思い出話に付き合ってくれないか?
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128 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:43:31.58 ID:mR9MWEUH0.net
合宿3日目にして、美凪と絵を描くことが日課になったのかもしれない。
だが、一週間もしたら地元へ帰る俺が美凪と親しくなってもいいのだろうか、と考えてしまうことが多くなってきた。
民宿へ戻りミーティングを済ませる。
部屋に戻ると、いつも通り風鈴の音が出迎えてくれた。
129 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:44:09.73 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「イッチ、今日も絵描いてたのか?」
俺「まあな、意外だろwww?」
佐野「俺らも今度行くわ、その女の子とも会いたいしwww」
吉田「下心丸出しじゃねえかwww」
樋口「お前彼女いるだろうがwww」
130 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:46:54.73 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「でもさ、大丈夫なのか?帰る時寂しくならないか?」
吉田「それもそうだなwww」
俺「俺もそう思うけどさ、旅先の出会いっていいもんじゃんwww」
そうは言ったが、確かに寂しい。
今日も吉田のギターが部屋に響いてる。
尾崎豊が耳に残りすぎて、ギターの音にも敏感になってきた。この日は色々と考えてしまい、寝るのが遅くなった。
131 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:48:24.34 ID:mR9MWEUH0.net
合宿も中盤に差し掛かってきた頃からは東屋に樋口たちが来ることもよくあった。
たまに吉田が来てギターを弾いてたり。
吉田「よ、絵は描かねえけどなwww」
俺「やっぱり来たかwww」
美凪「イッチが言ってた友達でしょ!はじめまして!」
俺「こいつギター弾けるんだぞ?持ってきただろ?」
132 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:49:06.26 ID:mR9MWEUH0.net
吉田「当たり前だろ、ギターくらいしかすることねえよwww」
美凪「ギター弾けるの!?音楽よく聞くんでしょ!」
吉田「おうおうwww 思ってたより元気な子でよかったwww」
133 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:49:25.07 ID:mR9MWEUH0.net
俺「お前、結構音楽詳しいよな?」
吉田「まあな、かなり聴いてるつもりだしだいたい弾けるぞ」
俺「じゃあやっぱりあれ弾いて貰うしかないよなwww」
134 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:50:31.12 ID:mR9MWEUH0.net
美凪「尾崎豊弾ける?『シェリー』弾いてよ!」
吉田「渋いなーwww 俺も好きだけどなwww」
吉田が来たことで大盛り上がり。
吉田もテンション上がりすぎていつもはしない弾き語りしてるし、それに交じって美凪も歌ってる。やっぱりどっちも歌はあんまり上手くはないwww
135 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:53:02.42 ID:mR9MWEUH0.net
佐野と樋口が来た時には、4人でそこら辺のボロ自転車に乗って川まで行って遊んだ。
民宿の方が流れが急な上流。公園から更に坂を降ったあたりで川遊び。
近くの農家のおじさんがまたスイカもらって、吉田も呼んでスイカ割り開始www
佐野「おいイッチwww やっぱり可愛いじゃんwww」
俺「だろ?」
樋口「自分の彼女みたいに言うなwwwwww」
とか、美凪にはコソコソと話してた。
136 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:54:16.41 ID:mR9MWEUH0.net
皆が遊びに来た日も夕方になる前には公園に戻り東屋で絵を描く。その頃には皆帰ってたけど。
皆も俺が絵を描く理由を察してたからだろうな。
美凪「イッチの友達に会えて良かったな〜!」
美凪は、東屋に戻るといつもこう言っていた。
137 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:54:38.56 ID:mR9MWEUH0.net
俺「変なやつばっかだろwww みんな良い奴なんだ。」
美凪「次はギターでRADWIMPSも弾いてもらおうよwww」
俺「君があまりにも綺麗に泣くから」
美凪「僕は思わず横で笑ったよ」
俺 美凪 「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
