思い出話に付き合ってくれないか?
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34 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:36:00.65 ID:mR9MWEUH0.net
すると、話しながらも内心は急いでいたのか
樋口「よし描き終わった!イッチ、あと君!お先に失礼するぞwww」
と樋口が雑に道具を片付けて先に走って民宿へ向かって走り去ってしまった。
時計を見る。
俺を置いて先に帰った裏切り者はギリギリ間に合うだろうが、今から片付けて帰ってもどうせ間に合わない。
女の子と2人きりの状況を作ってくれた樋口に一周まわって感謝しつつ、時間は諦めて絵と女の子との雑談に力を入れることにした。
35 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:37:28.08 ID:mR9MWEUH0.net
女の子「あの子先帰っちゃったじゃん。君は間に合うの〜?」
俺「もう諦めたよwww どうせならもう少しゆっくりしてくよ」
女の子「暇してたから嬉しいよ〜」
36 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:37:46.40 ID:mR9MWEUH0.net
今まで急いで乱雑に描いていた絵とは別にどうせなら久々にしっかりとした絵を描いてみることにした。
普段はこんなことしないだろうが、何となく。
女の子「あら、ちゃんと描くんだ〜。ちゃんと描いたら上手いんじゃないの?」
俺「サボり部員だけど絵が苦手な訳じゃないからなwww 君より上手いかもね。」
と冗談を言い、絵を再び描き始めた。
37 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:38:23.11 ID:mR9MWEUH0.net
君より上手いかもと言う表現を冗談にしたのは言うまでもなく、この女の子の絵には目を見張るような魅力で溢れていたから。
絵の具をちょこんとつけ、筆で慣らすだけで いつの間にか立派な夕焼け空を描いてしまう女の子の技術は、まるで魔法のようだった。
絵を描くのが好きだった訳では無いが、小さい頃から絵の上手さにはかなり自信があった俺が今までサボらず必死に描いてもここまで魅力的な絵は描けないだろう。
38 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:40:47.27 ID:mR9MWEUH0.net
もし俺が絵を描くのが好きだったとしたら、この女の子の絵と実力に嫉妬していただろう。
だが、負けず嫌いな俺はこの子より上手に描いてやろうと思った。(サボり部員にそんなこと出来るわけないが。)
俺「どうせなら、君より上手に描くから。勝負しようよ。」
女の子「いいね〜。そういうの好きだよ?負けるつもりはないからね〜!」
39 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:06.19 ID:mR9MWEUH0.net
女の子も俺と同じく負けず嫌いだったらしい。
それから20分も30分も俺たちは無言で絵を描き続けた。
辺りが暗くなり、空がオレンジと紫で覆われる頃、完成したお互いの絵を見せあった。
40 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:25.56 ID:mR9MWEUH0.net
勝負はやっぱり完敗だった。
久々に本気で絵を描いたものの、自身はかなりあった。自分で言うのもアレだが、この俺の絵も他人に見せたらかなりの評価を貰えると思った。
だが完敗。
だが1番驚いたことは、俺の制服が絵の具で少し汚れていたこと。
今まで真面目に絵を描くことなんてほぼなかったから、服の汚れも気にしないほど集中して絵を描いたというのは新鮮だった。
41 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:57.13 ID:mR9MWEUH0.net
女の子「これは私の勝ちかな〜!」
俺「認めたくないけど俺の負けだな。もう1回やらないか?」と俺がムキになったところで、
女の子「時間見てみなよ〜!そろそろ戻らないと叱られるよ〜?」
俺顔面真っ青。冷や汗ダラダラ。
民宿への集合時間30分以上過ぎてたwww。
42 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:42:25.71 ID:mR9MWEUH0.net
俺「嘘だろやばいぞwwwwwwそろそろ戻らなきゃな!」
と、さっきの裏切り者のように雑に道具を片付けて足早に去ろうとした。
俺は絵を描いてる途中の雑談で、この女の子がよくここで絵を描いてること、小さい頃から絵が好きだということ、俺の1つ年下の高校一年生だということを知った。でも肝心なことをまだ聞いていない。
43 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:42:59.06 ID:mR9MWEUH0.net
俺「君、名前はなんて言うの?」
走りながら女の子に聞いた。一昔前のナンパのセリフみたいで少し緊張した。
美凪「ミナギ!美しいに凪で!ミナギ!」
美凪は走る俺に大声で叫んだ。
前に見た恋愛小説でこんなシーンあったっけ?
