バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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184 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:08:09.35 ID:Q5UKg1qg.net
「こんなに密着するとさ、心臓の音、聞こえるねww お兄さんの凄い早いの分かるよ。」
「白石は、そうでもないな・・・」
「そうかな?緊張、してるんだけどな・・・」
「そうは見えないな・・・」
「じゃあ試そうか?」
「試すって・・・ッ!!」
唇が押し付けられる。
常々思っていたが こいつ欲求不満なんだろうか?そんなことを脳裏に浮かべ白石の唇の感触を確かめていた。
185 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:12:30.56 ID:Q5UKg1qg.net
「そういや白石、進路どうするんだ?」
数日経ったある日の事だった。何気ない一言だったと思う。
いつものように こたつに入って勉強したりしていた白石が休憩をはさんだ時に話を振った。
別段何か意図したわけでも、まして その方向に話を持っていきたいわけでも無かった。単純に話のタネとして興味があったのだ。
時期的に言えば二月の中旬。
白石の通う高校が進学校を謳うだけに そろそろ本格的な受験勉強が始めるんじゃないかと思っていた。
「んー?んー・・・」
「決まってないのか・・・?」
唸る白石の顔は優れない。意外と言えば意外だった。
俺の場合は色々あって(説明してもいいが長くなるので端折る)ここにいるが白石位の学力があれば行けるであろう大学の選択肢は少なくないはずだ。
「お兄さんと一緒がいいからなぁ・・・」
「白石、少し真面目に話そうか・・・」
居住まいを正す。
186 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:16:19.12 ID:Q5UKg1qg.net
「例えばだ、お前が同じ大学に入ってきたとして別れたらどうする?理由がそれだけなら来た意味が無くなっちゃうだろ?
もちろん、来てから大事なものが見つかるかもしれないが そんなもん見つからない可能性だってある。
唯一言えるのは、後悔しない選択肢が一番いいと思う。」
伝えようとする気持ちが強すぎて説教臭くなってしまった。
気持ちが嬉しくないと言えば嘘になる。しかし過去は変えられない。後で悔いても仕方ない。
だからとりあえずいえることは、単純で陳腐だけれども後悔しないことが一番だと思う。
白石が口の中で「後悔しない選択肢・・・」と呟いた
「・・・どこに行きたいかは決まってないのか?」
終始無言を貫いていた白石がこの質問で口を開いた。
「ここよりは、都会に行きたい・・・」
「うん、よし、じゃあ少しずつ方向性を決めていこう。そうなると仙台あたりか?それとも東京?」
187 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:19:03.15 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・東京かな・・・?」
「よしよし、じゃあ私大?公立?」
「・・・金銭面的に公立だけど・・・」
「?だけど?」
「・・・最終的に音楽でご飯食べていきたい・・・出来れば・・・大学行かないで・・・」
小さいけれど、白石の言葉で、はっきりと言われた。俺の視野が狭かったのかもしれない。
社会人になるとか そういう選択肢を用意せず当たり前のように進学という一択だろうと勝手に思い込んでしまっていた。
「そっか・・・」
その後の言葉を俺も、白石も継げなかった。白石はきっと絞り出した一言だったと思うけれど、その時の俺は肯定も否定も出来なかった。
188 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:22:42.66 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・」
ただ悩んでいるよりいいと散歩をして川沿いの道で欄干に寄りかかりながら考える。
正直 白石があの発言をしてから少しギクシャクしている。
というかあれから白石とは顔を合わせていない。
電話は出てくれないし、メールも一応は帰ってくるが俺がバイト中とかの時に意図的に返されている気がする。
一応の所、白石の目標が それだというのだから否定なんかはしていない。
単純な話、白石になんて言えば良いのかが分からなかった。
白石がやりたいことなら応援してやるべきだと思う。
