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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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280 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:42:09.14 ID:Q5UKg1qg.net
「でも凄いね小島君。結構大きい話だったのに上司さんと一緒に取ってきたんでしょ?大変じゃない?」

「ほとんど上司さんの仕事ですよww 自分は付き添いみたいなもので・・・大変じゃないといえば嘘になりますけど、充実してますね。」


そりゃあまりデカくない企業とはいえ社会人二年目で過大な評価で受けているのだから大変ではある。

入社試験も滑り込みのつもりが何の冗談か結構良かったりして上司からは大分絞られている。

だがまぁ大変な状況なら その分だけ他の事を考えなくていいのだからそれでいい。

我ながらまだ消化できないのかと半ば呆れ、同時に女々しいとも思う。未だに残る心残りを大仰にジョッキをあおって酒と一緒に飲み干す。

「…1本良いですか?」

出来れば女性の前では吸いたくはないが習慣というのは中々直すのが難しい。

学生の頃に酒と一緒に吸って安上がりにしようと画策したものだが どうも金が稼げても貧乏性は抜けないらしい。

「意外、吸うんだね」

「昔から止めろっては言われてるんですけどねww」

「おいしいの?」

「不味いですよww 試しに吸ってみます?」

箱ごと向けると一瞬悩んだような顔を見せてから「じゃあ…」といって灰を落としていたほとんど吸っていない俺の手の中のをかすめとって自分で吸い始める。

少し驚いて呆気に取れられる俺を尻目に戸田さんは大きく息を吸って、むせた。



281 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:43:21.12 ID:Q5UKg1qg.net
「けふ!げほげほ!」

「あーあーww ほら水ありますから・・・」

頼んでおいたお冷を渡して火傷をしないように戸田さんの手から煙草を受け取り灰皿に置く。年上のはずなのだが世話の焼ける・・・

白石みたi・・・

一気に半分ほど残っていたジョッキを飲み干して次の注文をしておく。

「・・・かぁ〜!!!」

「ちょ、小島君!?」

「ッ!・・・大丈夫です。それより、落ち着きましたか・・・」

「あ、うん、ごめんね・・・」

顔を赤らめて俺を見る戸田さん。どこか懐かしい感覚と、既視感。途端、心臓が軋みだす。

押さえつけるために頼んでおいた酒をまたあおってから灰皿に残るフィルターに口紅のついた煙草を手に取る。

「あ・・・」

小さく戸田さんが声を出した気がしたが気にせず口をつける。

いつもと変わらない。微かなバニラの香りが鼻腔を満たす。



282 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:44:29.75 ID:Q5UKg1qg.net
「…小島君てさ、彼女いたりする?」

戸田さんは不思議そうな目で俺を見ながら言う。

「いないですよ?いるわけないじゃないですかww」

俺も俺で何故という疑問の眼で戸田さんを見る。

「いや、煙草吸ってる人って恋人出来るのかなって

・・・特に女性は嫌がる人多いでしょ?」


「まぁ、ですね。吸う奴が悪みたいな言い方をしますからね。」

特に今は と付け加えて小さくぼやく。同時に吐き出された煙は店の空気に溶けていた。

「じゃあ今までは?」

「飲み会で後輩男性社員相手に恋話ですか?w女性陣でやってきたらどうです?」

「あーww 私お局苦手で…」

何とはなしに笑って口寂しくてまた煙を吐く。

「で?いないの?」

「煙に巻けては無かったですかw」

小さく笑って軽く頭を掻く。





284 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:48:41.57 ID:Q5UKg1qg.net
別に話せない訳ではないが そのあとに襲ってくる若干の孤独とか寂寥とか、そういうのが残るのが嫌だった。

褒められたものではないのは自覚しているが こういったときの俺は妙にずる賢いところがある。

白石の事を思い出したとか、人恋しいとか、きっと酔いの勢いもあってだろう。気が付けば口をついていた。

「今、戸田さんに彼氏いるのか教えてくれたらいいですよww」

そう聡い人でなくても言葉の裏が読めるような文章。

案の定戸田さんも読めたらしく酒気を帯びた顔に更に赤みが増した。

「そ、そういう冗談はよくないよ!?」

「冗談じゃ、ないっすよ?」

「え…え、え!?」

真顔で見つめる。

身を捩りながら戸田さんは首を振っている。

十割本気と言えば嘘だが どんなに言葉を尽くしても戸田さんに そういう感情が無かったといえば嘘になる。

それでも これの目的はいじることだったのだが。



283 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:46:01.87 ID:y4H7mC4j.net
キャスター?