やっぱり青春してるな〜とか思いながら。
44 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:43:40.17 ID:mR9MWEUH0.net
俺「俺の名前はイッチだから!」
と俺も走りながら。
まさか俺の人生でこんな少女漫画みたいな自己紹介があるとは。と、クスッと笑ってしまった。
45 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:46:19.48 ID:mR9MWEUH0.net
休憩挟みながら
こんな感じでぼちぼち続けます。
完結は絶対させるので。
51 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:29:59.66 ID:mR9MWEUH0.net
民宿に帰ると、ミーティングはとっくに終わっており夕食の準備が始まっていた。
大急ぎでみんなの元へ駆け寄る。
樋口「遅すぎござるよwww先生には何とか誤魔化しておいたぞwww」
裏切り者なんて言ってごめんよ。こいつは神様か。一生の友になるだろう。
樋口のおかげで少し注意されるだけで済んだから、樋口には後でジュースを奢ってやろう。
52 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:30:23.37 ID:mR9MWEUH0.net
そして夕食と風呂を済ませ部屋で自由時間。
ちなみに、イチモツが一番デカかったのは樋口。
器もイチモツも大きいなんて大した漢だ。
そして部屋は俺と樋口と佐野と吉田の4人。
吉田「先帰っとけって言ってたのに遅すぎwww」
佐野「樋口から事情は聞いたけど、なんでそんな遅れたんだよ?」
吉田はテレビのリモコン弄りながら、吉田はトランプをシャッフルしながら俺に聞いてきた。
53 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:31:09.91 ID:mR9MWEUH0.net
この2人もなかなか癖が強い。
吉田は美術部のくせに合宿にギター持ってきて、バスで弾いてるようなやつ。ギターは上手いのに髪型は坊主。まるで修行僧みたいだ。
佐野はバスの窓に持参の風鈴を付け、バケツに氷水張って部屋でキュウリ冷やしてるようなやつ。憎めないバカって感じか。勉強は出来るインテリメガネだけど。
54 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:33:33.31 ID:mR9MWEUH0.net
そして俺は樋口にドヤ顔をかましながら
俺「あの子と2人で真面目に絵を描いたんだよ」
と言う。樋口、悔しそうな顔しててワロタw
吉田「やっぱり女かよ〜www 俺らも呼べってwww」
佐野「イッチにもついに恋がやってきたか!www」
俺「そんなんじゃねえよバカwww」
吉田、佐野、お前ら彼女いるからって調子乗んなよ、とか思いながら楽しく話してた。
55 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:34:26.13 ID:mR9MWEUH0.net
部屋での会話で、美凪という名前は意図的に使わなかったのは今でも鮮明に覚えている。まだ名前を知っているのは自分だけという優越感に浸っていたかった。
樋口「女の子と一緒とはいえ、イッチが真面目に絵を描くなんていつぶりでござるかwww」
俺「うるせえ、そんな気分の時もあるだろw」
56 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:35:08.19 ID:mR9MWEUH0.net
消灯後は布団を囲んで定番の恋バナ。やっぱり恋バナはいつになっても楽しいもんだよね。
クラスや美術部の可愛い子の話、太ももがエロい子ランキング、などくだらん話をしているうちに皆爆睡。
やっぱり吉田と佐野は2人揃って、俺の彼女が一番だろ!とか言ってて羨ましかったな。
59 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:36:28.01 ID:mR9MWEUH0.net
そして、翌朝のミーティングでは、なんと昨日の俺の絵がめちゃくちゃ褒められた。
中嶋先生「イッチは真面目に描けば上手いんだからさぁwww」と苦笑。
でも俺は、この絵より何倍も魅力的な絵を昨日見ている。美術部に入ってから初めて、悔しさというか劣等感というか、そんな気持ちを感じた。
2日目も勿論サボるんだけど、やっぱり
昨日の事が気にかかることが多かった。
60 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:37:05.32 ID:mR9MWEUH0.net
避暑地と言えど真夏の正午にもなるとさすがに暑かった。
午後には繁華街から離れ、峠道の下の方にある田園風景を樋口と眺めていた。
近くの民家の縁側の方からチリンチリンと風鈴の音が聞こえたり、少し遠くの大きい家でビニールプールに水を張って遊ぶ子供たちも見えた。
子供と一緒にはしゃぐ大人もいて、やっぱりみんな夏が好きなんだなぁと思った。
61 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:38:38.60 ID:mR9MWEUH0.net
俺「俺らの地元よりも夏って感じだよな」
樋口「当たり前ぞwww こんな風景ここでしか見れぬwww」
俺「絵を描くにはもってこいだよなwww」
樋口「イッチが絵の話www昨日からどうしたでござるwww」
俺「ちょっとは、描いてみようかなぁ」
62 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:39:38.43 ID:mR9MWEUH0.net
そんなことを言いながら、絵を描いてみることに。俺が自主的に絵を描くなんて珍しいと思ったのか、樋口は俺をジロジロ見ていた。
だが数分もすると、樋口も俺に釣られたのか黙って絵を描き始めた。
俺「なぁ、どっちが上手いか勝負しようぜ」
樋口「勝てるわけなかろうwww イッチは真面目に描けば上手いんだからなwww」
63 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:40:36.97 ID:JiOzv6Szd.net
おもしろい。描写上手いなー。続き楽しみにしてる!
