三十路の喪女に彼氏ができたときのお話
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64 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:32:54.94 ID:LZSY7jKs.net
私は車の中で猛烈に謝った。
「ごめんね!迷惑かけて本当にごめん!」
「べつに喪子のせいじゃないよ。それより、大事にならなくてよかった」
「あのー……M君、ひょっとしてこういうのに慣れてる…?」
「人聞き悪いなー。内心ビクビクでしたよ」
「でも、やけに落ち着いてなかった?」
「うーん。俺、高校卒業してから、あちこちふらふらしてた時期があるんだけどさ」
「ああ、バックパッカー?」
「てほど本格的でもないけど。それでトラブルに巻き込まれたときの対応覚えた」
65 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:33:21.95 ID:LZSY7jKs.net
M君いわく、因縁をつけられたときは
「抵抗しない、同意しない、相手と同じ人格になる」
が鉄則だそうです。
「だけど、直さないとは言ってないって、同意になるのでは…」
「でも直すとも言ってないし」
「き、詭弁だあ…」
「結果オーライ」
「でもさ、本当にヤクザ呼ばれたら どうするつもりだったの?」
「まー呼ばないでしょうよ。素人相手にタカリ失敗しましたって言いふらすことになるし。それよりも、あそこで弁護士呼ぶぞって言われる方がよっぽど怖いわ」
66 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:33:50.24 ID:LZSY7jKs.net
イケメンで、優しくて、控えめで、大人しくて、気弱な優男だったはずのM君。
確かにそれが彼ではあるんだけど、でも、それで全てじゃあなかった。
思いがけず肝が据わったところを見せられて私は初めてM君を「かっこいい」と思った。
サビついていたマイハートが、ゴロンゴロンと動き始めた。
吊り橋効果もあったんだろうけど、私はM君に恋をした。
67 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:34:34.61 ID:LZSY7jKs.net
言いたいことは言ってしまわないと、気が済まない性分の私。これまでそうして何度となく玉砕してきたわけですよ。
でもこの時は、そのまま突っ走ろうとする自分を引き止めるものがあった。
それはチラチラと見え隠れする、M君の屈折した思考の根っこにあるものだった。
一体それが何なのか、私には全く理解できていなかった。
そんなミステリアスなところもステキ… なんていう乙女な恋愛観が、残念ながらない私には彼のミステリアスさについて、一つの可能性が思い浮かんでいた。
M君ってさ、ひょっとして…………ゲイなんじゃないの?
別に彼は、ナヨナヨしてるとか、オネエっぽいとかじゃあない。
だけど、普段の動作や食事のマナーなんかに男性特有なワイルドさっちゅーか、下品さがなかった。
ごめんね、男の人を貶しているわけじゃないよ。でも私はそういうところに、男らしさを感じるわけさ。
69 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:35:03.61 ID:LZSY7jKs.net
彼がゲイだとすれば、最初に食事に誘ってくれたときのしどろもどろさや 私が友達になりたいって言ったときの即答拒否にも、納得できる。
女慣れしてる様子は単なるカモフラージュで ほんとは私と二人きりで食事するのに抵抗があったんじゃ?
私が「彼女になる前に、まずはお友達から」と企んでると思って、警戒したんじゃ?
自分がゲイだとバレたくなくて、あんな曖昧な態度をしてたんじゃないか?
だけど私に その気がないとわかって、気を緩めてくれたんじゃないだろーか?
