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俺の墓場までもっていく秘密となった体験談
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347 :262:2005/05/28(土) 18:09:01 ID:TQeFi0iF0
この頃の毎日の生活は、単調だった。

月曜から金曜まで、大学に行き授業の無いときは研究室に入り浸る。

とにかく一瞬一瞬が大切だった。

短答式の結果は出ていなかったが、論文の勉強を始めねばならなかった。

民事訴訟法、財政学、破産法など、学ぶべき事柄は山程あった。


土曜日曜はMにバイトに入った。俺はオープニングのトレーナーだったので、朝6時半には店に入り、オープニングに合わせるために秒単位の仕事にとりかかる。

手順がきちんと行くと、一秒の無駄もなく幾つかの作業を同時並行して進めることができ、それでなければオープンには間に合わない。

8時間目一杯仕事をした後、道場に向かう。

道場で3時間の稽古を行い、その頃には肉体的にくたくたになっている。



348 :262:2005/05/28(土) 18:46:21 ID:TQeFi0iF0
俺の心中では、Mちゃんがメインで、Sさんはただの都合の良い女性に過ぎなかった。

Sさんとはバイトで出会うが、話を交わすのはクルーのいる中だったので、ありきたりの事柄だけだった。

平日は俺が忙しくしていることをSさんも分かっていたので、無茶は言ってこなかった。ただ、電話は結構かかってきていた。

俺がつめたくなったと思っているようで、そんな不安感を訴えてきたこともあった。俺は、そんな事はないと丁寧に伝えたが、心中どきりとさせられた。


短答式の結果が出た。俺は駄目だった。研究室では何人も合格していた。とりわけ、俺の友人が合格していたことが俺にはショックだった。

彼は、余り頭が良いとは俺には思えなかった。が、熱心に勉強していた。視線が真っ直ぐで、俺にはまぶしく思えることのある友人だった。


彼はその年は論文で落ちたが、一年浪人して合格し、今は裁判官をしている。



349 :262:2005/05/28(土) 18:54:17 ID:TQeFi0iF0
Sさんが残念会をしようと、食事に招待してくれた。彼女の自宅である。

俺は気が進まなかったが、無理やりといった感じで呼ばれていった。


ご主人はいなかったが、子供達がいた。37歳の、独身と言っても不思議の無い彼女に、17歳の堂々たる兄妹がいるとは、信じられなかった。

特に妹は、Sさん似の丸顔で、整った顔立ちだった。洒落っ気はないが、もてるだろうと思った。実際蒼らしい。

話の中で、受験の話になった。2人とも優秀で、兄などは俺の高校時代よりずっとできるだろう。話は随分盛り上がり、細かい受験のノウハウにまで話が行った。

話のついでのように「Hさんに家庭教師をしていただいたらどお?」Sさんが2人に聞く。

2人はまんざらでもなさそうだったが、俺は断った。受験生にそんな余裕はない。

Sさんは「そう、残念ね」と、俺を軽くにらみつけた。




351 :262:2005/05/28(土) 19:03:35 ID:TQeFi0iF0
お宅をおいとました後、夜風に当たりながら軽くワインの酔いが回った頭で考えた。