65 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:41:43.04 ID:mR9MWEUH0.net
>>63
ありがとう。ただの思い出話とはいえ、励みになりますm(_ _)m
64 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:40:47.38 ID:mR9MWEUH0.net
数分して早速絵に飽きたのか、樋口が筆をクルクル回しながら笑う。何とか説得し絵を描かせたが。
そして完成した絵を見せ合うと、やっぱり俺の方が上手い。
自慢ではないが昔から才能はそこそこあったんだと思う。
樋口「やっぱイッチ上手いwww 真面目に描いてればコンクールも取れるってwww」
俺「別に絵、好きじゃないしよwww」
樋口「じゃあなんで今描いたでござるかwww あ、昨日最後まで描くの忘れてたからだなwww」
俺「ま、そんなところだな」
66 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:42:37.68 ID:mR9MWEUH0.net
本当はちょっと違ったけど。昨日、美凪に負けたのはやっぱり悔しかったから描いたんだよな。
失礼だが、美術部のくせに素人同然の樋口の絵を見てるとより美凪の絵には魅力を感じた。
そしてこの次に俺がやることは決まっていた。
樋口も察していたのか、
樋口「俺はあいつらと遊んできますかね〜www」
とか言って、ぶらぶらと歩いていった。
すると、話しながらも内心は急いでいたのか
樋口「よし描き終わった!イッチ、あと君!お先に失礼するぞwww」
と樋口が雑に道具を片付けて先に走って民宿へ向かって走り去ってしまった。
時計を見る。
俺を置いて先に帰った裏切り者はギリギリ間に合うだろうが、今から片付けて帰ってもどうせ間に合わない。
女の子と2人きりの状況を作ってくれた樋口に一周まわって感謝しつつ、時間は諦めて絵と女の子との雑談に力を入れることにした。
35 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:37:28.08 ID:mR9MWEUH0.net
女の子「あの子先帰っちゃったじゃん。君は間に合うの〜?」
俺「もう諦めたよwww どうせならもう少しゆっくりしてくよ」
女の子「暇してたから嬉しいよ〜」
36 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:37:46.40 ID:mR9MWEUH0.net
今まで急いで乱雑に描いていた絵とは別にどうせなら久々にしっかりとした絵を描いてみることにした。
普段はこんなことしないだろうが、何となく。
女の子「あら、ちゃんと描くんだ〜。ちゃんと描いたら上手いんじゃないの?」
俺「サボり部員だけど絵が苦手な訳じゃないからなwww 君より上手いかもね。」
と冗談を言い、絵を再び描き始めた。
37 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:38:23.11 ID:mR9MWEUH0.net
君より上手いかもと言う表現を冗談にしたのは言うまでもなく、この女の子の絵には目を見張るような魅力で溢れていたから。
絵の具をちょこんとつけ、筆で慣らすだけで いつの間にか立派な夕焼け空を描いてしまう女の子の技術は、まるで魔法のようだった。
絵を描くのが好きだった訳では無いが、小さい頃から絵の上手さにはかなり自信があった俺が今までサボらず必死に描いてもここまで魅力的な絵は描けないだろう。
38 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:40:47.27 ID:mR9MWEUH0.net
もし俺が絵を描くのが好きだったとしたら、この女の子の絵と実力に嫉妬していただろう。
だが、負けず嫌いな俺はこの子より上手に描いてやろうと思った。(サボり部員にそんなこと出来るわけないが。)
俺「どうせなら、君より上手に描くから。勝負しようよ。」
女の子「いいね〜。そういうの好きだよ?負けるつもりはないからね〜!」
39 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:06.19 ID:mR9MWEUH0.net
女の子も俺と同じく負けず嫌いだったらしい。
それから20分も30分も俺たちは無言で絵を描き続けた。
辺りが暗くなり、空がオレンジと紫で覆われる頃、完成したお互いの絵を見せあった。
40 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:25.56 ID:mR9MWEUH0.net
勝負はやっぱり完敗だった。
久々に本気で絵を描いたものの、自身はかなりあった。自分で言うのもアレだが、この俺の絵も他人に見せたらかなりの評価を貰えると思った。
