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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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71 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:46:26.03 ID:V7RNIziR.net
『で、今日はどうしたの?急に電話なんて。もしかして会いたくなったとか?ww』

幾分か白石の声が上機嫌に聞こえるのは気のせいだろうなんて考えていたからだろうか。

「ん・・・会いたくなった・・・」

はずみでつい考えていたことを口に出してしまった。

『えっ・・・え?』

「あ、いや、その・・・」

言った後で白石が目の前にいるわけじゃないのに赤面する。一体何を考えてるんだ?頭が回っていないにも程があるんじゃないか?

「えーと、ごめん、ふざけたわけじゃないんだけど・・・あー、期末試験終わったからさ、暇な日があれば、その、どっか、遊びに、行こうかなって」

途切れ途切れになりながら言葉を紡ぐ。

『あ、う・・・』

軽口の返しが予想外だったからだろう。白石の反応は非常にかわいらしいものだった。

電話口の向こう側の顔が想像できて上がった口角が戻ってこない。

「ま、まあ、白石が嫌なら全然いいんだけどさ・・・」

『い、嫌じゃない!全然!嫌なんかじゃ!』

「・・・随分強調するな・・・」

『と、とにかく嫌じゃないから!ちょっと今は立て込んでて話せないから後で掛けなおす!じゃあね!』

「あ、ちょ!・・・切られたか・・・」

まあ考えすぎて何もしないよりもマシかと思いながら残ったレポートが憂いにならないようにと珍しく上機嫌で作業を進めた。



72 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:49:26.81 ID:V7RNIziR.net
「なあ、伊達さぁ、デート行くなら どこがいいと思う?」

図書館の三階。大人数で申請をすると借りられる会議室。

クーラーも飲食も自由ということで いつもつるんでいるメンバーで固まって だらだらする場所は ここと暗黙の了解がなされていた。

その日は伊達と被った講義のレポートを数人でこなしているときに二人になったときので伊達に報告もかねて質問をしてみた。

「・・・・・・・・・・・・ん?」

「いや、だからデートって行くとしたら どこがいいのかな?」

レジュメから目を上げずに言う俺を心底不思議そうにのぞき込む伊達。

「デートってあれか?広辞苑によると『異性と二人で日時を決めてどこかへ出かける』と条項を満たすとデートとみなされるいうデートか?」

「お前が他にデートというものを知ってるんだったら教えてくれ。というか よくそんな広辞苑の内容覚えてんな。」

「デートだと!?まさか白石ちゃんとか!?」

「反応遅くね!?てか反応の順番逆じゃね!?」



74 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:51:54.23 ID:V7RNIziR.net
「何々?デート?デートなのか?どこ行く予定なんだ?ん?」

「・・・」

「うわぁ・・・お前、俺といた数年間の中で一、二を争うくらい『こいつ、ウザッ!』って顔してる・・・」

「だってなぁ・・・」

こんなテンションで来られたら流石にウザいったらない。

「とりあえず この辺りじゃいいところはないから電車でどっか遊びに行こうかって話はしてる。」

「へー、ほー、ふーーん・・・」

・・・ウゼぇ・・・

「まぁ、あれじゃね?いいんじゃねーの?前に進めるんなら何でも」

「んー・・・なのかな?正直嫌われてはないと思うんだがな…」

「そりゃ嫌いな奴だったら部屋に来て飯作ったり風邪の看病来たりなんかしないだろ。」

アホかと言外に含みながら伊達は俺を見やる。

「はーぁ、遂に小島に彼女か・・・しかも現役JK・・・なんだそれ!エロゲか!」

「一人で盛り上がんなよ・・・」

「まぁ、でもさ」

声のトーンが変わる。いつもよりも よっぽど穏やかで理知的な声音。

「本当によかったよ。お前にようやくそういう人ができてさ。」

「・・・だな・・・」

毒気を抜かれた俺は気恥ずかしくて言えなかったが心から伊達に感謝した。




76 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:53:38.51 ID:V7RNIziR.net
話し合って白石との行先は電車で一時間程の距離にある水族館に行こうということになった。