前もしたような会話で何回も笑う。
そして、笑ったかと思えばすぐ絵に集中。
テンションの差は激しかったけど、そんな不思議な会話には妙に安心感があった。
138 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:55:29.99 ID:mR9MWEUH0.net
俺「今日こそもっと良い絵描くからなwww」
美凪「でも私にはまだ勝てないな〜」
俺は美凪の言葉の 「まだ勝てない」 というところがやけに引っかかった。
確かに美凪には絵で勝ちたいけど、残りたった数日の合宿では追い越せないだろう。
地元に帰れば美凪とは会えないのに、どうしてここまでして勝ちたいんだろう。
139 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:55:53.53 ID:mR9MWEUH0.net
佐野が言った
「でもさ、大丈夫なのか?帰る時寂しくならないか?」
という言葉を脳内でリピートしてしまい、手が止まる。美凪と絵を描き初めて、初めて集中出来なかった。
それでも、美凪のヘッドホンから相変わらず流れている尾崎豊メドレーが何とか俺を安心させてくれていた。
140 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:56:37.35 ID:mR9MWEUH0.net
美凪「イッチ、今日は調子悪いの?グラデーション雑じゃない?私の勝ちだね〜www」
俺「今日はあいつらとも遊びすぎて疲れたんだよwww」
美凪「イッチが帰っちゃうまで、ほんとに私に勝つつもり〜?」
俺「もちろん!負けたまま帰るわけにはいかないなwww」
141 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:58:39.61 ID:mR9MWEUH0.net
気のせいかもしれないが、そういった美凪の顔も少し切なそうに見えた。
ほんとに、気のせいかもしれないが。
142 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:59:21.59 ID:mR9MWEUH0.net
今日も辺りが暗くなってきた。
初日は急いで帰っていたが、合宿の残りも数日となるとこの時間が心惜しくなる。
帰り際のヒグラシの鳴き声とヘッドホンから聴こえる尾崎豊もやけに寂しく感じた。
今日も民宿へ戻るといつも通りのミーティング。この頃になると、俺があまりにも頑張るから、ミーティングは俺を褒めるだけの会みたいになっていた。
143 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:59:39.07 ID:mR9MWEUH0.net
中嶋先生「お前、普段はこんなに描かないよな?合宿だからって気合い入れすぎんなよ〜www」
俺「分かってますよwww 体調でも崩したら大変ですし」
144 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:01:07.19 ID:mR9MWEUH0.net
中嶋先生「うん。お前はやっぱり才能がある。俺が見てきた生徒の中でもお前ほど才能があるやつは少ないよ。この合宿、よく頑張ってるな。」
中嶋先生のこの言葉は今でも鮮明に覚えている。
美凪に絵の楽しさを教えてもらい、それを中嶋先生に後押しされた感覚。
この先 絵を描き続ける人生の中でも、辛いことがあったらよくこの言葉を思い出してるよ。
145 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:01:26.00 ID:mR9MWEUH0.net
たった数日でここまで美凪と打ち解けた。
そりゃもちろん地元に帰るのには寂しさがある。
だが、まだ美凪には届いていないものの自分の実力を認められたのはとても嬉しかった。
陸上部時代にタイムを縮めた時のような感動を、まさか美術部でも経験するとは思わなかった。
そして、合宿が終わる寂しさよりも、せめて美凪に勝ってから地元へ帰ろうという気持ちがより強まった。
146 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:02:58.16 ID:mR9MWEUH0.net
この日は美術部全員でキャンプファイヤーをした。確か7日目の夜だったかな。
早めに夕食を済ませ、民宿の中庭に出ると数人が軽く木を組んで着火準備をしていた。
キャンプファイヤーをするのは、人生初だった。
147 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:03:39.91 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「ほれ、マシュマロ。焼いてこいwww」
吉田「なんで俺なんだよwww 」
吉田はタオルを頭に巻いて、やっぱり背中にはギターを背負っている。
ちょっと若いビッグダディみたいでワロタw
メガネを外すと意外に美形な佐野も、今日はコンタクトにしてるのか、やけにイケメンだった。