だが完敗。
だが1番驚いたことは、俺の制服が絵の具で少し汚れていたこと。
今まで真面目に絵を描くことなんてほぼなかったから、服の汚れも気にしないほど集中して絵を描いたというのは新鮮だった。
41 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:57.13 ID:mR9MWEUH0.net
女の子「これは私の勝ちかな〜!」
俺「認めたくないけど俺の負けだな。もう1回やらないか?」と俺がムキになったところで、
女の子「時間見てみなよ〜!そろそろ戻らないと叱られるよ〜?」
俺顔面真っ青。冷や汗ダラダラ。
民宿への集合時間30分以上過ぎてたwww。
42 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:42:25.71 ID:mR9MWEUH0.net
俺「嘘だろやばいぞwwwwwwそろそろ戻らなきゃな!」
と、さっきの裏切り者のように雑に道具を片付けて足早に去ろうとした。
俺は絵を描いてる途中の雑談で、この女の子がよくここで絵を描いてること、小さい頃から絵が好きだということ、俺の1つ年下の高校一年生だということを知った。でも肝心なことをまだ聞いていない。
43 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:42:59.06 ID:mR9MWEUH0.net
俺「君、名前はなんて言うの?」
走りながら女の子に聞いた。一昔前のナンパのセリフみたいで少し緊張した。
美凪「ミナギ!美しいに凪で!ミナギ!」
美凪は走る俺に大声で叫んだ。
前に見た恋愛小説でこんなシーンあったっけ?
やっぱり青春してるな〜とか思いながら。
44 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:43:40.17 ID:mR9MWEUH0.net
俺「俺の名前はイッチだから!」
と俺も走りながら。
まさか俺の人生でこんな少女漫画みたいな自己紹介があるとは。と、クスッと笑ってしまった。
45 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:46:19.48 ID:mR9MWEUH0.net
休憩挟みながら
こんな感じでぼちぼち続けます。
完結は絶対させるので。
51 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:29:59.66 ID:mR9MWEUH0.net
民宿に帰ると、ミーティングはとっくに終わっており夕食の準備が始まっていた。
大急ぎでみんなの元へ駆け寄る。
樋口「遅すぎござるよwww先生には何とか誤魔化しておいたぞwww」
裏切り者なんて言ってごめんよ。こいつは神様か。一生の友になるだろう。
樋口のおかげで少し注意されるだけで済んだから、樋口には後でジュースを奢ってやろう。
52 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:30:23.37 ID:mR9MWEUH0.net
そして夕食と風呂を済ませ部屋で自由時間。
ちなみに、イチモツが一番デカかったのは樋口。
器もイチモツも大きいなんて大した漢だ。
そして部屋は俺と樋口と佐野と吉田の4人。
吉田「先帰っとけって言ってたのに遅すぎwww」
佐野「樋口から事情は聞いたけど、なんでそんな遅れたんだよ?」
吉田はテレビのリモコン弄りながら、吉田はトランプをシャッフルしながら俺に聞いてきた。
53 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:31:09.91 ID:mR9MWEUH0.net
この2人もなかなか癖が強い。
吉田は美術部のくせに合宿にギター持ってきて、バスで弾いてるようなやつ。ギターは上手いのに髪型は坊主。まるで修行僧みたいだ。
佐野はバスの窓に持参の風鈴を付け、バケツに氷水張って部屋でキュウリ冷やしてるようなやつ。憎めないバカって感じか。勉強は出来るインテリメガネだけど。
54 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:33:33.31 ID:mR9MWEUH0.net
そして俺は樋口にドヤ顔をかましながら
俺「あの子と2人で真面目に絵を描いたんだよ」
と言う。樋口、悔しそうな顔しててワロタw
吉田「やっぱり女かよ〜www 俺らも呼べってwww」
佐野「イッチにもついに恋がやってきたか!www」
俺「そんなんじゃねえよバカwww」
吉田、佐野、お前ら彼女いるからって調子乗んなよ、とか思いながら楽しく話してた。
55 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:34:26.13 ID:mR9MWEUH0.net
