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深夜公園で見かけた焼け焦げた人形
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139 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:48:26.60 ID:gH6YqLsg0.net
私は当時、夜勤の仕事をしていて、帰宅するのはいつも深夜1時過ぎでした。
暗い夜道は少し怖かったけれど、一人暮らしにも慣れていたので、特に気にせず歩いていました。
ある日、仕事終わりに家までの近道として、小さな公園を通り抜けることにしました。
夜の公園なんて、普通なら人がいるはずがありません。
けれど、その日は違いました。
ブランコに、誰かが座っていたのです。
……いいえ、正確には、「誰か」ではなく、ボロボロの人形 でした。
公園の暗い照明の下で、くすんだ赤いワンピースを着た人形が、ブランコの上にちょこんと座っています。
風もないのに、ブランコがゆっくり揺れているのが、やけに不気味でした。
なんとなく嫌な感じがして、気づけば、スカートの裾をぎゅっと握っていました。
140 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:48:43.44 ID:gH6YqLsg0.net
(……誰かの忘れ物?)
そんなことを考えながら、私は何気なくスマホのライトを当てました。
その瞬間、背中にゾワッとした悪寒が走ります。
——人形の顔が、完全に焼け焦げていたのです。
目も鼻もなく、ただ黒ずんでヒビ割れた表面だけが残っていました。
けれど、不思議なことに、なぜか口の部分だけが無傷 です。
まるで、笑っているようにぽっかりと開いていました。
「……気味が悪い……」
私は足早にその場を離れました。
こんな時間にブランコで人形が揺れている時点で十分不気味でしたが、顔が焼け焦げている のはさすがに異常です。
どうせ誰かのイタズラか、ゴミとして捨てられたものなのだろう——。
そう思い、その日はそのまま帰宅しました。
141 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:49:13.30 ID:gH6YqLsg0.net
翌日。
仕事が終わり、また同じ道を通ると、私は愕然としました。
人形が、昨日とまったく同じ場所に座っていたのです。
——いいえ、それだけではありません。
昨日は確かにブランコの上にちょこんと座っていました。
でも、今日は違いました。
ブランコのチェーンに、首を吊るような形でぶら下がっていたのです。
「……え?」
私は一瞬、誰かがイタズラしたのかと思いました。
でも、この公園は住宅街の端っこにありますし、こんな時間に人がうろついているとも思えません。
恐る恐る近づいてみると、人形の焦げた顔がこちらを向いていました。
ぽっかり開いた口が、やはり笑っているように見えます。
しかも、昨日と違って……口の端から、赤黒いシミが流れているのです。
(……これ、血……?)
私はゾッとして後ずさりました。
142 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:49:51.17 ID:gH6YqLsg0.net
そのとき——
「ダメだよ、それに触っちゃ」
後ろから、女の子の声がしました。
あまりにも突然で、心臓が跳ねます。
私は驚いて後ずさりし、思わず手を口元に当てました。
そして、慌てて振り向いたのです。
そこにいたのは、青白い顔をした、どこか影の薄い女の子 でした。
年齢は……中学生くらいでしょうか。
けれど、私は妙な違和感を覚えました。
——足元が、影になっていないのです。
街灯の光の中にいるはずなのに、彼女の影だけがどこにもありません。
143 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:50:25.67 ID:gH6YqLsg0.net
私が声も出せずにいると、女の子は私を見つめたまま、小さく微笑みました。
「もう……遅いかもしれませんね。」
そう言って、ふっとかき消えるように姿が消えました。
それからしばらく、公園には近づきませんでした。
でも、3日後。
その公園で、近所の中学生が変死した という話を聞きました。
首を吊った状態で、ブランコにぶら下がっていたそうです。
彼を見つけた通行人は、最初、ただの人形だと思ったと言います。
144 :本当にあった怖い名無し:2025/02/15(土) 21:50:44.06 ID:gH6YqLsg0.net
だが、よく見ると顔の下半分が焼けただれていて、口の部分だけが妙に綺麗に残っていた そうです。
それを聞いた瞬間、私は全身が粟立ちました。
(あの人形……いや、あの女の子は……?)
恐る恐る、再び公園に足を運んでみました。
……そこにはもう、人形も、何もありませんでした。
ただ、ブランコだけが、誰もいないのにギィ……ギィ……と揺れていたのです。
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