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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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340 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 00:49:35.98 ID:NvS4gIBG.net
「別に、何もありませんてww どうしました?食器の位置とか分かんなかったですか?」

「んーん。おかゆ出来たから声かけたんだけど…ホントに聞いてなかった?大丈夫?」

「あ、ああ。すみません。ありがとうございます…」

わざわざ持ってきてくれたようだ。

「おいしいかは分からないけれど…」

そうはいったものの器をこちらに渡す気配のない戸田さん。

「あの?」

「いいから!一回やってみたかったんだよねーwwはい、あーんww」

食わない訳にはいくまい。せっかく作ってくれたのだ。羞恥を覚えながら戸田さんの料理を平らげる。

「そういえば計ってなかったけど熱はある?」

「あんまりそんな気はしませんけど…体温計どこにいったかな…」

「あ、いいよ。ちょっとごめんね…」

不意に戸田さんの手が額に近づく。

今でも思う。何故俺はこの手を払ったのだろうか。

考えるより先に体が動いていた。



343 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 00:52:28.18 ID:NvS4gIBG.net
「ッ!」
「あ、す、すみません!」

たぶん戸田さんよりも俺の方が慌てていたと思う。自分でも原因不明のまま いきなり手を払いのけたのだから。

「あ、ご、ごめんね!嫌だったよね!ベタベタして!」

「あ、違!」

「私、隣の部屋にいるから、何かあったら言ってね。」

「あ…」

弁明する間もなく戸田さんは寝室の扉を閉じて居間に行ってしまった。

「…何やってんだ俺…」

声に出さずにいられなかった。情けなさとか不甲斐なさとか、そんな感情がないまぜになる。俺のために尽くしてくれてるっていうのに。自分勝手だ。

明確な原因も分からないまま自分にいら立って一時間くらいは眠ることが出来なかった。

それでも疲れていたのは本当らしくいつの間にか眠りに落ちていた。



344 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 00:55:14.63 ID:NvS4gIBG.net
朝日が差し始めて眩しさで目覚める。

「朝か…」

誰ともなしに呟いて体を起こす。

出社の準備しなくちゃ…のそのそと起き上がりながら時計を見る。

朝十一時過ぎ。完全に寝坊だ。

「ウッソだろオイ!!!」

居間の方に行くと戸田さんの姿が無かった。

どうやら時計がずれたとかではないらしい。

働かない頭で急いで連絡を入れようとしてスマホを見てみるとメールの着信が一件だけ。

送り主は戸田さん。

『小島君体調悪そうだから今日は休みって伝えておくので ゆっくり休んでください。』

とりあえず無断欠勤には変わりないので上司に直電する。出ないものかと思ったが意外にも一回目の数コール目ですんなり出た。ちょっと早めの昼休みでも取っていたのだろうか。




346 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 00:57:30.07 ID:NvS4gIBG.net
「あ、お疲れ様です!上司さん!小島です!」

『おお!小島!大丈夫か!?』

緊張しながら上司に掛けると上司の方が驚いたような声を上げた。

「申し訳ありません!無断欠勤なんて…」

『いや、それより身体は大丈夫か?戸田君からは残業中に青い顔してたから流石に帰したと聞いていたが…』

字面だと思いのほか体調が酷いように見える。確かに事実なのだが。

「あ、はい!お陰様で!すみません!今からでも出社しま…」

『あー!やめろやめろ!今日は良いからゆっくり休め!明日も休みだろ?体壊されたら元も子もない!』

「しかし資料がまだ…」

『最低限あるからいい!お前には私だけじゃなくて部長とかも期待してるんだから無理するな。分かったな?』

「は、はい…」

相変わらず過大な評価である。

もう一度念入りに『来るな』と『早く治せ』を言われて電話が切られる。

平日に唐突に休みをもらうなんて思っていなくて少し驚いたが もう一つしなければならないことを思いつく。

戸田さんに連絡せねば。

しかし戸田さんは昼休みにも就業後にも掴まらず、仕方なしにメールだけで済ませた。



348 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 00:59:36.66 ID:NvS4gIBG.net
それから十日ばかり経った。

戸田さんからは避けられている節がある。理由というと思い当たるものが一つしかない。やはり反射的に手を払ってしまったことだろう。

主に、というか全面的に俺が悪いのだから俺から話すべきなのだろうが取り付く島もない。そうもなると毛ほどしか存在しなくても確かにあった自信とかってものが揺らぐ。



349 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:02:12.21 ID:NvS4gIBG.net
俺という人間は本当に弱い人間だと思う。おそらく依存体質なのだろう。

高校時代から今まで伊達に依存し、大学では白石に、今は戸田さん。

きっと無条件で肯定してくれる人間が欲しくて、寂しいのが怖いのだ。

そして こんな分析まがいのことをするのもきっと、戸田さんが少し距離を置いた状況で白石に依存する言い訳なのだろう。

本当に醜くて、賢しい男だ。

こうやって自己嫌悪するくせに、それでも白石に会いに いつもの場所に足が向いているのが特に最悪だ。


「来るなら連絡してよ…」

「…すまん…」

そうは言いながら白石の新しい連絡先は聞いていない。

「全く…毎回2、30分待ってから帰るんだから。」

些かふくれっ面の白石はそう言っていじっていたギターをしまって俺を見た。

「ちょっと歩こ?ね?」

俺は本当に弱いと思う。自分から言うべきなのに、欲しい言葉を言ってくれる白石に甘えている。



351 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:04:56.40 ID:NvS4gIBG.net
ゆっくり歩いて20分もすると川を越えて大きな公園がある。