その時ピンと来たのが、Sさんの意図だった。我ながら鈍いと思う。

家庭教師になれば、いつでも家に行けるし、その気になれば・・・・ということだろう。

俺にとっても都合の良い話ではあったろうが、俺は再びぞっとした。Mちゃんのためにも、早くSさんと手を切らねばならないと、その時思った。


俺は、バイトを辞めることにした。マネージャーにその旨伝え、クルー仲間にも挨拶した。

辞めるとなったらあっさりしたものだ。休憩室を後にして、もうここに来ることはあるまいと思った。

その夜、Sさんから電話があった。怒ったような声だった。実際、彼女は怒っていたのだ。



356 :262:2005/05/28(土) 23:50:01 ID:TQeFi0iF0
「Mを辞めたのね」

「うん、そう」


「何故、ひとことも相談してくれなかったの?」

「ごめんね、反対されると思ったし、勉強が忙しいんだ」


「もう、余り会えなくなるじゃないの!」

「電話で話せるじゃないか。いつでも会えるさ」


「電話だけじゃ、寂しいわ」

「僕も我慢しているのだから、Sさんも我慢してくれないかな」

等々会話が続く。文字にすると大した事無いが、語気は荒く、ほとんど喧嘩腰だった。

「今度アパートに行くわ、電話だけじゃ、話にならないから」

「ちょっと待って、僕が忙しいのは、分かっているだろう?  アパートには夜にならないと帰らないよ」


「別に、かまいやしないわ」

困るのは俺なんだけども、と思いつつも・・・・

「ご主人や、子供達にはどうするの?」

「あなたには関係ないでしょ」


ガチャン。



357 :262:2005/05/29(日) 00:00:01 ID:TgIuwESG0
俺は、研究室が閉まるギリギリまで粘っていた。自宅やアパートでは、上手く勉強できないのだ。

アパートに帰るのは、夜9時過ぎが普通だった。

真っ暗な道をとぼとぼと歩いてアパートに向かう。寂しげな感じがするが、俺はこういうの嫌いではなかった。

ただ、今回は流石に気が重かった。アパートの前にSさんがいるのではないか、などと考えてしまう。


数日後、俺はアパートで民事訴訟法の勉強をしていた。

忘れもしない、三ヶ月章著の基本書を読んでいたところだった。三ヶ月先生のこの本は、僕が一番好きな基本書だった。行間に熱気がこもっている。


夜の10時過ぎだった。ドアがノックされた。

俺は弟だと思ってドアを開けた。弟は獣医学部に今年から入学し、時々アパートを訪ねてきていたからだ。

立っていたのはSさんだった。



359 :262:2005/05/29(日) 00:10:21 ID:TgIuwESG0
「やあ」と俺は彼女を招き入れた。俺の顔は少々こわばっていたかもしれない。

彼女はツンとした雰囲気で部屋に入ってきた。それから机の上の本や資料を見つめ、

「お勉強?」

「見れば分かるだろう、そうだよ」


「お邪魔かしら・・・」

邪魔だよと言いたいがぐっと堪えて、俺は、

「紅茶でも入れようか」

いつもは手伝ってくれるのだが、俺の姿を冷ややかに見ている。紅茶を入れ、有り合わせのクッキーなどを皿に入れ、テーブルに置いた。本や資料を崩さないように移動させ、彼女と向かい合っておれは座った。

