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ぐるぐる回り続ける女

 

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115 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:56:48.04 ID:JkKQwpE00.net
終電で帰るのが遅くなった。

職場の飲み会に付き合わされ、気づけば午前0時を回っていた。

タクシーを使うほど遠くはないし、まあ歩いて帰れる距離だ。

下町の静まり返った路地を、一人でとぼとぼと歩く。

 夜の街は、昼間とは違う顔を見せる。

 人気のない通り。

バーの看板はすでに消え、シャッターが閉じた店ばかりが並んでいた。

酔っ払いすら見当たらない。ほろ酔いの体に、冷たい夜風が心地いい。


 ……その時だった。

 前方、歩道と車道の間に設置された石の車止め。

その一本の周囲を、誰かがぐるぐると回っているのが見えた。

 女だった。



116 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:57:18.32 ID:JkKQwpE00.net
 街灯に照らされたその女は、うつむいたまま片手を車止めにつき、円を描くようにゆっくりと回っている。

酔っ払いかと思ったが、妙に規則的な動きが気になった。

 ぐる……ぐる……

 歩く速度は一定で、まるで何かに取り憑かれたかのように、彼女はその場を回り続けている。

足元は不自然に揃っていて、スカートの裾がゆらりと揺れる。

 妙な胸騒ぎがした。

 こういう時は、関わらずに通り過ぎるのが一番だ。

だが、どうしても気になってしまった。

こんな時間に、こんな場所で、なぜ?

 俺は足を止め、そっと顔を上げた。

 ちょうどその時——

 女が、ぴたりと動きを止めた。






117 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:57:46.43 ID:JkKQwpE00.net
それまで規則的に回り続けていたのに、まるで俺の視線に気づいたかのように。

 そして、ゆっくりと顔を上げ——俺と目が合った。

 その顔は……

 ——無かった。

 厳密に言えば、「見えなかった」。

 街灯に照らされているはずなのに、顔の部分だけが妙に暗く、影のようになっていた。

目鼻立ちがあるはずなのに、そこだけが闇に塗りつぶされたように、ぽっかりと黒く空いている。

 俺は心臓が跳ね上がるのを感じた。

 何かがおかしい。

これは酔っ払いじゃない。人間じゃない。



118 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:58:11.93 ID:JkKQwpE00.net
ガクン。

 女の身体が揺れた。

 まるで糸が切れた人形のように、ガクリと膝を折り、地面に崩れ落ちそうになる。

しかし、次の瞬間、今度はスッとまっすぐに立ち直った。

 ——まるで、リセットされたかのように。

 そしてまた、何事もなかったかのように、ぐるぐると回り始める。

 ぐる……ぐる……

 俺はその場から逃げ出した。






119 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:58:39.81 ID:JkKQwpE00.net
翌日、職場の同僚に昨夜の出来事を話した。

「え、それって……○○通りのバーの前?」

 何気なく聞かれ、俺は驚いた。

「なんで知ってる?」

「あそこ、昔から変な噂あるよ。何年か前、閉店したバーの女店主が、酒に酔って車道に飛び出して、トラックに轢かれたらしい。そのまま即死でさ……。

で、事故の直後、店の前にあった車止めの周りを、ぐるぐる回る『影』が目撃されたって話。」

「影……?」

「そう。なんか、顔がよく見えない女が、延々と同じ場所を回ってるって。」

 背筋が凍った。

 あの女……やっぱり、人間じゃなかったのか?



120 :本当にあった怖い名無し:2025/02/13(木) 22:59:02.15 ID:JkKQwpE00.net
「でさ……、その影を見た奴って、何日か後に——」

 「同僚が言いかけた時、俺のスマホが振動した。

 ブル……ブル……ブル……

 画面を見ると、アパートの防犯カメラアプリの通知だった。

 『玄関前に動体を検知しました』

 アプリを開くと、エントランスには誰もいない。

 だが——

 モニターには、薄暗い影がぼんやりと映っていた。





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カテゴリー:不思議・怖い話  |  タグ:オカルト・ホラー,
 

 
 
 
 

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