だがそれでも「がんばれ」は無責任すぎる気がした。
そして この時になってふと思い出す。
いつの日か何か悩んでいそうな素振りを見せて、それでも俺には言わなかったあの日の事を。
情けなさに頭を掻く。
ひとまずは成人して それなりに成長したと思っていたのに中身なんか何も変わってなくて、「やりたいことは何だ」って聞いたのは俺なくせに、いざ答えられたら解決策どころか返す言葉にすら困った。
190 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:25:47.09 ID:Q5UKg1qg.net
夢、といえば聞こえはいいが現実味がないと言えばより近しいだろう。一番最初に考えてしまったのがそんなことだった。
「夢は何ですか?」なんて聞かれたのは結構昔の、そう、小学校の文集くらいだろうか。
そう聞かれていたかと思えばいつの間にやら親や教師でさえ、「現実を見ろ!」と頭ごなしに言うようになっていた。
「大人になったんだから」なんて理由をつけて無理やり現実を見るようになってしまったのかと思うと自分に嫌気も起こる。
幸いにも明日は休日。あの日からちょうど一週間である。
『明日うちに来れるか?』
内容は簡潔に、ただそれだけの文章を入力して、送信するのに入力の何倍も時間をかけて、煙草一本をフィルターギリギリまで吸ってからようやく送信した。
返信がきたのは その日の就寝前に最後に見た時の事。
『4時過ぎに行くよ〜!』
その一言だけだった。
192 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:30:45.41 ID:Q5UKg1qg.net
いつもよりも念入りに掃除をして、いつもよりも何割か増しで緊張しながら、白石を待っていると予定とほぼ同時刻で白石はやってきた。
「お邪魔しま〜す!!」
「おう・・・」
「あれ、どうしたのお兄さん?元気ないね?」
「いや、そうか?」
いつも通りの、いや、いつもよりもより元気な白石に多少驚きながら対応する。
「あ、そうだお兄さん!この前の事なんだけどね!同じ部活の子がね!」
「まぁ待てって・・・茶淹れるから・・・」
茶を淹れて一息つきながら雑談をする。少しすると間が空いた。
「なぁ、白石・・・」
「ん?何?あ、そういえばね!さっきの子の話なんだけど!」
「白石・・・白石!」
白石の話を切るために語気を強める。
本当は分かっているのだ。
白石が何故いつも以上にハイテンションで俺を聞き役に回らせようとするのかも、俺が少しでもそういう雰囲気を見せると強引に話題を変えるのかも、全て分かったうえで、その上で俺は切り出す。
191 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:28:53.69 ID:Q5UKg1qg.net
「進路のことは…実際どうするんだ?」
「・・・・」
先程と打って変わって伏し目がちに俺を見る白石。
この話題を先延ばしにすることもできる。でもそんなことは刹那的なものだ。それは、逃げだ。それに何より一番影響があるのは白石本人だ。
自分に喝を入れなおし白石に言葉を続ける。
「別に怒ってるわけでも無ければお前に対して何か言いたいわけでも無いんだが・・・その、何ていうかお前にとってもこの一年は今後の進路を決めるわけでだな?
早めに道を固めておいた方が良いと思うんだよ。お前が本気でそうしたいって言うなら俺はどんな目標でも出来る限り応援するつもりだからさ、現時点でお前がどうしたいのかをちゃんと示してくれよ。」
言い訳っぽくなってしまって自分で思い直したくせに気まずさを覚えながら白石の方を見る。
きっと答えは決まっているんだろうけれど、あえて聞くことにした。
言葉にするってことはやっぱりとても重要なことだと思う。
193 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:33:55.58 ID:Q5UKg1qg.net
「音楽で、生きていきたい・・・」
「・・・そっか。」
白石の答えは変わってなかった。心から行きたいんだと白石の意思の強さをその目から感じる。
そのまっすぐさが眩しい。夢に向かって進める人間が放つ生き生きとした輝きだ。
「でも、大学は行くよ。やっぱりそれだけじゃ駄目かもだし。」
「・・・ん・・・分かった。」
「さて・・・じゃあ お兄さん、改めて勉強教えてねww」
この話はここで終わった。だからこそ、白石の言葉に俺も笑顔で頷いた。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:35:32.36 ID:LEl0AWdo.net
エロ描写しっかりお願いしますよ・・・・