東京なら きっとこんなに時間がかからないんだろうなんて思うが移動手段がない以上は仕方ないことである。

「地味に遠いよね。」

駅前で待ち合わせて電車に乗ると開口一番で白石が言った。まあ、往復で二時間あればもう少し何かできそうなものである。

「そうだな・・・しかし こんなに移動時間あってもなぁ・・・なにしようか」

「お兄さんの最近あったすべらない話とかは?」

横に座った白石が何とはなしに話を振ってくる。

「また地味にハードルの高いのを…他に無いのか?」

「じゃあお兄さんの初恋とか?」

「だから何だって総じてハードルがたけぇんだよ!?もうちょい聞いて楽しいのにしないか?」

俺のツッコミにケラケラ笑う白石。



77 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:56:25.34 ID:V7RNIziR.net
「でも聞いてみたいなぁ。お兄さんの初恋。」

「・・・別に、大したことのないガキの恋愛だったよ。失敗の見えた恋愛だったなww」

「ふうん・・・失恋だったんだ・・・」

「白石は?お前なら いくらでもいい男寄ってくるだろ?」

「うーん・・・告白されたことは何回かあるけれど・・・中途半端な気持ちで付き合うのは失礼だから全部断ってるよ。本気で好きになった人はまだいないかな・・・」

「何か意外だな、白石位だったらいままで彼氏いてもおかしくなさそうなのに・・・」

「む、色々な取り方ができそうだね?軽い女って意味にもとれるよ?」

可愛いって素直に受け取ってくれよ・・・

そう言いたくなったが この前の家の件があるので喉元でそれを飲み下す。

「まぁ、お兄さんが そう思ってるんならそれでもいいけどさ・・・」

小さく口をとがらせる白石。

そうはいってないのだが・・・



78 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 22:58:55.09 ID:V7RNIziR.net
「ふぁ・・・そういったわけじゃないんだが・・・」

止められなかったあくびが口から漏れ出す。

「あれ?寝不足?」

「ん。少しな・・・」

今日のために前もってレポートを終わらせてきたと伝えるのは些か恥ずかしくて、訳は話さずにただ同意する。

「寝ててもいいよ?お兄さんまた目の下にクマ出来てるし。」

「そうか?気にしてなかったんだが・・・」

「私もうちょっとしたら夏休み終わるのに また倒れられたら大変だよ。」

「・・・いや、しかし白石といるのに寝るっていうのも・・・」

「い・い・か・ら!ね?」

「・・・はい・・・」

有無を言わせぬ口調に渋々目を閉じる。

「乗り換えになったら起こすから、短いけど寝てて、ね?」

穏やかな声が いつもよりも近い気がして、寝る気がなかったのに俺は意識が遠のいてきた。



79 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 23:01:00.61 ID:V7RNIziR.net
住んでいる町から県庁所在地まで約50分。既に10分ほど経過していたから正味40分ほど。意識を手放していた体感時間は長くはなかった。

「おにい・ん、お兄さん!」

「ん・・・?ああ、そっか・・・」

意識が戻ってくる。時間こそ短かったが中々いい睡眠だったと思われる。

「すまん、熟睡してた・・・何か俺、変なことしなかったか?」

「え、う、うん・・・」

「・・・してたんだな・・・」

「べ、別に気にしなくていいよ。肩に寄りかかられただけだし。・・・あ、ほら!乗り換えだから!急いで!」

「あ、ああ」

上気した顔を見られないようにだろう、白石はせかしながら俺の手を引き電車から降りる。

初めて握る彼女の手は年相応な大きさで俺のよりも細くて白い指で、同じ人間なのかと思うくらいに柔らかかった。




80 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 23:06:24.50 ID:V7RNIziR.net
「白石・・・」