それに、あの顔と性格で女っ気が全然ないっていうのも、ずっと不思議だったんだ。
過去の恋愛話を聞いたら、「いやまあそれなりに〜」
好みのタイプを聞いたら、「気に入れば誰でも〜」
なんて、いつもゴニャゴニャ誤魔化されてしまったし。
そんなのも、M君がゲイならば、なるほどな反応だった。
70 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:35:26.33 ID:LZSY7jKs.net
………マズイ。これはマズイぞ。
いくらなんでも、三十路目前でゲイに恋するのは、ダメージ大きすぎ。傷が浅いうちに確かめなくちゃ…
でも必死に隠してる本人に直接聞くのは、やっぱり、ちょっと…
とAちゃんに こぼしたら、「いい肴になるな!」ってとこで美術部女子会が開催されることとなったのでした。
73 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:37:35.78 ID:LZSY7jKs.net
「へえええ〜、喪子がM君とはねえ〜!」
「あれ?でもあんたの初恋の人、山崎努じゃなかったっけ?」
「それはそれ、これはこれだよ!」
「はー。人は顔じゃないんだねえ…使い方間違ってる気がするけど」
「でもそのDQN話はわかるなー。それは惚れるかも」
「それにあいつ、化けたよねえ。ずいぶん丸くなってたもん」
「高校生のころは、みんな遠巻きにしてたもんねえ」
「そーいえば はじめて話したの、あいつがモリエール殺したときだったなw」
準備室にあったモリエールの石膏像を、M君が落として割ったって意味ね。
「あったねー、そんなこと!」
「そうそうwO君がモデル頼んだときも、M君最初いやがってたのにO君贔屓だったしまピーが、モリエール殺しで脅迫してさ。無理矢理モデルさせられてたんだよ、あれw」
74 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:38:40.22 ID:LZSY7jKs.net
「へええ。じゃあ、しまピーが二人の仲人じゃん」
「なに?仲人ってことは、M君とO君はそういう関係なの?」
「知らなーい。でも妄想するには一番手っ取り早いじゃーん」
「ちょっとー、根拠のないこと言わないでよー。まだそうだって決まったわけじゃないんだし…」
「でもあれだよ?卒業してから、M君はO君ちで半同居してたみたいだよ?こないだD君が言ってた。M君に連絡したい時は、O君に電話してたって」
「ほー。M君がO君ちに押しかけてたってことかあ。で、今やO君が一児のパパってことは、M君の片想いかあ…」
「あ、でもそのころは、O君フリーでM君には彼女いたってさ」
75 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:02.96 ID:LZSY7jKs.net
すごい、すごいよ、女子どもの情報収集力は。
M君との個人的なお付き合いの中で、私では全く得られなかった情報をたった三時間程度の飲み会で、ここまで把握してるなんて。
「なんだ、よかったー。M君、彼女いたんじゃん!」
「えー?でもほら、その後 発症したかもしれないしー」
「そーそー、別に相手はO君じゃなくてもいいわけだしね」
「そんなあああ…」
「まあなんにしても、あの顔ならゲイでも納得するよねー」
「えっ、そう?なんかそれにしては、色気が足りなくない?」
「あー色気かー。色気はないなー」
「でもそれだったら、ゲイには全員に色気があるのかって話よ」
76 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:26.05 ID:LZSY7jKs.net
「なんだよー、結局どっちなんだよー」
「だって、M君がどっちだろうと、私らには全然関係ないもん」
「あんたねー、こんなとこでウダウダ言ってる前に確かめる一番手っ取り早い方法があるでしょ?」
「そうだよ、とっとと告白してきなよ」
「うん。飲み会のときは、なかなかいい雰囲気だったよ?」
「「「頑張れ喪子!彼氏いない歴=年齢に終止符を打つんだ!(そして報告よろ)」」」
まあ、そうするしかないってことはわかってたんだけどさ。
彼女らに背中押してもらった結果、私はやっと本来の玉砕精神を取り戻してある日、M君の部屋でアタックした。
77 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:51.55 ID:LZSY7jKs.net
「M君、お話があります」
「はいはい、なんでしょう?」
どうせまた、あの本買ったら貸してでしょ?みたいな態度のM君。
「好きです。付き合ってください。友達としてじゃなく、男性として好きになってしまいました」
「…え」
まさに、鳩が豆鉄砲な顔になるM君。いまさらのように心臓がバクバクしてくる私。
「え、え…え、だって、えええ…?」
うろたえるようなM君の声。相当マメデッポーだったのか、しばらく言葉が出てこないみたいだった。
78 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:40:16.15 ID:LZSY7jKs.net
「でも、ほら、なんか、あれだよね?……喪子は俺のこと、男として見てなくなかった?」
はい!? バレてたの!?
「うん、まあ……ごめんなさい。最初はそうでした」
「だよね?それがなぜ?いつから?」
「DQNにからまれたときから…」
「え?…あー、あれね…」
「あのとき、かっこいいなと思って…」
「ふうん、そっか」
そっけない返事が悲しかった。私にとっては大きな出来事だったけど、M君にしてみれば大したことなかったんだな…と思ったんだけど。
M君、手のひらで顔をパタパタあおぎだした。表情は変わってなかったけど、赤面してたっぽい。
79 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:40:40.52 ID:LZSY7jKs.net
「いやー…あんまり突然なので、驚いた…」
「う、うん、突然ごめんね」
「いえいえ………あ、そっか。俺、女の子から告白されたの、初めてなんだ…」
…え? な、なにそれ、どういう意味なのそれ!?
「だだだだだって、いたんでしょ彼女!?女の!!」
「いたけど…いつも俺から告白してたから」
あ、なーんだ、そういう意味かあ!