部屋での会話で、美凪という名前は意図的に使わなかったのは今でも鮮明に覚えている。まだ名前を知っているのは自分だけという優越感に浸っていたかった。
樋口「女の子と一緒とはいえ、イッチが真面目に絵を描くなんていつぶりでござるかwww」
俺「うるせえ、そんな気分の時もあるだろw」
56 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:35:08.19 ID:mR9MWEUH0.net
消灯後は布団を囲んで定番の恋バナ。やっぱり恋バナはいつになっても楽しいもんだよね。
クラスや美術部の可愛い子の話、太ももがエロい子ランキング、などくだらん話をしているうちに皆爆睡。
やっぱり吉田と佐野は2人揃って、俺の彼女が一番だろ!とか言ってて羨ましかったな。
59 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:36:28.01 ID:mR9MWEUH0.net
そして、翌朝のミーティングでは、なんと昨日の俺の絵がめちゃくちゃ褒められた。
中嶋先生「イッチは真面目に描けば上手いんだからさぁwww」と苦笑。
でも俺は、この絵より何倍も魅力的な絵を昨日見ている。美術部に入ってから初めて、悔しさというか劣等感というか、そんな気持ちを感じた。
2日目も勿論サボるんだけど、やっぱり
昨日の事が気にかかることが多かった。
60 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:37:05.32 ID:mR9MWEUH0.net
避暑地と言えど真夏の正午にもなるとさすがに暑かった。
午後には繁華街から離れ、峠道の下の方にある田園風景を樋口と眺めていた。
近くの民家の縁側の方からチリンチリンと風鈴の音が聞こえたり、少し遠くの大きい家でビニールプールに水を張って遊ぶ子供たちも見えた。
子供と一緒にはしゃぐ大人もいて、やっぱりみんな夏が好きなんだなぁと思った。
61 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:38:38.60 ID:mR9MWEUH0.net
俺「俺らの地元よりも夏って感じだよな」
樋口「当たり前ぞwww こんな風景ここでしか見れぬwww」
俺「絵を描くにはもってこいだよなwww」
樋口「イッチが絵の話www昨日からどうしたでござるwww」
俺「ちょっとは、描いてみようかなぁ」
62 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:39:38.43 ID:mR9MWEUH0.net
そんなことを言いながら、絵を描いてみることに。俺が自主的に絵を描くなんて珍しいと思ったのか、樋口は俺をジロジロ見ていた。
だが数分もすると、樋口も俺に釣られたのか黙って絵を描き始めた。
俺「なぁ、どっちが上手いか勝負しようぜ」
樋口「勝てるわけなかろうwww イッチは真面目に描けば上手いんだからなwww」
63 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:40:36.97 ID:JiOzv6Szd.net
おもしろい。描写上手いなー。続き楽しみにしてる!
65 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:41:43.04 ID:mR9MWEUH0.net
>>63
ありがとう。ただの思い出話とはいえ、励みになりますm(_ _)m
64 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:40:47.38 ID:mR9MWEUH0.net
数分して早速絵に飽きたのか、樋口が筆をクルクル回しながら笑う。何とか説得し絵を描かせたが。
そして完成した絵を見せ合うと、やっぱり俺の方が上手い。
自慢ではないが昔から才能はそこそこあったんだと思う。
樋口「やっぱイッチ上手いwww 真面目に描いてればコンクールも取れるってwww」
俺「別に絵、好きじゃないしよwww」
樋口「じゃあなんで今描いたでござるかwww あ、昨日最後まで描くの忘れてたからだなwww」
俺「ま、そんなところだな」
66 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:42:37.68 ID:mR9MWEUH0.net
本当はちょっと違ったけど。昨日、美凪に負けたのはやっぱり悔しかったから描いたんだよな。
失礼だが、美術部のくせに素人同然の樋口の絵を見てるとより美凪の絵には魅力を感じた。
そしてこの次に俺がやることは決まっていた。
樋口も察していたのか、
樋口「俺はあいつらと遊んできますかね〜www」
とか言って、ぶらぶらと歩いていった。
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