「ご主人や子供達は?」

「知らないわ、あなたには関係ないでしょ」


最初から戦闘モードであるのに、俺は理不尽さを感じていた。

何故Mを辞めただけでこれだけ不機嫌になられなければならないのか。


別れ話は未だおくびにも出していないのに・・・



391 :262:2005/05/29(日) 21:35:52 ID:TgIuwESG0
この状態で、別れ話を切り出すことはできない。何が起こるか分からない。

まず、俺はSさんを落ち着かせるために、じっくり話を聞くことにした。俺が感情的になってはいけない。

彼女は、ぷんぷんしながらも、紅茶に口をつけた。俺のとっておきのアップルティーだった。とても香りが良い。

既に夜10時を回っている。主婦がこんな時間に、男のアパートにいるなんてどうしても不自然だ。

俺はご主人とは面識が無いが、子供達とは一飯の義理というか、親しみがある。

一体どうするつもりなのだろうか。




392 :262:2005/05/29(日) 21:43:46 ID:TgIuwESG0
「私が嫌いになったのね」としばらくして切り出す。

いきなり結論モードだ。

「一体どうしたのさ。ご主人や子供達は、どうしたの?」

「あなたには関係ないと言っているでしょう!それより質問に答えてよ」

「・・・嫌いになったわけじゃないさ。ただ、忙しいし、俺は疲れているんだよ」


我ながら優柔不断だと思う。

しばらく押し問答が続く。彼女の思い込みは強く、それは恐らく女性の直感力だ。

そしてそれは事実でもあるのだが、俺はこの場を上手く丸め込みたいと思ってしまった。

結論は出ているのだが、修羅場の先送りをしたわけだ。



393 :262:2005/05/29(日) 21:46:01 ID:TgIuwESG0
今になって分かることがある。

Sさんは、3人姉妹の末っ子で、両親から溺愛されて育ったらしい。実家はそれなりの家庭であった。

意のままにならないことがあると、ヘソを曲げる傾向がある末っ子だ。


要領は良いが、波風に弱い。俺は5人の子持ちなので、子育ての過程で気付いたことだ。実例はイヤというほどある。

また、仕事や勉強時の聡明さや忍耐力は、必ずしも人生でのそれには結びつかない。

要は、ちやほやされて育ち、仕事でもそれなりに評価されているわがまま娘が、意のままにならない相手に腹を立てたというだけのことだ。。


ただそれは今になって分かることで、その時は彼女の反応の不思議さとどぎまぎで、俺も普通ではいられなかった。



395 :262:2005/05/29(日) 21:53:48 ID:TgIuwESG0
「黙ってMを辞めたのは悪かったよ。そう怒らないで」

本当は、何故怒るのかと聞きたかったのだが、火に油を注ぎそうなので止めておいた。

やがて話はとんでもない方向へ飛んでゆく。

「あなたはいつも、私のことを愛しているって言ってくれたじゃない」

それはそうだ、セックスの時、彼女は言葉の愛撫を好んだし、「愛している」と言ってくれと、何度も俺にせがんだのは彼女の方だ。

「言ったよ」

「それは嘘だったの?」


「・・・いや、本当にそう思っていた」

「だったら何故、もっと一緒にいてくれないの?」  

おいおい・・・・



396 :262:2005/05/29(日) 22:08:20 ID:TgIuwESG0
彼女の眼差しは真剣そのものだった。

「ねえ、俺は学生だよ。しかも受験生だ。海のものとも山のものとも分からない、若造だよ。Sさんを好きでも、幸せにしたりすることもできないし、申し訳ないよ」

「そんな事、気にしなくても良いの。私が面倒を見てあげるから。」

俺の背筋に悪寒が走った。

「私、あなたの愛に応えなくっちゃいけないかなと、この頃思うようになっていたの。」

俺は絶句した。

「ご主人は、子供達はどうするの。○○君、○○ちゃんが悲しむよ。ねえ、一体どうしたんだい。家庭を壊したくないといっていたのはさんの方じゃないか」

彼女は返事をしなかった。


都合よく肉体だけを楽しめる女性だと俺が勝手に思っていたSさんだったが、そうではなかったことがはっきりした。

抱くというのは肉体のことだけにとどまらず、精神も一緒に抱くということなのだと骨身に染みて分かった。

因に、この時の経験がもとで、俺は結婚してから18年間、浮気は一度もしていない。

相手にするとしたら、プロと心に決めている。



399 :262:2005/05/29(日) 22:23:01 ID:TgIuwESG0
俺は冷たい汗をかいていた。運動の心地よい汗しか知らなかった俺は、冷や汗というものが本当にあることを知った。

混乱していた俺だが、ここでの対応を間違えると、俺は人生を過つということだけは分かった。

Mちゃんをどうしようか。Sさんは真剣だ。

「そこまで思っていてくれて、ありがとう」

俺の精一杯の演技だ。

俺の目の前に、Sさんの肉体がある。豊かに盛り上がった胸。細い腰。先日まで、俺が自由にできていた身体だ。小振りだが整った顔つき。目が俺を見つめている。

紅茶が冷めてしまっている。俺は席を外し、ヤカンに水を入れ、間を取った。

落ち着け、落ち着けと俺は自分に言い聞かせた。

お湯が沸くまで時間がかかる。

今まで俺と彼女は対座して座っていたが、俺は彼女の隣に座った。対座だと、対立関係になりがちだ。

隣に座って、お互いの体温が感じられるくらいの距離に身体を置く。






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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春,
 

 
 
 
 

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