ほっとする私。
だけどM君は そのまま黙りこんで、私がいるのを忘れたような長考に入ってしまった。
81 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:41:41.57 ID:LZSY7jKs.net
しばらくは その沈黙に付き合ってたんだけど、途中で堪りかねて「あのー、それで、どうでしょうか」と先を促す私。
「あっ、うん、あの…返事はちょっと…待ってもらえる?」
え。
な、なんで待つの?
やだ、死刑宣告を先送りにされてるみたいで、やだ。
いますぐここで返事してほしい、たとえ断られても。
…なんては言えず。
「はい、わかりました」
私はこの日、すごすごとM君の部屋を後にしたのでした。
82 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:42:16.89 ID:LZSY7jKs.net
結局、M君の返事が聞けたのは、それから一週間後の日曜日だった。
部屋に呼ばれたってことは、オッケーもらえるかも…?なんて期待はあまりしないようにしながら、M君のアパートへ。
M君いわく「キレイなエリア」のダイニングで、テーブル挟んで向かい合う。
M君は なんだかオドオドしていて、話し出すきっかけが掴めないみたいだった。
それを見ていて、「あ、これはダメなんだな」と諦めがついた。
まったくもー、男ってこういうときはホント駄目よねー!なんて自分を奮い立たせて、私から切り出した。
83 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:42:44.84 ID:LZSY7jKs.net
「なんか、困らせちゃったみたいで ごめんね!私はただ、自分の気持ちを伝えたかっただけだから。
これからも友達でいられるなら嬉しいし、もうそれも迷惑ってことなら こっちからありがとうって言いたいくらいだよ!」
暗くしたくなくて、たぶん結構大きな声出てた。
M君はびっくりしたみたいに
「いやいや、困ってない。困ってないし、迷惑とかそんなことは全然思ってない。
喪子は何も悪くない、喪子の気持ちは本当に嬉しいんだ。
ごめん、ただちょっと、俺のほうに問題があって…」
「問題って…?」
「うん…あのー…あまり綺麗な話じゃないから、ちょっと話すのに勇気がいる…。誰にも話したことないから、上手く整理がつかなくてさ…」
あー………。
こないだの話で、もうそっちの問題は片づいたとばっかり思ってたけどなあ。
クロだわクロ、こいつあークロだよコンチクショウ。
女子ども、これが結果だー!うわーん!!!
私は車の中で猛烈に謝った。
「ごめんね!迷惑かけて本当にごめん!」
「べつに喪子のせいじゃないよ。それより、大事にならなくてよかった」
「あのー……M君、ひょっとしてこういうのに慣れてる…?」
「人聞き悪いなー。内心ビクビクでしたよ」
「でも、やけに落ち着いてなかった?」
「うーん。俺、高校卒業してから、あちこちふらふらしてた時期があるんだけどさ」
「ああ、バックパッカー?」
「てほど本格的でもないけど。それでトラブルに巻き込まれたときの対応覚えた」
65 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:33:21.95 ID:LZSY7jKs.net
M君いわく、因縁をつけられたときは
「抵抗しない、同意しない、相手と同じ人格になる」
が鉄則だそうです。
「だけど、直さないとは言ってないって、同意になるのでは…」
「でも直すとも言ってないし」
「き、詭弁だあ…」
「結果オーライ」
「でもさ、本当にヤクザ呼ばれたら どうするつもりだったの?」
「まー呼ばないでしょうよ。素人相手にタカリ失敗しましたって言いふらすことになるし。それよりも、あそこで弁護士呼ぶぞって言われる方がよっぽど怖いわ」
66 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:33:50.24 ID:LZSY7jKs.net
イケメンで、優しくて、控えめで、大人しくて、気弱な優男だったはずのM君。
確かにそれが彼ではあるんだけど、でも、それで全てじゃあなかった。
思いがけず肝が据わったところを見せられて私は初めてM君を「かっこいい」と思った。
サビついていたマイハートが、ゴロンゴロンと動き始めた。
吊り橋効果もあったんだろうけど、私はM君に恋をした。
67 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:34:34.61 ID:LZSY7jKs.net
言いたいことは言ってしまわないと、気が済まない性分の私。これまでそうして何度となく玉砕してきたわけですよ。
でもこの時は、そのまま突っ走ろうとする自分を引き止めるものがあった。
それはチラチラと見え隠れする、M君の屈折した思考の根っこにあるものだった。
一体それが何なのか、私には全く理解できていなかった。
そんなミステリアスなところもステキ… なんていう乙女な恋愛観が、残念ながらない私には彼のミステリアスさについて、一つの可能性が思い浮かんでいた。
M君ってさ、ひょっとして…………ゲイなんじゃないの?