195 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:38:35.65 ID:Q5UKg1qg.net
>>194
書いた方がいい?wあんまりエロ展開無いんだけど
一年の中で一番短い月はいつの間にか終わって3月を迎えていた。
とはいってもここは津軽。
春なんて雪が降らなくなった時のことを言うのであって、つまりそれは4月の上旬あたりだ。
つまりそれは白石がうちに入り浸る状況は続くことを意味する。
「おにいさーん!お茶切れてるよー!」
「え?マジで?」
「あー、ホントだ…どうすっかな…コーヒーでいいか?」
「むぅ…今日は仕方ないかぁ…砂糖と牛乳は入れてね?」
「はいはいww」
コーヒーは俺、お茶は白石という暗黙の了解ができたのもいつだったか。それだけ白石が入り浸っているということか。
(そういや3月か・・・)
白石の誕生月だ。と言っても3月の30日までは結構時間がある。考える時間があるということだ。
しかし ふとここで気づいたことがある。そう、誕生日なんて女子に何を贈ればいいのだろうかということだ。
196 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:41:02.71 ID:Q5UKg1qg.net
「ねぇ店長、仮に誕生日に贈られたら嬉しいものって何ですかね?」
駅の近くとはいえ街に人が少ないから結果的にこの店は意外と客足が少ない。
機を見て自分よりも大人な店長に聞いてみた。
「もしかして何か贈り物かい?」
「ええ、まぁ・・・」
目線を逸らしながら答える。内訳としては気恥ずかしさ二割、輝くジャムさんの眼から逃れるため八割だ。
「そうかいそうかい。いやーそうかーww」
「あの、アドバイスを・・・」
「ああ!そうだね!」
あの薄笑いのなかで他に何を考えていたのだろうか。
「そうだね・・・私はプロポーズの時に花を渡したけどね・・・」
「花、ですか・・・」
「うん、誕生日の花っていうのもあったりするものでね?僕がプロポーズしたときは そうしたんだ。でも後で花を買ったのと違う店に行ったときに店員さんに聞いたら別の花が誕生花だって言われてね。あの時はびっくりしたなぁww」
「花・・・」
案としては良いと思う。後で調べておくとしよう。
197 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:42:42.42 ID:Q5UKg1qg.net
「そこまで大層なものじゃなくて・・・誕生日なんですよ。」
「あー、そっかそっか・・・ごめんね?そうだな・・・僕はアクセサリーだったかな?」
「なるほど・・・」
妥当なものだと思う。だが白石は意外とアクセサリーとかをしない。
曰く、「ギターを弾くときにいちいち外すのは面倒。」とのこと。
そうであればペンダントとかが良いのだろうか?
結局バイト中は そんなことをずっと考えていた。
「こんなに密着するとさ、心臓の音、聞こえるねww お兄さんの凄い早いの分かるよ。」
「白石は、そうでもないな・・・」
「そうかな?緊張、してるんだけどな・・・」
「そうは見えないな・・・」
「じゃあ試そうか?」
「試すって・・・ッ!!」
唇が押し付けられる。
常々思っていたが こいつ欲求不満なんだろうか?そんなことを脳裏に浮かべ白石の唇の感触を確かめていた。
185 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:12:30.56 ID:Q5UKg1qg.net
「そういや白石、進路どうするんだ?」
数日経ったある日の事だった。何気ない一言だったと思う。
いつものように こたつに入って勉強したりしていた白石が休憩をはさんだ時に話を振った。
別段何か意図したわけでも、まして その方向に話を持っていきたいわけでも無かった。単純に話のタネとして興味があったのだ。
時期的に言えば二月の中旬。
白石の通う高校が進学校を謳うだけに そろそろ本格的な受験勉強が始めるんじゃないかと思っていた。
「んー?んー・・・」
「決まってないのか・・・?」
唸る白石の顔は優れない。意外と言えば意外だった。
俺の場合は色々あって(説明してもいいが長くなるので端折る)ここにいるが白石位の学力があれば行けるであろう大学の選択肢は少なくないはずだ。
「お兄さんと一緒がいいからなぁ・・・」
「白石、少し真面目に話そうか・・・」
居住まいを正す。
186 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:16:19.12 ID:Q5UKg1qg.net
「例えばだ、お前が同じ大学に入ってきたとして別れたらどうする?理由がそれだけなら来た意味が無くなっちゃうだろ?
