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廃村に肝試しに行った
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21 :本当にあった怖い名無し:2025/02/06(木) 22:00:32.23 ID:p6qM8Jsa0.net
>>15
私が中学生の頃の話です。
当時、私はアヤとミホという親友がいて、三人でよく遊んでいました。
その日は夏休みの終わり頃で、ちょっとした探検気分で田舎の山奥にある廃村へ行くことにしました。
その村は、私たちの町から車で1時間ほど山を登った場所にあるらしく、かつては人が住んでいたものの、ある日を境に忽然と消えた……という噂がありました。
ネットで調べても情報は ほとんどなく、学校の先生や地元の大人たちに聞いても、みんな一様に「そんな場所は知らない」と言うばかり。
でも、どこか不自然な反応だったんです。
まるで、意図的に その話題を避けようとしているような……。
唯一、ミホのおじいちゃんだけは「ああ……あそこは行かんほうがええ」と口を噤んでしまいました。
それ以上は何を聞いても教えてくれず、その反応が逆に私たちの好奇心を刺激したのです。
私たちは地図を頼りに、その廃村へ向かうことにしました。
22 :本当にあった怖い名無し:2025/02/06(木) 22:00:46.73 ID:p6qM8Jsa0.net
>>16
自転車で山道を登り、途中からは徒歩で進みました。
舗装されていない山道は鬱蒼とした木々に覆われ、誰も通っていないことが一目でわかるほど荒れ果てていました。
道の脇には、昔は何かの標識があったらしき朽ちた木の板が立っていましたが、何も書かれていません。
しばらく進むと、確かに そこには村がありました。
といっても、もうほとんど崩れかけた木造の家々が並んでいるだけ。
畑だったらしき場所は草ぼうぼうで、井戸もあったけど、覗き込んでも真っ暗で底が見えませんでした。
「……本当に廃墟だね」
アヤが興味深そうに家の中を覗き込みながら言いました。
「……でも、なんかおかしくない?」
ミホの言葉に私も家の中を見てみました。
すると、確かに最近まで人がいたような雰囲気がありました。
台所には錆びついた鍋や食器が そのまま残っていて、畳の上には古びた座布団がきちんと並べられていました。
しかし、それらには分厚い埃が積もっているのに、妙に整頓されていたのです。
23 :本当にあった怖い名無し:2025/02/06(木) 22:01:30.11 ID:p6qM8Jsa0.net
「つい最近まで誰かがいたみたいなのに……時間が止まってるみたい」
そんな違和感を抱いていた時でした。
——ギィ……。
遠くの家の扉が、わずかに開いたように見えました。
「ねえ……今、動いたよね?」
ミホが小声で言い、私とアヤも息を呑みました。
風で動いたのかとも思いましたが、この村には ほとんど風が吹いていません。
むしろ、やけに静かすぎるほどでした。
「……とりあえず、行ってみようか?」
アヤの提案で、三人はそろりそろりとその家に近づいていきました。
玄関の戸は古びていて、少し開いていました。
誰かがいたのかもしれないと思い、私は思い切って中を覗き込みました。
——そこには、何もいませんでした。
「……やっぱり、ただの廃屋じゃん」
24 :本当にあった怖い名無し:2025/02/06(木) 22:01:58.91 ID:p6qM8Jsa0.net
そう思って安心しかけた瞬間、——トン……トン……トン……。
背後の家から、何かが階段を降りてくる音が聞こえました。
「……え?」
振り向いた瞬間、私は全身の毛が逆立つような感覚に襲われました。
家の窓越しに、誰かがこっちを覗いている。
目だけが、じっと、こちらを見ていました。
「……逃げよう!!」
私はアヤとミホの手を引き、全力で駆け出しました。
家々の間を抜け、来た道を一気に駆け下りる。
息が切れ、足がもつれそうになりながらも、とにかく全速力で走りました。
その時、耳元でかすかに、
——ま だ か え る な 。
25 :本当にあった怖い名無し:2025/02/06(木) 22:02:14.06 ID:p6qM8Jsa0.net
そんな声が聞こえた気がしました。
ようやく元の道に戻り、振り返ると——
村が、無くなっていました。
さっきまで確かにあったはずの家々が、跡形もなく消えている。
「そんな……嘘でしょ……?」
ミホが震える声で言いました。
「見間違いじゃ……ないよね?」
アヤも息を荒げながら呟く。
私は何も答えられませんでした。
あの村は確かにあった。
私たちはあそこで、不気味な何かを見た。
でも——今はもう、どこにもない。
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