148 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:03:59.35 ID:mR9MWEUH0.net
樋口も遅れてやってたところで、女子たちに隠れて焼きマシュマロして食べた。
青春フィルターがかかってたってのもあるが、割と本気で人生で食べた物の中で1番美味かったかもしれない。
149 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:04:20.25 ID:mR9MWEUH0.net
その後は みんなで歌ったり、題キャンプファイヤーがお題で10分デッサン大会したり。
吉田にリクエストしてギター弾いてもらったりして、最高に楽しい時間を過ごした。
150 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:05:42.12 ID:mR9MWEUH0.net
吉田「最後はアレ、弾いちゃいますかwww」
俺「頼んだwww」
そう言って吉田は尾崎豊の名曲たちを弾き始め、最後はもちろん「シェリー」でしめた。
中嶋先生がノリノリで歌ってて世代を感じたなwww
俺や吉田はやっぱり合いの手だけじゃ収まらず、俺たちもノリノリで歌ってた。
ここに美凪が居たらもっと楽しかっただろうな。
151 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:07:40.16 ID:mR9MWEUH0.net
1時間ほど外で楽しみ、キャンプファイヤーの火が消えると各自の部屋へ戻って行った。
何となくもう少し外に居たかった俺は、皆の目を掻い潜り、画材だけを持って公園に向かっていた。
樋口に少し出かける事を伝えると、樋口「もう夜だぞwww 行ってもいないと思うけどwww」
俺「分かってるよ、絵、もうちょっと描きに行くだけだwww」
152 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:09:10.07 ID:mR9MWEUH0.net
やっぱり樋口には全てお見通しかぁwww
夜の8時はとっくに過ぎていたから、美凪が居なくてもしょうがないと思った。
だが、どうしても絵が描きたい気分だった。
あわよくば美凪が居ればな、とも思ったけど。
153 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:09:23.76 ID:mR9MWEUH0.net
公園まで坂を降りていく。
木々が風で揺れ山の方は真っ暗で不気味だった。
公園まではそこまで距離がないんだが、今は体感でかなり遠く感じる。
ヒグラシの声が大きく聴こえ始めて来た頃に、公園に到着した。
合宿3日目にして、美凪と絵を描くことが日課になったのかもしれない。
だが、一週間もしたら地元へ帰る俺が美凪と親しくなってもいいのだろうか、と考えてしまうことが多くなってきた。
民宿へ戻りミーティングを済ませる。
部屋に戻ると、いつも通り風鈴の音が出迎えてくれた。
129 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:44:09.73 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「イッチ、今日も絵描いてたのか?」
俺「まあな、意外だろwww?」
佐野「俺らも今度行くわ、その女の子とも会いたいしwww」
吉田「下心丸出しじゃねえかwww」
樋口「お前彼女いるだろうがwww」
130 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:46:54.73 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「でもさ、大丈夫なのか?帰る時寂しくならないか?」
吉田「それもそうだなwww」
俺「俺もそう思うけどさ、旅先の出会いっていいもんじゃんwww」
そうは言ったが、確かに寂しい。
今日も吉田のギターが部屋に響いてる。
尾崎豊が耳に残りすぎて、ギターの音にも敏感になってきた。この日は色々と考えてしまい、寝るのが遅くなった。
131 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:48:24.34 ID:mR9MWEUH0.net
合宿も中盤に差し掛かってきた頃からは東屋に樋口たちが来ることもよくあった。
たまに吉田が来てギターを弾いてたり。
吉田「よ、絵は描かねえけどなwww」
俺「やっぱり来たかwww」
美凪「イッチが言ってた友達でしょ!はじめまして!」
俺「こいつギター弾けるんだぞ?持ってきただろ?」
132 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:49:06.26 ID:mR9MWEUH0.net
吉田「当たり前だろ、ギターくらいしかすることねえよwww」
美凪「ギター弾けるの!?音楽よく聞くんでしょ!」
吉田「おうおうwww 思ってたより元気な子でよかったwww」