285 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:52:39.35 ID:Q5UKg1qg.net
>>283
やね。


いや、それにしてもいじりがいがありすぎる

先輩だし今後の業務に支障をきたすのは流石に不味い。今回はこのくらいで…

「…ない…」

「え?」

相変わらずゆっくりと紫煙を吐いて、さていつ切り出そうという余裕を持っていられるのはここまでだった。

「いない、よ」

振り向くとがっつりと水を飲み干す戸田さんが目に入る。

「…すみません。少し酔ってるみたいです…」

「う、うん…」

微妙に気まずくなって会話もないまま並んで座る二人。唯一の救いは そこからほぼ直後と言っていいタイミングで飲み会が終わったことだろう。



286 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:55:53.97 ID:Q5UKg1qg.net
こんなこともあってか社内で戸田さんと会うと微妙な空気になることが多くなった。

というか いつも通りに目で追っていると目が合う回数が多くなった。

そのたびに逸らされるので多少なりとダメージは負っていくのだが・・・



数日経ったある日。

上司から茶を淹れてこいと言われて給湯室にいくとまさしく茶を淹れていると戸田さんと出くわした。

「「あ」」

戸田さんは数秒視線をきょろきょろしてから、どうすることもなく作業を進めた。

「あの…」

「は、はい!?」

俺の方から声をかけると戸田さんの声がひっくり返った。

「俺、何か避けられてます?」

「いや、その…」

「この前のことは…その、すいませんでした…」

「あ…うん…」

「その、お詫びしたいんすけど…」

「い、良いよ別に!」

「いや、させてください。GWとか空いてますか?奢りますから」

「あ、う、っと…わ、分かりました…」

自分の中である程度けじめをつけたいという個人的な我儘でしかなかったが意外と押しに弱いようであっさりと申し出を受けてくれた。




287 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 22:58:30.23 ID:Q5UKg1qg.net
東京っていうのは便利だ。というか かっぺの俺からしたら少々便利すぎると思う。大衆居酒屋ではなく少し洒落た店が幾らでもある。少し田舎にも分けてくれ。

その店は値段的にあまり来れず行きつけというほどではないまでも、内装の落ち着き具合と喫煙が出来るという非常に気に入っている店だった。

「小島君…ここ高そうなんだけど…」

「ああ、気にしないでください。今日は俺出しますから」

「え!?悪いよ!?ていうか私先輩だし!」

「いえいえ、俺から誘ってますしww」

何度かこのやり取りを繰り返したが戸田さんは折れることがなかったので戸田さんが席を立った隙を見て会計を先に済ませた。

微妙に釈然としない戸田さんに、「次は戸田さんがどこか連れて行ってください」というと「あんまり高くないところね」と笑われた。



288 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 23:02:00.34 ID:Q5UKg1qg.net
そんな感じだったので一度誘ってしまえば後は流れというか誘いやすい感じになった。

といっても そんなに頻繁に行ったりはしない。

俺もそうだが戸田さんも余裕があるとは言い難いようであった。


何回か食事に行ったあとの帰り道。

家まで戸田さんを送っているときのことだった。

「今日もありがとね。逆方向なんでしょ?家。」

「ああ、まぁ、散歩だと思えば楽なもんですよw」

実際 東京の距離なんぞ田舎育ちの俺からしたら大したものではない。

「でも小島君意外と一杯お店知ってるのね?なんかどこもちょっと高級な感じで。」

「上司さんに教えてもらってるだけですよ。一緒に行ったことはあんまりないんですが、でもやっぱりああいうお店だとどうしても肩肘張っちゃうんですよねw」

「ああ、わかるなぁ。もっと落ち着いて飲める場所がいいよね。家みたいな。」

「ですねぇ・・・うちの周りとかは意外と静かなんですけど少し遠くて。」

「いいなぁ、今度小島君の家で飲もうか?」

「・・・え?」



289 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 23:06:17.70 ID:Q5UKg1qg.net
横を歩く戸田さんは すぐに気づいたのか それこそしまったという顔をして見せた。

「あ、ご、ごめん!い、嫌だよね!忘れて!」

「あ、いや、その、嫌じゃないんですが、戸田さんさえ良ければ今度・・・来ます、か?」

尻切れトンボな文章。嫌がられてもしょうがない。

しかし戸田さんは、

「じゃぁ、次は、小島君の、お家で・・・」

「は、はい・・・」

「あ!わ、わた、私ここまででいいから!じゃあね!」

「あ、お疲れさまで・・・」

皆まで聞かず逃げるようにマンションに入って行く戸田さん。

なんだかなぁ・・・

言葉にできない微妙な感情を覚えながらため息をついた。

本当にこれでいいのかなと口の中で言葉にする直前で口を閉じた。



290 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 23:09:24.56 ID:Q5UKg1qg.net
人間は「慣れ」の生き物だというのは耳にする話だが意外と真理だと思う。

大学で一人暮らしを始めれば いつの間にかそれに慣れて、電気のついてない家に帰ることに慣れて、横に居てくれる人がいることが当たり前になって、いなくなったことにすら慣れてしまう。

東京程そういったことを実感させてくれるところはないと思う。

壁の薄さに驚いたり、近隣住民との人づきあいの希薄さに驚いたりする。

それでも気づけば それらにすら慣れている。

だが何事にも例外はあったりする。

何となくふとした瞬間にテレビでもつけて、芸人たちが笑う声が部屋に驚くほどに響く。

胸の奥がざわついて、漠然と不安な感情に陥る。

孤独とか人恋しさが沸き上がってくるあの感覚に未だに慣れることが出来なくて、

伊達『未だに俺に頼ってると?いい加減もうちょい他に深い話出来る奴作れってwそれか独り立ちしろww』

俺「そういうなよ・・・それができないから困ってるんだろ?w」






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カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, すっきりした話, 純愛,
 

 
 
 
 

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