十年前から電話がかかってきた
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276 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:47:36.86 ID:/kTd7I6w.net
「ずるいよ、そんなの。私だって、好きだよ、君の、渉くんのこと。大好きだよ」
「俺もです」
277 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:08.64 ID:/kTd7I6w.net
*
「綺麗ですね、海も、桜も」
やっと二人で見れた海と桜は、一人で見ていたときよりももっと綺麗に見えた。
「それって私が綺麗ってこと?」
「あー、そうですね」
「何その言い方、絶対思ってないでしょ」
「思ってますよ」
「はいはい」
美咲さんは信じてない顔で返事をした。
278 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:23.54 ID:/kTd7I6w.net
「あ! そうだ、歌ってくださいよ、また聴きたいです。美咲さんの歌」
「嫌だ」
「なんでですか?」
「恥ずかしいに決まってるじゃん。電話と目の前にいるのとじゃ全然違うから」
279 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:39.26 ID:/kTd7I6w.net
「えー」
「渉くんこそ歌いなよ、私ばっかりじゃ不公平だよ」
「嫌です」
俺はそういうタイプじゃないんだ。
「なんだよ、自分だって嫌なんじゃん」
280 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:14.94 ID:/kTd7I6w.net
「まあ、じゃあ、またいつかってことで」
「そうしよっか」
281 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:31.24 ID:/kTd7I6w.net
少しして、横を見ると美咲さんは泣いていた。
「どうしたんですか?」
「ううん、ごめん、ただ嬉しくて。十年間ずっと会いたかった人が横にいてくれて、夢みたいで」
そうだ、俺にとっては一ヶ月にも満たない時間でも、美咲さんにとっては十年なんだ。
わかってたことだ、それがどれだけ長いかってことは。
282 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:47.11 ID:/kTd7I6w.net
だから、だからこそ俺は、その十年を……
「すみません、待たせちゃって。だから、その十年分を埋めるくらい、俺が必ず笑顔にしてみせます。必ず……」
「うん……ありがとう」
283 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:06.45 ID:/kTd7I6w.net
俺なら、いや、俺たちならそれができる、確信できた。
十年なんて気にならないくらいの感情が、俺たちにはあるんだ。
284 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:24.65 ID:/kTd7I6w.net
美咲さんは歌ってくれなかったけど、俺にはあの歌がたしかに聴こえた気がした。
ハッピーエンドのエンディングにはちょうどいいな。
そしてどうか彼女が泣き止むまで、
285 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:46.63 ID:/kTd7I6w.net
響け恋の歌。
286 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:54:10.37 ID:/kTd7I6w.net
これでおしまいです
最後まで読んでくださった方はありがとうございます
昨日は途中で寝てしまってすみませんでした
前に書いた「ドッペルゲンガーと人生を交換した話」などもぜひよろしくお願いします
ご意見ご感想などありましたらツイッターまでお願いします
http://twitter.com/yuasa_1224
287 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:56:15.32 ID:6VMYM8GO.net
お疲れ様ー
私は嫌いじゃなかったよ
288 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 21:01:56.55 ID:vM6Ku/ei.net
面白かった
けど唐突な桐島わろた
「ずるいよ、そんなの。私だって、好きだよ、君の、渉くんのこと。大好きだよ」
「俺もです」
277 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:08.64 ID:/kTd7I6w.net
*
「綺麗ですね、海も、桜も」
やっと二人で見れた海と桜は、一人で見ていたときよりももっと綺麗に見えた。
「それって私が綺麗ってこと?」
「あー、そうですね」
「何その言い方、絶対思ってないでしょ」
「思ってますよ」
「はいはい」
美咲さんは信じてない顔で返事をした。
278 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:23.54 ID:/kTd7I6w.net
「あ! そうだ、歌ってくださいよ、また聴きたいです。美咲さんの歌」
「嫌だ」
「なんでですか?」
「恥ずかしいに決まってるじゃん。電話と目の前にいるのとじゃ全然違うから」
279 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:48:39.26 ID:/kTd7I6w.net
「えー」
「渉くんこそ歌いなよ、私ばっかりじゃ不公平だよ」
「嫌です」
俺はそういうタイプじゃないんだ。
「なんだよ、自分だって嫌なんじゃん」
280 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:14.94 ID:/kTd7I6w.net
「まあ、じゃあ、またいつかってことで」
「そうしよっか」
281 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:31.24 ID:/kTd7I6w.net
少しして、横を見ると美咲さんは泣いていた。
「どうしたんですか?」
「ううん、ごめん、ただ嬉しくて。十年間ずっと会いたかった人が横にいてくれて、夢みたいで」
そうだ、俺にとっては一ヶ月にも満たない時間でも、美咲さんにとっては十年なんだ。
わかってたことだ、それがどれだけ長いかってことは。
282 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:49:47.11 ID:/kTd7I6w.net
だから、だからこそ俺は、その十年を……
「すみません、待たせちゃって。だから、その十年分を埋めるくらい、俺が必ず笑顔にしてみせます。必ず……」
「うん……ありがとう」
283 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:06.45 ID:/kTd7I6w.net
俺なら、いや、俺たちならそれができる、確信できた。
十年なんて気にならないくらいの感情が、俺たちにはあるんだ。
284 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:24.65 ID:/kTd7I6w.net
美咲さんは歌ってくれなかったけど、俺にはあの歌がたしかに聴こえた気がした。
ハッピーエンドのエンディングにはちょうどいいな。
そしてどうか彼女が泣き止むまで、
285 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:50:46.63 ID:/kTd7I6w.net
響け恋の歌。
286 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:54:10.37 ID:/kTd7I6w.net
これでおしまいです
最後まで読んでくださった方はありがとうございます
昨日は途中で寝てしまってすみませんでした
前に書いた「ドッペルゲンガーと人生を交換した話」などもぜひよろしくお願いします
ご意見ご感想などありましたらツイッターまでお願いします
http://twitter.com/yuasa_1224
287 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 20:56:15.32 ID:6VMYM8GO.net
お疲れ様ー
私は嫌いじゃなかったよ
288 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/06/01(水) 21:01:56.55 ID:vM6Ku/ei.net
面白かった
けど唐突な桐島わろた
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