もちろん、来てから大事なものが見つかるかもしれないが そんなもん見つからない可能性だってある。
唯一言えるのは、後悔しない選択肢が一番いいと思う。」
伝えようとする気持ちが強すぎて説教臭くなってしまった。
気持ちが嬉しくないと言えば嘘になる。しかし過去は変えられない。後で悔いても仕方ない。
だからとりあえずいえることは、単純で陳腐だけれども後悔しないことが一番だと思う。
白石が口の中で「後悔しない選択肢・・・」と呟いた
「・・・どこに行きたいかは決まってないのか?」
終始無言を貫いていた白石がこの質問で口を開いた。
「ここよりは、都会に行きたい・・・」
「うん、よし、じゃあ少しずつ方向性を決めていこう。そうなると仙台あたりか?それとも東京?」
187 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:19:03.15 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・東京かな・・・?」
「よしよし、じゃあ私大?公立?」
「・・・金銭面的に公立だけど・・・」
「?だけど?」
「・・・最終的に音楽でご飯食べていきたい・・・出来れば・・・大学行かないで・・・」
小さいけれど、白石の言葉で、はっきりと言われた。俺の視野が狭かったのかもしれない。
社会人になるとか そういう選択肢を用意せず当たり前のように進学という一択だろうと勝手に思い込んでしまっていた。
「そっか・・・」
その後の言葉を俺も、白石も継げなかった。白石はきっと絞り出した一言だったと思うけれど、その時の俺は肯定も否定も出来なかった。
188 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:22:42.66 ID:Q5UKg1qg.net
「・・・」
ただ悩んでいるよりいいと散歩をして川沿いの道で欄干に寄りかかりながら考える。
正直 白石があの発言をしてから少しギクシャクしている。
というかあれから白石とは顔を合わせていない。
電話は出てくれないし、メールも一応は帰ってくるが俺がバイト中とかの時に意図的に返されている気がする。
一応の所、白石の目標が それだというのだから否定なんかはしていない。
単純な話、白石になんて言えば良いのかが分からなかった。
白石がやりたいことなら応援してやるべきだと思う。
だがそれでも「がんばれ」は無責任すぎる気がした。
そして この時になってふと思い出す。
いつの日か何か悩んでいそうな素振りを見せて、それでも俺には言わなかったあの日の事を。
情けなさに頭を掻く。
ひとまずは成人して それなりに成長したと思っていたのに中身なんか何も変わってなくて、「やりたいことは何だ」って聞いたのは俺なくせに、いざ答えられたら解決策どころか返す言葉にすら困った。
190 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:25:47.09 ID:Q5UKg1qg.net
夢、といえば聞こえはいいが現実味がないと言えばより近しいだろう。一番最初に考えてしまったのがそんなことだった。
「夢は何ですか?」なんて聞かれたのは結構昔の、そう、小学校の文集くらいだろうか。
そう聞かれていたかと思えばいつの間にやら親や教師でさえ、「現実を見ろ!」と頭ごなしに言うようになっていた。
「大人になったんだから」なんて理由をつけて無理やり現実を見るようになってしまったのかと思うと自分に嫌気も起こる。
幸いにも明日は休日。あの日からちょうど一週間である。
『明日うちに来れるか?』
内容は簡潔に、ただそれだけの文章を入力して、送信するのに入力の何倍も時間をかけて、煙草一本をフィルターギリギリまで吸ってからようやく送信した。
返信がきたのは その日の就寝前に最後に見た時の事。
『4時過ぎに行くよ〜!』
その一言だけだった。
192 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:30:45.41 ID:Q5UKg1qg.net
いつもよりも念入りに掃除をして、いつもよりも何割か増しで緊張しながら、白石を待っていると予定とほぼ同時刻で白石はやってきた。
「お邪魔しま〜す!!」
「おう・・・」
「あれ、どうしたのお兄さん?元気ないね?」
「いや、そうか?」
いつも通りの、いや、いつもよりもより元気な白石に多少驚きながら対応する。
「あ、そうだお兄さん!この前の事なんだけどね!同じ部活の子がね!」
「まぁ待てって・・・茶淹れるから・・・」
茶を淹れて一息つきながら雑談をする。少しすると間が空いた。
「なぁ、白石・・・」
「ん?何?あ、そういえばね!さっきの子の話なんだけど!」
「白石・・・白石!」
白石の話を切るために語気を強める。
本当は分かっているのだ。
白石が何故いつも以上にハイテンションで俺を聞き役に回らせようとするのかも、俺が少しでもそういう雰囲気を見せると強引に話題を変えるのかも、全て分かったうえで、その上で俺は切り出す。
191 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:28:53.69 ID:Q5UKg1qg.net
「進路のことは…実際どうするんだ?」
「・・・・」
先程と打って変わって伏し目がちに俺を見る白石。
この話題を先延ばしにすることもできる。でもそんなことは刹那的なものだ。それは、逃げだ。それに何より一番影響があるのは白石本人だ。
自分に喝を入れなおし白石に言葉を続ける。
「別に怒ってるわけでも無ければお前に対して何か言いたいわけでも無いんだが・・・その、何ていうかお前にとってもこの一年は今後の進路を決めるわけでだな?