「な、何!?」

「・・・いや、何でもない・・・」

きっとここで何か言ったら白石は手を放してしまうだろう。俺は何も言わずにつながれた手に少しだけ力を込めた。

嫌がられるかもしれないと思い少し躊躇ったが白石は赤くした顔をうつむき加減にしただけで何も言わなかった。



電車を乗り換える。

そんな彼女に少しだけ意地悪をしてみる。

「なぁ白石?・・・離さなくて、いいの?」

ちょっとだけ離されるリスクを考えながら掴まれている左手を少し上げる。

「っ〜〜!!お、お兄さんが離してくれないから離さないだけで別に繋いでなくてもいいからね。」

彼女の言動に小さく笑みがこぼれる。



81 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 23:08:26.44 ID:V7RNIziR.net
「じゃあ、俺が離したくないから、このまま、でいい?」

たどたどしく言葉を紡ぐ。たぶん今俺は見たことないほどに赤くなっているであろう。だって人生で指折りで心臓が速く動いている自信がある。

「す、好きにすれば?」

「ん・・・じゃあ、このままな・・・」

何を話すこともなく二人でそっぽを向いたままただ座りながら彼女の手を握る。

白石の手の感触があまりに慣れなくて力を入れたり不必要に指を動かしてしまう。

「・・・いや、だったか?」

「ううん、別に、大丈夫・・・でも、付き合ってる人たちが手を繋ぎたがるのよくわかるよ。」

「ん?何で?」

「ドキドキするけれど・・・どこか安心する・・・」

「・・・だな・・・」

白石は自身が言ったように それこそ安心したように乗り換えの時の俺のように眠り始めた。



82 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 23:11:13.21 ID:V7RNIziR.net
乗り換えた駅から目的地までは30分。

長いような短いような時間だが、その間左手はこのままであると考えれば幸せといっていいだろう。というかもっと長くても問題ない。むしろもっと長いほうがいい。


各駅停車の電車が止まる。慣性の法則で白石の頭が俺の肩に寄りかかる。心臓が急速に縮んでから同じく急速にはずむ。

こんなに まじまじと顔を見るのは雨の日以来だ。俺以外の前でも こんなに無防備なんだろうか。あの時と同じだ。

陰が落ちるほどに長いまつげ。通った鼻筋。快活で良く笑う割に薄くて小さな口。それらがいつもよりも近く、いつもよりもより魅力的に見える。

きっと怖かったのだ。関係が変わってしまうことも、そうなって横に居てくれるとは限らないと考えることも。

いつからだろうか 近くに居てこんなに愛おしいと思えるようになったのは、こんなに傍にいてほしいと思ったのは。

握った手に力が籠る。せめて今だけは、つないだ手の感触が少しでも長く残って欲しいと願うように。



83 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/09(金) 23:13:36.87 ID:V7RNIziR.net
「おい、白石、白石!ついたぞ。」

「んん・・・あ、着いたんだ・・・んー・・・」

大きく伸びをする白石。

「あれ・・・?」

「どした?」

「う、ううん。別に・・・」

起こすときに離した俺の左手を少し見た後で視線を逸らす白石。

何だこいつ・・・
クッソ可愛い・・・
写メに撮りたい。

「早くしないと電車発車しちまうから行くぞ?」

「ん・・・」

寝ぼけ眼のままフラフラと歩き出す。見るからに危なっかしい。手を伸ばせば届きそうな距離、真横に立つ。

「駅から少し歩くみたいだけど大丈夫か?」

「ん・・・だいじょぶ・・・」

やや舌足らずな様子でいう白石。歩けば元に戻るかと思いきや足取りは少しフラフラしているままだ。

階段を上る時に自然、手が伸びてしまった。今度は右手で彼女の左手をそっと握る。

払われるかと思ったが何も言わず白石は少し手に力を込めた。






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カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, すっきりした話, 純愛,
 

 
 
 
 

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