133 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:49:25.07 ID:mR9MWEUH0.net
俺「お前、結構音楽詳しいよな?」
吉田「まあな、かなり聴いてるつもりだしだいたい弾けるぞ」
俺「じゃあやっぱりあれ弾いて貰うしかないよなwww」
134 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:50:31.12 ID:mR9MWEUH0.net
美凪「尾崎豊弾ける?『シェリー』弾いてよ!」
吉田「渋いなーwww 俺も好きだけどなwww」
吉田が来たことで大盛り上がり。
吉田もテンション上がりすぎていつもはしない弾き語りしてるし、それに交じって美凪も歌ってる。やっぱりどっちも歌はあんまり上手くはないwww
135 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:53:02.42 ID:mR9MWEUH0.net
佐野と樋口が来た時には、4人でそこら辺のボロ自転車に乗って川まで行って遊んだ。
民宿の方が流れが急な上流。公園から更に坂を降ったあたりで川遊び。
近くの農家のおじさんがまたスイカもらって、吉田も呼んでスイカ割り開始www
佐野「おいイッチwww やっぱり可愛いじゃんwww」
俺「だろ?」
樋口「自分の彼女みたいに言うなwwwwww」
とか、美凪にはコソコソと話してた。
136 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:54:16.41 ID:mR9MWEUH0.net
皆が遊びに来た日も夕方になる前には公園に戻り東屋で絵を描く。その頃には皆帰ってたけど。
皆も俺が絵を描く理由を察してたからだろうな。
美凪「イッチの友達に会えて良かったな〜!」
美凪は、東屋に戻るといつもこう言っていた。
137 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:54:38.56 ID:mR9MWEUH0.net
俺「変なやつばっかだろwww みんな良い奴なんだ。」
美凪「次はギターでRADWIMPSも弾いてもらおうよwww」
俺「君があまりにも綺麗に泣くから」
美凪「僕は思わず横で笑ったよ」
俺 美凪 「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
前もしたような会話で何回も笑う。
そして、笑ったかと思えばすぐ絵に集中。
テンションの差は激しかったけど、そんな不思議な会話には妙に安心感があった。
138 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:55:29.99 ID:mR9MWEUH0.net
俺「今日こそもっと良い絵描くからなwww」
美凪「でも私にはまだ勝てないな〜」
俺は美凪の言葉の 「まだ勝てない」 というところがやけに引っかかった。
確かに美凪には絵で勝ちたいけど、残りたった数日の合宿では追い越せないだろう。
地元に帰れば美凪とは会えないのに、どうしてここまでして勝ちたいんだろう。
139 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:55:53.53 ID:mR9MWEUH0.net
佐野が言った
「でもさ、大丈夫なのか?帰る時寂しくならないか?」
という言葉を脳内でリピートしてしまい、手が止まる。美凪と絵を描き初めて、初めて集中出来なかった。
それでも、美凪のヘッドホンから相変わらず流れている尾崎豊メドレーが何とか俺を安心させてくれていた。
140 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:56:37.35 ID:mR9MWEUH0.net
美凪「イッチ、今日は調子悪いの?グラデーション雑じゃない?私の勝ちだね〜www」
俺「今日はあいつらとも遊びすぎて疲れたんだよwww」
美凪「イッチが帰っちゃうまで、ほんとに私に勝つつもり〜?」
俺「もちろん!負けたまま帰るわけにはいかないなwww」
141 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:58:39.61 ID:mR9MWEUH0.net
気のせいかもしれないが、そういった美凪の顔も少し切なそうに見えた。
ほんとに、気のせいかもしれないが。
142 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:59:21.59 ID:mR9MWEUH0.net
今日も辺りが暗くなってきた。
初日は急いで帰っていたが、合宿の残りも数日となるとこの時間が心惜しくなる。
帰り際のヒグラシの鳴き声とヘッドホンから聴こえる尾崎豊もやけに寂しく感じた。
今日も民宿へ戻るといつも通りのミーティング。この頃になると、俺があまりにも頑張るから、ミーティングは俺を褒めるだけの会みたいになっていた。
143 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:59:39.07 ID:mR9MWEUH0.net