早めに道を固めておいた方が良いと思うんだよ。お前が本気でそうしたいって言うなら俺はどんな目標でも出来る限り応援するつもりだからさ、現時点でお前がどうしたいのかをちゃんと示してくれよ。」
言い訳っぽくなってしまって自分で思い直したくせに気まずさを覚えながら白石の方を見る。
きっと答えは決まっているんだろうけれど、あえて聞くことにした。
言葉にするってことはやっぱりとても重要なことだと思う。
193 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:33:55.58 ID:Q5UKg1qg.net
「音楽で、生きていきたい・・・」
「・・・そっか。」
白石の答えは変わってなかった。心から行きたいんだと白石の意思の強さをその目から感じる。
そのまっすぐさが眩しい。夢に向かって進める人間が放つ生き生きとした輝きだ。
「でも、大学は行くよ。やっぱりそれだけじゃ駄目かもだし。」
「・・・ん・・・分かった。」
「さて・・・じゃあ お兄さん、改めて勉強教えてねww」
この話はここで終わった。だからこそ、白石の言葉に俺も笑顔で頷いた。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:35:32.36 ID:LEl0AWdo.net
エロ描写しっかりお願いしますよ・・・・
195 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:38:35.65 ID:Q5UKg1qg.net
>>194
書いた方がいい?wあんまりエロ展開無いんだけど
一年の中で一番短い月はいつの間にか終わって3月を迎えていた。
とはいってもここは津軽。
春なんて雪が降らなくなった時のことを言うのであって、つまりそれは4月の上旬あたりだ。
つまりそれは白石がうちに入り浸る状況は続くことを意味する。
「おにいさーん!お茶切れてるよー!」
「え?マジで?」
「あー、ホントだ…どうすっかな…コーヒーでいいか?」
「むぅ…今日は仕方ないかぁ…砂糖と牛乳は入れてね?」
「はいはいww」
コーヒーは俺、お茶は白石という暗黙の了解ができたのもいつだったか。それだけ白石が入り浸っているということか。
(そういや3月か・・・)
白石の誕生月だ。と言っても3月の30日までは結構時間がある。考える時間があるということだ。
しかし ふとここで気づいたことがある。そう、誕生日なんて女子に何を贈ればいいのだろうかということだ。
196 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:41:02.71 ID:Q5UKg1qg.net
「ねぇ店長、仮に誕生日に贈られたら嬉しいものって何ですかね?」
駅の近くとはいえ街に人が少ないから結果的にこの店は意外と客足が少ない。
機を見て自分よりも大人な店長に聞いてみた。
「もしかして何か贈り物かい?」
「ええ、まぁ・・・」
目線を逸らしながら答える。内訳としては気恥ずかしさ二割、輝くジャムさんの眼から逃れるため八割だ。
「そうかいそうかい。いやーそうかーww」
「あの、アドバイスを・・・」
「ああ!そうだね!」
あの薄笑いのなかで他に何を考えていたのだろうか。
「そうだね・・・私はプロポーズの時に花を渡したけどね・・・」
「花、ですか・・・」
「うん、誕生日の花っていうのもあったりするものでね?僕がプロポーズしたときは そうしたんだ。でも後で花を買ったのと違う店に行ったときに店員さんに聞いたら別の花が誕生花だって言われてね。あの時はびっくりしたなぁww」
「花・・・」
案としては良いと思う。後で調べておくとしよう。
197 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 13:42:42.42 ID:Q5UKg1qg.net
「そこまで大層なものじゃなくて・・・誕生日なんですよ。」
「あー、そっかそっか・・・ごめんね?そうだな・・・僕はアクセサリーだったかな?」
「なるほど・・・」
妥当なものだと思う。だが白石は意外とアクセサリーとかをしない。
曰く、「ギターを弾くときにいちいち外すのは面倒。」とのこと。
そうであればペンダントとかが良いのだろうか?
結局バイト中は そんなことをずっと考えていた。
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