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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/09(金) 21:56:19.37 ID:V7RNIziR.net
何だかんだ一人だと寂しいから結構嬉しい。


部屋の玄関まで来てようやく落ち着きを取り戻した。

いかんな、しっかりしないと・・・

そう考えながらドアノブに手をかけ―静止する。

5mm程下げていたはずのドアノブが元の位置に戻っている。

その時、俺に電流が走る。

俺の部屋の鍵は俺が一本とあの男以外持っていない。

そう判断し、鍵を開け、ドアノブを下ろし、ドアを開ける!

「ふはははは!食らえ!南斗水鳥拳奥義!伊達百裂拳!」

避・・・否・・・死!

とか考えて死ぬわけがなく予想通り過ぎて軽い安堵すら覚えながら見飽きた顔を見る。

「やっぱりお前か・・・」

うちに来ることが多い伊達には一応ということで合鍵を渡してある。

先ほどとの落差に目眩がする。生憎とつねった頬がリアルだと教えてくれた。

南斗水鳥拳の使い手は今後一生使わないであろう伊達百裂拳の構えを解く。



52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/09(金) 21:58:20.37 ID:V7RNIziR.net
「珍しいな、お前がこんな時間に居ないなんてどこにいってたんだ?」

「あー・・・」

こいつは基本的にスキルが違いすぎる。推察力もだが 出し抜けるとは思っていない。時間を余計に食うだけだ。

「あ、ありのままに今起こったことを話すぜ…白石を家まで送ってきた。」

端的かつ完璧な文章。

対して伊達は、「極・刑☆」

死刑判決。

「待て、キレるな。白石に飯作ってもらっただけだ。」

「!?」

「白石が何か奢れっていったんだが金ないって言ったら作ってあげるって言われたんだよ。」

「切り刻むぞ?」

「で、白石の傘壊れたっていうから相合傘で送ってきた。」

「小島が!泣くまで!俺は!殴るのを!止めない!」

「胸倉掴むなって・・・そうだ、白石の作ってった飯まだ残ってるけど食うか?」

「我が生涯に一片の悔いなし!」

「せめて食ってから言えよ・・・」





53 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:00:33.88 ID:V7RNIziR.net
とりあえずお茶でも出すために部屋の中へ。

「おかまいなくていいぞ?」

「そうか?じゃあ白石の飯もいらないな?」

「ごめん!嘘!構ってくれないと死ぬ!自殺する!」

「アホかww」

「あ!皿とかも白石ちゃんの使ったやつでいいぞ!」

流石伊達。歪みのなさに感服する。

当然ながら そんなことはせず適当に流しながら伊達に皿を出す。夏場なので中途半端に残った夕飯の処理に困っているところだった。

「で、お前は何しに来たんだ?」

「ん?もりゃもまえ、ちらいちちゅんぽもちんてんみちゅいちぇだま…」

「喋るか食うかどっちかにしろよ・・・」

聞き取れなくはないが これを人前でやったら後々伊達が困るだろう。

「ガシャガシャガシャ!ガァツガァツ!」

「食うんかい!話せよ!」

「そりゃお前白石ちゃんとの進展について聞こうと思ったんだが・・・その様子だと心配なさそうだな。」

口角をあげる伊達。だが意地の悪さは感じられない。ここがこいつが人から好かれる所以なのだろう。



54 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:02:13.22 ID:V7RNIziR.net
「ほっとけ、自分はどうなんだよ?」

「ん?何だ?俺の夜の営みについてでも聞きたいのか?ww」

「・・・遠慮する・・・」

これはこんなだが腐っても医学部医学科。その上先程挙げた人の良さもある。多少の見た目のハンデなど吹き飛ばして余りある。

伊達は伊達でこれもまた話にできる恋愛をしているから後で書いてもらうのも悪くないかもしれない。

「まあ、あんまり深くは聞かないが、気を付けろよ?」

「ん?」

「深い付き合い自体は悪くないが、深入りしすぎるなってことよ。」

それからすぐに「聞き流せ」と小さく苦笑した。伊達がこんなことを言うのはあまり無かったので妙に印象深かった。



55 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:06:08.02 ID:V7RNIziR.net
そんなことがあってから三日経った七月下旬。

白石は夏休みに入っていたが俺は俺とて夏休み前の試験に向けて詰め込み作業を行いながら合間々々で白石の顔を見に公園に通っていた。

「どうしたのお兄さん?顔青いよ?」

その日の彼女の第一声はそんなだった。

「ん?ああ、寝不足だと思う…」

全てバイトのせいとは言わないが やはりバイトによって時間を拘束されていたのは事実だった。別にシフトを組むジャムさんの責任ではない。日頃からやっていなかったツケが目の下の隈と青い顔だ。

「単位落とすと救済措置がないって噂なんだよ・・・」

学部の性質上、所謂必修科目は無いに等しかったが親のお陰で奨学金も貰わずに大学に通えている幸せを考えると出来れば単位は落としたくなかった。

「無理はしないでね…」

余程俺の顔色が優れないのか白石は心配したように言った。

「なんかあったら白石が看病してくれると嬉しいなぁww」

いつものようにヘラヘラと軽口を叩く俺。こんな場面で真顔になるのはらしくない。

「ん〜、気が向いたらねww」

こういった会話が俺たちらしい会話だ。白石の曲を聴いてから家に戻る。

経済学と経営学のレポート達との格闘は深夜を過ぎて早朝までに及んだ。



56 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:08:29.30 ID:V7RNIziR.net
「死ぬ・・・」