別に彼は、ナヨナヨしてるとか、オネエっぽいとかじゃあない。
だけど、普段の動作や食事のマナーなんかに男性特有なワイルドさっちゅーか、下品さがなかった。
ごめんね、男の人を貶しているわけじゃないよ。でも私はそういうところに、男らしさを感じるわけさ。
69 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:35:03.61 ID:LZSY7jKs.net
彼がゲイだとすれば、最初に食事に誘ってくれたときのしどろもどろさや 私が友達になりたいって言ったときの即答拒否にも、納得できる。
女慣れしてる様子は単なるカモフラージュで ほんとは私と二人きりで食事するのに抵抗があったんじゃ?
私が「彼女になる前に、まずはお友達から」と企んでると思って、警戒したんじゃ?
自分がゲイだとバレたくなくて、あんな曖昧な態度をしてたんじゃないか?
だけど私に その気がないとわかって、気を緩めてくれたんじゃないだろーか?
それに、あの顔と性格で女っ気が全然ないっていうのも、ずっと不思議だったんだ。
過去の恋愛話を聞いたら、「いやまあそれなりに〜」
好みのタイプを聞いたら、「気に入れば誰でも〜」
なんて、いつもゴニャゴニャ誤魔化されてしまったし。
そんなのも、M君がゲイならば、なるほどな反応だった。
70 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:35:26.33 ID:LZSY7jKs.net
………マズイ。これはマズイぞ。
いくらなんでも、三十路目前でゲイに恋するのは、ダメージ大きすぎ。傷が浅いうちに確かめなくちゃ…
でも必死に隠してる本人に直接聞くのは、やっぱり、ちょっと…
とAちゃんに こぼしたら、「いい肴になるな!」ってとこで美術部女子会が開催されることとなったのでした。
73 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:37:35.78 ID:LZSY7jKs.net
「へえええ〜、喪子がM君とはねえ〜!」
「あれ?でもあんたの初恋の人、山崎努じゃなかったっけ?」
「それはそれ、これはこれだよ!」
「はー。人は顔じゃないんだねえ…使い方間違ってる気がするけど」
「でもそのDQN話はわかるなー。それは惚れるかも」
「それにあいつ、化けたよねえ。ずいぶん丸くなってたもん」
「高校生のころは、みんな遠巻きにしてたもんねえ」
「そーいえば はじめて話したの、あいつがモリエール殺したときだったなw」
準備室にあったモリエールの石膏像を、M君が落として割ったって意味ね。
「あったねー、そんなこと!」
「そうそうwO君がモデル頼んだときも、M君最初いやがってたのにO君贔屓だったしまピーが、モリエール殺しで脅迫してさ。無理矢理モデルさせられてたんだよ、あれw」
74 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:38:40.22 ID:LZSY7jKs.net
「へええ。じゃあ、しまピーが二人の仲人じゃん」
「なに?仲人ってことは、M君とO君はそういう関係なの?」
「知らなーい。でも妄想するには一番手っ取り早いじゃーん」
「ちょっとー、根拠のないこと言わないでよー。まだそうだって決まったわけじゃないんだし…」
「でもあれだよ?卒業してから、M君はO君ちで半同居してたみたいだよ?こないだD君が言ってた。M君に連絡したい時は、O君に電話してたって」
「ほー。M君がO君ちに押しかけてたってことかあ。で、今やO君が一児のパパってことは、M君の片想いかあ…」
「あ、でもそのころは、O君フリーでM君には彼女いたってさ」
75 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:02.96 ID:LZSY7jKs.net
すごい、すごいよ、女子どもの情報収集力は。
M君との個人的なお付き合いの中で、私では全く得られなかった情報をたった三時間程度の飲み会で、ここまで把握してるなんて。
「なんだ、よかったー。M君、彼女いたんじゃん!」
「えー?でもほら、その後 発症したかもしれないしー」
「そーそー、別に相手はO君じゃなくてもいいわけだしね」
「そんなあああ…」
「まあなんにしても、あの顔ならゲイでも納得するよねー」
「えっ、そう?なんかそれにしては、色気が足りなくない?」
「あー色気かー。色気はないなー」
「でもそれだったら、ゲイには全員に色気があるのかって話よ」
76 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:26.05 ID:LZSY7jKs.net
「なんだよー、結局どっちなんだよー」
「だって、M君がどっちだろうと、私らには全然関係ないもん」
「あんたねー、こんなとこでウダウダ言ってる前に確かめる一番手っ取り早い方法があるでしょ?」
「そうだよ、とっとと告白してきなよ」
「うん。飲み会のときは、なかなかいい雰囲気だったよ?」
「「「頑張れ喪子!彼氏いない歴=年齢に終止符を打つんだ!(そして報告よろ)」」」
まあ、そうするしかないってことはわかってたんだけどさ。
彼女らに背中押してもらった結果、私はやっと本来の玉砕精神を取り戻してある日、M君の部屋でアタックした。
77 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:39:51.55 ID:LZSY7jKs.net
「M君、お話があります」
「はいはい、なんでしょう?」
どうせまた、あの本買ったら貸してでしょ?みたいな態度のM君。
「好きです。付き合ってください。友達としてじゃなく、男性として好きになってしまいました」
「…え」
まさに、鳩が豆鉄砲な顔になるM君。いまさらのように心臓がバクバクしてくる私。
「え、え…え、だって、えええ…?」
うろたえるようなM君の声。相当マメデッポーだったのか、しばらく言葉が出てこないみたいだった。
78 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:40:16.15 ID:LZSY7jKs.net
「でも、ほら、なんか、あれだよね?……喪子は俺のこと、男として見てなくなかった?」
はい!? バレてたの!?