二人で微妙な距離を維持して そこに歩いていく。会話とも呼べるものなんてほとんどない。

それでもこの日の白石が些か上機嫌だったのは分かっていた。心なしか足取りが軽そうに見えるのもそのせいだろう。

まぁ彼女と会わず自分に会いに来ていると解釈したのであれば納得できなくもない。

公園は随分と大きいところだったが街灯は少ない。

何となく昔を思い出すのは何故だろうか。

「そういや音楽の方はどうなんだ?」

思いついたのをそのまま口にしたので何とも漠然とし過ぎた聞き方だったが

「バンドの方でプロのレーベルからちょっと声かけられてるかな。」

自信満々といった具合に返事が返ってきた。

「へぇ!良かったじゃん!」

俺も自分の事の嬉しかった。高校の頃から言っていたことが少しずつ実現に向かっている。嬉しくて、同時に羨ましかった。

俺も昔は作家になりたいなんて ささやかな夢があった。歳を取ったのだろう。純粋に、ただひたすらに目標に向かって行けている白石が羨ましかった。



352 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:07:07.10 ID:NvS4gIBG.net
「いやいやまだまだだよ。でもそんな感じだから音楽で忙しくてね・・・お兄さんから彼氏できなかったんだよねーww」

「・・・誰か紹介してやろうか?」

この言葉を笑いながら言うのに幾らか間を使った。できないくせにと白石は即座に言って笑う。

お察しの通りである。そんなことが出来るなら度々白石の所に足を運んだりなんかしないだろう。

「でもいい人だと思うな。お兄さんの彼女。お兄さんのいいところに気づけるんだもんww」

はにかみ笑いで俺の方を見て白石が言う。

今考えればお世辞だったのかもと思うけど、その時の俺は大分浮かれたんだ。

だって社会人になってから たぶんその言葉が一番うれしかったから。




353 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:09:02.35 ID:NvS4gIBG.net
いい気分のまま我が家に帰ると家の横で人が倒れていた。

というか戸田さんが寝てた。

若干呆れも入っていたがとりあえず声は掛ける。

「戸田さん、戸田さん!こんなとこで寝てたら風邪ひきますって…」

「んー…こじまくーん?あと十分…」

「いやダメですって。ホントに風邪ひきますから…」

そういって体を揺するが起きる気配がない。

数秒考えて、鍵を開けて扉をひらっきぱなしにして「寝てる戸田さんが悪い」と確認も取らずに抱きかかえてそのまま家の中へ。

靴を脱がせてからベットに連れていって戸田さんを剝く。

この行程に若干の慣れを覚えている自分がいることに何とも言えない感情を覚えるがとりあえず下着だけ残して後は全て脱がせる。



354 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:12:09.42 ID:NvS4gIBG.net
「やっぱり大変なのかな…」

付き合いだしてから気づいたことだが戸田さんは金曜は会社近くで飲むことが多い。結構気苦労が多いのかもしれない。

「んんー?」

不意に戸田さんが寝息をあげてむくっと体を起こした。

「あ、大丈夫ですか?」

「あれー?えへへーwwこじまくーん…んん?小島君?」

あ、酔ってる。会社では もうちょいしっかりしているんだが・・・

「俺の家の前で寝てましたから とりあえず家に入れて寝かせて脱がしましたけど かまいませんでしたか?」

「えっち〜ww」

上機嫌だな。戸田さんは意外にも酒好きだ。同時に俺の周りの奴らと同じく好きな割には強くない。

「けど どうしたの?今日定時近くで上がって言ったよね〜?ww」

「あー…」

どう説明しろと?

「元カノと散歩して元気づけてもらいました。」ってか?

言えるわけがない。



355 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:15:26.41 ID:NvS4gIBG.net
「…女の子?」

悟り切ったような目で見ていた戸田さんの その言葉を理解するのに数秒かかり、声すら出せなかった。

「やっぱりか〜…」

「いや、いないですって!」

否定するしかなかった。疚しさとかそういうのを戸田さんよりも俺自身に言い訳するためにだった。

「別に嘘つかなくてもいいよ〜怒ってないし。小島君がばれないように女の子二人を同時に相手にできる位器用だと思ってないしね〜ww」

それを信用といっていいのか分からなくて何とも言えない表情をした。

それでも確信に似た何かを感じたようで戸田さんは俺の声を柔らかく流す。

「怒ってないからさ…私、まだ、かのじょ…でいて、いいよね?」

その言葉は、俺が聞いた中で一番怯えた様な表情で同時に一番弱々しい声だった。

「うわき…」

「へ?」

「うわき、してもべつ…にいいよ…?でも、私が、いちばん、がいい…」

それ以上戸田さんは何も言わなかった。

戸田さんの体が横に倒れていく。



357 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:18:49.67 ID:NvS4gIBG.net
「…戸田さん?」

雰囲気的にいたたまれなくなって寝たふりとかかと思ったが どうやらこのタイミングで本気で寝落ちしたらしい。

「…何だかなぁ」

そっと戸田さんにタオルケットだけかけてベランダに出て静かに煙草を吸い始める。

どうするにしろ早めにした方が傷が浅いのは分かってる。分かっていて怖いのだ。人を傷つけるのがただ怖いのだ。

酔っていたのだろう。次の日に起きてみると戸田さんは何事も無かったかのように振る舞っていた。俺もそれに救われて何事もないかのように振る舞った。

戸田さんは最初から変わらず俺をぐいぐい引っ張っていく人だった。だからその日の散歩も戸田さんの思い付きみたいなものだった。

夜になっても眠らない街とはいえ夜道の散歩は昼とはまた違った風情を見せたりする。ゆっくりと戸田さんと雑談しながら歩く。






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カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, すっきりした話, 純愛,
 

 
 
 
 

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