食欲も湧かずにコンビニで買ったポカリを口に含んで突っ伏す。

「日頃からやっておかないからだ。バカめ。」

対する伊達の切り返したのは辛辣だったが表情は心配そうに見える。なんだかんだで こいつも優しいものだ。

「顔色わりいぞ?午後の講義は?」

「今日はフルコマ・・・」

「おいおい・・・」

伊達の顔が引きつる。

「とにかくお前顔色尋常じゃないぞ?午後の試験無い科目は休め。」

「3コマだけ試験・・・」

「4、5コマは適当に代筆頼んどけ。飯は俺が作りに行ってやるから薬局よって薬買って寝れ。」

「・・・あ、金ない・・・」

財布を置いてきたためポカリも伊達から奢ってもらった次第だ。

「ああ!ったくどうしようもない奴だな!ほれ、裸で悪いけど。」

適当に野口さんを俺の手に握らせる。伊達・・・いい奴過ぎて泣ける・・・

「十一な?」

「・・・マジかよ・・・」




57 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:11:13.42 ID:V7RNIziR.net
3コマの試験を どうにか切り抜け、最寄りの薬局によって風邪薬とカロリーメイト先輩を購入し家に帰る。

「頭回らん・・・」

白石に会う約束してたなそういや・・・

断っておかないと・・・

這うようにしてベットに向かい、若干霞む目で白石に風邪で行けなくなった旨をメールで伝える。

とそこから唐突に体が怠くなった。恐らく仰向けになったからだろう。

意識が遠のいていきながら時計を見た。

二時半。

伊達が来るのはおそらく六時ごろ。

ひと眠りすればちょうどいいだろうとこぼれかけた意識をそのまま手放した。



次に意識を取り戻したのは五時過ぎ。まどろみの中で名前を呼ばれていた。

「・にぃさん!お兄さん!」

この呼び方は・・・

「白、石?」

「大丈夫?お兄さん?」

「なん、で?俺、いけないって、メール、したはず・・・」

「気が向いたら看病に来るって言ってたでしょ?ほら、しっかりして」

口調こそいつもの調子だがそれが どこか柔らかい。

「ほら、お兄さんでも食べられそうなの買ってきたから。」

この町の特産にして医者が青くなるという果物。リンゴだ。



58 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:15:10.04 ID:V7RNIziR.net
「待っててね、剝いてきてあげるから。っと、その前に・・・」

白石が おもむろに俺に対して手を伸ばす。額に白石の手が置かれる。冷たくて柔らかい。

「う〜ん・・・結構熱あるみたいだなぁ・・・」

「むしろ体温上がりそうだよ・・・」

「うん?なんか言った?」

「何でもない・・・」

寝返り打って顔を背ける。

「ふーん?まぁいいや、じゃあリンゴ剝いてくるね。」

「包丁でケガするなよ・・・?」

「大丈夫だって。お兄さん優しすぎww」

微笑む白石のその表情と言葉がえらく印象に残っていた。

「君を忘れない〜♪曲がりくねった道を行く〜♪」

リンゴの曲ではなくスピッツの「チェリー」を口ずさみながらリンゴを上手剝いていく。

「どうよ!一回でいったよ!」

皮を途切れさせることなく一回で剝いたことを満足げに示す白石。その白石の服装に目をやるとあることに気づいた。

「私服…?」

そうか、もう夏休みか・・・

「ん?ああ、そっか。お兄さんが私の私服見るの初めてかもね。どうかな?似合う?」

白いTシャツにホットパンツ。典型的な夏らしい格好の少女が少し気恥ずかしそうに動く。

・・・マジでリアルなのだろうか?これでつねった頬が痛くなかったら絶望しかねない俺だったが伊達の時と同様に、だが今回は幸いなことに現実だった。



59 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:17:34.92 ID:V7RNIziR.net
「ああ、可愛いよ。」

「!?」

・・・ん?俺今発言ミスったんじゃね?

白石は今「似合っているか」と聞いたんであって俺の返答は完全に俺の考えを口にしたそれである。

俺の言葉が不意打ちだったのだろう。見る間に白石が赤くなっていく。

「ああ!待て!今のはミスだ!いや白石が可愛いのは事実なんだが そうではなくて…」

こんな時に限って思考がまとまらない。風邪のせいにしても凡ミスだ。

「よ!よく似合ってる!・・・と・・・思う。」

尻すぼみに力が抜けていく。

「う、うん。あり、がと」

その言葉を最後に沈黙する。

「り、リンゴ剝いちゃうね・・・」

「あ、ああ。頼むわ・・・」

十畳の部屋にリンゴの皮が剝かれる音だけが響く。

「できたよ。」

数分後に白石が声をかけてきた。先程のから少し時間がたったおかげかとりあえず普通に見える。






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カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, すっきりした話, 純愛,
 

 
 
 
 

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