中嶋先生「お前、普段はこんなに描かないよな?合宿だからって気合い入れすぎんなよ〜www」
俺「分かってますよwww 体調でも崩したら大変ですし」
144 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:01:07.19 ID:mR9MWEUH0.net
中嶋先生「うん。お前はやっぱり才能がある。俺が見てきた生徒の中でもお前ほど才能があるやつは少ないよ。この合宿、よく頑張ってるな。」
中嶋先生のこの言葉は今でも鮮明に覚えている。
美凪に絵の楽しさを教えてもらい、それを中嶋先生に後押しされた感覚。
この先 絵を描き続ける人生の中でも、辛いことがあったらよくこの言葉を思い出してるよ。
145 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:01:26.00 ID:mR9MWEUH0.net
たった数日でここまで美凪と打ち解けた。
そりゃもちろん地元に帰るのには寂しさがある。
だが、まだ美凪には届いていないものの自分の実力を認められたのはとても嬉しかった。
陸上部時代にタイムを縮めた時のような感動を、まさか美術部でも経験するとは思わなかった。
そして、合宿が終わる寂しさよりも、せめて美凪に勝ってから地元へ帰ろうという気持ちがより強まった。
146 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:02:58.16 ID:mR9MWEUH0.net
この日は美術部全員でキャンプファイヤーをした。確か7日目の夜だったかな。
早めに夕食を済ませ、民宿の中庭に出ると数人が軽く木を組んで着火準備をしていた。
キャンプファイヤーをするのは、人生初だった。
147 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:03:39.91 ID:mR9MWEUH0.net
佐野「ほれ、マシュマロ。焼いてこいwww」
吉田「なんで俺なんだよwww 」
吉田はタオルを頭に巻いて、やっぱり背中にはギターを背負っている。
ちょっと若いビッグダディみたいでワロタw
メガネを外すと意外に美形な佐野も、今日はコンタクトにしてるのか、やけにイケメンだった。
148 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:03:59.35 ID:mR9MWEUH0.net
樋口も遅れてやってたところで、女子たちに隠れて焼きマシュマロして食べた。
青春フィルターがかかってたってのもあるが、割と本気で人生で食べた物の中で1番美味かったかもしれない。
149 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:04:20.25 ID:mR9MWEUH0.net
その後は みんなで歌ったり、題キャンプファイヤーがお題で10分デッサン大会したり。
吉田にリクエストしてギター弾いてもらったりして、最高に楽しい時間を過ごした。
150 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:05:42.12 ID:mR9MWEUH0.net
吉田「最後はアレ、弾いちゃいますかwww」
俺「頼んだwww」
そう言って吉田は尾崎豊の名曲たちを弾き始め、最後はもちろん「シェリー」でしめた。
中嶋先生がノリノリで歌ってて世代を感じたなwww
俺や吉田はやっぱり合いの手だけじゃ収まらず、俺たちもノリノリで歌ってた。
ここに美凪が居たらもっと楽しかっただろうな。
151 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:07:40.16 ID:mR9MWEUH0.net
1時間ほど外で楽しみ、キャンプファイヤーの火が消えると各自の部屋へ戻って行った。
何となくもう少し外に居たかった俺は、皆の目を掻い潜り、画材だけを持って公園に向かっていた。
樋口に少し出かける事を伝えると、樋口「もう夜だぞwww 行ってもいないと思うけどwww」
俺「分かってるよ、絵、もうちょっと描きに行くだけだwww」
152 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:09:10.07 ID:mR9MWEUH0.net
やっぱり樋口には全てお見通しかぁwww
夜の8時はとっくに過ぎていたから、美凪が居なくてもしょうがないと思った。
だが、どうしても絵が描きたい気分だった。
あわよくば美凪が居ればな、とも思ったけど。
153 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:09:23.76 ID:mR9MWEUH0.net
公園まで坂を降りていく。
木々が風で揺れ山の方は真っ暗で不気味だった。
公園まではそこまで距離がないんだが、今は体感でかなり遠く感じる。
ヒグラシの声が大きく聴こえ始めて来た頃に、公園に到着した。
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