせながら殺したりしたんだ。

中には本気で楽しんでいた人もいたかもしれないけどスルツキの人たちだけが野蛮で殺戮をしまくっていたってわけじゃないんだ。

現に、それに反対するスルツキもいたんだよ。

でも、民族の敵といって、そういったスルツキの人も殺害の対象になってしまったんだ。


戦場の中は、皆普通の心理状態じゃないんだ。

もしかしたら、他の民族に同情した同胞が、自分達に銃を向けてくるかもしれない。

それほど疑心暗鬼に陥る状態だったんだ。

今までの歴史とか宗教とかが絡み合って、想像できない状態になってたんだ。



164 :祐希 ◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:50:52.47 ID:c1y0p92o
見つかるのも時間の問題だったんだ。

そしたらさ、少し離れた所に隠れていたカミーユが俺を後ろに引っ張って、小声で囁いたんだ。

他の女の子には聞こえないようにしながらね。

「このままだと見つかってしまう。俺がスルツキを引き付けるから、その間に皆を連れて逃げてくれ。」

それを聞いて驚いたよ。

そして もしかしたら助かるかもなんて考えてしまった。

でも、それをやったらカミーユはどうなる?

「危ないよ。ここで皆で静かに隠れてよう。」

俺は慌ててそう言い返したんだ。

だけど、カミーユは、それだと見つかるって。

皆殺されるって言うんだ。

「引き付けた終わったら、後を追いかけるから大丈夫。」

俺はわかったって答えた。もうそうするしかないように思えたんだ。


そしたらカミーユはニコって笑ってさ、良かったって言うんだ。

そしてさ、「サニャの事、俺が戻るまで守ってあげてね。」って。



194 名前:祐希 ◆.0dKn/WD26 投稿日:2010/05/21(金) 02:05:35.31 ID:c1y0p92o
そう言い終わると、俺の返事を聞かずにカミーユは俺達が隠れている方向とは反対側に身を低くしながら走っていったんだ。

俺は3人に、カミーユが引き付けるから、その間に逃げるって伝えたんだ。

ソニアやサニャは駄目駄目って言うんだけど、メルヴィナは「そう。」って呟いただけだった。






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