「うん、まあ……ごめんなさい。最初はそうでした」
「だよね?それがなぜ?いつから?」
「DQNにからまれたときから…」
「え?…あー、あれね…」
「あのとき、かっこいいなと思って…」
「ふうん、そっか」
そっけない返事が悲しかった。私にとっては大きな出来事だったけど、M君にしてみれば大したことなかったんだな…と思ったんだけど。
M君、手のひらで顔をパタパタあおぎだした。表情は変わってなかったけど、赤面してたっぽい。
79 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:40:40.52 ID:LZSY7jKs.net
「いやー…あんまり突然なので、驚いた…」
「う、うん、突然ごめんね」
「いえいえ………あ、そっか。俺、女の子から告白されたの、初めてなんだ…」
…え? な、なにそれ、どういう意味なのそれ!?
「だだだだだって、いたんでしょ彼女!?女の!!」
「いたけど…いつも俺から告白してたから」
あ、なーんだ、そういう意味かあ!
ほっとする私。
だけどM君は そのまま黙りこんで、私がいるのを忘れたような長考に入ってしまった。
81 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:41:41.57 ID:LZSY7jKs.net
しばらくは その沈黙に付き合ってたんだけど、途中で堪りかねて「あのー、それで、どうでしょうか」と先を促す私。
「あっ、うん、あの…返事はちょっと…待ってもらえる?」
え。
な、なんで待つの?
やだ、死刑宣告を先送りにされてるみたいで、やだ。
いますぐここで返事してほしい、たとえ断られても。
…なんては言えず。
「はい、わかりました」
私はこの日、すごすごとM君の部屋を後にしたのでした。
82 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:42:16.89 ID:LZSY7jKs.net
結局、M君の返事が聞けたのは、それから一週間後の日曜日だった。
部屋に呼ばれたってことは、オッケーもらえるかも…?なんて期待はあまりしないようにしながら、M君のアパートへ。
M君いわく「キレイなエリア」のダイニングで、テーブル挟んで向かい合う。
M君は なんだかオドオドしていて、話し出すきっかけが掴めないみたいだった。
それを見ていて、「あ、これはダメなんだな」と諦めがついた。
まったくもー、男ってこういうときはホント駄目よねー!なんて自分を奮い立たせて、私から切り出した。
83 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 19:42:44.84 ID:LZSY7jKs.net
「なんか、困らせちゃったみたいで ごめんね!私はただ、自分の気持ちを伝えたかっただけだから。
これからも友達でいられるなら嬉しいし、もうそれも迷惑ってことなら こっちからありがとうって言いたいくらいだよ!」
暗くしたくなくて、たぶん結構大きな声出てた。
M君はびっくりしたみたいに
「いやいや、困ってない。困ってないし、迷惑とかそんなことは全然思ってない。
喪子は何も悪くない、喪子の気持ちは本当に嬉しいんだ。
ごめん、ただちょっと、俺のほうに問題があって…」
「問題って…?」
「うん…あのー…あまり綺麗な話じゃないから、ちょっと話すのに勇気がいる…。誰にも話したことないから、上手く整理がつかなくてさ…」
あー………。
こないだの話で、もうそっちの問題は片づいたとばっかり思ってたけどなあ。
クロだわクロ、こいつあークロだよコンチクショウ。
女子ども、これが結果だー!うわーん!!!
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